クリスマスイブの21時過ぎ、東京駅周辺はいつもより人の流動が多くなっています。
この時間帯の東京駅と言ったら、寝台特急サンライズ号です。2日連続、伯備線の大雪と瀬戸大橋の強風で運休していましたが、クリスマスには運行再開しました。
サンライズ瀬戸号は普段高松行きとして運行していますが、金土曜発の便は琴平まで延長運転を行います。
今日は東京から後免までの乗車券を購入しています。謝っている駅として有名な後免駅ですが、これがあるのは高知県南国市。
これから琴平行きのサンライズ瀬戸を利用しまして、先日大雪に見舞われた高知まで足を伸ばしてみることにします。
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年末年始が近づく土日とあって、下り便はかなり埋まっています。
当日寝台券を購入しまして、下段シングルとなりました。JR西日本のネット予約サイトe5489では延長区間までの購入ができないので、みどりの窓口で買うことになります。
21:50東京駅を出発しまして、いつもの自動放送により琴平行きの案内が流れます。
今日はクリスマスなので、せっかくならと駅弁を買ってきました。サンライズ発車直前でも、品数は少ないですが駅弁屋さんは開いています。
刻みわさびと醤油の染みた牛肉がとても美味しいです。濃厚な半熟卵も幸せの塊です。
洗車機の向こうには、背後霊のように小田原城がいました。昼間なら注目していれば、はっきりとその姿を見られます。
小田原駅を通過すると、放送は行われなくなります。
熱海駅では乗務員さんがJR東日本からJR東海へ交代。
真横に静岡駅の新幹線ホームが見えたくらいで、おやすみなさい…。
6:10ごろ、元気の良すぎる岡山駅の到着放送に起こされました。
まだ空は暗いまま、オレンジ色の朝焼けは見えていません。
岡山駅に到着しました。ここでサンライズ出雲号との連結が外され、サンライズ瀬戸号が先に発車します。
岡山駅は中国・四国における大ターミナル、各方面への特急列車が朝支度中です。
宇野線を走っていると、寒空もようやく熱を帯びてきました。
児島駅まで来るとご来光に。ここからJR四国に入ります。
せっかくサンライズ瀬戸に乗ったなら、瀬戸大橋を見ておかないと後悔することになります。
瀬戸大橋は細かい島々を経由して結ばれており、上を走る道路は各島へ枝分かれさせて次々降りていきました。
鉄道部分は将来新幹線を通せる規格で作られており、現在はバランスをとるために重しが置かれています。
四国へ渡りまして、坂出駅。琴平延長時でなくても高知方面へは、ここで特急しまんと3号(宇多津駅で南風1号と連結)へ乗り換えることができます。
普段のサンライズ瀬戸号の終着駅、高松駅に到着です。
高松駅では30分ほど停車時間があります。
以前は改札内にうどん屋さんがあったのですが、ビル建設工事により閉店してしまったのでセブンイレブンへ。
高松駅を出発、今来た道を戻ります。
この重複区間について、追加で乗車券を購入する必要はありません。また、高松〜琴平など延長区間のみで乗車することはできません。
瀬戸大橋から松山を結ぶ線路が合流してきました。ここでは高松〜松山、松山〜岡山、岡山〜高松3本の線路が三角形を作っています。
多度津駅に到着、ここから列車は土讃線に入ります。
善通寺駅にも停車、ここの駅舎は日本一古いと言われています。
8:39、終点の琴平駅に到着です。
ここまで乗っておられたのは20人くらいでしょうか、多くが鉄道ファンらしい方でしたが、繁忙期になり利用者さんも多くなっています。
琴平といえば金比羅山で有名な場所。サンライズ瀬戸の延長運転は、琴平への観光喚起を図っているものでしょう。
しかし、JR四国としてはサンライズ瀬戸で四国へ来てもらった後、島内鉄道を利用してほしいという願いがあるはずです。
ここで20分ほどの乗り継ぎ、高松〜高知を結ぶ特急しまんと5号で、土讃線を南下します。
東京からお世話になったサンライズ瀬戸も、しばらくは停まっている様子。
南下するに連れて、畑の影にチラホラと雪が見え始めました。
香川県から徳島県の境にある讃岐山脈、更に四国山地へ挑みます。
トンネルを抜けた先では、秘境駅としても知られる坪尻駅を見下ろせます。
スイッチバック構造となっており、この駅に停車する普通列車は一度駅に入った後進行方向を変え、引込線でもう一度進行方向を変えて琴平方面へ出発します。
駅舎の屋根やプラットホームなど、雪でコーティングされているみたいです。
集落を見下ろすことができまして、いつの間に高いところを走っていた、というのに気付かされるのが非常に面白いです。
今走っているところから、中央の鉄橋を目指してカーブしながら下っていきます。
鉄橋の麓では、かかしさんたちがズラッと並んで、風によって手を振ってくれているようでした。
土讃線山間部の中枢である、阿波池田駅に到着。
穏やかな吉野川沿いを走る徳島線と乗り換えられ、三好市の中心部でもあります。
土讃線も同じ吉野川沿いを走りますが、その表情は全く異なります。こちらは険しい渓谷沿いを走り、これが土讃線の魅力である一方、鉄路の速達性を阻んでいます。
ゴツゴツとした岩肌が露出した岸ですが、この上になんとか建物を建てているのが分かります。
この自然が作り出す景観は観光資源となっており、その玄関口が大歩危駅です。JR四国の観光列車、四国まんなか千年ものがたり号も走ります。
土讃線は単線路線なので、特急列車同士でも行き違いが行われます。
近くに新しい橋が架けられたため、塔だけ残された昔の吊り橋もありました。大きな構造物がポツンと残っていると、災害遺構みたいな雰囲気を感じさせられますが…。
大歩危周辺の渓谷沿い区間に隠れて、あまり注目されないのですが、吉野川から離れた高知県内もグネグネとした線路が続きます。
特に大杉駅から土佐山田には新線建設計画もありました。特急宇和海の内子線ルート並みに大掛かりな建設になりそうです。
四国に2つあるスイッチバック駅、もう一つが新改駅です。この存在はやはり、勾配が険しい事を実感させてくれます。
長かった四国山地エリアを抜け、ようやく鉄道が街を走るようになりました。
香美市の中心駅、土佐山田駅に到着です。
香美市香北町はやなせたかしさんの故郷で、アンパンマンミュージアムがあります。ここからバスが発着しており、駅もアンパンマンだらけです。
そして、今回の目的地である後免駅に到着しました。
サンライズ瀬戸と特急しまんとを乗り継ぎ、ここは南国です。
JR四国の駅名標は、漢字を大きく上に、ひらがなを小さく下に書きます。
しかし、後免駅については駅名遊びを公認しているのか、ひらがなを大きく上に、漢字を小さく下にしていて逆です。
南国市なんて平成の大合併で生まれていそうな自治体名ですが、1959年に新設合併により生まれた市です。
高知県内で高知市に次ぐ第二の都市ですが、人口は4.6万人で、全都道府県内の第二都市における最少人口となっています。
南国市の中心であるのが旧後免町、駅近くにはナンコクスーパーがありました。と言っても南国市にあるのはここだけで、他4店舗は高知市内です。
飛行機マークがありますが、高知龍馬空港は南国市に位置します。道路看板に南国と書かれていると、ちょっと不思議な感じがしたり…。
後免町商店街は完全にシャッター街となっており、時が止まったままお客さんがいなくなった空間です。
ここは2009年より、やなせたかしロードとして石化されたパン達が並ばされています。
南国市の中心部にあたる、とさでん交通の終着駅ごめん町駅に来ました。
この駅は待合室とローソンが一体化しており、バス・路面電車のりばと隣接しています。壁面には電車に乗っているポンタが描かれてました。
裏側に回ると何も違和感ない停留所でした。とさでん交通は高知県唯一の電車となっており、数多くの停留所によって近距離輸送を担います。
最後に、普通列車で高知駅まで来ました。
雪は屋根にうっすら残っていますが、2日前はあんなに積もっていたのに、流石は南国の高知ですね。
今回は琴平行きサンライズ瀬戸より、高知までやってきました。寝台特急自体も素敵な列車ですが、ぜひ四国の鉄道旅も満喫してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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