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山陽新幹線と九州新幹線は結びつきが強く、みずほ、さくらが乗り入れて、中長距離間での輸送を担います。
その一方でつばめ号は九州新幹線内で完結しており、各駅停車型は博多駅で完全に運行が分離されています。
そんな中1日1本だけ、山陽新幹線に乗り入れた上で、本州発のつばめ号が設定されました。一体どのような運行となっているのか、実際に乗車してみます。
やって来たのは本州の果ての新幹線駅、新下関駅です。
山陽新幹線の岡山〜博多延伸開業は1975年、その当時からの無機質な駅舎が独特な雰囲気を醸し出しています。
関門海峡を挟んで九州はすぐそこ、下関市はその影響を受けて現在でも山口県最大の街です。
こちら山陽新幹線の時刻表、基本的にこだま号の青、時々ひかり号の赤、さくら号のピンクが並んでいます。
その中でひとつ、11:10発に注目してみますと色のおかしい便が。これこそが今回ご紹介する、つばめ321号熊本行きです。
新下関駅を始発として運行されており、確かに指定券には「つばめ」が印刷。今回は九州新幹線に入り、新鳥栖駅まで乗車します。
新幹線改札と在来線改札が直角に位置する配列。みどりの窓口横を真っすぐ進んで、新幹線改札を通ります。
3色LEDのために馴染んじゃっていますが、明らかに「つばめ」の文字。小倉・博多方面の表記があって、山陽新幹線内ということが分かります。
それでは小倉・博多方面の1,2番線ホームへ。
もう列車は1番線ホームでドアを開けています。こだま772号(博多駅9:31発/新下関駅9:56着)として入線しており、かなり長時間停まっているのが分かります。
そして、LED方向表示機には「つばめ」の文字。新下関駅につばめ号が停まっているとは、やっぱり特別感を感じられるものです。
各駅停車型のつばめ号、新下関駅から熊本駅まで全ての駅に停車します。
新下関駅は2面3線構造、真ん中に通過線が設けられています。
新幹線ホームから順番に番号がふられており、山陽本線は4,6番ホームです。
広島方面ホームは単式で3番線ホームのみですが、将来的に山陰新幹線の分岐駅になることが想定されており、奥側にスペースが空けられています。
また、駅にはこんな注意看板が。
ホームで新婚のお祝いを派手に行う方がいらっしゃったためと聞きますが、本当のところは分かりません。コメットとが死語ですよね…。
乗車するつばめ号は、N700系新幹線での運行です。
つばめ号と言ったら800系新幹線のイメージが強いので、N700系新幹線での運行にもちょっとした新鮮感。
800系新幹線は最高速度260km/hなので、300km/hの山陽新幹線に入ることはありません。
また、800系新幹線の場合は6両編成ですが、N700系新幹線なので8両編成です。
車内広告はJR九州で揃っており、九州新幹線が基準になっていることが分かります。
九州新幹線のN700S指定席は、2+2の座席配列でグリーン車並の快適性です。とにかくフカフカ座席で、ゆったりと寛ぐ事ができます。
車内のLED表示版にも、つばめ321号熊本行きが流れます。かなりはっきりとした、水色の蛍光色です。
11:10 新下関駅 発
ホーム上には広告やベンチなどと一体化していない、独立した駅名標が立っています。
新下関駅を出発すると、すぐに新関門トンネルへ。
九州新幹線のチャイムから始まり、ここが始発駅だと分かる放送が流れます。
6分ほどで新関門トンネルを抜けまして、九州に上陸しました。完全に連続する形で、小倉駅到着放送が流れます。
北九州市の玄関口、小倉駅に到着。
山陽新幹線乗り入れのつばめ号については、熊本始発小倉行きのつばめ302号が以前から設定されていました。
しかし、今回のように九州島内まで脱出してしまうのが特別。2012年3月から1年だけ新下関行きがつばめ号があったそうですが、10年ぶりの本州つばめ号復活です。
小倉〜博多には山が構えており、山陽新幹線はそれを突っ切ることで速達性を実現しています。
福北ゆたか線と交差しまして、筑前植木駅周辺の線路もしっかり捉える事ができました。
山を越えきりまして、福岡市街地に出て来ました。小倉〜博多は15分で結ばれまして、新幹線利用者が非常に多いです。
ちょうど上空には、新幹線から見える高さじゃない飛行機を見られました。福岡空港がいかに都市部から近いか分かります。
鹿児島本線との並行区間では、貨物列車を追い抜いていきました。普段では見ない機関車などに、遠くへ来たことを思わされます。
山陽新幹線の終着駅、博多駅に到着しました。
山陽新幹線から九州新幹線各駅停車型に乗る場合、通常ならここでの乗り換えが必要です。
しかし、今回乗っているのは「つばめ号」。そのまま乗車していられます。
ここで、乗務員さんがJR西日本からJR九州の方へ交代されました。新下関〜博多と短い区間ですが、JR西日本の方が運行しています。
博多駅を出発しても、指定席車両にお客さんはいません。比較的乗車時間の短い方が多いため、自由席のほうが人気なのでしょうが…。
そして、左手からは博多南線が分岐していきました。山陽新幹線の回送列車を活用しており、300円で新幹線車両に乗車できます。
あちらはJR西日本の路線でしたが、今走っているところは文句なくJR九州の路線です。
ここからは博多総合車両所に停まる新幹線を一望できます。かなり多くの編成が停まっていまして、こんなに沢山じっくり観察できるのは、ここぐらいではないでしょうか。
奥の方には、2階建ての100新幹線も見られました。
JR九州では韓国語、中国語での自動放送も行っているようで、この点の違いも実感しやすかったです。
そして、現在走行している筑紫トンネルは11,865mに及び、九州新幹線最長のトンネル。35‰に及ぶ新幹線最急勾配まで存在しており、九州新幹線用の編成でなければここを走れません。
トンネル内であまり目立たない難所を越え、佐賀県に出て来ました。
県内唯一の新幹線駅、新鳥栖駅で下車します。
紺地に白文字の駅名標が見えてきまして、つばめ号は無事なわばりへ帰ってこられました。
1日1本だけ本州から出るつばめ号。結構コアなところになってしまいますが、ちょっとした特別感を味わえる便でした。
もし、機会がありましたら山陽新幹線区間だけでも乗ってみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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