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【昼まで走る寝台特急】臨時サンライズ91号 東京〜出雲市15時間乗車記[一週間サンライズ(5)]

2023年8月17日

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ゴールデンウィーク、お盆、年末年始の繁忙期に運行する、臨時寝台特急サンライズ出雲91・92号。今年のお盆時期にも2往復設定されました。 今回乗車するサンライズ出雲92号は2023年春、出雲市駅の発車時 ...

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国内最後の定期寝台特急サンライズ出雲号、終点の出雲市駅には午前9時に到着します。

しかし、今回利用する臨時サンライズ出雲91号は、出雲市駅に13時の到着。東京駅から実に15時間も乗り続けることができるのです。

 

かつては生活の場にもなっていた寝台特急。そんな時代を彷彿させる特別な臨時サンライズ出雲をお届けします。

運行ダイヤ

2201東京2221-2243横浜2244-2355熱海0011-0030沼津0032-0114静岡0129-0224浜松0225-0251豊橋0257-0448米原0450-0604大阪0606-0627三ノ宮0628-0719姫路0721-0814和気0822-0848岡山0851-0906倉敷0907-0927美袋みなぎ0937-0948備中高梁0948-0954木野山0956-1010広石(信)1013-1025新見1025-1030布原1033-1103生山1108-1130江尾1144-1205米子1207-1215安来1217-1226揖屋1229-1237松江1238-1254宍道1255-1307出雲市



まずやって来ましたのは、山手線の田町駅。

21:54、品川の車両基地で昼間お休みしていたサンライズ出雲が、始発の東京駅へ向けて走ってきました。

 

さらに、背後からは定期列車のサンライズ出雲・瀬戸号が通過。サンライズ同士のすれ違いを見ることができるのです。

京浜東北線の列車が被ってしまう可能性もあるので運次第ですが、臨時サンライズ出雲91号に乗車する前は、中々目にできない離合を見に行くのも良いでしょう。

 

かつては定期列車の東京駅発車時刻が22:00であり、臨時列車の東京駅入線時刻22:01と重なって、東京駅でもすれ違いを見られました。現在では少々難易度が高くなっています。

 

さて、それでは東京駅から臨時サンライズ出雲91号出雲市行きに乗車しましょう。

列車が出発するのは定期列車の9番線ホームと異なり、8番線ホームであることが案内されています。北方面の行き先が並ぶ中で、出雲市だけ西方面というのがちょっと異色。

 

定期列車の半分、7両編成での運行となっており、正面の写真も撮りやすい状態です。

 

お隣ホームには特急ときわ84号が入線。フレッシュひたちリバイバルカラーでの運行で、偕楽園を思わせる梅と好文亭の紅色でした。全部で5色存在します。



今回は当日のキャンセル待ちを狙って、寝台券を手にしました。

利用するのはシングル個室喫煙車です。

現在喫煙ルームを除き鉄道車両内でタバコを吸えるのは、この寝台特急サンライズの喫煙個室だけになっています。

 

喫煙個室は6号車のシングル、シングルツイン。シングルデラックス3室とサンライズツイン2室になっています。

 

かつては喫煙デッキがあったのですが、現在は個室内のみで喫煙可能です。6号車デッキには灰皿があった跡が残されていました。

 

利用するのは階段を下った先、下段シングルです。



22:21 東京駅 発

発車時刻が30分違うだけでも新幹線ホームはかなり寂しめ。この時間からでは那須塩原、高崎、静岡が限界になります。

 

停車駅が異なるため、自動放送ではなく車掌さんによる肉声で放送されます。

中国地方の停車駅は寝台特急とは思えない到着時刻です。

 

定期サンライズでは大井車両基地への回送される、東海道新幹線に追い抜かれるのが定番。

今日はおそらく車両基地から東京へ向かう新幹線とすれ違い、こだま815号三島行きに充当されるのではと思います。



今回利用する下段シングル喫煙室をご紹介します。

下段ということで、窓は下へ湾曲している形。また、振動も上段よりは伝わりやすくなっています。

喫煙室ということですが、これまで何度か利用したことがあるものの、個人的にはしばらくいれば慣れる程度です。

とは言っても車両に入った時点で煙っぽさを感じるため、ホテルの喫煙室が気になる方は避けた方が良いと思われます。

 

テーブル下には灰皿が備えられており、鉄道車両ではもう中々見なくなりましたね。絶滅危惧種と言って良いかと思います。

 

禁煙車には「禁煙」のシールが貼られているのですが、喫煙車には「寝たばこ禁止」のシールでした。

 

多摩川を渡りまして、東京都から神奈川県へ。川沿いのマンションは半導体みたく規則的な点描を表していました。

 

この辺りで車掌さんがいらっしゃいまして、検札を受けました。

 

22:44、横浜駅を出発です。

定期サンライズは静岡県内の熱海駅、沼津駅、富士駅、静岡駅、浜松駅に停車しますが、臨時サンライズは大阪駅まで止まりません。

逆に言えば定期下りサンライズが止まらない、大阪駅、三ノ宮駅に停車します。



今回は乗車時間が長いということもあり、色々買い込んできました。

品川駅の駅弁屋さんで牛肉弁当、また田町駅前のスーパーLIFEが時間的に値引きされていたのがありがたかったです。

 

牛甘辛煮、牛すじ味噌焼、ハンバーグと三種の国産牛を楽しめます。牛肉の美味しさをとにかく引き立てる味付けで、深夜の身体を休ませてくれました。

 

ハンバーグも噛むごとにどんどん崩れていき、しっかり詰まっていて非常に美味しかったです。



大船駅を通過しまして、神奈川県の前足を過ぎました。

鎌倉車両センター横を過ぎると、横須賀線の電子レンジに見送られます。

 

小田原駅を通過中、お隣には伊豆箱根鉄道大雄山線が停車していました。こちらは23:33発の最終列車です。

 

根府川駅周辺で相模湾を見渡してみましたが、真っ暗です。

 

真鶴PAあたり、街灯に照らされた国道1号だけは分かります。



定期サンライズは乗降できる熱海駅ですが、臨時では運転停車のみ。

この日は按針祭 海の花火大会が行われており、たくさんの方がここから分岐する伊東線に乗車されていました。

特急ひたち車両のE657系が臨時列車に充当されるという非常に珍しい光景も見られ、その様子もブログでご紹介しています。

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…ちなみに花火は見ていません。サンライズの方が大事です。

 

向かいにはE257系電車が停車中、今日はかなり頑張ってお客さんを運んでいたのではないでしょうか。

 

お隣に0:18発普通列車沼津行きが到着するため、ホームにはまだお客さんがいらっしゃいました。

臨時サンライズが停車するということで、発車標ではJRマークが表示されています。

 

運転停車している間、後から来た貨物列車に追い抜かれました。

 

続いて更にもう一本追い抜かれ、臨時サンライズが出発します。

この日は平日だったので貨物列車も運転しており、夜の東海道の本領を目の当たりにすることができました。年末年始などでは運休の場合も多いので、あまり見られないかもしれません。

 

熱海駅を出発すると、山を駆け上がるように広がる温泉街を見下ろせます。

 

そして東海道本線最大の難所とも言える、丹那トンネルへ入ります。ある意味関東と東海の境と言えるでしょう。

 

沼津駅でも運転停車していました。熱海駅からの普通列車が終電ですが、それを待たずして出発します。

 

最後に残っていた写真は薩埵峠のあたり、深夜1時前にして寝落ちていました…



おはようございます。大阪駅到着を見逃しちゃいまして、既に兵庫県へ突入しているところです。

大阪駅は6:04、三ノ宮駅は6:27に到着します。

定期サンライズでは通過してしまうため、姫路駅で折り返さなければなりませんが、臨時ならばサンライズから降りることができて非常に便利です。

 

これら二駅到着時には放送による案内は無く、6:34におはよう放送が流れました。

 

そして左手には明石海峡大橋が見られるとの観光放送もなされます。

世界一だった吊り橋は非常に雄大で、朝日を受ける姿も素晴らしいものです。



7:19、姫路駅へ到着する頃にはもう完全に明るいです。朝ラッシュの通勤電車もたくさん走っています。

残念ながら姫新線の車両に隠されて、姫路城は見られませんでした。

 

新快速電車などがたくさん集まる、網干の車両基地横を通過します。

 

この辺りで朝ごはん、LIFEで買って来たサンドウィッチを、車内自販機のコーヒーと共にいただきました。

 

いよいよ船坂峠を越えまして、兵庫県から岡山県へ入ります。

近畿と中国地方の境にあたり、この上郡〜三石はJR西日本管内の在来線で、敦賀〜南今庄に次いで長い駅間距離です。

 

和気駅で運転停車しまして、貨物列車に追い抜かれました。



8:48、岡山駅に到着しました。

一番端っこの山陽新幹線高架下、1番線ホームに入線です。

 

解結作業が行われないため、割とすぐに発車。右手にはスーパーやくも復刻塗装編成が待っていました。

 

ちょうどUraraの回送列車と並走しつつ追い抜きます。

サンライズから目にするのも珍しく無いくらい、もう岡山地区で普通に馴染んでいますね…。

 

倉敷駅からは山陰地方へ向かう伯備線を走るため、立体交差で山陽本線を越えます。

 

倉敷駅を発車すると北へ急カーブしていきます。

ここから先は定期列車と停車駅が同じため、自動放送が流れ始めました。

 

サンライズ出雲91号のダイヤでも、山陽新幹線との交差地点でちょうど新幹線が来ることはありませんでした。

 

美袋駅で特急やくも5号が追い抜き、岡山駅で目にしたスーパーやくも復刻編成です。

 

いつも通りの伯備線、蛇行する高梁川沿いを北上します。ヤニで霞んだ窓から見るのもまた良いですね。



まもなく備中高梁駅に到着するという直前、9:48に踏切の異常を知らせる信号を検知し、急停車します。

ショッピングモール、ポルカ天満屋ハピータウンの真横で、写真を撮られている親子もいらっしゃいました。

 

9:54、もう少し先まで進みます。おそらくこのサンライズを運行している運転士さんが、安全確認を行なっていると思われます。

 

10:00に運行再開しまして、備中高梁駅に到着です。

14分遅れでの運行となりました。

 

備中高梁駅より先、伯備線・山陰本線は基本的に単線区間です。そのため対向列車の行き違い待ちも発生します。

 

反対側だったので撮影しそびれましたが、木野山駅で特急やくも8号と行き違いました。

これには国鉄復刻編成が運用に就いており、ぜひ皆さんには油断せず車内からご覧いただきたいです。

 

急カーブが続く伯備線、車端部あたりからは先頭の姿をチラチラと目にすることができます。

 

方谷駅で新見発岡山行き普通列車と行き違っていました。

遅れていなければもう少し先の広石信号場で運転停車し、そこで行き違っていたと思われます。



9分遅れで新見駅に到着です。

窓ガラスはベシャベシャになっており、いつの間にかかなり雨が強まっていました。

 

本来なら布原駅で行き違う、特急やくも10号とすれ違いました。

 

布原駅を過ぎると急カーブしつつ川を渡ります。

このロケーションの良さから、蒸気機関車が走っていた時代にも撮影地になっていたそうです。

 

特急も一部停車する生山駅で運転停車しました。このあたりで特急やくも12号と行き違っています。



江尾駅で15分ほどの運転停車、臨時上り便と同じく結構長い時間止まる駅です。

まずは米子発新見行き普通列車と行き違います。

 

さらに特急やくも14号とも行き違いました。

 

放送で気づいたのですが、車内の号車表示が13号車になっていました。本来なら6号車の表示が正しいのですが、定期列車の設定になっていたのでしょうか。

 

天気の不安定な中国山地を抜けて米子平野まで来れば、綺麗な大山を目にすることができます。雲を跳ね除けるかのような存在感です。



遂に12時をまわりまして、伯耆大山駅より山陰本線にお世話になります。

米子駅では乗務員交代のため本来2分くらい停車しますが、今日は遅れているのですぐ発車しました。

 

扇形機関庫も残る駅併設の車両基地も、見逃すわけにはいきません。



数々の都府県を跨いできましたが、最後の島根県に入りまして安来駅に到着。

駅舎と反対側にはプロテリアル安来製作所があります。日立金属から社名変更したばかりの、鉄鋼メーカーです。

 

少し遅れていた特急やくも16号と行き違い、サンライズは7分遅れになりました。

 

本来列車行き違いを行っていたと思われる、揖屋駅で一旦停車。

時刻表上運転停車することになっている駅には、一時停止しないといけないと聞いたことがあります。

 

その先、東松江駅で米子行き普通列車とすれ違いました。

東松江〜松江は複線区間となっているためサンライズは通過し、ある程度は遅れを縮めることができました。ひと区間の複線でも、ダイヤ乱れの回復には大きく貢献します。



松江駅を出発しまして、高架からビル達を眺めます。

山陰地方の中枢として、銀行やテレビ局などが目立つ印象です。

 

何度も見ている宍道湖ですが、飽きることは決してありません。穏やかな汽水湖の波に、終着駅が近づく名残惜しさを落ち着かせられます。

 

そんな気持ちを汲み取ってくれるのが、臨時サンライズ91号。来待駅にて特急やくも18号と行き違い待ちで、最後まで運転停車を行います。

 

木次線の分岐駅、宍道駅に到着。貴重な備後落合行き普通列車、13:58発にも乗車できます。

…ちなみにこれが備後落合行きの最終列車です。

 

ここで20分ほど遅れていた、特急スーパーおき2号と行き違いました。

新山口駅からの始発列車で、サンライズに劣らないロングラン列車です。

 

まもなく出雲市駅というところで、雨が降ってきました。遂に最後の到着放送が流れます。

 

東京から出雲市まで、短い15時間の旅に幕を閉じました。結局今日も寝落ちてしまったので、浴衣は使いませんでしたね。



13:07 出雲市駅 着(14分遅れ)

お隣にはスーパーやくも編成の特急やくもがいました。

寝台個室越しに見る薄紫色の特急やくも。ここまで復刻してくださるとは感謝の気持ちが絶えません。

 

もちろん皆さんサンライズと共に撮影するもの。381系引退まで貴重な瞬間です。

 

更に特急やくも7号も到着しまして、色違いって分かる顔が並びました。

 

20分ほど待ちまして、先に出発したのはサンライズの方。西出雲へと回送されていきました。

 

さて、今夜は定期サンライズ出雲号で東京へ戻ります。

この日は実に一日の4分の3以上をサンライズ号で過ごすことになりました。ぜひ次回もお楽しみに!

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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