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【早朝の四国特急】松山始発特急しおかぜ4号 設定理由と利用状況を観察

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『レールが結ぶ、一本列島。』 これは1988年、青函トンネルと瀬戸大橋の開通に際して、国鉄が打ち出したキャッチコピーです。 本州から北海道、四国、九州それぞれはトンネルや橋で結ばれており、全て鉄道での ...

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四国で一番の大都市に位置づけられる松山市。

ここからは特急しおかぜ号が瀬戸大橋を渡り、岡山駅までを結びます。

 

今回はその中で朝一番に松山駅を出発する、特急しおかぜ4号に乗車。早朝から運行する理由や中長距離での利用状況を見てみましょう。



現在の時刻は午前4時、大街道から松山城のお堀沿いを歩いています。

城下町として発展した街の中心部、静かではあるものの、時々賑やかな人種がスケートボードですれ違いました。

 

20分ほど歩きまして、JR松山駅に到着。旧国鉄の駅は中心街から外れたところに設置されますが、松山駅はそれが特に顕著です。

 

発車標には特急しおかぜ・いしづちの表示。宇多津駅で解結作業が行われまして、それぞれ岡山・高松へ向かいます。

 

駅構内のセブンイレブンは5:45開店なので、食料等は他のコンビニで調達しておきましょう。と言ってもかなり朝早くからの営業ですね。

 

さらに、みどりの窓口は4:50から開いています。始発しおかぜの利用者に向けていると思われ、営業短縮した後でも朝早い時間は残されていました。



このように早朝の特急しおかぜが運行されている理由は、岡山駅から山陽新幹線に乗り継ぐお客さんを想定してのこと。

岡山駅の到着時刻は7:51着。

7:58発のぞみ80号へ乗り換えると、新大阪駅には8:43着。9時前に到着することができます。

下り方面についても7:56発のぞみ271号に乗り換えれば、広島駅8:49着、博多駅9:39着です。

 

列車は前より3両の6〜8号車が特急いしづち、後ろより5両の1〜5号車が特急しおかぜになります。

 

特急いしづちには、自由席3人、指定席1人の乗車。

 

特急しおかぜ岡山行きには、自由席13人、指定席1人の乗車です。今回は特急しおかぜ号に限った乗客を観察することにします。

 

使用されているのは8000系電車、メタリックな見た目にロケットぽさを感じます。

 

指定席車両はS−seatと名付けられており、2004年から木目調の座席へリニューアルされました。

 

また、車内販売は無い一方で、自動販売機が設置されています。



今回利用するのは自由席。

8000系電車は1992年に運行を開始しており、こちらはJR初期を感じる座席です。

 

背面テーブルも一回り小さいものになっています。

 

指定席のリニューアル工事と同時に、自由席でも一番前にはコンセント設備が備えられました。



5:05 松山駅 発

2024年秋に開業予定の高架を横目に、松山駅を出発です。

 

春分の日を過ぎた今でも、辺りは真っ暗になっています。

 

かつて国鉄の仁堀航路として、呉線仁万駅と船で結ばれていた堀江駅。これを過ぎると海沿い区間を走ります。

 

特急は朝夕のみ停車の伊予北条駅、2人乗車されます。

 

まだかなり薄暗いですが、目を凝らせば瀬戸内海がだんだん見えてきました。

 

海沿いには太陽石油の工業地帯が広がっていまして、いきなりのコンビナート夜景に目を奪われます。



だんだん東の空が明るくなってきたところ。

遠くには今治と尾道に架けられた、しまなみ海道の吊り橋を見ることができました。

 

朝を迎えた今治の街の中、高架を登っていきます。

 

今治駅では15人の乗車。愛媛県第二の都市であり、本州へ渡る需要も大きなものです。

 

住宅街が広がるところで、一つ頭抜けているのが今治国際ホテル。高さ101.7mは愛媛県で一番高い構造物になります。

 

次の壬生川にゅうがわ駅は2004年に西条市へ合併された、東予市の中心駅です。4人乗車されました。

 

8000系電車には、制御付自然振り子装置が採用されており、カーブでは車体を傾けているのがよく分かります。

 

特急いしづちの由来にもなった石鎚山近くを走っているようですが、どれがその頂なのか、ちょっとよく分かりません。



伊予西条駅で5人の乗車。

既に伊予西条駅始発の特急しおかぜ2号が4:59に出発しており、ここから先特急しおかぜ4号は2番目の列車になっています。

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途中すれ違った8600系電車は、モーニングEXP松山です。新居浜駅始発の列車となっており、松山への通勤輸送を担います。

 

遂に太陽が姿を現しまして、その光が辺り一帯を照らすように。

 

新居浜駅では16人の乗車と、かなり多くなります。

瀬戸内工業地域が広がるこのあたりでは、最も大きな駅です。

 

併設された貨物駅は、取扱量四国第2位となっています。

 

『すずめの戸締まり』でも登場した愛媛の田舎景色。まさにその雰囲気がひしひしと伝わってきます。

 

伊予土居駅で少しだけ運転停車しまして、特急いしづち101号と行き違いが行われます。



四国中央市の伊予三島駅で、8人の乗車。

この車両では今治駅からの高校生1人が下車されました。地方では特急を利用して通学する高校生も多く、下宿するよりも安い事を売りにした特急定期券も販売されています。

 

伊予三島駅近くからは、大王製紙へ貨物専用線が伸びています。多くのコンテナが並んでおり、ヤードにも専用線の存在が示されていました。

 

製紙産業が盛んな四国中央市、四国の中でも愛媛県東部は工業の発展度が非常に高いです。四国=田舎みたいなバイアスが掛かっていると、イメージしづらいところではないでしょうか。

 

四国中央市内では、特急停車駅が2駅連続します。こちら川之江駅で4人の乗車です。

 

愛媛県から香川県に入りまして、瀬戸内海のすぐ横を走ります。



観音寺駅では20人の乗車。

これに加えて県内に入ったためか、特急いしづちに乗車する方も増えてきた印象です。

 

朝夜だけ特急が停車する、高瀬駅では1人の乗車。



詫間駅を出発しまして、再び海沿い区間に入ります。

四国本島から離れ小島が、橋で結ばれているのを見られました。

 

その先で通過する津島ノ宮駅は、1年に2日しか営業しない臨時駅です。その時だけ先程の橋を渡れるようになりまして、津嶋神社でお祭りが行われます。



高知へ向かう土讃線が分岐する、多度津駅に到着。

ちょっとお客さんを数えるのが難しくなってきました。それだけ乗客が増えているということです。

 

多度津駅から高松駅は複線化されており、香川県第二の街である丸亀市で高架へ。

 

ここからはかなりお客さんが増えまして、通路側の座席も多く埋まる状況になっています。

 

そして、日本一石垣の高い城である、丸亀城が見えています。また、天守閣の大きさが一番小さいと言われたり。



まもなく宇多津駅に到着するのですが、ここで特急しおかぜと特急いしづちの連結が外されます。

ここで連結部の扉が閉められました。

 

宇多津駅に到着。発車標を見ると、ここから各列車バラバラになっているのが分かります。

 

高松へ向かう特急いしづち号が先の出発、そのまま真っすぐ走っていきました。

 

一方でこれから本州へ向かう特急いしづち号、宇多津駅を出発すると左側の線路を走り始めます。

 

右手奥の方からは、岡山から高松を結ぶ快速マリンライナー等が走る線路が近づいてきました。

 

この線路とも合流しまして、いよいよ瀬戸大橋へ向かいます。

 

本州と四国を唯一鉄道で結ぶ瀬戸大橋、骨組みの中を走り抜けていく景色は爽快です。

 

この瀬戸大橋は将来的に新幹線を通せるよう、左右それぞれに線路を敷設できるスペースが空けられています。さらにバランスをとるため、所々には重石まで。

 

途中の島々に掘削されたトンネルも大きいものです。いつか四国新幹線がここを通ってほしいですが…。

 

本州へ渡って来まして、左後ろの山に注目すると、鷲羽山ハイランドの観覧車が見られました。



JR西日本とJR四国の境界駅、児島駅に到着です。

向かいから始発の特急南風高知行きが来ており、貨物列車が退避中でした。

 

乗務員さんはJR西日本の方に交代しています。

茶屋町駅で、本四備讃線から宇野線へ。かつては宇野線の終着駅、宇野駅から高松駅へ連絡船で結ばれていました。

 

宇野線は四国特急が行き交うにもかかわらず、用地確保が難しいことから、単線区間が多くなっています。

 

その中でも早島〜久々原だけは、一部設けられていいる複線区間です。

 

左手から山陽新幹線が近づき、貨物ターミナルや各方面への在来線車両基地が広がる様子を見られます。



松山駅を5:05に出発した特急しおかぜ号、2時間46分かけて7:51に岡山駅到着です。

松山駅に限らず、今治や新居浜など途中駅から乗車される方が多く、かなり需要の大きさを思い知らされました。

 

山陽新幹線へ乗り継ぐビジネス利用を考慮し、時間がかかる在来線特急だからこそ設定された、早朝の列車。随所にJR四国の努力を垣間見ることができる乗車となりました。

ぜひいつか、新幹線で便利に速く結ばれて欲しいと願うものです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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