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【超快適】ひのとりで行く奈良→名古屋 近鉄特急乗り継ぎを駆使!

2022年12月17日

 

新型名阪特急として、2020年春に運行開始した近鉄特急ひのとり。名古屋〜大阪難波を結び、その快適性から多くの人から人気を集めています。

大阪難波〜近鉄名古屋の顔とも言える特急ひのとりですが、大阪難波〜近鉄奈良の阪奈特急にも充当されています。

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今日はこれらを組み合わせ、近鉄奈良〜近鉄名古屋を特急ひのとりで、近鉄本気の快適性を堪能してみることにしました。



観光地としての玄関口に相応しい、落ち着いた「和」デザイン近鉄奈良駅。

この朝の時間帯、大阪難波方面へ通勤される方が沢山いらっしゃいます。

 

この特急ひのとりは奈良から大阪への、通勤特急的役割も果たしているのです

 

暗めの地下空間に、紅く輝く特急ひのとりが入線してきました。

 

名阪特急では「ひのとり〇〇号」と表示される方向幕ですが、阪奈特急では「ひのとり」のみです。



ここでは最上級座席となる、プレミアムシートを選択しました。

車両端の2両がプレミアムシートで、階段を上った先のハイデッカー車両となっています。

 

赤いカーペットの上には、黄金に輝く座席が構えていました。マッサージチェアのような荘厳さを兼ね備え、これ以上無い快適性を深く確信させてくれます。



08:07 近鉄奈良駅 発

列車は遺跡が出てきそうな地下空間を出発。近鉄の各ターミナル駅、大阪難波・京都・近鉄奈良・近鉄名古屋は全て建物内の駅です。

 

前方からは伊勢志摩に行かない、京奈特急で運用される伊勢志摩ライナーがやって来ました。

 

近鉄奈良線は世界遺産・平城京のど真ん中を突っ切っていきます。線路を敷設した大正3年当時は範囲が分かっていなかったため、こういうことに。

2060年に平城京を迂回する線路付替が完成予定です。

 

左側には近鉄橿原線が合流、丁度向こうへ特急がゆっくり出ていきました。

 

大和西大寺駅は4方向へ行ける主要駅であり、入線時のポイント切換が凄いことに!

駅舎にはこの様子を見られるスポットまであるそうです。



近鉄奈良駅時点ではお客さんが3人ほどでしたが、大和西大寺駅から沢山の乗車。2/3の座席が埋まっています。

プレミアムシートでも近鉄奈良〜大阪難波の特急料金は820円。首都圏グリーンを考えたら、日常的に使う人がいても全くおかしくありません。

 

大和西大寺駅を出発するところで、右へは京都線が分かれます。

 

学園前駅を中心に住宅街が広がっていて、利用者も多いため特急が停まります。駅名的には、単に学校の最寄り駅みたいな感じがしちゃいますけど…。

 

次の生駒駅にはケーブルカーも合わせて、5方向から路線が集合します。ディスプレイには乗換案内も。

 

近鉄けいはんな線はOsakaMetro中央線に直通しており、キツキツ行き先が表示されます。

 

右手に見えてきたのが、学研奈良登美ヶ丘駅から来た近鉄けいはんな線です。地下鉄直通のため、線路横から電気を摂る第三軌条方式を採用してます。

 

左手から来たのは近鉄生駒線です。大都市の駅ではなくても、こんなに線路が集まるのはかなり面白いポイント。



これから奈良と大阪の境界に存在する、生駒山地へ挑みます。

近鉄けいはんな線は右側の生駒トンネル、奈良線は左側の新生駒トンネルです。

 

JR片町線が大迂回するこの山を、3494mの大トンネルで貫きます。



ひのとりといえば、カフェスポット。

その場で挽きたてコーヒーを200円で楽しめます。他に、紅茶やココアなども。

 

生駒山地を抜けまして、日本三大車窓にも匹敵する大都会大阪を見下ろせる区間。コーヒーを飲みながらプレミアム車両より、この景色を見られる贅沢な時間です。



近鉄奈良〜大阪難波で特急ひのとりが走る理由、それはこの東花園検車区にあります。

一日の仕事を終えた名阪特急の一部は、大阪難波からここへ帰っています。朝になって大阪難波へ向かうついでに、近鉄奈良へ寄って阪奈特急の運用に就いているのです。JRで言う通勤特急やホームライナーですね。

これまでもアーバンライナーがこの運用に就いていたのですが、ひのとり置き換えに伴い現在の形になっているという訳。

 

検車区から線路が合流して来る先が東花園駅、ラグビーのまちとしても知られています。

 

左からはこれから名阪特急で走る、近鉄大阪線が近づいてきました。乗換となる布施駅は、奈良線ホームが3階、大阪線ホームが2階なのでしばらく2階建ての高架線を走ることに。

 

布施駅を過ぎるとお互い立体的に合流、複々線になります。

 

阪奈ひのとりの旅も終わりまして、鶴橋駅で下車します。



08:39 鶴橋駅 着

鶴橋駅で通勤のお客さんが全体で30人は降りていたと思います。特急車両の送り込みとしては、十分機能しているでしょうね。

 

ここからは近鉄大阪線に乗り換え、近鉄名古屋へ向かう特急ひのとりに乗り継ぎます。

 

近鉄特急では30分以内の乗り継ぎであれば、特急料金を通し料金で計算してくれます。奈良〜鶴橋、鶴橋〜近鉄名古屋で分けられるより遥かに安いです。



それでは名阪特急ひのとりに乗車します。

本当だったらここからもプレミアムシートに乗りたかったですが、満席だったのでレギュラーシートです。

 

平日午前中でこの乗車率とは、出張需用も戻っていているのでしょうか。こちらの座席も十分快適です。

 

09:07 鶴橋駅 発

向こうには近鉄名古屋から来たひのとりがいました。

 

更にその先では、観光特急「あをによし」ともすれ違い。2022年春にデビューしたばかり、近鉄難波〜近鉄奈良〜京都を結びます。

 

先程走ってきた両サイドの近鉄奈良線が、上へ登っていきました。

 

近鉄大阪線は2階ホームを通過、近鉄奈良線はこの上を走っており、Z軸的には先程とは違う場所を走っていることになります。

 

近鉄奈良線は左へ離れていきまして、ここから正真正銘の名阪ルートです。

 

高安検車区には特急列車が集まっていて、色んな種類が並んでいるのが見どころになります。

 

JR和歌山線と交差しまして、五位堂駅を通過。

 

その近くに位置する五位堂検修車庫には、ひのとりもいました。



まもなく大和八木駅に到着です。

左側からは京都から近鉄大阪線を結ぶ、新ノ口連絡線が合流してきます。これのお陰で京都〜伊勢の特急が運行されており、私鉄最長特急が存在しているのです。

 

さらに、定期列車は運行されていませんが、大阪難波〜橿原神宮前方面を結ぶ八木西口連絡線もあります。たまに団体列車がここを走ることも。

 

近鉄大阪線と近鉄橿原線が直交する大和八木駅、立体交差構造のためにこういった連絡線が敷設されているのです。

 

大和八木駅がある橿原市は、奈良県の県庁所在地にすることが可決されています。町の規模的には十分ふさわしく思いますが、果たして本当にそうなるのか…。

 

現在通過している榛原駅では、便によって特急ひのとりが阪伊特急を追い抜くという珍しい光景が見られます。

 

列車はここから山へ入り、奈良県から三重県に県境を越えました。峠という訳ではありませんが、かなり長閑な場所という印象です。

 

乙特急(停車型)が停車する名張駅を通過。

特急で大阪へ通勤する需用を見込み、近鉄が開発したニュータウンもあります。



三重県西部には布引山地があり、近鉄大阪線はこれをトンネルで越えます。

その手前で通過するのが、近鉄で一番の秘境駅とも言われる西青山駅。峠の直前に位置しており、それだけ利用者も少ない訳です。

 

列車は新青山トンネルに突入しました。名阪特急を走らせるにおいて、無くてはならない存在です。

 

峠越えをした先で、東青山駅を通過。こちらも利用者が少ないですが、緩急接続を行うので構内は広くなっています。



これまで走ってきた線路は、関西〜伊勢を結ぶ特急も走る区間でした。

ここから線路が分岐しまして、名阪特急だけが走る中川連絡線に入ります。

 

元々近鉄大阪線と近鉄名古屋線は線路幅が異なっており、大阪難波〜伊勢中川と伊勢中川〜近鉄名古屋で乗継が必要でした。

 

その後、伊勢湾台風で被害を受けた近鉄名古屋線は標準軌に改軌、更に中川連絡線も建設されたことで名阪特急の直通が可能になったのです。

 

伊勢から名古屋・関西それぞれを結ぶ線路は現在でも使用されているので、線路が三角形を描くことから中川デルタ線と呼ばれます。

 

中川短絡線は名阪特急しか走らず本数が少ないので、単線で建設されています。ここで伊勢中川駅〜近鉄名古屋駅を結ぶ、近鉄名古屋線に入りました。



三重県の県庁所在地、津駅に到着です。

JRとの乗換駅であり、津〜名古屋では快速みえと近鉄特急がライバル関係になっています。

 

言わずとしれた日本一短い駅名。「Tsu」だと3文字なので異論ありますが、音的に短いので普通に最短に思います。

 

名阪特急は全て津駅に停車します。かつて通過する名阪ノンストップ特急も運行していましたが、運転士の運転時間は2時間までなので、中川短絡線走行中に交代していました。

しかし安全面を指摘され、2012年のダイヤ改正で廃止されました。仕方ないですが、ちょっと見てみたかったですね…。

 

臨海部には四日市のコンビナートが見られ、エネルギーを下支えしようとする血汐と鼓動を感じさせます。

 

塩浜駅の近くにはJRのタンク車、北海道から来たDF200もいます。

 

三重県最大の都市である四日市市中心駅、近鉄四日市駅を通過。名阪甲特急として速達性を優先します。

 

近鉄富田駅を過ぎた所、向かいからは名古屋発の観光特急しまかぜがカーブして来ました。

 

たくさんの路線が集合する桑名駅。

軌間も三岐鉄道北勢線のナローゲージ(762mm)、近鉄名古屋線の標準軌(1435mm)、JR関西本線・養老鉄道の狭軌(1067mm)と様々です。

 

真正面に見えている揖斐・長良川橋梁、角度的にまさか近鉄の鉄橋には見えませんが…。

 

超カーブしてきて、そのまさか。背割提によって揖斐川と木曽川が分かれています。

 

続いてJR関西本線・国道1号の尾張大橋と共に、長良川を渡りました。ここで三重県から愛知県に入ります。



近鉄名古屋駅が近づくと、右手にはJR東海の車両基地が広がっていました。

2022年夏にデビューしたHC85系に、それに置き換えられるキハ85系も。

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元々貨物駅の笹島駅があったところは再開発され、中京テレビ本車など、新しいビルが立ち並びます。

現在はあおなみ線のささしまライブ駅が作られました。

 

地下に潜って近鉄名古屋駅へ、地下駅に始まり地下駅に終わります。

 

向かいには伊勢志摩ライナーが停車中でした。

特急ひのとりで名古屋に来ると、いつも伊勢特急がいる気がします。



11:06 近鉄名古屋駅 着

近鉄奈良駅から近鉄名古屋駅まで3時間、この上なく快適で楽しい行程となりました。

 

奈良から名古屋は通常、京都まで出て新幹線だと思いますが、時には違ったルートも面白いです。

ダイヤの組み合わせ的に限定されますが、是非試してみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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