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【最速気動車特急】あまりに速すぎ!高速化した山陰本線をスーパーまつかぜで行く[2305GW(2)]
本日やってきたのは鳥取駅、山陰における主要駅の一つです。 京都市から下関市までを結ぶ日本一長い在来線、山陰本線。ここを走るとんでもなく速い気動車特急があるそうです。 その名も特急スーパー ...
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2024年5月よりダイヤが変更になりました。最新版はこちら
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【国内最長特急16時間31分の旅】臨時サンライズ出雲92号 時刻表/乗車記/行違い列車まとめ[2404-05GW(2)]
GW,お盆,年末年始を中心に運行される、臨時寝台特急サンライズ出雲91・92号。 特に出雲市→東京の上りサンライズ出雲92号は、継続的に運行されている臨時列車を含めると、国内最長所要時間の特急です。 ...
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ゴールデンウィークの平日昼間、山陰本線の出雲市駅にやってきました。
まだ2時すぎの時間帯でありながら、寝台特急サンライズ出雲が停車中です。
今回乗車するのは臨時寝台特急サンライズ出雲92号、年に数回最繁忙期に運行されており、長時間寝台列車の旅を楽しめることから非常に人気の列車となっています。
元々長かった乗車時間は14時間50分。出発時刻を15:33発から14:43発に早めたことで、15時間40分になりました。
日本一長い時間走る列車が自身の記録を更新。
旅の全貌をお届けすると共に、運行時間が伸びる要因である「行き違い列車」と「追い抜き列車」に注目しつつ乗車していきます。
太字は乗降が可能な停車駅、表記だけのものは乗降できない運転停車駅、括弧表記は通過駅です。
運行ダイヤ
西出雲1348-1353出雲市1443-1456宍道1500-1516松江1521-1530揖屋1535-1543安来1544-1553米子1555-1605岸本1611−1625江尾1701-1716黒坂1729-1738生山1741-1809布原1812-1817新見1818-1841木野山1845-1850備中高梁1850-1917倉敷1918-1936岡山1939-1952瀬戸2001-2102姫路2104-2151三ノ宮2152-2215大阪2229-(京都)2259-2350米原2358-(名古屋)0057-0215浜松0232-0326静岡0328-0358富士0405-0438熱海0449-(小田原)0507-(平塚)0524-(大船)0539-0556横浜0557-0606川崎-0614品川-0623東京
寝台特急サンライズは5編成あり、定期列車はそのうち4編成を選んで充当されています。
臨時列車は普段の予備1編成を使って運行されているのです。
14:43 出雲市駅 発
通常とは停車駅が異なる臨時列車のため、自動放送ではなく肉声放送で行われました。
粒子の細かい砂と川の流れによって、模様の描かれた斐伊川。
木次線と共に流れてきて、ここから宍道湖へ流れ着きます。
寝台特急サンライズ号にはシャワーが備えられており、シャワーカードの購入が必要です。
枚数限定で特に臨時では人気のため、入線時刻の13:53に合わせて並んでいないと、購入するのは難しそう。
14:56-15:00 宍道駅
ここで4分間の停車、木次線の乗換駅です。かつては広島方面へ走る急行列車が活躍していました。
現在はキハ120形気動車が走るローカル線、ラッピング列車も走り始めています。
ここで特急やくも11号と行き違いました。
4分遅れでやってきたので、単線区間の多い山陰本線と伯備線では、これくらいの遅れが続くことになります。
列車は宍道湖沿いを走っており、左手には汽水湖の眺めを見ることができます。
濃いピンク色の植え込みはツツジでしょうか。
高架線を登ってきまして、山陰一番の都市である松江駅に到着です。
15:16-15:21 松江駅
発車標にはには臨時サンライズ出雲の表記。
出雲市駅もそうでしたが、92号や時刻の表示が出ていませんでした。
鳥取駅から新山口駅までJR西日本最長距離を走る、特急スーパーおき5号と行き違いました。
松江駅のお隣、東松江駅にはJR貨物のコンテナ集積所があります。
山陰本線では貨物列車の運行が終了しているため、こちらはトラック輸送の拠点の一つです。
15:30-15:35 揖屋駅
まだ向こうから列車が来ていませんが、ソロリソロリと動いていきました。
その先のトンネル内まで線路が並んでおり、行き違い可能な有効長がかなり長め。
ここで特急やくも13号と行き違いました。
今回利用している個室はシングルツインです。
各車両の車端部に位置しており、1つのお部屋に二段ベッドが組まれた構造になります。
今回は1人での利用ですが、追加料金を支払えば2人で利用もできます。
1人で使う場合でも、どちらのベッドを使うことも可能。そして、今回のように寝るだけでなく昼間の個室列車として利用する時、ベッドを組み替えることもできるのです。
まずはこちらの上段ベッド、落下防止ベルトで固定されていますが、手前を押し上げると奥へ畳むことができます。
ググッと押し込むとカチッと音がして、このように固定できました。
元に戻す時は結構硬いですが、取手を強く引きます。
続いて下段についても組み替えることができます。まずはシーツを取っ払いますと、3等分にマットのパーツが敷かれています。
この真ん中部分を取り外しますと、ボックスシートのような対面で座れる構造に。
さらにテーブルを引き出すこともできまして、特に2人で乗車される際は顔を合わせて車窓を楽しめます。
15:43 安来駅 着
島根県最後の駅、安来駅に到着です。
県境を越えましてお隣は鳥取県、米子駅に到着です。
現在駅舎の建て替え工事が行われており、7月29日に駅ビル「シャミネ米子」を含む新駅舎と自由通路がオープン予定になっています。
お隣に停まっていた、山陰本線の普通鳥取行きより先を行きます。
いくら臨時でも特急ですから、流石に普通列車よりは優先されますよねー?
日野川を渡る時、奥では王子製紙米子工場の白煙が立ち込めていました。
日本で6番目に面積の小さい市町村、日吉津村が残っているのはこの工場の存在が非常に大きいです。村内にはイオンモールもあって、米子との流動も厚くなっています。
伯耆大山駅で山陰本線から伯備線へ。
日本一長い在来線、京都〜幡生673.8kmを結ぶ路線より、特急が行き交う陰陽連絡線に入りました。
ここで左手に見られるのが、中国地方最高峰の大山です。
成層火山ならではの綺麗な三角形から、伯耆富士とも呼ばれています。
16:05-16:11 岸本駅
岸本駅で6分間の停車、特急やくも15号とすれ違いました。
伯備線はカーブの多い路線ですが、特急列車としてのスピードは十分維持されています。
16:25−17:01 江尾駅
そして江尾駅では36分もの停車時間があり、ここで定期列車に追い抜かれ行き違うオンパレードです。
まずやってきたのは、生山発米子行き普通列車。キハ126系気動車による運行になります。
さらに、米子発新見行き普通列車がやってきました。
なんと特急列車が普通列車に追い抜かれる、衝撃的な光景です。
続きまして、特急やくも24号に追い抜かれます。充当されていたのは国鉄やくも編成です。
これまでのサンライズ出雲92号は特急やくも24号が発車した直後に出発していました。出雲市駅で国鉄やくもとサンライズの並びを見られていたのが印象的でした。
さらに、特急やくも17号とも行き違いました。
根雨駅を通過する手前、だんだん日が傾いてきています。
日野川にはその光がキラキラ反射して、個室へ差し込む温かな陽光が、昼の寝台特急ならではのぬくもりを与えてくれました。
17:16-17:29 黒坂駅
ここで新見発米子行き普通列車と行き違い。
普段の東京行き定期サンライズでは暗い伯備線内、夕方の太陽を受けるこの姿を収めようと、沿線では多くの撮り鉄さんを見られました。
17:38-17:41 生山駅
ここで特急やくも19号と行き違いました。こちらは生山駅に停まるやくも号です。
上石見駅を過ぎまして、谷田峠トンネルで鳥取県から岡山県へ。
広島駅からの長大ローカル線、芸備線がやってきました。備中神代駅で伯備線と合流します。
18:09-18:12 布原駅
次の布原駅にて運転停車。
伯備線の駅でありながら利用客の少ない秘境駅のため、芸備線へ直通する列車しか停まらない珍しい駅です。
ここで行き違ったのはスーパーやくも塗装、特急やくも21号でした。薄紫色の車体は大きな違和感で、すぐに目を引きます。
18:17 新見駅 着
行き違い列車の遅れを受けて、4分遅れが続いている寝台特急サンライズ出雲92号。
新見駅1分停車もかなり短いものです。
新見駅からは中国山地を横断して新見駅へ至る、姫新線が分岐しています。
こちらもまたローカル線であり、簡単な作りのキハ120形気動車が走ります。
先程の県境に位置する谷田峠が日本海側と太平洋側の分水嶺となっており、伯備線は日野川沿いから高梁川沿いを走ることに。
18:41-18:45 木野山駅
ここで特急やくも23号と行き違います。この駅はホームに桜の木が植わっており、春には多くの鉄道ファンが集まる撮影地です。
18:50 備中高梁駅 着
この駅はもともと1分も停まらない駅で、10秒程度ですぐにドアが閉まりました。
備中高梁駅からは、岡山駅を中心とした近距離輸送のネットワークへ。
複線区間へ入りまして、少し速度も上がった気がします。
総社駅には吉備線が停車中。岡山駅まで結ぶ20kmの路線で、将来的にLRT(路面電車)として生まれ変わる計画です。
西の空色も夜の闇に染まりそうなところ、手前では山陽新幹線と交差しています。
伯耆大山駅から倉敷駅まで南北を結んだ伯備線、ここで山陽本線に入ります。
倉敷駅からは臨海部の工業地帯まで至る、水島臨海鉄道が分岐。JR貨物、倉敷市によって維持されている第三セクター鉄道です。
19:17-19:18 倉敷駅
ここで向かい側ホームに停まっていたのは、特急やくも25号。江尾駅で追い抜かれた国鉄やくもが遂に折り返してきちゃいました。
まさか再び出会えるとは…という、ちょっとした感動を味わえてしまうものです。
倉敷市から岡山都市圏を走ってきまして、夜の車両基地までやってきました。
19:36 岡山駅 着
発車標にはサンライズ出雲92号の表記。
特急やくも26号の到着時刻と同じ時刻に発車するため、もしダイヤ通りで運が良ければ確認し合えるかもしれません。
16:39 岡山駅 発
ここからは夜の山陽本線をひた走ります。
景色としては定期サンライズ号と同じに見えるものの、帰宅時間帯で通勤列車が多く走る中を縫っていくようです。
途中、瀬戸駅の2番線ホームに運転停車しました。
ここで特急スーパーいなば11号鳥取行きに追い抜かれます。
特急やくもの領域を抜ければもう安心と思っていた矢先、岡山〜鳥取を結ぶ機動車特急が残っていました。
特急スーパーいなばは上郡駅から分岐する、智頭急行智頭線を走ります。
智頭急行の最高時速は130km/h、特に関西〜鳥取を結ぶ特急スーパーはくとは飛行機との競争にまで打ち勝ちました。
山陽電鉄と交差しまして、関西のアーバンネットワークまでやってきました。
新見駅でお別れした姫新線、播但線が分岐する姫路駅です。
在来線ホームからでも姫路城を見ることができます。
駅から続く大通り突き当たりに真っ白なお城が構えており、よくこんな街並みにしてくださったなと感じるものです。
21:02-21:04 姫路駅
発車標を見てみますと、12分後には新快速電車が来ています。
すぐそこまで迫っているという程ではありませんが、通勤列車の妨げにならないよう走る必要があります。
ここで右手に注目していますと、明石海峡大橋が見えてきました。
定期サンライズが通過するのは0時頃でちょうどライトアップが消える時刻、色が変化する様子までじっくり観察できるのは臨時サンライズならではです。
21:51-21:52 三ノ宮駅
神戸駅から東海道本線に入っています。一方で神戸市の中心駅は三ノ宮駅、サンライズが停車するのもこちらです。
22:15 大阪駅 着
そして関西都市部の光に包まれながら東へ、大阪駅へと入ります。
大阪駅では14分の停車時間があります。
改札内のセブンイレブンで買い物などもできるので、ここで買い出しへ行かれる方も多いです。
大阪駅11番線ホームは特急専用ホームと化しており、臨時サンライズの次に来るのは定期サンライズ。寝台特急が複数本設定されている特別な日の演出です。
臨時サンライズに関しては横浜まで停まらない、のぞみもビックリな停車駅。
定期サンライズは出雲号と瀬戸号を連結しているため、14両編成がホームいっぱいに停まります。
臨時サンライズ出雲92号は7両編成なので、いつもよりも短いです。
そして、後ろから追い上げてきた新快速電車が到着。サンライズが大阪駅でしばらく停まっている間に到着しました。
それだけでなく先に発車したのは新快速。臨時サンライズを横目に颯爽と走り出して行きました。
時刻は22時台、サンライズが停まっているにしては活気ある大阪駅です。
22:29 大阪駅 発
大阪駅を出ると、朝まで放送による案内をしないことを伝える、おやすみ放送が流れます。
夜の東海道を駆け抜けて行く一方、ここの特急列車にしてはそこまで速度を出していない印象です。
23時前に京都駅を通過、まだお客さんがいる京都駅をサンライズが通過するのは、中々ありません。
その先、大津駅周辺で普通列車と並走。
中々抜き去らないのでかなり長時間に渡っており、結構気まずくなる瞬間です。
23:50-23:58 米原駅
米原駅でJR西日本からJR東海へ乗務員の方が交代されました。
さらに、貨物列車にも追い抜かれます。
臨時サンライズ出雲はお盆と年末年始にも運行されますが、祝日のため貨物列車が運休になることも。実際に貨物に追い抜かれる様子を見られるのは、GWの平日が一番かと思います。
日付を越えて0:37、40万人都市の岐阜駅を通過。定期サンライズが大阪駅を出発した頃です。
名鉄名古屋本線との交差地点では、名鉄岐阜駅に多くの特急列車が寝静まる様子を観察できます。
そして列車はぐんぐん速度を上げていき、約120km/hまで到達しました.
ここで通過するのが、三大都市のひとつ名古屋駅です。
定期サンライズも通過しており、定期旅客列車が名古屋駅を通過するのは寝台特急サンライズ号くらいになります。
熱田駅で運転停車したのち、夜の東海道を駆け抜けます。
通過しているのは蒲郡駅、赤字路線としても知られる名鉄蒲郡線のホームをJ Rが明るく照らしていました。
愛知御津駅〜西小坂井駅で東京駅から来たサンライズ出雲・瀬戸号とすれ違います。
向こう視点に立てば、今日は2回サンライズとすれ違うことに。
ラウンジから個室へ戻ってきまして、そろそろ寝ようと思います。
1:45頃に豊橋駅で運転停車。乗務員交代など行なっているのでしょうか。
上段と下段どちらで寝るか選べる個室ですが、今回は上段をチョイス。
車端部で振動が大きめなので、寝やすいのは上かと思います。
静岡県内の駅を通過していくのは、中々体験できないこと。再び大都市が現れまして、県内一の人口を有する浜松市です。
02:15-02:32 浜松駅
ここでは17分の運転停車が行われます。駅を開けるにしてはちょっと深夜過ぎますし、乗降できないのは納得の時刻。
ここでも貨物列車に追い抜かれました。米原駅で見たのと同じく、広島県福山からやってきた福山通運です。
いつの間にか眠っておりまして、目を覚ましたのは熱海駅到着時。
東海道新幹線ホームが上、在来線が下という山の縁になんとか作った構造です。
ここで運転停車が行われまして、JR東海からJR東日本の方に交代されます。
発車標を見てみると、JRマークの表示がされていました。
向かいには定期サンライズの表示、あちらは乗降できます。
二度寝しまして再び目を開いた頃には、神奈川県藤沢市を走行中。
ここで日付が変わって朝になったことを伝える、おはよう放送が流れました。
まだ朝5時台で平日とはいえGWなので、通勤ラッシュの本領発揮を前にしている頃。普段の定期サンライズよりも混雑は穏やかです。
05:57 横浜駅 着
横浜駅に到着し、大阪駅ぶりに扉が開かれます。
やはりこちらもホームにいらっしゃるお客さんは少なめ。ブラインドを閉めなくても気まずくならないレベルです。
首都圏ならではの複々線区間を走行しており、サンライズが走っているのは一番速達性に優れた東海道本線。
なぜか各停型の京浜東北線に追い抜かれていました。
多摩川を渡りまして、遂に神奈川県から東京都に入ります。
どんどん開発が進んでおり、リニア中央新幹線の起点にもなる品川駅を通過。
丸の内駅舎が姿を現したところで、終点の東京駅に到着です。
06:23 東京駅 着
多くの方々を魅了する寝台特急サンライズ号の旅。臨時列車まで設定されている今の状況は非常にめぐまれています。
この贅沢な時間の使い方をできる寝台特急サンライズ出雲92号。ぜひ一度乗車してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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