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【終点が3回!?】四国ロングラン普通列車 土讃線多度津〜伊野の旅
四国を縦断する幹線、JR土讃線。始点の多度津駅にやって来ました。 予讃線と土讃線の分岐点であり、四国における鉄道の一大拠点です。 今回は普通列車で四国山地を越え、高知県を目 ...
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笑顔が可愛らしいこちらの駅舎、岡山からの快速マリンライナーが発着する高松駅です。
瀬戸大橋が架かる以前は宇高連絡船が接続しており、四国の一都市に留まらない、本州と繋がる玄関口でもありました。
四国山地を越えて土讃線を走る特急南風・しまんとは、それぞれ岡山駅と高松駅を始発駅とします。途中の宇多津駅や多度津駅で連結し、一緒になって目的地へ向かう運行形態です。
しかし、今回乗車する特急しまんと号は様子が異なります。行き先は香川県内の多度津駅です。
しかも土讃線は非電化路線なのに、電車の8600系が運用に就いています。物理的に高知駅まで行けるはずがありません。
しかも通常なら特急しまんと号に連結されていない、グリーン車も備えています。
一体どうしてこんな列車が生まれているのか、普段では味わえない違和感満載の、特急しまんと号に乗車してみましょう。
高松駅では今回乗車する特急しまんと7号について、案内がされていました。
特急しまんと7号が多度津駅に到着後、岡山駅からの特急南風21号に乗り換える形です。
繁忙期になると、高松〜高知よりも本州とを行き来する人が増えます。そのため特急南風の輸送力を増強する必要があるため、最初から両数を増やした状態にしているのです。その代わりに高松からの足を確保するため、高松〜多度津で短区間の特急しまんと号が誕生しました。
このような運行は特急南風では1往復だけですが、特急いしづちでは殆どの便が多度津駅での乗り換えになります。
多度津発着の特急いしづち号は繁忙期で頻繁に見られましたが、特急しまんと号では珍しいものです。
それでは改札を抜けまして、ホームへ向かいます。
まだ発車の30分以上前ですが、特急いしづち23号多度津行きが止まっていました。おそらく高松〜多度津の短区間を行ったり来たりするだけなので、時間にかなり余裕があるのでしょう。
発車標にも多度津行きと表示されていまして、途中停車駅は坂出、宇多津、丸亀です。
ヘッドマークには通常通り、四国最高峰の石鎚山の描かれたヘッドマークが輝いていました。今日はこの列車が石鎚山のところまで行くことはありません。
列車の行先表示器も多度津行きに対応していまして、この通り表示されていました。
そして18:17、特急しまんと7号として運行する8600系電車が、回送列車として入線してきます。
8600系は特急しまんとのヘッドマークに対応しておらず、「特急 Limited Express」と出ていました。
それでも汎用性があるこの表示が入っているとは、ちょっと驚きです。
列車は3両編成で、前から8〜6号車です。特急南風号と連結する特急しまんと号は6,7号車のため、通常8号車はありません。
行先表示器も特急しまんと号には対応していないため、大きく「特急」と表示されていました。
そして一番先頭の6号車には半室グリーンの車両が充当されています。
特急しまんと号に通常グリーン車は無く、非常に珍しい状況です。
そんな貴重な機会ということで、もちろんグリーン車を利用します。
行先表示器には「7号」という超シンプルな表示、特急7号とスクロールされていました。
18:27 高松駅 発
多度津で終わる表示器とともに、出発します。
8600系グリーン車で聞く特急しまんと号の肉声放送は、この上ない違和感です。
複線の予讃線に挟まれる形で位置する、高松運転所の横を通過。
今日は台風の影響で運転取りやめになってしまった、サンライズ瀬戸号が止まっています。
関係あるのかどうか分かりませんが、車内広告はしまなみ街道やJRクレメントイン今治などで、愛媛県のものでした。
ここで8600系電車のグリーン車もご紹介。
E5系新幹線のグリーン車に似ていると言われる、非常に快適な座席として知られています。
アースカラーのブラウンを強調しており、ディープレッドのシートには「四国の芳醇な自然の恵み」がデザインされました。
リクライニングとレッグレストをフルで利用したのが、この状態です。
とにかくゆったり包み込まれるようで、長時間の乗車でもくつろげます。
リクライニングは手動ですが、レッグレストは電動になっています。
可動式枕や読書灯の部分など、特にE5系グリーン車に似ている印象です。
普通車含めてですが、全席にコンセントが備えられています。
シートピッチは1170mmと広いため、大きな背面テーブルは手前へ引き出すことができます。
車内マップの方面には、もちろん松山方面との表記です。
坂出駅に到着。特急しまんとが停まることはいつも通りですが、やはりここでも多度津行き特急の表示が出ているのはイレギュラーです。
そして瀬戸大橋への分岐点となる、デルタ線へ入ります。
まずは岡山方面への線路が分かれていきました。快速マリンライナーを中心とした、高松から岡山方面への列車がここを通ります。
この列車は高松と松山を結ぶ線路を走行、そして岡山から松山を結ぶ線路が合流してきました。
この3本の線路が三角形を作ることから、ギリシャ文字のΔからデルタ線と呼ばれています。
宇多津駅に到着です。
特急しおかぜ号といしづち号では宇多津駅で増解結が行われます。
しかし、今回の特急しまんと7号と特急南風21号は通常でも宇多津駅ではなく、多度津駅で連結が行われるのが珍しいところです。
このまま多度津駅へ向かうため、丸亀駅にも停車。
発車標にはサンポート琴平行きが表示されており、なぜか特急しまんと7号は出ていませんでした。
普段でも特急しまんとは丸亀駅に停車するので、対応していないことは無いと思うのですが、遅れていたのでしょうか。
終点多度津駅に到着です。
自動放送に続きまして、乗り換えの案内放送がなされました。
前方に注目していたら、伊予西条行き普通列車が止まっていました。
全く知らなかったのですが、特急と快速で縦列停車が行われることになります。
そしてお隣には岡山から来た特急南風21号が、すでに止まっていました。
18:55 多度津駅 着
運行時間は30分足らず。特急列車でありながら、最小面積の香川県内で運行区間が完結しました。
ここから高知方面へ向かうには、見慣れた2700系気動車へ乗り換えるだけです。
前方に止まっていた普通列車は18:58発のため、割とすぐの発車です。
そして多度津駅まで連れてきてくれた8600系電車も回送になって、すぐに高松方へ出発して行ってしまいました。
特急南風21号はこの先、善通寺,琴平,阿波池田,大歩危,大杉,土佐山田,後免,高知に停車します。
本来なら連結作業が行われるため、特急南風24号は18:51-59の停車。
しかし、乗り換え時間を確保するためか、19:01発に変わっているみたいでした。
さて、回送表示になっていた8600系電車ですが、多度津駅の車庫に引き上げられていました。
これが珍しいことなのかどうかちょっと分かりませんが、これから数日間8600系は高松と多度津を行き来するのに徹するはずです。
繁忙期に見られる高松〜多度津の特急の中でも、特に珍しい8600系特急しまんと号の運行。
8/11〜20に走るこのチャンスに是非乗ってみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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