こちらは九州で一番のターミナル駅、東京から伸びる東海道山陽新幹線の終点です。
博多駅から東京駅への最終列車は、のぞみ64号。これまで所要時間は4時間46分で、日本一速い新幹線として知られていました。
2024年春のダイヤ改正で、これまで18:59発だった出発時刻が1分遅れて19:00に。東京駅の到着時刻はそのまま23:45で、所要時間が4時間45分に短縮されました。
のぞみ号は標準停車駅に加えて、姫路駅, 福山駅, 徳山駅, 新山口駅のどれか1駅に停まるのが基本です。一方のぞみ64号に関しては、標準停車駅にしか停車しない、唯一の便になっています。
遂に博多駅を19:00に出ても東京駅まで帰れる、どのようにしてこの1分を縮めたのか、生まれ変わった日本最速の新幹線をご紹介します。
今日はダイヤ改正日の3月16日、充当されたのはN700Sで、今日から運行開始した「J41」と言われる編成でした。
本日朝6:00東京発ののぞみ1号でデビューし、最終の64号が2本目の運行です。乗車口付近にの喫煙マークや、指定席や自由席を示す表示が設置されていなかったりします。
向かいには博多南線の700系レールスターが停車中。博多駅を出発です。
19:00 博多駅 発
まさに19時になった瞬間、列車が動き始めました。
鉄道の時刻は15秒単位で決められており、のぞみ64号は19時00分00秒の出発になっているのでしょう。少しでも走行時間を長くしているようです。
もう暗くなっている空の下、九州特急を目にしつつ『会いに行こう』が流れ、東京まで本日最後の運行が始まりました。
博多駅を発車してものの数分、山陽新幹線の最高速度である300km/h走行となりました。
今回は2024年6月をもって失効する、EXのグリーンポイントを使ってグリーン車に乗車。
2024年3月16日より、東海道山陽九州新幹線の喫煙ルームが廃止されました。
既存の新幹線なら喫煙ルームをシールで隠していると思いますが、この新しい編成では元々無いものとなっています。
この新しいN700Sの編成には、そもそも喫煙ルームがありません。
今日から喫煙ルームが廃止されたので、この編成を入れられるようになったのですね。
喫煙ルームを改造した形の7号車ビジネスブースも、こちらは専用の区画として設置。
空室・予約中・使用中の状況が、ライトで分かるようになりました。
3号車の喫煙ルームに関しても、元々無いものに。
形的には開閉ボタンなど喫煙ルームっぽさがありますが、業務用スペースになっています。
15分ほど九州を走り続け、北九州市の小倉駅に到着です。
次の停車駅は広島駅ですが、特に新山口駅、徳山駅に停車しないことを知らせる放送はありませんでした。
これら2駅通過ののぞみ号はそれなりにあるので、特に注意喚起は必要無いのかもしれません。
小倉駅の出発時刻は19:16発。博多駅から先しばらくは、各駅これまでより1分発車時刻が遅まっています。
これまで山陽新幹線のぞみ号で行われていたワゴン車内販売ですが、3月15日をもって、普通車の車内販売が廃止されました。
今後はのぞみ・ひかり号のグリーン車でのみ、ワゴン車内販売が行われます。
のぞみ号が停車する新山口駅を、290km/hで通過していきます。
しばらくすると周南コンビナートの工場夜景が見えてきまして、こちらにはカーブがあるため180km/hくらいまで速度を落とします。
新幹線建設時は山の中に新徳山駅を設置予定でしたが、市街地を通す要望が大きかったため、現在の形になっています。
周南市の代表駅である徳山駅、一部のぞみ号が停車しますが、こちらはもちろん通過です。ちょうど反対のこだま号とすれ違いました。
だいぶ速度を落としていましたが、最高速度近くまであっという間にスピードアップ。
中国地方最大都市、広島駅に到着です。
こちらの発車時刻は20:02、こちらは20時に広島駅を出ても東京駅まで辿り着けるのが、売りになっています。
広島県最東部に位置する県内二番目の都市である福山市、一部のぞみ号が停車する福山駅は通過します。
こちらはやや速度を落としたみたいで、270km/hくらいでした。
それでもすぐに300km/hへ戻りました。前に列車が詰まっていたりしたのでしょうか。
まもなく岡山駅に到着です。
山陰・四国から数々の特急列車が集まるところで、岡山→東京の終電であるのぞみ64号に合わせて、それぞれの特急ダイヤが組まれているはず。
お隣には500系新幹線が停車中。のぞみ64号は岡山駅を20:37の出発です。
東横インに負けない、緑色にライトアップされた姫路城。この先ですぐ姫路駅を通過します。
姫路駅に停車するのぞみ号は、基本的に広島発着便です。
300km/h運転を続けてきた山陽新幹線ですが、この先は速度を落とすことに。姫路駅も270km/hで通過しました。
同様に西明石駅も270km/h程度での通過、奥にはライトアップされた明石海峡大橋を見ることができました。
21:09 新神戸駅 発
長いトンネルを抜けまして、新神戸駅に到着です。
兵庫県から大阪府に入りまして、新大阪駅には21:21着。博多駅からの所要時間は2時間21分です。
博多駅の出発時刻が1分遅くなったことにより、ここまでの全停車駅は1分ずつ発車時刻がずれていました。
しかし東京駅の到着時刻はこれまで通り。1分所要時間が縮まっている理由、それは新大阪駅での停車時間が4分から3分に短縮されたためです。
のぞみ64号は停車する全ての駅において、東京駅への最終列車。新大阪でも多くのお客さんが乗降されるため、停車時間が十分に確保されていたのです。
こちらはのぞみ自由席の1〜3号車の列、今日は土曜日ですがまあまあな混み具合となっています。
やはり大阪から東京への移動需要は相当なもので、乗車にかなり時間がかかっています。
駅員さん方も列車を遅らせないよう、乗車促進の放送をしきりに行っていらっしゃいました。
21:24 新大阪駅 発
4分の停車時間は長く感じていましたが、1分短くなっただけでも割と忙しなくなりました。
ゴールデンウィークなど最繁忙期には、この後に新大阪駅21:30発臨時のぞみ488号を運行予定。この列車の運行ダイヤが定まったことにより、通常時はのぞみ64号の停車時間を短くできるようになったのでしょう。
ここから先の停車駅は、ダイヤ改正前と同じ時刻の発着です。
少々車内に目を移しまして、先程ご覧頂いたビジネスブースですが、利用されている間は赤色のランプが点灯していました。
21:38 京都駅 発
京都駅ではインバウンド観光客の方も多いためか乗車に時間がかかり、1分の遅れ。
また、グリーン席ながらお隣にお客さんが来られて、最終のぞみがいかに需要の高い列車か知らしめられます。
東海道新幹線の最高速度は285km/h。1分の遅れを無くすべく、トップスピードで走り続けます。
そのおかげもあってか、名古屋は定刻通りの到着になりました。
名古屋駅では降りる人よりも、乗る人の方が多め。
博多から名古屋については、のぞみ64号の後に2本、名古屋行のぞみ号が設定されています。特に終電ではないので集中しないのでしょうか。
お隣に止まっている、22:14発こだま静岡行きと接続。こちらが浜松・静岡方面の最終新幹線です。
新大阪から静岡へ帰りたいお客さんは、のぞみ64号に乗って名古屋駅で乗り継ぐ必要があります。
22:12 名古屋駅 発
自由席は当然のように立ち客が出る混雑。のぞみ64号が東京行き最終電車になるのは、名古屋駅が最後です。
夜間本数が少ないので、前後の列車間隔をそこまで気にする必要がなく、最高速度285km/hで走り続けます。
だいぶ間が開きましたが、こちらは三島や沼津あたり。
山が迫っておりカーブによる速度制限がかけられている熱海駅、200km/h未満で走ります。
それでもすぐに速度は上がり、神奈川県に入って小田原駅〜新横浜駅でも270km/h走行となりました。
23:27 新横浜駅 着
新横浜駅では非常に多くの方が下車されました。相鉄・東急直通線が開業してからちょうど1年、こちらの利用者も多いのでしょうか。
新横浜駅〜品川駅は住宅地が多く、カーブもあるため200km/h程度まで減速しています。
23:38 品川駅 着
品川駅まで来ると経験上、自由席でも空いている区画が目立つ印象です。
東海道線沿線など東京駅より西側に住まわれている方であれば、東京駅まで行かず新横浜駅や品川駅で降りて、家路へついた方が便利なのでしょう。
浜松町駅あたりを走っていると、終点東京駅到着の放送が流れました。
深夜なので東京からの乗換案内が無い、簡略化された内容です。
東京タワーもしっかり赤く灯っており、博多から1,000km以上多くの人を乗せてきた、最終のぞみ号を迎えてくれます。
お隣には最高速度320km/hで日本一のE5系新幹線もお休み中です。
23:45 東京駅 着
博多駅から4時間45分、遂に終点の東京駅に到着しました。
新幹線で5時間のイメージがある博多〜東京ですが、停車駅を絞って最高速度を発揮し、19時台からでも東京駅に着けるようになりました。
1分新大阪駅の停車時間を少なくするだけでも、最繁忙期に積み残しが無いよう臨時のぞみの手配をし、乗降をスムースに行うなどかなり大変なことです。
ますます便利になった東海道山陽新幹線。ぜひ一度、博多〜東京でも飛行機だけでなく、日本一の新幹線を体験してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
【撮影協力】かんの さん