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【485系運行終了】リゾートやまどり号で行く谷川岳もぐら乗車記[新潟観光列車(2)]

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2022年10月24日、JR東日本が485系の運用を年内で終えると報じられました。

485系は国鉄時代の花形特急電車。お座敷列車「華」や観光列車「リゾートやまどり」へ生まれ変わっており、JR東日本だけが現役で走らせています。

「華」は10月末、「リゾートやまどり」は12月末での営業運転終了、老朽化による廃車です。今回は運行終了が決まった列車「リゾートやまどり」の乗車記をお届けします。

 

お座敷列車「華」については、長岡から上野を夜行列車で行く記事を投稿しましたので、そちらをご覧ください。

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こちらは大宮駅、本日乗車する快速谷川岳もぐら号が停車中です。

列車自体は秋にも運行していますが、車両はE257系が充当されています。

 

この日使用される車両は、リゾートやまどりです。

この時から廃止されるのではと言われており、団体ツアーでなく切符を購入しての乗車は、かなり貴重な存在でした。

 

リゾートやまどりは2011年に運行開始、群馬デスティネーションキャンペーンに合わせてデビューしました。

 

特徴的なのが、豪華な車内。

座席は初代「成田エクスプレス」の253系グリーン車から持ってこられています。

 

前後間隔が非常に広く、シートピッチは120cm。靴を脱ぐ面だけのフットレストもあります。

 

この列車はあくまで快速の指定席、+530円で利用できます。

特急どころか普通車グリーン席ですら無いという、驚くばかりの列車です。



10:03 大宮駅 発

ホームの向こう側には、特急サフィール踊り子が停車中。

特急列車として重宝された後、観光地へ多くのお客さんを運んできたリゾートやまどり。そこから見る伊豆への最新型特急は、まさに輝いていました。

 

通勤電車と共に、東北本線を北上します。

 

上尾駅でも停車。国鉄による順法闘争に対し、乗客が暴動を起こしたことが連想されます。



車内はリゾート列車と言えるだけの機能を備えています。

一つ電気が消えちゃっていますが、和食店みたいな温かみのある天井。

 

更に扉やお手洗いの窓も丸くして、デザインに工夫が見られます。

 

また、4号車にはキッズルームもありました。小さなお子さんも楽しめる上、親御さんも周りに気を使わず移動できます。

 

車両の途中には、ソファみたいにフカフカのフリースペースも。

 

一方で、所々に古さが目立っており、国鉄特急の雰囲気を窺い知ることができました。

 

そして、先頭と最後部には展望スペース。ここは鉄道ファンが皆さん集まります。



深谷駅では特急の通過待ちを行います。

東京駅の丸の内駅舎には深谷の煉瓦が使われており、ここの駅舎も東京駅を模しています。

 

ここで、後ろから来た特急草津1号に追い抜かれました。

 

展望スペースの座席は、先程のソファみたいなのと同じ。

 

窓がかなり大きくて、居座りたくなるほど景色も良いです。

 

車内の広告部には、吾妻線沿線が紹介されています。さっきの特急草津が向かいますが、群馬県でとにかく有名な温泉地、草津温泉があります。



2号車には半個室みたいな和室、ミーティング室「和」があります。

畳張りのベンチの空間は落ち着いた旅を醸し出し、鉄道旅の特別感が表れていました。

 

水墨画風の壁紙になっていますが、上から榛名山と妙義山。その他、赤城山を合わせて上毛三山が描かれています。

 

ここからは左右両方に流れ行く景色が楽しめて、これまた素晴らしいものでした。



高崎駅に到着です。

首都圏の鉄道ネットワークって感じでしたが、ここからはローカル色が強まります。

 

左手には信越本線や北陸新幹線が分岐していきました。ここは在来線も新幹線も、長野と新潟の分岐点です。

 

新前橋駅には特急草津が停車中。特急草津31号の折返し回送でしょうか?

 

特急草津が走る吾妻線は、渋川駅から分岐しています。伊香保温泉の玄関口でもあり、駅舎デザインもそれっぽいものです。

 

右手には先程描かれていた赤城山。雲がかかっていますが逆に幻想的でもあります。

 

利根川は右側に移っていまして、大きく曲がりくねったその姿が立派です。

 

結構寂しい感じがする水上の温泉街。時が止まった感じがしてなんだか不気味です。



12:30 水上駅 着

上越線はこの先、1日5往復にまで本数が一気に減ります。

 

リゾートやまどりはそんな上越国境へ向け、歩みを進めていきます。

 

割とすぐに現れるのが、次の湯檜曽駅上りホームです。

 

それを横目にトンネルへ入りまして、その中にある下りホームに停車。この駅は上りが地上、下りは地下にあるという構造です。



同じような構造で、下りホームが地下深くにあることで有名なのが次の土合駅です。

12:41 土合駅 着

完全に観光地と化しており、モグラ駅としてしばしば取り上げられるこの駅。この駅で30分停車し、地上まで行って帰ってくるだけの時間を確保してくれています。

 

ホームから続く階段がこちら。終わりが全く見えない状況ですが、ひたすらこれを登ります。

 

長い長い階段なので横にエスカレーターを作る予定だったそうですが、今のところその計画は無く、水がチョロチョロ流れているばかりです。

 

何も考えずひたすら駆け上る登り続けること3分。振り返ると地下鉱山のケーブルカーに乗っているかのような光景が広がっていました。

 

かなり急いで登ってきますと、6分程度で地上の明かりを見ることができます。この時点で462段です。

 

無人島の軍隊基地と言っても違和感ない空間。ざあざあ降る雨音が冷たく響きます。

 

最終的には486段の階段を登りまして、改札階まで来られました。

 

掛かった時間は10分くらい、しかしかなり走ってきてるので気をつけましょう。

 

窓口跡には喫茶店が入居していて、観光客が多く来るこのような時に開いています。

 

外は大雨が降っていたので、さすがに外へ出るのは断念。

 

駅の入口には「ようこそ日本一のモグラえき土合へ」と書かれていて、この看板の形にも独特な雰囲気が漂っていました。

 

湯檜曽駅もそうでしたが、上りホームは地上。上越線に乗るなら、やっぱり東京から新潟方面がおすすめです。

 

それでは、大きく苔が覆う真っ白なコンクリートトンネルを下っていきます。この時点では全くプラットホームが見えません。

 

またまた一心不乱に駆け下りること3分、ホームに停まるやまどりを見ることができました。

 

土合駅のセルフアトラクションを楽しむ乗客を、地下深くで待ち続けるリゾートやまどり。割とおなじみの光景だったはずですが、これも無くなってしまうなんて残念ですね。



13:11 土合駅 発

お客さんが乗り遅れないようかなり気遣いされながら、静かに出発していきます。

 

国境の長いトンネルを抜けますと、大きな窓も白く曇ります。あれだけ長い間冷たい地下にいれば、こうなるに決まってますね。

 

越後中里駅と言えば、駅前のブルートレイン。特に長い編成で保存されているので、目を引きます。

 

さらに高原を行く大カーブ。ちょっと見えづらいですが、やまどりの頭を見られます。

 

そしてバブル期特有、クリーム系塗装の宿泊施設たちが見えると、終点の越後湯沢駅です。



13:38 越後湯沢駅 着

3時間以上に渡る在来線の旅でしたが、車内設備の豊富さと土合での往復ダッシュから、全く飽きることはありませんでした。これほど魅力的な快速列車が引退とは、かなり寂しいものです。

 

リニューアル前の特急の姿は知らないのですが、あれほどいた485系がいなくなるとは、時代の流れを感じずにいられません。

 

今後何か後を継ぐ列車は走るのか、少し期待したいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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