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【のぞみ号なのに東海道走らない!】山陽新幹線完結の臨時のぞみが面白すぎる[かささぎ(1)]

2023年4月24日

 

タクシープールに行列ができる日曜日の夜、こちらは新大阪駅です。

 

東海道新幹線と山陽新幹線の境界であり、発車標には九州新幹線へ直通する、オレンジ色のみずほ号も表示されています。

この中に1つ、普段では見られない臨時の新幹線があります。

 

それが一番下の「のぞみ619号博多行き」

今日だけ設定されている臨時列車で、面白ポイントがいくつかあります。



まずは、新大阪駅下り方面で「始発16両」「のぞみ号」であること。

山陽新幹線も走るのぞみ号ですが、これは東海道新幹線へ直通する種別。しかし、今回乗車するのぞみ619号は新大阪駅から博多駅の運行であり、山陽新幹線内で完結してしまいます。

 

続いて、のぞみ「619号」という番号

600〜619号は九州新幹線直通のみずほ号」が使うための番号です。それにも関わらず「のぞみ」が619号を使っています。

おそらく博多止まりで九州新幹線に入らないため、「みずほ」ではなく「のぞみ」にしたのでしょう。

この他にも運行上、普段とは違った光景を見られます。一体なぜこの列車が設定されたのか、実際に乗って確かめてみましょう。



列車が出発する22番線ホームへ向かいます。

ここにも「始発」の表記が付されていました。自由席1〜3号車というのも、最速達種別の証です。

 

ホーム上の発車標では、「当駅始発の16両編成」と長めの案内。

 

英語表記でも「Originating at this station 16 Cars」という案内になります。

 

のぞみ619号の発車6分前には、20:02発のぞみ55号博多行きが出発します。

停車駅を見てみると、のぞみ全停車駅に加えて福山駅に停まる、全く同じ停車パターンです。

 

21番線からのぞみ55号博多行きが発車するとほぼ同時、22番線にのぞみ619号博多行きが入線しました。

 

新大阪〜博多で設定された列車のため、JR西日本の編成が使用されています。

 

当駅始発ということもあり、1〜3号車の自由席も結構空いていそうな感じでした。

 

始発駅におけるスクロールされた停車駅も、新神戸駅から始まります。

 

みずほ号では8両編成のところ、12号車の指定席に乗車です。



20:08 新大阪駅 発

半分ほど区画が埋まっている状態で、大阪駅を出発しました。

 

ここで何より驚いたのは、車内チャイムが「いい日旅立ち」ではなく「4打点チャイム」だったこと。昔の東海道山陽新幹線が帰ってきたようです。

自動放送ではなく車掌さんによる肉声放送が行われ、臨時のぞみであることが強調されていました。

 

前が詰まっているせいなのか、220km/hで走行します。

 

トンネルに挟まれた新神戸駅に到着です。

先行する定期のぞみ55号がお客さんを乗せているため、こちらに乗る方はそんなにいらっしゃいませんでした。

 

山陽新幹線では、のぞみ号に限り車内ワゴン販売を行っています。

しかし新神戸駅発車後、ワゴンサービスは8〜10号車のみという放送がありました。

つまりグリーン車でしか販売を行わないということで、おそらくグリーンサービスを行うパーサーの方が、ワゴン販売の仕事も受けていると予想されます。

 

姫路駅を通過、真っ白にライトアップされているおかげで、姫路城もはっきり観察できました。

 

山陽本線の短絡も目的の一つとして敷設された、赤穂線に沿って山陽新幹線は走ります。



20:53、岡山駅に到着。

この時間でも高知や出雲市へ行けるようで、中国四国地方における縦断特急の凄さを思い知らされます。

 

岡山駅発車後、再び4打点チャイムが流れました。車掌さんによる肉声放送が続きます。



定期列車でも一部のぞみ号が停車する、福山駅に到着です。

乗車している臨時のぞみ619号が設定された理由、それは今日に限った福山駅からの需要を支えるためです。

 

福山市では2023年4月22日から23日にかけ、福山通運ローズスタジアムで「ももクロ春の一大事2023」が開催されました。

2日目が終わって帰るお客さんが多くいらっしゃることを見込んで、今回の臨時のぞみ619号が設定されています。

 

実際にはそこまでの利用者はいなかった様子。

しかし、乗客の分散積み残し発生時の対応を考慮しても、臨時のぞみ号を設定しておくのは正しい判断のはずです。

 

すぐそこには福山城の天守閣があり、ライトアップで石垣一つ一つまで見られるほどでした。

 

広島県第二の都市である福山駅より、途中設置された数多くの新幹線駅を次々通過していきます。



まもなく広島駅に到着です。

在来線の方を見下ろしますと、貨物ターミナルが広がっています。

 

今日は試合が行われていないようですが、広島東洋カープの本拠地である、MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島はすぐそこです。

 

周辺の東横インやローソンまで、カープ色に染められています。

 

お客さんの下車は広島駅が最も多く、120万都市の力を見せつけられました。

 

この後にも博多方面への列車は何本か設定されています。福山から帰れる便も数多いので、割と大きな保険だったようです。

 

広島駅発車後も、4打点チャイムに始まる肉声放送が流れました。



徳山駅周辺では、周南コンビナートの夜景が広がります。

今日は煙突の先でぼうぼうと火が出ていました。

こちらは廃ガスを大気中に放出する際、無害化するのに煙突の先端で燃やしているためです。

 

ここはカーブにより速度を落とすため、この夜景をじっくり楽しむことができます。

 

山陽新幹線で一番素晴らしい景色、ぜひ海側に注目していただけたらと思います。



一部のぞみが停車する、新山口駅を通過。

下には在来線の車両基地が広がっています。

 

新下関駅を通過するとすぐに、新関門トンネルで本州から九州に入りました。

 

山口県内の駅に一切停車することなく、小倉駅に到着です。



扉が閉まりますと放送されましたが、なかなか閉まる気配がありません。

お客さん対応を行っていたようで、4分遅れで出発しました。

 

300km/h近くで小倉〜博多の山を飛ばし、在来線との差を見せつけます。

 

定刻通りなら22:39、九州の最大都市である博多に3分遅れで到着です。

 

向かい側からは、22:42発の博多南線が出発。遅れた臨時列車でも、ちゃんと接続してくれます。

 

そちらのぞみ619号もまもなく扉を閉め、回送されます。

 

博多南線の500系を追いかけるようにして、博多総合車両所へ出発していきました。

 

残るは博多からの帰宅需要も大きい、小倉と熊本へ行く新幹線です。臨時新幹線も走る週末、山陽新幹線の一日が終わります。

 

普段でも走っていそうな山陽新幹線内完結のぞみ号。臨時列車で走る時だけの運行も非常に面白かったです。

もしこのような機会がまたあれば、ぜひ乗っていただけたらと思います。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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