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【HC85系 富山まで運行開始】新型車両で行く特急ひだ3号乗車記(名古屋→富山)[HC85富山(1)]

2022年12月2日

こちらは朝の名古屋駅、これから旅行へ出かける方が多くなる朝9時頃です。

停車中の列車は、2022年7月にデビューしたHC85系。名古屋〜高山を走る特急ひだ号2往復に投入されていました。

2023年3月18日より、全ての便が新型車両HC85系に統一されています。

 

遂に方向幕にも富山の表示、新しい車両に長時間乗りたいという思いがある中、待望の表示です。

 

既存のキハ85系では、切り離される高山止まりの車両も富山行きの表示でしたが、HC85系は高山止まりの車両については高山行きと表示するようです。

 

高山行きの1〜4号車と富山行きの9,10号車を連結を基本として、多客時には間に車両が増結されます。今日は富山行きの7,8号車が増結されました。

また、HC85系による富山行き特急ひだには、グリーン車が併結されません。確かに高山〜富山の利用は少ないので、仕方ないですが…。



08:43 名古屋駅 発

HC85系による特急ひだ3号の旅、まずは豪華なアルプスの牧場から始まり、高山から先の停車駅が流れます。次の岐阜駅まで20分ほどは、進行方向と座席がの向きが逆になっています。

平日ですがほとんどの区画が埋まっていて、観光需要もかなり戻っている印象です。

 

一部の特急が停車する尾張一宮駅ですが、この便は通過します。特急ひだ3号は速達型の停車パターン、格上の便ということで、富山行きの中でいち早く新型車両が投入されたのでしょう。



HC85系はハイブリット気動車、その仕組みが車内の液晶に表示されています。

基本的には、エンジンが発電した電気を使ってモーターを動かしており、発電機を列車に積んでいるイメージ。

 

ブレーキをかける時には、モーターからバッテリーを充電します。

 

加速するときにはエンジンが発電した電気に加え、バッテリーに充電した電気が手助けして、モーターを回します。

 

東海道本線内は120km/hで駆け抜けており、他の電車に支障をきたさない性能を有しています。



岐阜駅に到着しまして、列車は進行方向を変えます。

岐阜県立岐阜高校のESS(English Speaking Society)部の方が、岐阜と岐阜の伝統工芸品の紹介をしてくださいました。

 

デッキの洗面台横には「ナノミュージアム」と呼ばれる工芸品の展示スペースがあって、飛騨地方で作られる漆器「飛騨春慶」が飾られています。他の編成では美濃和紙もありました。

 

右手に見えるのは、日本最古の天守とされる犬山城。犬山と言ったら名鉄のイメージですが、ひだ号では見どころとして、自動放送で案内されます。

 

日本ラインと呼ばれる木曽川沿いには、荒廃したホテルや店舗が立ち並んでおり、これも高山本線の面白ポイントだと思っています。

 

観光案内放送は当然それらを見ぬふりして、美しい清流として紹介されます。



4方向から鉄道が集結する、美濃太田駅に到着。

長良川鉄道のホームには、レストラン観光列車ながらが停まっていました。水戸岡デザインの列車で、東海3県では貴重な観光列車です。

 

上麻生駅でHC85系のひだ4号と行き違いました。

 

高山本線は飛騨川が作り出した素晴らしい渓谷沿いを走りますが、中でも飛水峡はその凹凸が主張しまくります。

 

川が大きく蛇行することで、線路もカーブの連続です。

 

ここは車両連結部分です。自動ドアが開くとデッキは無く、直接運転席に繋がっています。

 

高山行きと富山行きそれぞれ1両ずつ自由席が設定されており、富山行きは9号車が自由席です。



10:14 下呂駅 着

下呂温泉で有名な温泉郷、ここに泊まっていらっしゃったであろう方々が、たくさん乗ってこられました。車内の半分くらいが入れ替わった印象です。

 

下呂駅を出発すると、飛騨川の河川敷に旅館が並んでいました。ちょっとくたびれた感じのコンクリート建物が素敵ですね。

 

高山本線最長の2,080mに及ぶ宮トンネル、この上には分水嶺があって、ここから北の川の水は日本海側へ流れます。



10:58 高山駅 着

そして特急ひだの目的地、高山駅に到着です。8割位はここで降りていかれまして、特急ひだの需要の大きさを知らしめられました。

 

高山駅で切り離しが行われ、前寄り4両だけが引き続き富山行きとして運行します。解結した後は貫通扉を閉め、連結器カバーを被せて準備完了です。

 

車掌室の入り口となる扉が閉められ、モノクラス4両でコンパクトな特急になりました。



11:03 高山駅 発

高山駅からは多くの外国人観光客の方が乗ってこられました。斜め後ろも前も訪日観光客の方で、逆にアウェー感。

 

飛騨川は高山駅の手前で離れており、今度は宮川沿いを走ります。

 

飛騨国府駅ではキハ85系が現れ、新旧特急ひだ同士が行き違いました。キハ85系もいつHC85系へ完全置換えされるか分からないので、早いうちに後悔しないよう乗っておきたいですね。



11:17 飛騨古川駅 着

『君の名は。』の聖地として有名な飛騨古川駅までは、HC85系が臨時で延長運転されたことがあります。完全に営業運転が行われていなかったのは、ここから先です。

 

高山〜飛騨古川では盆地を走っていましたが、再び渓谷に近づいていきます。



11:54 猪谷駅 着

JR東海とJR西日本の境界駅は、富山県最初の駅である猪谷駅。特急が停まりますが、そこまで利用者が多いわけではありません。

 

ここで乗務員さんが、JR東海からJR西日本の方に交代されます。

 

駅名標も青いJR西日本仕様になりまして、いよいよJR西日本にHC85系が入ります。

 

神岡鉱山からカドミウムが流れ、イタイイタイ病を蔓延させたことでも知られる神通川沿い。これが富山駅のすぐ近くまでいたり、日本海側で平野を作っています。

 

特急ひだが全部停車する、越中八尾駅。

越中八尾曳山祭おわらで有名で、江戸時代からの佇まいを残す石畳の町並みが人気です。

 

広々とした平野には農耕地や工業団地が広がります。

 

折返しのひだ14号は速星駅に停車しますが、この便は通過。富山からここまで貨物列車が走っていて、日産化学へ専用線が伸びています。

 

あいの風とやま鉄道線、北陸新幹線とともに渡る神通川。高山本線の列車は古いものが多かったですが、そこにHC85系が仲間入りです。

 

そして3時間48分に渡るHC85系の旅、富山駅に入線してその道のりを終えます。



12:31 富山駅 着

富山駅は北陸新幹線に合わせて高架化されたばかり。そのためHC85系がいても全く違和感なく馴染んていました。これまでも当たり前にいたような気がします。

 

富山駅からHC85系が出発するのは、ひだ14号だけ。それ専用の乗車位置案内が貼られています。

 

HC85系はどんどんキハ85系を置き換えていき、活躍の場を広げていくはずです。

本数としては1往復しか増えていませんが、JR西日本エリアに侵入してきたのは大きな出来事。これからの活躍に期待が高まります。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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