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【実質20両の通勤特急】湘南&N'EX同時発車! 人気の特急混雑緩和へ…[2024ダイヤ改正(9)]
都心部から放射状に伸びるJRの通勤五方面、その中でも東海道本線湘南地域からの通勤電車は、特に凄まじいものです。 近年では着席ニーズに合わせて通勤特急を強化しており、特急湘南が平日朝の東海道本線を10本 ...
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日本全国で長距離輸送を担っているJR。
高速鉄道の新幹線を中心とするほか、多くの在来線特急も運行されています。
JRが走る46都道府県の中で唯一、新幹線も特急も走らなかった県が、奈良県です。最近では臨時特急まほろば号が運行されていますが、定期特急は存在せず。
奈良県は近鉄王国と呼ばれており、国鉄分割民営化後にテコ入れされたとはいえ、依然として近鉄とJRの奈良県における立ち位置には大きな差があります。
そんな中2024年春、大阪〜奈良を結ぶ通勤特急らくラクやまと号が運行開始しました。
奈良県を定期特急列車が走るのは、国鉄時代含めても1967年廃止の特急あすか(名古屋〜東和歌山)以来57年ぶりです。
最近意識される客単価向上の面でも、通勤特急が導入されたのはかなり本腰を入れていることが分かります。
今回は通勤特急らくラクはりま運行初日、大阪→奈良方面で帰宅時間帯の運行をお届けします。
「らくラク」はJR西日本の通勤特急ブランドです。
始まりは大阪〜姫路で2019年から運行開始した、らくラクはりま。
今回のダイヤ改正で、運行区間が京都〜網干に拡大しています。
更に、大阪〜米原・草津では、らくラクびわこが運行されています。
2003年からびわこエクスプレスとして運行開始したのですが、今回のダイヤ改正で、らくラクびわこへ名称変更されました。
そして今回運行開始したのが、奈良行きの通勤特急らくラクやまとです。
3本の通勤特急を「らくラクブランド」で統一し、特急列車での通勤を根付けたい思惑が見て取れます。
奈良県においては2023年秋から、快速電車の一部区画を有料座席うれしートとして運行。ダイヤ改正後には運行本数を増やしており、奈良県のJRでも通勤の着席ニーズがあると確かめられたのでしょう。
通勤特急らくラクやまとは大阪環状線経由なので、発車標に表示されるのは、特急はるか・くろしおと同じ場所です。
発車ホームは3番線なので、この点注意が必要になります。
らくラクやまとが発車する、3番線ホームへ降りてきました。
こちらには19:37発の大阪環状線普通大阪行きが停車中。
停車位置目標には、らくラクやまとの文字が書かれていました。
途中の停車駅は、大阪, 天王寺, 久宝寺, 王寺, 法隆寺, 大和小泉, 郡山, 奈良です。
19:39ごろ、吹田方より回送列車として入線してきました。
使用されるのは、287系電車3両編成です。
サンダーバードで使用される683系4000番台と同型で、JR西日本ではお馴染みの顔。
そして行き先表示器には奈良の文字!
JRの定期特急列車が奈良へ復活です。行き先方向幕も「らくラクやまと」が設定されています。
LEDの乗車位置案内には対応しておらず、表示されているのは特急はるかのみ。
らくらくやまとは、足元のシールを参照することになっています。
座席についてはサンダーバード号と同じと言って良いでしょう。
コンセントは車端部にのみ設置されています。
19:43 新大阪駅 発
始発の新大阪駅を出発、車内表示器では特急らくラクやまと奈良行きと、繰り返し案内がされていました。
淀川を渡りまして、特急はるか・くろしおと同じように梅田貨物線へ。
2023年春に開業しました、大阪駅地下うめきたホームに入線します。
全てのドア幅に対応できるフルスクリーン式ホームドアで、3両の特急でも対応。
ふすまのディスプレイに表示される列車名も、しっかり「らくラクやまと」と途中停車駅等表示されていました。
ホームドアが閉まりまして、うめきた地下ホームの特急ホームを出発です。
地上へ出てきまして、福島駅前の踏切を渡り、大阪環状線の高架へ登るところです。
梅田貨物線から大阪環状線内回り線へ入るのに、一瞬だけ外回り線を逆走してから、内回りを走行します。
西九条駅を通過、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへJRゆめ咲線が分岐します。
列車走行位置案内にも、らくラクやまとが出現。大阪環状線内はかなり速度を落として走っていました。
到着までかなり手前の段階ですが、まもなく天王寺の放送が流れます。
天王寺駅に到着しました。
お隣には大和路線の電車が停車中。ここまでは特急はるか・くろしおが停車するので、そんなに珍しいことではありません。
一方で通勤特急らくラクやまとは3両編成のため、乗車位置に注意するよう案内が貼られていました。
天王寺駅からは大和路線に入って久宝寺駅に停車します。
ここから先は、JRになってから定期特急列車が走っていない区間のはずです。
新大阪駅から分岐のおおさか東線は久宝寺駅で合流。
大阪〜奈良では臨時特急まほろばが走りますが、こちらはおおさか東線経由で、大阪環状線経由のらくラクやまとと異なります。
また、まほろばの停車駅は新大阪, 奈良なので、大和路線の駅が特急車両に表示されるのも、新鮮なはずです。
今回通勤特急らくラクはりま運行開始初日ということで、JR西日本の職員さんが沢山乗られていました。
久宝寺駅を出発したところで、記念ノベルティが配られます。
配布されたのは、らくラクシリーズと有料座席のクリアファイル、メモ帳とシール、パンフレットです。
らくラクはりま、Aシート、らくラクびわこ、うれしート、らくラクやまとが並んでいます。
裏面には運行ルートが記載されていました。これはかなり良い記念!
列車はいよいよ、大阪府と奈良県の境である山間部へ。
大和川を渡りまして、特急列車は奈良県へ突入。
国鉄時代から57年ぶり。JRになって初めて定期特急が、奈良県へ入りました。
最初に停まるのは王寺駅。
一番列車ということで鉄道ファンの方が多く乗られていたのですが、ここで降りる人もかなり多かったです。
奈良県の駅に特急列車が止まっている、これが日常的になるとは信じがたいことです。
まもなく法隆寺駅に到着します。
2023年秋季に運行された特急まほろば号は、法隆寺世界遺産登録30周年を記念して、法隆寺駅にも停まりました。
王寺駅から奈良駅までは各駅停車状態、大和小泉駅に停まります。
天王寺駅〜奈良駅において、大和路快速と同じ停車駅。大阪から奈良県内の行き来をしやすくしています。
まもなく郡山駅に到着、この景色だけ何かE2系新幹線で見覚えがあります。
そして終点の奈良駅に到着。
万葉まほろば線への乗り換えが特急車両に表示されるとは、なかなかの違和感です。
遂に奈良県におけるJRのターミナル駅、奈良駅へ入りました。
20:46 奈良駅 着
3号車後ろ寄りには乗降扉が無いので、前寄りへ進むしかありません。
外では鉄道ファンの方々が、幕回しを撮影していらっしゃいました。
窓側に座っていた上混雑していたので撮るのは諦めていたのですが、らくラク系が入ってたみたい。
お隣には20:50発の、奈良線京都行きが来ました。こちらへの接続もとられており、木津方面へ乗り継げます。
近郊電車や通勤電車しか見てこなかった奈良県で、本当に特急電車が奈良駅に!
臨時特急は来ているとは言っても、この暗い時間帯に停まっているのは通勤特急ならではです。
列車は20:52ごろ、郡山方面へ回送されていきました。
らくラクやまと号の時刻表はご覧の通り。
4月まではJR西日本ネット予約サイトe5489の「J-WESTチケットレス500」で、追加料金500円にて乗ることができます。
今日は運行初日で鉄道ファンが多く混雑していましたが、通常なら特急座席で快適な通勤ができるはずです。
ぜひ大阪と行き来の際、利用してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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