福岡空港へのアクセス鉄道も兼ねる、福岡市営地下鉄空港線。
2024年秋より、空港線・箱崎線で32年ぶりの新型車両、4000系がデビューします。
近未来的なデザインで、現代のニーズに合った様々な座席を用意。
地下鉄車両とは思えない、フリースペースまで設けられました。
運行開始に先駆けて見学会が行われたため、車内の様子をご紹介します。
今回の新型車両4000系見学会は、姪浜駅で行われました。
親子連れや鉄道ファンで賑い、あっという間に用意されていた整理券が配り終わってしまうほど。
それでも混雑状況を見計らって、整理券を持っていなくても見学できる対応をしてくださいました。
高架ホームへ上がりまして、こちらが新型車両4000系です。
地下鉄はあまり車両に注目しないがちですが、見た目から全く違う、新しい車両って分かります。
1000N、2000Nに続き、32年ぶりに導入される新型車両。
1981年地下鉄開業時の1000系をリニューアルした1000N系が老朽化しており、4000系はこれを置換えます。
ちょうど1000N系と4000系が並びました。
4000系は6両18編成の計108両を製造。これは1000N系と同数で、2027年度にかけて置換えていきます。
行先表示器にはフルカラーLEDが使用されています。文字が丸っぽいのも特徴的です。
前照灯と尾灯がピッタリ隣同士。店頭部分の粒ひとつひとつが目立っています。
全面は切妻型で、完全にスパッと切られた形。
シルエットに限れば国鉄っぽいですが、クリアな見た目に近未来感があります。
車体側面は薄い水色。これまでの車両と同じ青色で統一され、福岡空港をイメージしたスカイブルーです。
6両編成で、号車番号は最初から示されています。
また、車椅子スペース周辺のドアには、ピクトグラムが示してありました。
ホームドアが設置されていますが、貫通扉付近には転落防止幌。
何に使うのかちょっと分かりませんが、ドア開閉ボタンっぽいのもここに付いていました。
4扉車両になっており、ホームドアがあっても車体色が分かりやすいです。
側面の行き先表示器についても、フルカラーLED。
日本語の下では、英→韓→英→中の順で示してありました。
それでは車内の様子を見学させていただきます。
新型車両であっても、先頭車両ドア近くのロゴマークは健在。
そのほか、「アジアのリーダー都市ふくおか!プロジェクト」のロゴも貼ってありました。
新車の冷涼感ある空気に包まれた車内。
白く明るい壁面に、寒色で統一された色合い、ガラスの多用により、爽やかで広々した印象を与えます。
正面でまず目についたのが、扉上の液晶ディスプレイ。
1+2の形で3面も受けられており、1番左は広告用スペースみたいです。
直通先のJR筑肥線含め、駅名や到着時刻予測などが示されます。
実際に自動放送も流し続けてくださっていました。
運転台後ろは、乗務員扉部分以外完全に塞がれています。
逆に乗務員扉部分は、上から下までガラスにしてくださっています。
小さいお子さんでも、前面展望を楽しめるのが良いですね。
ご覧の通り、しっかり景色を見られます。
直通先のJR筑肥線は地上を走るので、眺望面も考慮してくださったようです。
運転台の速度メーターは針式ではなく、モニターに表示する形。
展示中なので、右側には研修メニューが表示されていました。
車内には運転室内の写真が展示されていました。
続きまして座席の方へ。
座席モケットは紫に近い青色で、床面と馴染んだデザインです。
全てロングシートになっており、6人がけ。
2人ごとに手すりで分けられています。
1人あたりの座席幅は480mmで、これは通勤電車で国内最大級とのこと。
座面はしっかり固めで、最近の新型車両といった感じ。
座席端部分はアクリルによる板がついており、もたれかかれます。
空港発着の地下鉄車両ですが、荷物棚は特別大きくは感じませんでした。
棚部分は透明になっており、忘れ物しづらい仕様です。
4000系には様々な座席が採用されました。
注目したいのは、優先座席エリア。2種類の座席が設けられました。
シートモケットが黄緑色の優先席は、通常座席と同じです。
一方で黄色いのが、「立ち座りしやすいシート」。
通常座席の座面が450mmなのに対し、490mmまで上げることで、立ち座りしやすくしています。
他にも腰部分に出っ張りを設け、着席時の負担を軽減。
手すりも設けて、高齢者に優しい配慮がされています。
他にも、車椅子やベビーカースペースが設けられました。
介助者の方向けに、ヒップレストを設置。
ちなみに優先席エリアの壁は、他の白色と異なり青色です。
貫通扉は片扉で、ほとんど前面がガラス面。
衝突防止の模様が入っているものの、あまり目立たないので、注意していないとぶつかるかも…。
衝突防止の模様の中には、飛行機マークもありました。
6号車の車端部には、地下鉄車両とは思えないフリースペースが設けられました。
向かって右側には、2人掛けの座席が2つ、壁に背を向けて並びます。
左側には1人掛けの座席、こちらは窓を挟んで向かい合っている様子。
地上では玄界灘沿いを走るため、海側に大きな窓を設置。
外から見てみると、フリースペースの窓が下まで続いています。
小さなお子さんでも景色を楽しめるよう、ここにも配慮がされていました。
海側には、2方向から座れる座席が配置されました。
近鉄の新型車両8A系に設置された、「やさしば」に似ています。
こちらのフリースペースは景色を楽しめると共に、大きな荷物を持った方向けでもあります。
都市部の地下区間では、福岡空港からの旅行者。
郊外の地上区間では景色を楽しめるエリアとして、活用されることでしょう。
「国内の通勤列車で一番快適」と豪語する、福岡市営地下鉄の新型車両。
走っていないのでまだ分かりませんが、そう言われるだけの座席や車内空間だったと思います。
デビュー日は発表されていませんが、2024年秋より導入予定。2024年度中に3編成が走るそうです。
全国的に見ても非常に面白い地下鉄。ぜひ走り始めたら狙って乗ってみてください!
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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