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【8両のぞみ】東海道入れない!?「みずほ車両」で運行する臨時のぞみ616号が快適すぎた[2305GW]

2023年5月7日

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東京〜大阪を結ぶ大動脈、東海道新幹線。

JR東海は車両運用の効率化を測るため、両数を16両編成で統一しています。

山陽新幹線へ直通しているのぞみ号ですが、これらは全て東海道新幹線も走ります。山陽新幹線内で完結するのぞみ号は存在しません。

 

そのため、のぞみ号は全て16両編成で、それ以外の両数は存在しない…はずです。

 

しかし、今日は何故か8両編成ののぞみ号が運行されています。しかも、のぞみ号なら東海道新幹線へ乗り入れないといけないのに、ここ博多駅の発車標の行き先に新大阪行と表示されていました。

 

しかものぞみ号とは思えない、豪華仕様の指定席座席。

一体どういうことなのか、実際に乗ってみましょう。



こちらは博多駅の新幹線改札口、在来線はJR九州ですが新幹線はJR西日本の管理となっており、黒を基調にしたシックな見た目が特徴的です。

5月6日は指定席の販売状況的にUターンのラッシュとされていますが、混雑しているとはいえ、朝ならどうしようもない程ではありません。

 

ここで発車標をみてみますと、今回の主題となる謎の列車が表示されていました。何食わぬ顔をしている「のぞみ616号」、しかし鉄道ファンのフィルターの目には「新大阪行き」「8両」が引っかかります。

 

また、列車名の番号「600番台」と言うのは、山陽九州新幹線直通の速達列車、みずほ号の枠です。

「東海道新幹線へ乗り入れないから600番台」「山陽新幹線で完結するからのぞみ号」という2つの要素から、セオリーから外れた例外になったものと思われます。



それでは列車が出発する14番線ホームへ。

基本的に九州新幹線内で完結する各駅パターン、つばめ号と並んでいるのが山陽新幹線と九州新幹線の境界駅である、博多駅らしくて良いですね。

そして、本来なら存在しない「のぞみ新大阪行き」を強調することになります。

 

のぞみ616号新大阪行きが入線、ここで8両編成である謎が解けることになります。

使用されているのは、山陽九州新幹線で走るみずほ号の車両です。8両編成で組まれているこの車両が、山陽新幹線完結の臨時のぞみ号として投入されたため、8両編成ののぞみ号が誕生したのでした。

 

この列車が設定された理由は、もちろんゴールデンウィークの多客対応のため。山陽新幹線内完結ならJR西日本が自社で運行を決められるので、比較的簡単に臨時列車として設定できます。

 

お隣からは8:00発のぞみ10号東京行きが出発。

定期ダイヤなら8:15発のぞみ12号東京行きがありますが、その間に差し込むようにして今回の8:06発のぞみ616号新大阪行きを設定。山陽新幹線内の速達需要を汲みます。



8両編成ののぞみ号ということで、一番気になるのがグリーン車です。

のぞみ号のグリーン車は8,9,10号車がグリーン車となっています。

しかし、みずほ車両のグリーン車は6号車。この車両に四葉のクローバーと「のぞみ」が表記されているのは非常に珍しいのです。

 

また、みずほ車両は半室グリーンとなっているため、グリーン席が並んでいるのは手前半分だけです。

 

窓から少し覗いてみるとグリーン席は手前で終わっており、向こうは指定席になっています。真ん中に窓がない不自然なスペースが特徴的で、こちらが間に挟まれたデッキ部分です。

 

乗降口頭上の発車標掲示を見てみますと、確かに同じ6号車でも後ろ寄りはグリーン席ではなく指定席であることが分かります。



今回乗車するのは先頭、8号車指定席です。

車内に入ると、これぞみずほ号車両!という実感が湧きます。

グリーン車さながらの2+2配列、ふかふかの座り心地良い座席ですよ。

 

そして電光掲示板には「のぞみ616号」が流れてきました。

普段ではありえない「のぞみ」がこの車内空間に溶け込みます。



08:06発 博多駅 発

ホーム上ではのぞみ616号発車の案内がなされまして、ドアが閉まりました。

みずほ車両によるのぞみ号の出発です。

 

まずは普段通り、いい日旅立ちから始まる自動放送が流れました。

また、のぞみ号ですが車内販売が無いことが案内されます。

 

博多〜小倉は新幹線で15分ほど。海沿いを迂回する鹿児島本線に対して、山陽新幹線は山の中を突っ切ります。



みずほ車両ならではの、快適な指定席についてご紹介します。

のぞみ号の指定席2+3に対して、2+2の座席配列です。

 

のぞみ号と一番異なるのは、この分厚い座席。

ふかふかのモケットがゆったりと包み込んでくれて、非常に快適です。

 

窓側座席にはコンセントが備わっているので、充電も安心。

 

一方で通路側座席には備わっていないので、N700Sとは違ってまだこの心配は必要です。

 

テーブルは広さこそ同じものの、プラスチックではなく木目調のデザイン。

見た目にも非常に優しく、のぞみ号のスタイリッシュ感とは全く異なります。

 

肘掛け部分にはペットボトルホルダーがあって、JR西日本の新幹線ではお馴染みの印象です。



数々のトンネルを抜け、北九州市へ出てきました。

臨海部には工業地帯が広がっており、新幹線の高架からは朱色と白の煙突が林立する様子を望めます。

 

小倉駅に到着、お隣には同じN700系が停車中でした。

 

新関門トンネルを抜けまして新下関駅を通過、九州から本州へ突入です。

 

ここで前の列車が遅れており詰まっているせいか、のぞみ616号も165km/h程にまで速度を落としていました。

 

右手には周南コンビナートを間近に見ることができます。山陽新幹線における車窓のハイライトです。

ここにはカーブがあるため、いつも通り速度を190km/h程にまで落とします。



中国地方最大の都市、広島駅に到着です。

やはりここから乗車される方は非常に多くなっています。

 

新尾道駅を通過するとき、向かいには500系新幹線が停まっていました。

かつては東海道新幹線まで乗り入れ、のぞみ号の顔として活躍していたこの車両。現在では8両編成に組み替えられ、こだま号で走り続けています。



次の停車駅は広島県第二の都市、福山です。

少し前にも山陽新幹線内完結の新大阪駅始発のぞみ号をご紹介しましたが、その時は福山で行われた、ももいろクローバーZのイベント需要を支えるためでした。

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この列車は山口県内の駅を全て通過しており、福山駅に停車する停車パターンです。

福山城の天守閣が目の前で、新幹線駅から一番近いはずです。

 

福山駅を出発してしばらくすると、右手には東福山駅の貨物ターミナルが見られます。

特に福山通運のコンテナは東海道山陽本線でよく見かけるものです。

 

山陽新幹線は最高速度300km/h、ぐんぐん速度をあげて走り出します。

広島まで1分程度あった遅れも回復しました。



山陰・四国からの鉄路が集結する、岡山駅に到着です。

「次は岡山」の停車駅表示については、上から降りてくるようなアニメーションです。

 

岡山都市圏自体の需要に加え、各路線から乗換のお客さんで、広島駅よりも多くのお客さんが乗ってこられました。

 

千種川がちょうど蛇行しており流域面積が広くなっているところ、新幹線の高架が貫きます。

 

西明石駅通過前後では、遠くの方に注目していると明石海峡大橋も見られました。山陽本線からは本当に目の前どころかその下を潜るほどですが、こちらもみつけた感があって結構楽しいです。

 

全列車停車するのに対し、線路が2本だけの新神戸駅に到着。

ゴールデンウィークで臨時列車が多数運転されている中、間隔の狭い長距離列車を捌いていきます。

そして遂に終点、新大阪駅到着の放送が流れました。



10:37 新大阪駅 着

博多駅から新大阪駅まで「のぞみ号」として連れてきてくれたN700系新幹線。

ここから先8両編成として入ることは許されていません。

 

発車標には「のぞみ616 新大阪止 8両編成」の表示。

のぞみ8両編成が東海道新幹線の発車標にも出てきました。

 

各乗車口の頭上にも「新大阪止」と出ておりまして、博多方面からののぞみがこの表示を出すのは珍しいものです。

 

珍しくのぞみとしての使命を引き受けたN700系、新神戸方へ回送されていきました。

 

そして22番線から列車がいなくなったと思ったら、4分後に発車するのぞみ115号博多行きが入線。もう忙しすぎますね…。

 

年末年始、ゴールデンウィーク、お盆の時期には、各新幹線が最適なダイヤを組んでいます。これにより普段では見られない運行を観察できて、非常に面白いです。

臨時列車は定期列車よりも空く傾向にもありますから、ぜひプレスリリースをご覧の上、乗ってみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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