関西と北陸を結ぶ特急サンダーバード。
現在は大阪〜金沢の運行ですが、北陸新幹線金沢開業までは、大阪〜富山を1本で結んでいました。
2024年度には北陸新幹線の金沢〜敦賀が延伸開業し、サンダーバードは大阪〜敦賀の運行になる予定です。福井・金沢・富山といった北陸各都市へ行くには、敦賀駅での乗り換えが必要になります。
今回ご紹介するのは、JR西日本の子会社である西日本JRバスが運行する、大阪〜富山を一本で結ぶ高速バスです。
その中でも夜間を有効活用できる便利な交通手段、夜行バスで富山へ行くことにしました。
乗車するのは「百万石ドリーム大阪」。利便性や快適性と共に、夜のハイウェイをお楽しみいただけたらと思います。
この路線で使用されているのは、「グランドリーム」というバスです。
3列独立配列で、座席はクレイドルシート。
リクライニングを倒してみると、まず座席自体が後ろへ傾いて、その後で背もたれが倒れます。ゆったりと包み込まれるようで、かなりの快適性です。
座席配列は互い違いになっており、完全に隣合っていないのも魅力的です。
ペットボトルホルダーは肘掛け部分にあり、背面では無く手元部分に設置されているのも特徴的でした。
コンセントも備わっており、スマートフォンだけでなくパソコンの充電も安心です。
枕は可動式なので、ちゃんと頭の位置に合わせられます。
金沢までの片道運賃は4000〜9000円、学割もあって1割引になります。席数限定の特割で3500〜7300円です。富山まで行く場合は+900円となります。
今回利用したのは一番前の座席。
運転手さんに、京都駅まで開けたままにしていて良いですか?と聞かれました。
むしろ開けたままにしてください!と懇願しちゃいますよ(笑)
22:20 大阪駅前 発
そういう訳で、京都駅までは前面展望を楽しませていただきました。
一番前に限らず横のカーテンについても、京都駅までは開けても良いという案内放送がされており、お墨付きの上夜景を楽しめて良かったです。
ブレーキランプがイルミネーションのように灯る、大阪駅前を走っていきます。
御堂筋線とともに淀川を渡ります。この辺りはOsaka Metro御堂筋線と並行しており、頻繁にやってくる地下鉄と並走することもできます。
東海道新幹線と立体交差、ちょうど新大阪駅へ入線する御堂筋線がいました。
Osaka Metro御堂筋線は江坂駅から北大阪急行南北線になります。
地下鉄区間も地上を走っていたため、あまり切り替わった感じがありません。
北大阪急行桃山台駅前にて、千里ニュータウンバス停に停まりました。梅田から高速に乗らなかったのは、ここに寄るためだったみたいです。
千里ICの下をくぐり、南北線終着駅の千里中央駅を過ぎます。
しかし、北大阪急行南北線は更に北上、箕面市への延伸工事が進められています。
2年前にも訪れましたが、高架線がほとんど完成している様子です。
こちらは終着駅の箕面萱野駅。みのおキューズモールと一体化しており、近年の新駅らしい構造となっています。
北大阪急行の延伸区間は、2023年度末に開業予定。来年春に列車が走っている姿も楽しみです。
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バスはそのまままっすぐ進み、箕面有料道路の箕面グリーンロードトンネルへ。
これがまた非常に長いトンネルで、5,623mに及びます。2007年開通で新しく、照明も明るいので閉塞感はありません。
止々呂美料金所を通り、箕面とどろみICより新名神高速道路へ入ります。
中々初見では読みづらい難読地名の為か、ICの名前だけ平仮名でした。
新名神高速道路を走り始めると、すぐに箕面トンネルへ入ります。
茨木千提寺PAを通過しました。
東海道本線から結構離れたところを走っていましたが、回り込むようにして近づいてきます。
新しい高速道路ということで、山の中をトンネルで突っ切っていきます。
こちらは原荻谷トンネル、かなり急な右カーブでほぼ南下状態です。
新名神高速道路の大阪地区開通区間は、高槻JCTまで。建設中の高架真下を通ります。
高槻JCTからは名神高速道路です。
天王山トンネルを抜け、大阪府から京都府に入りました。
京都南ICを降りて、京都駅に到着です。
烏丸中央口の目の前にあるバス停、JR1のりばからの乗車です。ここでは5,6人ほど乗ってこられました。
京都駅は23:40の出発。ここからはカーテンを閉めることになります。
23:50過ぎ、京都南IC辺りで消灯され、同じく夜行バスと共に名神高速道路を走り出しました。
京都東ICからは琵琶湖西縦貫道路が分かれており、特急サンダーバードが走る湖西線沿いを走ります。
しかし、この夜行バスはそのまま名神高速道路を東へ向かいます。
鉄道で言えば米原駅を経由して北陸本線へ入る、湖西線が止まった時の迂回ルートみたいです。
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草津JCTからは新名神高速道路が分かれており、東京方面への夜行バスはあちらを走るはず。
0:47、多賀SAにて15分ほどの休憩です。
売店などは営業しているので、軽食など買うことはできます。
大阪〜東京の夜行バスは把握しきれないほど運行されており、この大きなサービスエリアを休憩箇所に設定している便も多いです。
深夜1:05、このバスも多賀SAを出発します。
ずっと名神高速道路を走っていましたが、米原JCTで北陸自動車道に入ります。
左には福井、右には名古屋の文字が見えています。鉄道と同じく、米原は北陸と東海の分岐点です。
いつの間にか眠ってしまっていましたが、南条SAで停車中。運転士さんの休憩のためで、乗客が外に出ることはできません。
3:55に撮影したものですが、1時間半ほど止まっていたみたいです。
5:00に尼御前(加賀市)、5:11に北陸小松で停車しており、それぞれ1人ずつ降りて行かれました。
こちらでの降車客はいらっしゃいませんでしたが、5:25に徳光PAの松任海浜公園バス停で停まります。
金沢西ICで北陸自動車道から一般道へ降りてきました。
金沢駅への一本道となる、けやき大通りを南下します。
5:46金沢駅西口に到着しました。
よく写真で見る赤い鼓門とは反対側です。
大阪〜北陸を結ぶ夜行バスは、大阪駅21:50発/金沢駅6:02着の青春北陸ドリーム大阪もあります。4列シートのためその分安く、片道3500〜6500円です。
しかし、富山駅まで連れて行ってくれるのは、この百万石ドリーム大阪だけです。金沢東ICより再び北陸自動車道に乗り込みます。
北陸自動車道と金沢東部環状道路が交わる、金沢森本IC。能登方面への分岐点でもあり、かなり大規模で複雑に道路が絡み合っているのも見て取れます。
いつの間にか寝ちゃっていましたが、1時間ほど経って富山駅前到着放送に目覚めさせられます。
6:56 富山駅 着
大阪駅からの所要時間は8時間36分。夜行バスしては十分睡眠が取れる、ちょうど良い所要時間でした。
夜行列車が無くなった今、関西から北陸まで寝ていれば着くのは、本当に便利なことです。
座席も非常に快適で、恐らく眠りやすいはず。ぜひ一度利用してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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