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【北陸新幹線レベル】国内最速特急サンダバード37号乗車記[2023ダイヤ改正(1)]

2023年3月26日

普通の通勤電車と同じ線路を走る在来線特急。

そのような特急列車の中で、日本一早く目的地までを結ぶ、それが大阪〜金沢を走る特急サンダーバード37号です。

全体の速度を均した平均速度、表定速度は106.3kmで、これが日本の在来線で最速となっています。

 

停車駅は新大阪、京都、福井、金沢で終わり。新幹線のぞみ号のように、主要駅だけに停まって目的地へ颯爽と行き着いてくれる、その走りをご覧ください。



駅ビルから広場へ階段がカーテンのように流れ落ちる、大阪駅にやってきました。

夕方ということで、階段に座ってゆったりしている方もいらっしゃいます。

 

多くの通勤客が東海道本線の車内へ吸い込まれた頃、ひとつ高級感溢れる11番線ホームに、本日の主役がやって来ました。特急サンダーバード37号です。

 

これからどんな走りを見せてくれるのか、ワクワク感がたまりません。

 

列車後ろ寄りのホーム上にセブンイレブンがあるので、簡単な買い物はできます。



17:42 大阪駅 発

まずは簡単な車内放送で終わり、途中停車駅の詳しい案内は、次の新大阪駅を出発すると流れます。

 

淀川を渡りまして、新大阪駅へ。左側にかかっているのは東海道貨物線の鉄橋、今回のダイヤ改正で開業したうめきたホームに繋がっています。

 

東海道新幹線との乗換駅、新大阪駅に到着。

 

京都、福井、金沢で停車駅の案内が終わってしまう、非常に短い放送が流れます。

 

かつては城東貨物線だった、おおさか東線が右手へ分かれていきました。

 

それとは別にここは複々線区間、普通列車をどんどん追い抜いていきます。

 

左手には吹田駅から岸辺駅に掛かって位置する、吹田貨物ターミナル駅が広がります。国内でも最大規模の貨物駅です。

 

その間右手に現れるのが、阪急電鉄の正雀工場です。塗装が薄れた小豆色のラインの建物、その奥にはおしゃれな茶色塗装の列車たちが停まっていました。

 

更に、摂津市に位置する大阪貨物ターミナルに向かって、立派な高架線が離れていきます。

 

何本かサンダーバードが停まることもある、高槻駅を通過しました。新快速なら常連です。

 

右手遠くの方には、阪急電車と東海道新幹線の線路を見ることができます。新幹線建設に伴い地盤沈下が考えられた時、阪急が高架化された際には、新幹線の線路を仮線として阪急が走ったこともありました。



阪急のように途中の需用を拾っていられないサンダーバード。

新快速同様ですが、最高速度130km/h区間をぐんぐん飛ばしていきます。

 

反対側からは、1日1往復しかない京都発着の特急くろしお23号が来ました。この時は大阪駅のうめきた新駅を通過している頃です。

 

向日町の車両基地横を通過、3月末で草津線から引退となる、緑色の113系・117系が停車中です。その見た目からも古さを感じ、走行音も非常に大きかったと記憶しています。

 

また、目が充血中の「パンダくろしお」もいました。

 

桂川駅周辺で貨物線が段々と登っていきます。関空特急はるか号は途中からこの線路を通って、ゆっくり京都駅まで至ります。

 

その線路は東海道本線を越えて左側へ、京都貨物ターミナルを走っていきます。

 

そして京都駅入線時、30番線に停まっているのが関空特急はるか号です。キティちゃんデザインによって華やかに彩られ、外国人にも人気になっています。

 

30番線ホームと一体化した、0番線ホームに到着。

中央改札の目の前に位置し、2つのホームが1列になっていることで、プラットホームの長さ558mは日本一を誇ります。



18:09 京都駅 発

ちょうど奈良線の列車も出発したところ。ダイヤ改正前後の時期に京都〜城陽の完全複線化を達成し、それを記念したヘッドマークをつけているかもしれません。

 

さらに、京都駅を東海道新幹線ひかり号が出発したところ。さすがに新幹線には敵いませんが、特急サンダーバードもいよいよ本領の発揮が近づいてきました。

 

まずは東山トンネルを抜けまして、京都市山科区の町並みが広がります。JR琵琶湖線(東海道本線)の他、地下鉄東西線に直通する京阪京津線も山を越えてきました。

 

山科駅を通過して湖西線に入ります。列車の速度はポイントを越えるためか60km/hを下回っており、ここから3kmに渡る長等山トンネルに入りました。

ずっと電波が通じていなかったこのトンネルですが、どうやら最近になって繋がるようになったみたいです。

 

大津京周辺は、京都のベッドタウンとして発展しているところ。沢山のマンションが立ち並ぶ様子を見られます。

 

湖西線は全線高架で踏切が無い、超高規格路線です。東海道本線同様の130km/h運転をずっと続けています。

 

線路が高いところに位置するおかげで、琵琶湖も綺麗に見ることができました。さらに、暗くなってきたことで、対岸の東海道本線沿いに広がる灯りも素敵です。

 

おごと温泉駅で、近江今津行きの普通列車を追い越します。これで前が詰まっていたためか、50km/hまで落としていました。

 

堅田駅を通過する時見えるのが、琵琶湖を越える琵琶湖大橋。

チキンの持ち手みたいに細まったところに架けられており、この地域が発展しているのはこのおかげかもしれません。

 

列車はもう一度速度を上げており、トップスピードのまま駆け抜けていきます。

 

薄暗くなっているのにもかかわらず、景色の目まぐるしく変わっている様子がはっきりと分かりました。



高島市の中心駅、近江今津駅を通過します。

湖西線の中ではおそらく一番の主要駅で、一部サンダーバードが停車することも。

 

駅周辺には平和堂があって、都市規模的にもその大きさが分かります。

 

カタカナ駅名ということで目を引く、マキノ駅を通過。

 

ここで米原駅から金沢まで続く、北陸本線が近づいてきました。



近江塩津駅を通過しまして、湖西線から北陸本線に入ります。

非常に長いホームとなっており、いざという時には特急を停められます。

 

滋賀県から福井県の県境に位置する、5173mの新深坂トンネルに入りました。

 

敦賀駅が近くなりますと、非常に大きなコンクリートの構造物が現れます。これは北陸新幹線の敦賀車両基地の一部です。

 

現在も在来線の車両基地が置かれていて、そのまばゆい光を見ることができます。

 

非常に高い新幹線の高架橋、その下には大阪駅から敦賀駅で走ると考えられる、特急が入る予定です。在来線特急と北陸新幹線の上下乗り換えを可能にしています。

 

そして、列車は敦賀駅を通過します。北陸新幹線が開業したらそれぞれの終着駅になるため、ありえない光景です。

 

ガラスの格子模様から光が漏れ出す新幹線ホーム、キラキラ輝く海の流れを思わせます。新幹線は新北陸トンネルへ向かい、在来線はその下をくぐります。

 

そして列車は長大トンネル、北陸トンネルへ。もう既に福井県に入っているはずですが、このトンネルこそが北陸の玄関と感じるのは、丹那トンネルと同じ匂いです。

 

トンネル内はGPSが通じないので分かりませんが、北陸本線の最高速度も変わらず130km/h。おそらくトップスピードで駆け抜けてきたはずです。

 

一部の特急列車が停まる、武生駅を通過。新幹線単独駅として、越前たけふ駅が設置されます。

北陸新幹線開通はまだですが、駅前の道の駅が3月18日にオープンしました。

 

UFOみたいな黒い影は、イベントホールのサンドーム福井。このあたりから越前市より鯖江市に入ります。

 

鯖江と言ったらとにかくメガネ。赤い看板がそれを主張してきます。

 

北陸新幹線の高架橋が近づいていまして、越前花堂駅を通過。

 

さらに、左手には貨物駅の南福井駅があります。北陸本線は日本海縦貫線の一部を成しており、各都市に貨物駅が設置されています。



19:29 福井駅 着

奥には北陸新幹線のホームができている、福井駅です。向かいには普通列車が停車中で、これも第三セクターハピラインふくいになります。

 

次は終点の金沢駅、在来線特急としては信じがたいことです。

 

福井駅を発車しまして、高架から一つ線路が降りてきました。ここにはえちぜん鉄道の車両基地があって、福井駅を高架化する際に、現在の北陸新幹線の高架を仮駅として使用していたことがあります。

 

春江駅周辺で、しらさぎ16号名古屋行きとすれ違いました。福井県第二の都市で福井空港がありますが、旅客定期便は無くなっています。

 

新幹線の駅が設置される、芦原温泉駅を通過。温泉街からは離れており、バスでの移動が必要です。東尋坊など観光地への拠点にもなります。

 

牛ノ谷駅周辺の山を越えまして、福井県から石川県に入りました。新幹線開通により、この辺りの天候による輸送障害も改善されるでしょう。



石川県西部の加賀市、多くの特急が停まる加賀温泉駅を通過します。

山代温泉、山中温泉など、ここは各温泉地へ交通の結節点。北陸新幹線の駅も設置されて、より沢山の方にきていただけると期待が膨らみます。

 

左手に注目していますと、小松製作所の青いロゴマークが光ります。重機で非常に有名な企業城下町、小松市を通過中です。

 

北陸新幹線ができる小松駅も、もちろん通過。

既に小松空港があって新幹線駅も手に入れる、大都市からの距離感は違えど、西九州新幹線の大村市みたいです。

 

能美根上駅がある能美市は、松井秀喜ベースボールミュージアムがあることでも有名。鉄道駅はここだけですが、かつては寺井駅から北陸鉄道能美線が市街地まで伸びていました。

 

右手に注目していると、地上には白山総合車両センターが見えてきます。ここからの新幹線高架橋は、金沢からの新幹線が回送されており、既に新幹線が走っています。

 

そして、白山市の中心駅である松任駅で、普通金沢行きを追い抜きました。この普通列車が遅れていたため、こちら特急も4分ほどの遅れです。

 

なんとかそれを巻き返そうと、最後にとにかくあがきます。

 

西金沢駅は北陸鉄道が接続する駅となっており、くの字の曲がり角で接する形です。

 

高架橋へ登ってきて見えるのは、新幹線開業を大きなきっかけとして立ち並ぶホテル群。おそらく大手のビジネスホテルは全て揃っており、それぞれの光が主張しています。

 

そして、北陸新幹線のプラットホームからは、ぼやぼやとした光が漏れています。



20:13 金沢駅 着

とやま絵巻ラッピングの、415系電車が停車中です。

 

ホームに降りて向かい側には、あいの風ライナー泊行きがいました。石川県内をすべて飛ばして富山へ向かう、かなり早い列車だそう。これはちょっと興味が湧きますね。

 

頑張ってここまで走ってきたサンダーバード。きっと今夜は羽を休ませるはずです。

2024年度に金沢〜敦賀の北陸新幹線が開業する前に、ぜひ乗ってみてください。

 

今日の金沢駅鼓門は、世界緑内障週間ということで真緑でした。いつもと違った美しさを感じつつ、幕を締めました。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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