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【臨時サンライズ“のみ”運転】定期列車は大雨運休…。寝台特急16時間22分の旅[2023GW]
ライトアップも終えた東京駅丸の内駅舎を前にして、これから乗車するのは寝台特急サンライズ出雲です。 毎日走る日本唯一の定期寝台特急。東京駅の発車時刻は22時ちょうどですが… 発車標を見てみ ...
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かつて東北、北陸、上信越方面への長距離列車は、全て上野駅を起点としていました。
それが東日本5方面の新幹線開業に伴い、夜行列車含め長距離在来線列車が消滅。その役割を新幹線に移して、起点は東京駅になりました。
そのうちのひとつ、特急はくたかはもともと上野〜金沢を結んでいた在来線特急です。上越線を経由して長岡へ向かい、北陸本線を西へ向かっていました。
その後北越急行ほくほく線が開業し、上越新幹線の越後湯沢駅から金沢駅を結ぶ特急はくたかへ。在来線最速の160km/h運転を行っていました。
それも2015年の北陸新幹線金沢延伸により廃止され、列車名は北陸新幹線の種別へ受け継がれています。
長い歴史を持つ「はくたか」。GWの臨時列車として「上野行きはくたか」が北陸新幹線になって復活しました。
さらに定期列車では見られない、富山の次は上越妙高という、臨時はくたか号の停車パターン。普段とは違った運行の様子をお楽しみください。
世界一美しい駅の一つにも選ばれている、こちらは金沢駅のシンボル鼓門です。
2015年より北陸新幹線の終着駅となり、長距離列車運行の境ですが、2024年春には敦賀延伸を控えます。
駅の発車標には「はくたか上野行き」という、中々目にしない表示。
さらに面白いのが、富山から上越妙高まで通過するということです。金沢〜上越妙高のJR西日本管内は全て停車するはくたか号ですが、今回乗車するはくたか582号は、黒部宇奈月温泉駅、糸魚川駅を通過します。
GW最終日ということで、終点東京までの指定席は全て×。
前日からえきねっとを張っていましたが、中々指定席窓側は空きませんでした。
そのため、今回は唯一空いていたグリーン車に乗車。運行の様子をより分かりやすくお届けできたらと思います。
ホームへ上がるエスカレーターも非常に混雑。
16:07発のはくたか570号は定期列車のため、黒部宇奈月温泉駅、糸魚川駅にも停車する便です。両駅には1時間に1本程度はくたか号が停車しています。
また、通常15:40に金沢駅を発車する列車は、つるぎ718号富山行きです。
今日に関しては富山駅から先、上野駅まで延長運転する形をとっています。
行先表示器を見てみますと、確かに「はくたか」上野行き。
また、富山の次は上越妙高で、ホーム上でも黒部宇奈月温泉駅、糸魚川駅に停まらないことを強調して案内されていました。
それでは11号車のグリーン車へ乗り込みましょう。
座面の曲線美が白く強調されているようで、青色の格子模様は兼六園中央に位置する成巽閣の「群青の間」をイメージしています。この色は加賀藩、前田家を象徴する色です。
15:40 金沢駅 発
はくたか582号上野行きが、始発駅の金沢駅を発車します。
今回充当されていたのはE7系新幹線で、車内チャイムはJR東日本の標準チャイムでした。
また、金沢駅停車時からしばらく、車内の掲示板に何も出ていませんでした。
金沢総合車両所と金沢貨物ターミナルを見下ろしつつ、石川県から富山県へ向かっていきます。
ここで大糸線は大雨のため、運転を取りやめるとの案内が出てきました。
GWの最終日に西日本では、結構な大雨による輸送障害があったようですね。
せっかくグリーン席を利用したので、座席についても軽く見ていきたいと思います。
グリーン車のため座席間隔が広く、テーブルはこちらへ引き出せる形です。
肘掛けした部分にコンセントが並んでおり、もちろん通路側の方も利用できます。
リクライニングやレッグレストなどは、手元のボタンで電動式です。
レッグレストを上げるとご覧の通り。フットレストだと足元が少し狭く感じてしまいますが、これならその圧迫感ないまま快適性を提供してくれます。
さらに、ペットボトルホルダーがあるのも特徴的です。
最初の停車駅、新高岡駅に到着です。
金沢〜富山で運行されている、新幹線つるぎ号が停車します。
先ほど触れましたとおり、この列車は定期列車つるぎ718号富山行きとして運行されています。
それがGWの多客時対応に合わせ、上野駅まで延長運転したことで、はくたか582号になった形です。
まもなく富山駅に到着、次は上越妙高に停まるという案内が流れました。
通常であれば存在しないはずの停車パターンです。
神通川には非常に立派な橋梁が架かっており、その下にはあいの風とやま鉄道と高山本線の鉄橋が並んでいます。
富山駅を発車しまして、次の停車駅は上越妙高駅です。
富山駅を出てその先、金沢総合車両所富山支所ではHC85を見つけることができました。あいの風とやま鉄道の方が、富山駅まで回送してきます。
遠くの方には魚津市のミラージュランド観覧車が見られます。
あの辺りに旧北陸本線が走っており、魚津駅には特急はくたかが停まっていました。
はくたか582号は黒部宇奈月温泉駅を通過しますと、富山県と新潟県の県境周辺を貫くトンネルへ。
糸魚川市街を走っていますと、奥の方には日本海が広がってきました。
上野行きはくたか号は糸魚川駅を通過、ヒスイ色をしたホームドアが流れていきます。
まもなく上越妙高駅に到着です。
上越妙高駅では特急しらゆき7号新潟行きが乗換案内されていました。
かつて金沢〜新潟には特急北越が走っていたのですが、北陸新幹線延伸開業に伴い廃止。新幹線から接続する形で、新井・上越妙高〜新潟の特急しらゆきが新設されています。
ここからJR東日本管内に入ります。新幹線かがやき号が上越妙高駅を通過するため、ここでは乗務員さんの交代が行われません。
一部はくたか号が停車する飯山駅は通過。
善光寺平へ出てきまして、長野総合車両センター横を通過します。
かつて特急あさまで使用されていた189系電車など、古くからの車両も多く残っています。
長野駅に到着、ここでJR西日本からJR東日本の乗務員さんへ交代されます。
金沢〜長野の指定席販売状況は○でしたが、ここから先はどんどん席が埋まることに。グリーン席も現時点でほとんど満席状態です。
遠くで雨雲より上へ突き抜けているのは草津白根山でしょうか、長野県と群馬県の県境に位置する山々を見つつ南下します。
旧信越本線しなの鉄道が分かれたところで、千曲川を渡りました。
通過しますのは上田駅。各駅停車型のはくたか号は、この先の駅にも停車します。
佐久平駅を通過。
上に停まっているのは小海線のハイブリッド車両E200形気動車。
この駅はローカル線が高架、新幹線が地上で立体交差している珍しい構造です。
軽井沢駅の手前では、丁度しなの鉄道115形電車を追い抜きました。
軽井沢駅に到着、向こう側には旧信越本線しなの鉄道の地上ホームが見えています。
信越本線は高崎駅を起点に碓氷峠を越えて長野駅へ、直江津駅まで北上した後新潟駅まで至る路線でした。しかし1997年長野行新幹線開業に伴い、碓氷峠を挟む横川〜軽井沢の在来線は廃止されています。
在来線特急はくたか号は1965年のデビュー当時、信越本線を経由して金沢駅まで結んでいました。この時使用されていたのがキハ82系気動車です。
1969年に481系・485系電車へ置き換えられることになったのですが、この車両は碓氷峠の協調運転対応しておらず、11両の長編成で機関車に委ねることもできませんでした。これによって上越線経由へルートが変更されたのです。
そして、碓氷峠の協調運転に対応した特急車両489系電車が開発され、1972年に信越本線を経由する上野〜金沢を結ぶ特急列車を設定。これが横川〜軽井沢廃止まで運行していた特急白山でした。
この新幹線はくたかは、特急はくたか当初のルートに沿って走っている形です。
6092mの碓氷峠トンネルを抜けまして、安中榛名駅を通過中。
基本的に新幹線あさま号だけ停車する駅で、新幹線秘境駅と言われたりします。
関東平野へ出てきまして、上越新幹線と合流。
ここに設置されている38番分岐器は、高崎駅を通過する新幹線でも速度を落とすことなく通ることができます。
18:35高崎駅に到着。3分前に上越新幹線とき72号新潟行きが出発したばかりです。
2023年春のダイヤ改正で、上越新幹線は最高速度275km/hへ引き上げられました。
高崎〜大宮を走る北陸新幹線についてもこの影響を受け、速達化を果たしています。
途中の本庄早稲田駅、熊谷駅を通過しました。
ここでも速度を落とさず、通過線を走っています。
大宮駅を手前にして東北新幹線との合流地点、丁度E5系新幹線がきました。
おそらく、やまびこ66号東京行きと思われます。
あちらは定期列車で先に到着のため、道を譲って速度を落としつつ大宮駅に到着です。
大宮駅では3分間の停車。お隣のホームにやってきたのは、かがやき510号東京行きです。
金沢駅を17分後に発車したこの新幹線ですが、大宮駅で横並びになりました。それでも先に発車するのはこちら、上野行きはくたか号です。
埼京線と並走する形で、130km/hで南下していきます。
荒川を渡り、埼玉県から東京都へ。
かつては多くの夜行列車が眠っていた尾久には、豪華クルーズトレイン四季島が停まっている様子も観察できました。
まもなく終点の上野駅です。到着後は車庫に入るという放送が入りました。
18:20 上野駅 着
終点上野の表示を潜りまして、22番線ホームへ降り立ちます。
お客さんを全員下ろしたE7系新幹線は、方向幕を真っ暗にしていました。
続いてお隣に到着しましたのが、大宮駅で追いつかれた北陸新幹線かがやき510号です。
金沢駅を17分後に発車したこの列車ですが、上野駅まで追い抜かれることはありませんでした。
上野行きはくたか号が黒部宇奈月温泉駅、糸魚川駅を通過していたのは、この列車から逃げ切るためです。
また、今回乗車したはくたか582号が東京駅までいかないのは、おそらくホームがいっぱいになってしまって入れないため。
上野駅22番線ホームはしばらく使わないようで、清掃作業が行われるだけの余裕があります。
新幹線乗り換え改札を抜けまして、やって来たのは上野駅の地平ホームです。
長距離列車が数多く発着していた名残を忍ばせ、新幹線へとその役割を移した時代の流れを感じさせました。
姿は変えたものの列車名の歴史は紡がれ、北陸新幹線はくたか号としてこれからも活躍し続けます。
勝手に懐古列車を仕立て上げて乗ってみる、それも鉄道ファンとして一つの楽しみ方です。
普段では見られない臨時列車に気を張ってみるのも、楽しいかもしれません。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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