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【大阪→富山のりかえ無し!】快適便利な北陸夜行バス 百万石ドリーム大阪乗車記[2306メトロ400系(1)]
関西と北陸を結ぶ特急サンダーバード。 現在は大阪〜金沢の運行ですが、北陸新幹線金沢開業までは、大阪〜富山を1本で結んでいました。 2024年度には北陸新幹線の金沢〜敦賀が延 ...
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能登半島に伸びるJR七尾線は、北陸新幹線開業によって他JR線から孤立した路線です。
かつては大阪からの特急サンダーバードが何本か設定されていたのですが、そのほとんどが金沢止まりに。1往復だけを残して、金沢〜和倉温泉を結ぶ特急能登かがり火が誕生しています。
現在はサンダーバード号が金沢駅まで来ていますが、2024年春に北陸新幹線が敦賀駅まで延伸したら、特急サンダーバードは敦賀行きになります。車両運用上特急車両が使われるのは七尾線だけですが、特急能登かがり火号はどうなるのでしょうか。
また、JR七尾線が接続する(旧)北陸本線は交流電化区間なのに、JR七尾線は直流電化区間です。わざわざここだけ電化方式が異なる理由についても探ってみましょう。
ここはJR七尾線の終着駅、和倉温泉駅です。
ホームには七尾線電化記念の碑が建立されています。真っ黒な石に白文字で書かれているのを見ると、最近のJR西日本で取り入れられているデザイン性を感じますね。
長年求められてきたJR七尾線の電化は、国鉄分割民営化後の1991年に開業を果たしました。
これにより大阪・名古屋からの特急列車が、和倉温泉駅まで直通するようになりました。大都市圏からの直通特急設定により、和倉温泉は大きなマーケットから一本で行ける温泉地へ一気に押し上げられたのです。
現在でも金沢から1日5往復走る特急列車には、多くのお客さんが乗車されていました。
列車が到着するとそれぞれ温泉地へ向かって、バスが次々と出発していく様子を見られます。
週末には2往復、観光特急花嫁のれんも運行。新幹線開業で多くの観光客が訪れる金沢から、能登半島へ足を伸ばしてもらう重要な交通手段です。
JR七尾線は津幡駅から和倉温泉駅を結ぶ路線。和倉温泉駅から穴水駅はのと鉄道七尾線になっています。
会社境界駅は和倉温泉駅ですが、普通列車は全てのと鉄道が運行。和倉温泉駅まで走るJRの列車は特急列車だけです。現在の運行体制はJR七尾線電化によって生じました。
元々JR七尾線は和倉温泉駅より先、輪島駅まで結ぶ路線でした。津幡〜輪島の路線長は107.9km、津幡〜和倉温泉の倍近くにあたります。
JR七尾線津幡駅〜和倉温泉駅間の電化を求めた自治体に対し、JR西日本は石川県に、和倉温泉以北の路線切り離しを求めました。そこで当時能登線(穴水〜蛸島)を運行していた、第三セクターのと鉄道が引継ぐことにしたのです。
JR七尾線は特定地方交通線ではなく、路線転換時に交付金等の支援を受けられる対象になりませんでした。そこでJR西日本から路線を借りて列車を走らせる方式を採用しています。
これにより、七尾〜和倉温泉はJR西日本は第一種鉄道事業として、自社が有する線路で自社の鉄道を運行。のと鉄道は第二種鉄道事業として、JR西日本の線路を借りて自社の車両を走らせています。
和倉温泉〜穴水はJR西日本は第三種鉄道事業者として鉄道施設を有しているだけ、のと鉄道が第二種鉄道事業者としてJR西日本の線路を借りて自社の車両を走らせている状態です。
のと鉄道に移管された七尾線ですが、穴水〜輪島は2001年に廃止されてしまいました。2005年には穴水〜蛸島も廃止されており、現在残っているのはのと鉄道が後から引き受けた路線の一部に過ぎないのです。
和倉温泉〜穴水が残った理由として、ある程度の利用者がいた他、新幹線開通後の並行在来線(IRいしかわ鉄道)に、鉄道運営のノウハウを残すためだったとも言われています。
末端部の利用者が少ない区間を引き受けてまで行われた、JR七尾線の電化事業。
しかし、接続する北陸本線の「交流電化」ではなく、JR七尾線は「直流電化」が行われました。この辺りに直流電化区間は無く、電化方式において孤立している状態です。
それでもわざわざ直流電化された理由、それはJR七尾線唯一のトンネルにあります。
こちらは宝達川の下をくぐるトンネルであり、天井川と言われます。川底に土砂が堆積し、それに合わせて堤防を高くし…を繰り返した結果、周辺の土地より川底が高くなってしまったのです。そのため川を越えるのにも橋梁ではなく、その下をトンネルで通すことになりました。
このトンネルは明治時代の1898年にできており、電化を想定していない小さなトンネルでした。
交流の場合、架線からトンネルの高さを十分に確保する必要があるのですが、直流であればその高さが低くても問題ありません。
新たにトンネルを作ったり、地面を低くして高さを確保したり等、大規模な工事を行うにはお金がかかるため、直流電化にしたのです。
幸い北陸本線を走る列車は交流と直流どちらも走れる交直両用電車。そのため、JR七尾線は直流でも交流でも問題なかったのです。
津幡駅から七尾線に入るところには、電化方式を切り替えるポイントのデッドセクションがあります。
赤と白のシマシマ模様がその目印。現在走る車両ではみられませんが、古い列車だとここを通る時に車内の電気が落とされていました。
JR七尾線には2020年から521系電車が投入され、JR西日本とIRいしかわ鉄道の車両がタッグを組んで走っています。
北陸新幹線開業による並行在来線分離により、JR西日本は七尾線のために費用の高い交直両用電車を持っておく必要があります。
また、特急能登かがり火号も利用者が多く、廃止するのは難しそう。引き続き681・683特急車両も金沢に置いておかなければなりません。
並行在来線ではないのに、新幹線開業で大きな影響を受けるJR七尾線。将来の動向に注視すべきところです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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