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【湖西線も停車】一番遅い特急サンダーバード4号 グリーン車で行く3時間の旅[2306メトロ400系(3)]

2023年6月26日

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首都圏からは北陸新幹線、関西圏・名古屋圏からは在来線特急の終着駅となっている、こちらは金沢駅です。

北陸地方の主要都市であり、新幹線開業後多くの観光客で一層賑わうようになりました。

 

今回ご紹介するのは在来線特急の方、金沢〜大阪を結ぶ特急サンダーバード号です。

1日50本走っている特急サンダーバードの中には、国内在来線最速列車も存在します。京都を出ると次は福井駅、さらに金沢駅まで停まらないという停車駅の少なさです。

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一方で、サンダーバードは停車パターンが非常に多いという特徴も持っています。その中で最も所要時間が長い特急サンダーバード4号に乗車。

最速便の評定速度が106.3km/hに対し、最遅便は89.7km/hです。その運行と停車駅の様子をお届けします。



列車が出発するのは午前6時、朝早い時間でもコンコースは観光客が多く行き交っており驚きました。

列車は2番線に停車中、12両編成という新幹線顔負けの非常に長い編成です。

 

発車標には停車駅が流れてきます。特に注目すべきは湖西線内、近江今津駅、堅田駅にも停車するところです。

湖西線はサンダーバードにとって、最高速度で駆け抜ける通過専用線と化しているようですが、ごく一部の列車は途中駅に停まります。

※この便は金土祝を中心に、運行日が限定されています。乗車の際はお気をつけて。

 

所要時間が長いということで、せっかくならとグリーン車に乗車します。

残り1年程になった、金沢へ行く特急サンダーバード。関西と北陸を完全に結んでくれるのはあと僅かの期間です。



6:07 金沢駅 発

北陸ロマンの車内チャイムに始まる、自動放送が流れます。普段中々乗らない湖西線内停車便、かなり長い停車駅の案内でした。

 

左手の高架橋に注目していると、まだ開業していない側から新幹線走ってきました。この先に白山総合車両所があるので、そこから回送されるのです。

 

肉声放送で主要駅の到着時刻も案内されます。

それに引き続き英語の車内放送をしている途中で、まもなく松任まっとう駅到着の放送が流れてしまいました。



ここでグリーン車の座席をご紹介します。

リクライニングはかなりゆったりと倒れ、曲線に沿って非常に快適です。高級感ある深い紫色に、紅色の枕がアクセント。窓も広く景色が楽しみやすいです。

 

インアームテーブルは折りたたみ式となっており、真ん中は山折り。基本的に開いて使うことを想定しているみたいでした。

 

テーブルと反対の肘掛けからは、ペットボトルホルダーが出てきます。割と行程の多い機構で、かなり特別感が演出されています。

 

全ての座席にコンセントが備わっており、車端部にしか無い普通車両と異なります。

 

フットレストは半回転して、靴を脱ぐ面と併せて設置されていました。



6:14 松任駅 着

最初の停車駅は白山市の中心駅、松任駅です。

2005年に新設合併した県内最大面積の自治体。金沢市のベッドタウンとして発展し、人口10万人は金沢市に次いで人口が多いです。

 

近くには北陸新幹線の白山総合車両所があり、金沢駅発車直後に回送列車が入線していく様子を見られた通り、ここまでは既に新幹線が走っています。

この場所を活用して新幹線の白山駅を要望されたことがありましたが、駅間距離が非常に短く、実現は難しそうです。



6:26 小松駅 着

北陸新幹線の駅も設置され、金沢駅の隣駅になります。

石川県空の玄関口である小松空港があって、東京とも空路で結ばれています。一方で新幹線開業により、かなり鉄道のシェアが高まりました。

 

朝の通勤通学時間帯、普通列車も本数が増えてきます。

 

列車は100km/hほど。特に列車間隔は詰まっていませんが、そんなにトップスピードという訳ではなさそうです。



6:36 加賀温泉駅 着

奥には温泉郷を思わせる縦格子、北陸新幹線の高架が見えています。両隣の動橋駅と大聖寺駅が特急停車を巡って争い、間をとって加賀温泉駅が選ばれました。

 

駅を出てしばらくすると、新しい留置線のようなものがありました。おそらく車両基地とまではいかないものの、新幹線を置いておくスペースなのでしょう。

 

ごく一部の特急列車が停車する、大聖寺駅は通過します。

通勤時間帯に特急おやすみエクスプレスと、特急しらさぎが停まるだけで、特急サンダーバードが停車する便はありません。



牛ノ谷トンネルを抜け、石川県から福井県へ入ります。

北陸新幹線が開業すると、今走っている北陸本線は並行在来線に指定され、第三セクター鉄道になります。おそらく大聖寺駅が会社境界駅になると考えられており、石川県側がIRいしかわ鉄道、福井県側がハピラインふくいとして運行予定です。

 

6:48 芦原温泉駅 発

ここにも新幹線駅が設置されます。東尋坊や芦原温泉へ遠方からの観光客が利用することに。

 

福井県2番目のまち、坂井市には福井空港があります。1976年に定期旅客便が撤退して、自家用プロペラ機やグライダーの発着が主流です。

 

九頭竜川を渡るところ、遠くの方には新幹線の橋梁が見られます。あちらは全国初の新幹線と道路の併用橋として注目されている場所です。

新幹線の線路を挟むようにして道路が通っており、道路の方は既に通ることができます。



北陸新幹線の高架が近づいて来る頃、えちぜん鉄道の車両基地が広がります。

福井県といえばの恐竜ラッピングがされており、福井県立恐竜博物館がある勝山市に路線が伸びています。

 

えちぜん鉄道の福井駅は高架駅になっているため、それに向かって線路が登ってきました。高架駅完成までの仮駅として、先に建設されていた北陸新幹線の高架を借りていたことがあります。



6:59 福井駅 着

福井県の代表駅、福井駅に到着です。グリーン車にも5人ほど乗ってこられます。

 

新幹線側を覗いてみると、ホームドアが透けて見えました。

 

向こうには福井駅から姿を消す特急車両が停車中。これと反対側にはJR貨物の南福井駅があります。

 

お隣の越前花堂駅からは、JR越美北線が分岐。

新幹線開業後にはJR西日本の孤立路線となり、この赤字ローカル線の存続はますます危うくなりそうです。



7:11 鯖江駅 着

メガネの町として有名な鯖江駅を出発。雪が降るため農業ができないことから、大阪から職人を招いてメガネ作りが始まりました。

 

貯水槽で視力検査ができたりと、アピールが凄いです。

 

福井駅から続いている福井鉄道、こちらは終着駅の武生新駅です。2023年2月に越前武生駅から改名されました。



7:15 武生駅 着

基本的に停車型の特急は鯖江駅と武生駅両方に停まりますが、数本だけ鯖江駅を通過します。

逆に鯖江駅に停車しながら武生駅を通過するのは1日1本だけ、それが和倉温泉始発のサンダーバード20号です。

 

武生駅がある越前市内には、新幹線単独駅の越前たけふ駅が設置されます。現在特急が停車するこれら2駅については、普通列車だけが停まる駅に。

 

ここまで比較的平行区間が多かった北陸新幹線の高架橋、ここで交差して新北陸トンネルへ向かいます。北陸新幹線全線でも飯山トンネルの22,251mに次ぐ、19,760mの長大トンネルです。

 

北陸本線も13,870mの北陸トンネルへ、狭軌の陸上トンネルでは日本最長を誇ります。最高速度の130km/hを出し続けますが、5分以上電波が通じない状態です。



7:36 敦賀駅 着

その先にあるのが2024年から北陸新幹線の終点となる、敦賀駅です。

地上40mの高架駅に新幹線ホームが建設され、その下に特急専用ホームを設置。跨線橋によって現在の小浜駅在来線ホームと繋ぎ、普通列車と接続します。

 

お隣には貨物列車が停車中でした。レッドサンダーで親しまれるEF510形電気機関車。交流電化の北陸地方と、直流電化の関西地区を行き来できる交直両用機関車です。

 

敦賀駅始発になる予定の特急サンダーバードは、北陸新幹線と上下乗り換えとなります。高架の真下を通ってきて、北陸本線と接続する形です。

 

新幹線高架の先には北陸新幹線の車両基地ができます。在来線から見下ろす位置関係で、近距離から障害物なく見られそうです。



ここで北陸本線は上下線で別のルートを通ります。

大阪方面の線路が分かれ、金沢方面の線路と直交するようにして山へ向かいます。

まっすぐ下ってしまうと勾配がキツくなるので、山を一周するループ線を作ることで距離を長くし、その分勾配を緩やかにしているのです。

 

ループ線をちょうど半分行ったあたり、下には小浜線の線路が見えています。敦賀市街を高いところから見渡せて、北陸本線の中でも非常に景色が良いところです。

 

一周し終えたところで、金沢方面の線路と一緒に大阪方面を目指します。

 

2024年より北陸本線は敦賀駅までの路線に。福井県内の駅は新疋田駅だけで、貴重な北陸本線の北陸駅です。



北陸と近畿の境界、深坂トンネルで福井県から滋賀県へ入ります。

ここで特急サンダーバード1号とすれ違いました。大阪駅6:30発の始発サンダーバードで、金沢駅には9:13着です。

 

近江塩津駅を通過すると、金沢から走ってきた北陸本線は米原駅へ。サンダーバードは関西へ向かうため湖西線に入ります。

 

湖西線は踏切が無い高規格路線となっており、サンダーバードが本気を出しまくる区間です。

 

最高速度は130km/h、この速度を基本的に出し続けるのが湖西線走行の凄さです。



8:02 近江今津駅 発

そんな湖西線ですが、この列車は違います。途中、近江今津駅に停まりました。

朝夕の時間帯に1日3.5往復の停車、これは京都・大阪への通勤需要を見込んでいるものと思われます。

 

湖西線は高架を走っているので、琵琶湖を綺麗に見ることができます。良い景色と共に高速走行を楽しませてくれる、非常に大きな魅力です。

 

湖西線に並行して琵琶湖西縦貫道路が建設中。渋滞のため4車線化や、バイパス延伸が行われています。

 

琵琶湖の細まったところには琵琶湖大橋が架けられており、発展した東海道本線沿いの影響を大きく受けているはずです。



8:22 堅田駅 発

サンダーバードは堅田駅にも停車、同じく3.5往復停まります。

停車便もほぼ同じなので、同様の通勤需要を見込んでいるのでしょう。

 

列車は130km/h近くで走行、琵琶湖の向こう側で発展する大津市街を見つつ、滋賀県を後にします。

 

トンネルを抜けたところで京都府に入り、下には東海道本線が見えてきました。この先の山科駅よりこの線路を走ります。

 

ちょうど京阪京津けいしん線もいました。東海道本線は一本のトンネルで貫く山を、こちらは急勾配とカーブによって登る山岳鉄道です。さらに路面電車から地下鉄まで直通する列車もあり、非常に面白い路線になります。

 

トンネルを抜けた瞬間、大阪発の特急ひだ号とすれ違いました。1日1往復だけやってくるJR東海特急車両、ぜひ目に焼き付けてほしいところです。



8:37 京都駅 着

関西圏最初の都市に停車。北陸新幹線は小浜経由のためサンダーバードと異なるルートですが、京都駅にも駅ができる予定になっています。

貨物線を走る特急はるか号を横目に、京都駅を出発です。

 

はるか号が走る貨物線は、左手に見える向日町の車両基地への回送線としても使われています。湖西線からいなくなった深緑色の117系も停まっていました。

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歴史ある大幹線を130km/h近くで走る、この迫力が堪りませんね。

 

一部のサンダーバードが停車する高槻駅ですが、この便は通過しました。

今回ご紹介しているサンダーバード4号は一番所要時間が長いですが、一番停車駅が多いのはサンダーバード7号。今回の停車駅に加えて、高槻駅にも停まります。

 

大阪駅を通らない貨物線とともに淀川を渡ります。



9:01 新大阪駅 着

東海道新幹線が交わる乗り換え駅、北陸新幹線もここに接続します。現在のところ地下にホームが作られる予定です。

 

広々とした淀川を渡っている間、向こう岸には梅田のビル群が林立します。

 

ちょうど梅田貨物線を走る特急はるか号がやってきました。この線路は大阪駅地上ホームを通らず、2023年春に開業したうめきた地下ホームへ向かいます。

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12両編成という長編成、HEPの観覧車横を走るカーブへ向かう時には、その全体像を見せてくれます。

 

白蛇のように長い列車は、大屋根の下へ真っ直ぐ入線。終点の大阪駅に到着です。



9:06 大阪駅 着

金沢駅からの所要時間は2時間59分、ほぼ3時間かけてやってきました。逆に言えば、在来線特急ながら一番遅くても3時間かからないんですね。

 

特急サンダーバードで金沢へ行けるのもあと少しの間です。

なるべく長くサンダーバードの旅をしたい時、ぜひ選んでみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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