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【最後の国産二階建てバス】新東名スーパーライナー10号 エアロキングビジネスシート乗車記

2023年1月15日

 

こちらは名古屋駅新幹線側の太閤口、多くの長距離バスが発着するバスターミナルです。

今回乗車するのは、名古屋〜東京を結ぶ高速バス。JR東海バスが運行する、新東名スーパーライナー10号です。

 

この便で使用されているのは国産2階建てバス、三菱ふそう・エアロキングです。

2010年に生産を終了したことで、国産の2階建てバス消滅。JR東海バスではアストロメガ・スカニア製へ置き換えが進んでいます。

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現在でもエアロキングを日常的に走らせているのは、JR東海バスの新東名スーパーライナーぐらいです。

いつ引退してもおかしくない状況なので、国産2階建てバスの旅をしてみることにしました。

 

エアロキングが充当されているのは、新東名スーパーライナー7号と10号です。

 

新東名スーパーライナー10号
名古屋駅新幹線口11:00発-東京駅日本橋口16:14着

新東名パーライナー新宿7号
東京駅日本橋口11:30発-バスタ新宿12:10発-名古屋駅新幹線口17:17着

 

乗車前の買い物には、軽食も売っているGIFT KIOSKが便利です。

 

バスターミナルは新幹線口を出てすぐ右側にあります。



今回は2階部分の最前部にある、ビジネスシートを利用します。

ネット予約をしたので、送られてきたメールよりアクセスできるWEB乗車票を提示して車内へ。

料金

普通:5500円
普通早割1:4200円
ビジネス・シート:6100円
ビジネス・シート早割1:4700円

 

デラックスシートとして設定されている、普通座席も3列シートです。

 

昼行バスとしては十分空間が広く、これでも快適そうに見えます。

 

利用するビジネスシートは先頭部分の6席です。

 

オットマンが備えられていて、足を思いっきり伸ばすスペースがあります。

 

2+1の座席配列になっているのですが、2人側でも大きなパーテーションで区切られています。プライベート空間を作り出した上で、前面の開放感を得られるのは素晴らしいです。

 

コンセントや、小さめですがインアームテーブルもあります。



11:00 名古屋駅 発

名古屋駅前の大通を走っているところで、案内放送が流れます。

途中の停留所は、霞が関だけ。休憩は遠州森町PA、足柄SAとなっています。

 

JR線をくぐった先には、名鉄バスセンターから道路が突き抜けてきました。名古屋の高速バスは、さっきの新幹線口と名鉄バスセンター両方発着することもあります。

 

菱形のガラスが螺旋を描くのは、モード学園スパイラルタワーズ。名古屋で一番特徴的といっても良い高層ビルです。

 

JR・名鉄の線路が集まる横を並走します。東京まで僅か1時間半の東海道新幹線も駆け抜けていきました。

 

名古屋駅の隣でありながら、各駅停車しか停まらない山王駅。かつてはナゴヤ球場前駅として、試合開催時には多くの方が下車されました。

現在、中日ドラゴンズの本拠地はバンデリンドームナゴヤに移され、ナゴヤ球場は二軍の拠点になっています。

 

山王料金所を抜けまして、名古屋高速4号東海線に入ります。中部国際空港がある、知多半島へ接続する高速道路です。

 

臨海部に広がる工業地帯の中を走行。日中1本も列車が運行されないことで名高い、名鉄築港線の東名古屋港駅近くを通ります。

 

鉄鋼業の盛んな東海市、威勢よく白煙を上げる中を貫きます。

 

東海ICにて豊田〜四日市を結ぶ伊勢湾岸道へ。三河地方から名古屋の臨海部へ直接行けるのは、高速道路の特権です。

日本の工業を支える中京工業地帯にとって、欠かせないインフラになっています。

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何本もの道路がとぐろを巻く名古屋南JCTへ。

高速道路では平面交差できないので、鉄道よりも簡単に迫力ある立体交差を楽しめます。

 

刈谷ハイウェイオアシスの大きな観覧車が見えてきました。東京ディズニーリゾート、USJに次いで来場者が多い遊園施設です。

 

豊田東JCTから、新東名高速道路に入りました。豊田東JCT〜浜松いなさJCTは2016年に開通した区間です。

 

最初のトンネル、岩中岩野トンネルへ。

ナトリウムランプは当然のように使われず、より効率の良いLEDです。高速のトンネルはオレンジというイメージは消えかけています。

 

左手には音羽開発の採掘場が見えてきました。特撮の撮影場所にでも使われそう。

 

新城ICを出ると、道の駅もっくる新城があります。大阪〜東京を結ぶ高速バス、青春昼特急の乗務員交代場所として選ばれました。

 

ちょうど交差する飯田線の三河東郷駅からも歩いてアクセスできます。

 

浜松いなさJCTで、南は浜名湖、北は鳳来峡へ分かれることになります。

浜松市に合併される前の引佐町が元になっており、天竜浜名湖鉄道の金指駅が中心駅です。

 

丁度ここで静岡県に入り、シンボルの富士山がそのことを知らせてくれました。

 

トンネルを含めてこの直線は6kmに及び、新東名高速道路で最長の直線区間です。トンネルと切土により、設計速度140km/hを実現しています。



遠州森町PAで15分ほどの休憩。

遠州の小京都とされ、蔵のある町並みなども探索が楽しそうです。

 

ここの名物が、もちふわ抹茶クリーム大福です。

もちもちどころか、ぷるぷると言っても良いほどの柔らかな弾力。香り立つ抹茶に程よい甘さのつぶあんがとても美味しいです。

 

休憩を終えまして、沢山の車が駆け抜ける本線へ戻ります。

 

島田金谷ICには、富士山静岡空港の案内まで出ていました。空港はここから南へ10km、東海道新幹線のトンネル上に位置します。

 

リニアや大井川鐵道など、鉄道の話題が尽きない大井川です。鉄道だと幅広で水量の少ない様子を観察できるのですが、車線数の多い高速道路では見づらくなってしまいます。



新清水JCTでは、正面に富士山が顔を出していました。

ここでは甲府、長野へ繋がる、中部縦断自動車道が交差します。身延線と並行しており、静岡〜甲府を結ぶ特急ふじかわ号も厳しい状況に立たされます。

 

どっさり雪が積もっているというよりも、全体的な白っぽさが目立つ富士山です。

 

富士市に入りますと、日本一の山が美しく裾野を広げていました。街が広がっていて、あの中にいたら実は富士山斜面の一部だったなんてこと普通にありそうです。

 

右手に広がるのは富士市街地と駿河湾、その向こうには伊豆半島が見えています。まるで火山島のようなゴッツい山、かつては島だったのが本州にぶつかり半島となったので、明らかに地形が異なります。

 

すぐ解消されましたが、工事が行われている前後では渋滞も発生。

 

御殿場線と同様に、熱海周辺の崖を迂回します。富士山が作り出す凹凸ごとに、トンネルを掘ったり平らな道を作ったりしていました。

 

新東名高速道路は現在、新御殿場ICまでです。このバスは東京へ向かうため、御殿場JCTから東名高速道路に入ります。



足柄SAにて18分の休憩です。

こちらから見る富士山だと、かなりの面積が雪で覆われていました。

 

足柄SAは高速バスの休憩にも頻繁に使われ、非常に広いサービスエリアとなっています。

 

静岡県小山町から神奈川県山北町へ。やっぱり静岡県は体感的にも長かったです。



松田からはJR御殿場線とは異なり、まっすぐ東京方面へ向かいます。

中井町は鉄道のない自治体で、唯一存在した湘南軌道は1937年に廃止されました。

 

2022春、新東名高速道路の新秦野IC〜伊勢原大山ICが開通しました。2027年度に新御殿場ICと新秦野ICが繋がり、今回東名高速で走っていたところも新東名高速で結ばれます。

 

首都圏中央連絡自動車道(圏央道)と交差する海老名JCT。都心と地方を放射状に結ぶ高速道路を環状に結び、鉄道で言う武蔵野線みたいなメガループです。

 

70代を高齢者と言わない街大和市の横断幕。

 

その直後には、まさに厚木基地へ着陸する飛行機も見ることができました。

 

東京料金所はまさにターミナル駅の自動改札みたい、新幹線の中間改札を抜けて、細かい目的地へ各々在来線に乗り換えるのに似ています。

 

多摩川を渡りまして、神奈川県から東京都に入りました。

 

この先渋滞が見込まれることから、用賀PAで降りたい人はボタンを押すよう案内がありました。

 

近くに東急田園都市線の用賀駅があるので、定時性に優れた鉄道で渋谷へ先に行くことができます。

確かに渋滞はしていましたが、最終的に9分の遅れで済みました。

 

渋谷駅周辺のビルが林立する中、それらの中を堂々と高速道路が駆け抜けます。

 

霞が関と上野の分岐となる、谷町JCTで霞が関へ。

 

都市型トンネルにより、地下へと潜っていきます。



地上に上がると、霞が関出口です。

曲がり角に位置するのが外務省、その奥がいつもお世話になっている国土交通省です。

その他、総務省や警視庁など各省庁が集まっています。ドラマなどで見る建物ばかりで、勝手に聖地巡礼している気分。

 

下っているのは潮見坂、東京湾で埋め立てが行われる前は、名前の通り海が見えたそうです。この先には新橋や築地があり、確かに明治には海がすぐそこであったことが想像できます。



皇居東側のお堀沿いを走行中。

日本初の洋式劇場である帝国劇場、東京會舘など大正時代に取り入れられた文化が、今まで続いています。

 

東京駅丸の内駅舎から皇居まで続く、停車場線を横切ります。

 

頭一つ飛び抜けて高いところを走る中央線、その奥には東北本線系統の線路がまとまっています。これらを潜った先が、終点の東京駅です。



16:14 東京駅日本橋口 着

丸の内、八重洲に次いで主要な出口、日本橋口にバスは着きます。あまり主要な場所ではないのでバス乗降場を整備しやすいようです。夕方でもスタバの席が結構空いていたので、使いやすいかもしれません。

 

名古屋駅から5時間かけて東京まで来ましたが、このゆったりしたビジネスシートのおかげか、ほとんど疲れることはありませんでした。

 

バスの車両は特に疎いのであまり分かりませんが、単純に車両が無くなってしまうのはやはり寂しいです。

しかも、国産二階建てが消滅となれば、違いが分からなくとも思いが強まるものです。

東京から名古屋へ向かう移動手段のひとつとして、是非チョイスしてみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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