こちらは東京駅八重洲口、新幹線側の駅舎です。
2024年春の北陸新幹線敦賀延伸を前に、現在は東京駅から鉄道一本で行けない福井駅を目指します。
東京から福井までの主要な鉄道ルートは、2つあります。
一つは北陸新幹線で金沢駅まで行き、特急サンダーバード号等の特急に乗り換える方法。
もう一つが東海道新幹線ひかり号で米原駅まで行き、特急しらさぎ号に乗り換える方法です。
今回は残り半年を切った、北陸新幹線ルートをチョイス。金沢駅からは1日2往復だけ運行している、中々乗る機会が無い特急に乗り換えてみました。
早速 JR東日本の新幹線改札へ。
18:24発の北陸新幹線かがやき515号金沢行きに乗車します。
金曜日の夜ということもあって、全車指定席かがやき号はほぼ満席。なんとか窓側A席のキャンセルを拾いました。
ちなみに東海道新幹線ルートの場合、18:33発ひかり657号新大阪行きに乗車することとなります。
どっちの方が早く福井駅に着けるか、その比較もしてみましょう。
停車駅はかなり絞られており、上野・大宮・長野・富山・金沢です。
今回はJR東日本のE7系新幹線が充当されていました。
発車5分前まで清掃が行われており、ドアが開くのは直前という慌ただしさ。
まもなく「敦賀」の文字を見られるようになる、薄紫色のLED表示幕、北陸新幹線へ乗車です。
18:24 東京駅 発
車内ではまだ座席を探している方も行き交う中、東京駅を出発しました。
向こうには福井までの競争相手、東海道新幹線もいます。
パッチワークのように企業名の輝く、ヨドバシAkibaの横を通過。電気の街から地下へと潜っていきます。
東京から北への玄関口、上野駅に到着しました。
お客さんがいない東京行きのホームを眺めていると…
復刻塗装のE2系新幹線が現れました!
東北新幹線開業時に走っていた、200系新幹線を再現したものです。
山形新幹線つばさ号のE3系新幹線が連結していました。もうすぐ新型車両E8系新幹線がデビューし、新しいつばさ号が誕生します。
高架へ登るとはっきりは見られませんが、車両センターが広がっています。
その向こう側にはマンションが林立しており、東海道新幹線より距離感がある郊外夜景です。
多摩川を渡って東京都から埼玉県へ。埼京線とピッタリ並走します。
上野〜大宮は最高速度が130km/hに制限されており、在来線特急とあまり変わらない走り。新幹線建設時に騒音に関する反対運動があったため、スピードを抑える必要が生まれています。
全ての新幹線が停車する、日本を代表するターミナル駅、大宮駅に到着しました。
こちらからの利用者も非常に多く、ほぼ満席の状態となりました。
大宮駅からは東北新幹線が分岐し、E7/W7系新幹線以外のカラフルな新幹線からお別れです。
2023年春のダイヤ改正で、上越新幹線大宮〜新潟の最高速度が275km/hに引き上げられました。
そのおかげて北陸新幹線も高崎まで275km/hで走れるようになり、遠慮なくトップスピードで北関東を駆け抜けていきます。
今回チョイスした北陸新幹線ルート、登場から8年ですがやっぱり綺麗で快適です。
東海道新幹線ではN700Sを狙わないといけない一方、北陸新幹線ならどの列車でも全席コンセントが備わっています。
また、東海道新幹線では普通車から廃止されてしまった車内販売ですが、北陸新幹線なら存続しています。
車内でシンカンセンスゴクカタイアイスを味わうことも!
上越新幹線と北陸新幹線が分岐するターミナル、高崎駅を通過しました。
かがやき号は長距離への都市間需要がメインとなっており、高崎駅には停まりません。
上越新幹線から北陸新幹線に入り、ここからは最高速度260km/hです。
新幹線の秘境駅と言われる安中榛名駅を通過し、長野県への県境を越えます。
東京駅で買ってきました、駅弁をいただきましょう。
「特撰かにめし」と東京クラフトをチョイス。せっかく福井へ行くので、ここで食を堪能します。
蟹の形をした容器に詰められ、お箸は伸ばすタイプです。
蓋を開けるとキラキラ輝く海の幸。その見た目から楽しませてくれる、弾けそうな美しさがあります。
中でもやっぱり一番は、紅ずわいがに。
仄かな香りと共に身がほどけ、蟹ならではの繊細な美味しさです。
合わない訳が無い、かに味噌と蟹。
しとーっと滑らかな舌触りに、独特な香りが口いっぱい広がります。
爽やかな柑橘のビールで流し込み、夜の新幹線でかなりの楽しみを占めるものです。
長野県内の駅を次々と通過、上田駅を過ぎると車内からでも上田城を見られ、かなり驚かされました。
てっきり駅から離れていると思ってたんですが、ライトアップも綺麗だったのでぜひ注目を。
日本最長の千曲川を渡る辺りで、まもなく長野駅に到着です。
19:44 長野駅 着
ここでJR東日本からJR西日本の方へ、乗務員さんが交代されます。
本当の会社境界駅はこの先の上越妙高駅なのですが、かがやき号が停車しないため、ここでの交代になっているのです。
しなの鉄道北信濃線としばらく並行し、右手には長野車両基地が広がっています。首都圏で役割を終えた車両たちがここに集められたりと、鉄道車両の墓場と言われたりも。
しばらくすると田んぼの中へ突入、善光寺平の名を持つ長野盆地の光が、一面の雲を照らしています。
上越妙高駅を通過しまして、JR東日本からJR西日本エリアに入りました。
ちょうどこの辺りでワゴンの方が戻っていらっしゃったので、アイスを買いたい方はこのあたりが目安かも。
いよいよ北陸へ突入しようというところで、炭酸水を飲みつつの作業。
SUIと言っているくらいなので、酔いも覚めるでしょう…?
親不知の峠を越えて、新潟県から富山県に入りました。
日本一長い新幹線の駅名、黒部宇奈月温泉駅を通過します。2024年延伸区間も含め、北陸新幹線には沢山の温泉駅ができることに。
この辺りで三河安城駅的な、もうすぐ富山駅に到着しますよの放送が流れました。
JRのディーゼル車両が眠る、車両基地の近くを通過します。富山に残った唯一の特急ひだ号、HC85系もここでお休みしているはずです。
東京駅から2時間ちょっとで、富山駅に到着しました。
ホーム上から木が生えてきて屋根を支えているような、素敵なデザインです。
富山駅を出るとすぐに神通川を渡り、富山の平野部を駆け抜けます。
新高岡駅を通過、開業直後は一往復かがやき号が停車していましたが、2017年12月からは祝日のみの停車になりました。
現在でも臨時かがやき539・540号のみが停まっています。
倶利伽羅峠を越えて、金沢市街へ。まもなく北陸本線から姿を消す特急車両もいました。
のれんホームが華やかに彩る在来線ホームを横目に、終点の金沢駅に到着です。
20:53 金沢駅 着
こちらは折り返しはくたか590号長野行きに。
金沢から東京への最終新幹線は21:03発で、まだこの時間からでも帰れちゃいます。
駅名標も交換されまして、「こまつ」が浮かんでいました。
半年後にはこちらも剥がされて、遂に北陸新幹線はこの先まで到達します。
エスカレーターはお客さんで大渋滞。旅行需要も完全に復活してきて、金沢はやっぱり人気です。
金沢から福井へ行くべく、北陸新幹線から北陸本線の特急列車へ。
コンコースへ降りると乗り換え改札口があって、そのまま乗り換えることができます。
2024年春の北陸新幹線敦賀延伸によって、金沢から西側の北陸本線は廃止。IRいしかわ鉄道へ移管されます。
そのため「北陸線・七尾線」はシールになっており、おそらく下には「七尾線」だけが書かれているのでしょう。
乗り換え改札正面には在来線の発車標があります。
特急しらさぎ号、特急サンダーバード号は終電が終わっており、乗り継ぐのは特急ダイナスター2号です。
北陸新幹線開業以前、東京から北陸へのメインルートは、越後湯沢駅で特急はくたか号へ乗り換えるものでした。
1往復だけ福井駅まで延長運転していたのですが、それを代替するべく2015年春に新設されたのが、特急ダイナスター号です。
朝夕合わせて2往復だけの運行で、中々乗車する機会がありませんでした。
2024年春のダイヤ改正でこれも廃止されるため、指定席を購入しました。
次の特急おやすみエクスプレス敦賀行きは通勤特急の部類で、平日のみの運行です。その後に特急ダイナスター4号福井行きが設定されており、北陸新幹線かがやき517号から接続しています。
特急しらさぎ号の681系電車が充当されており、列車は6両編成です。
サンダーバードに乗るぞおと酔っぱらいさん方が発車標を見て、ダイナスターだこれぇ!と叫んでいたのがまた愉快。
1日4回しか見られない「ダイナスター福井」の表示。3号車指定席に乗り込みます。
車内表示器でもダイナスターの表示が流れています。
福井県のシンボルとも言える「恐竜(ダイナソー)」から、命名された列車です。
21:08 金沢駅 発
指定席はガラガラの状態で、金沢駅を出発しました。
特急しらさぎ号と同じ車両なので、座席は特に変わらず。
コンセントはどの座席にも付いていません。
次の停車駅は小松駅です。こちらには北陸新幹線の駅が設置されます。
ここまでずっと並走してきた高架橋が離れ、一旦北陸本線からお別れ。
再び近づいてきて新幹線駅も設置される、加賀温泉駅に到着です。
ここで普通列車福井行きに接続します。
福井県に入り、芦原温泉駅から先で踏切の安全確認を行っているため、スピードを落としてきました。
こちらも新幹線駅ができる、芦原温泉駅に到着です。
先行する普通列車がスピードを落としているため、5分近くの停車。
この間にカラカラ音がして、何かと思ったら衝撃の雹でした。
向かいから普通列車金沢行きが到着したあたりで出発。
かなり速度を落として踏切を通過し、スピードが上がってきました。
最高速度130km/hで、回復運転に努めます。
サンダーチャイムが流れ、終点福井駅に到着です。
21:56 福井駅 着(10分遅れ)
約10分の遅れを持って、終点の福井駅に到着。
お隣には22:35発の普通列車敦賀行きが停まっています。
こちらは回送列車列車として敦賀方面へ引き上げられますが、頭上には次の特急おやすみエクスプレスが表示されていました。
また、翌日の特急しらさぎ52号まで準備済みです。
そして、向かいのホームには特急しらさぎ15号が到着です。
東京駅の発車標でご覧にいれた、ひかり657号から米原駅で接続するのが、この列車になります。
北陸新幹線ルート
かがやき515号+ダイナスター2号 3時間32分 16,440円
東海道新幹線ルート
ひかり657号+しらさぎ15号 3時間20分 15,220円
※どちらも全て指定席
ここで、北陸新幹線ルートと東海道新幹線ルートを比較。東海道新幹線ルートの方が所要時間が短く、料金も安く抑えられています。
東海道新幹線ルートの方に軍配が上がりますが、北陸新幹線敦賀延伸後は新幹線ルートの方が一気に速くなります。
コンコースへ降りてきますと、乗り換え改札ができるスペース。
自動販売機や恐竜が通せんぼしてますが、後はシャッターを上げるだけに見えます。
北陸新幹線の終点が金沢駅である、現状ならではの乗り継ぎ。
東京駅から一本で行けるようになる前、本数の少ない特急も利用した福井駅までの様子をお届けしました。
今回もご覧いただき、ありかとうございました。
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