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2024年3月16日、山形新幹線に新たなミニ新幹線車両、E8系新幹線がデビューしました。
山形新幹線に新型車両が投入されるのは、これまで活躍したE3系新幹線以来、25年ぶりです。
東北新幹線内の営業最高速度は、275km/hから300km/hに向上しており、東京〜山形・新庄の所要時間が短縮されます。
今回は普通車とグリーン車両方に乗車し、それぞれの車内をご紹介。
福島駅でE5系新幹線と連結後に東北新幹線内を300km/hで走る、山形〜東京の上り最速達便に乗車します。
新たな山形新幹線の姿を、どうぞお楽しみください。
山形新幹線の終着駅、早朝の新庄駅に来ました。
本日から営業運転が始まります、E8系新幹線です。
車体外観は従来のE3系新幹線と同じ配色を引継ぎ。車体上部は「おしどりパープル」、車体は「蔵王ビアンコ」、帯色は「紅花イエロー」と名付けられています。
運転窓上の赤い尾灯が、東北新幹線E5系に似た印象です。
車体外観については、以前試運転の記事でご紹介しています。
ホーム上では早朝5時にも関わらず賑わっており、お茶が振る舞われていたりしました。
沿線自治体のゆるキャラを着た方も多くいらっしゃって、E8系新幹線一番列車の歓迎が凄いです。
乗車位置案内も、E8系仕様のものが用意されていました。
それではE8系新幹線、営業初列車つばさ122号の車内へ足を踏み入れます。
まずは新庄駅〜山形駅にて、普通車指定席のご紹介です。
扉を開きますと、暖色の非常に明るい車内が飛び込んできました。
足元通路の、最上川をモチーフとした柄に導かれます。
5:40 新庄駅 発
レッドカーペットの敷かれたプラットホームより、新山形新幹線、E8系新幹線が出発です。
これまでと同様の山形新幹線車内チャイムが流れ、自動放送へと続きます。
車内表示器では、沿線の観光案内が流れていました。
それでは、普通車の座席をご紹介します。
普通車座席には紅花カラーを採用。黄色から紅色へグラデーションがかかっています。
リクライニングは十分に倒れ、頭部分のカーブもあって十分快適。
大きな背面テーブルを備えており、ペットボトルホルダーなどもこれまで通りです。
枕は可動式で、上下に動かすことができます。
コンセントは肘掛けの根本部分、座ったとき腰のあたりに設置されています。通路側含め全席コンセントがあり、現代のニーズに合った設備が整えられました。
リクライニングレバーは、肘掛け幅に埋め込まれるくらいで小さめでした。
バリアフリーに対応しており、 3席分車椅子スペースが用意されています。
次の停車駅、大石田駅発車時には駅員さん方が、E8系新幹線のデビューをお祝いしてくださいます。
続きまして、12号車と11号車(グリーン車)間のデッキへ。
壁面は木目調に整えられており、峠越えのある山形新幹線らしいナチュラルなデザイン。
客室扉上部分には、防犯カメラも備えられています。
こちらは11号車との間、黒い扉の向こう側にはグリーン車が広がります。ここに山形駅から先で行われる、車内販売ワゴンの準備スペースがあるようです。
こちらは男性小用お手洗い、間接照明によりなんとなく高級感を感じるようになりました。
その手前側には、洗面台と車椅子対応お手洗いが備わっています。
着替え台やおむつ替え台も備えたかなり広々したスペース、赤色の床に黒色の壁で、かなりシックな印象です。
洗面台は鏡の裏側に照明があるおしゃれ仕様、紅色のカーテンで目隠しできます。
さらに多目的室などがあり、授乳などにも使うことができます。
続いて村山駅に到着しました。
こちらでも同じようなデザインで、E8系新幹線デビューの横断幕が掲げられています。
再び客室内へ戻りまして、こちらにはキャリーバックの荷物置き場が置かれています。
スキー客の利用も見込んでいるようで、それを固定するベルトと備わっていました。
座席上には荷物棚が置かれており、奥に向かって坂が作られています。2本線状のライトによって見やすいようです。
座席のブラインドは特に装飾はなく、わずかに横線模様が描かれている程度でした。
続いてさくらんぼ東根駅、天童駅に停まっていきます。
6:25 山形駅 着
山形始発のE8系新幹線に乗車するため、こちらで下車します。
ホーム先端ではこの後行われる出発式の準備が整えられていました。
東京へ一足早く着く、つばさ122号をお見送りします。
出発式のテープカット舞台の壁面には、歴代のつばさ号が描かれています。
ミニ新幹線になる以前、国鉄特急時代のものまで。
続きまして山形→東京最速便に乗車すると共に、グリーン車をご紹介します。
お隣には山形駅始発の新庄行き171号が到着。これまで活躍し続けてきた、E3系新幹線です。
次に乗車するのは山形駅始発つばさ124号、6:46に入線してきました。
何と言っても前照灯が、運転台の左右に付いているのが特徴的です。こめかみにライトつけてるみたいです。
鼻の長さは9m、最高時速300km/hなら鼻は短くても良いと判断され、秋田新幹線E6系より4m短く、その分定員を25人増やしています。
E3系新幹線と並びまして、つばさ号として活躍するバトンの受け渡しがなされたようです。
グリーン車に乗車するのですが、出発式が行われており立ち入り制限があったので、普通車から乗り込み。
ミニ新幹線のため東北新幹線内では隙間が生まれるため、ステップが折りたたまれています。
黒色の扉の向こう側、グリーン車へ入りました。
グリーン席の座席カラーは、針葉樹林の広がる月山の緑色と、最上川の水面の揺らぎを表現しています。
リクライニングとフットレストを、フルで倒すとご覧の通り。
かなりゆったりと寛げそうで、特に足を支えてくれるのは嬉しいところです。
つばさ124号は、山形→東京の最速便で1時間23分。
途中停車駅は米沢、福島、大宮だけで、非常に少なくなっています。これは走りにも期待できそうです。
ホーム上では出発式が行われ、E8系新幹線デビューをお祝いするテープカット。
7:12 山形駅 発
出発合図が出されまして、遂に山形駅を出発しました。
次の停車駅は米沢駅、いくら停車駅を少なくしていると言っても、この駅は利用者が多いようです。
普通車より一回り大きいテーブル、手前へ引き寄せることができます。
また肘掛けにもテーブルが備わっており、駅弁くらいなら置けそうです。
グリーン車のコンセントは、中央の肘掛けに設置されています。
電動式レッグレスト、読書灯のスイッチがついています。
読書灯は荷物棚下の設置です。
米沢駅まで止まらないので、途中の赤湯駅を通過。
山形新幹線内は在来線特急なので、最高時速130km/hです。
米沢駅に到着。横断幕で迎えられ、白い服を来た駅長さんもいらっしゃいました。
列車はここから板谷峠越え、かつての4連続スイッチバック地点を通ります。
板谷峠を中心に豪雪地帯を走るため、台車周辺にはヒーターを備えています。車体に張り付いた氷塊が台車に当たるなど、運行に支障をきたす原因を減らすのです。
峠区間を終えて山形県から福島県に入り、東北新幹線と合流する福島駅へ。
東北新幹線の高架橋が見えてきました。
山形新幹線から福島駅へ繋がるアプローチ線は1本で、東北新幹線と平面交差する必要があります。
このボトルネックを解消するための立体交差の工事が進んでおり、その様子が真下に見ることができました。
山形新幹線つばさ号は、福島駅で東北新幹線やまびこ号と連結します。
やまびこ号が先に到着済みとなっており、つばさ号が連結しにいくところ。3回停車したのち、連結が完了しました。
その連結相手というのがこちら、E5系新幹線です。
つばさ号と連結するやまびこ号はこれまでE2系新幹線だったのですが、新しくE5系へ変わりました。
次の停車駅は大宮駅、やまびこ号と同等なのに宇都宮駅にも止まらない衝撃です。
8:19 福島駅 発
2分ほど遅れまして、福島駅を発車しました。
これまで130km/h運転だったのですが、東北新幹線に入って最高速度へ向かいます。
トンネルを過ぎるともう最高速度300km/hに、E8系新幹線の本気をいきなり見せつけられました。
最高速度を300km/hへ引き上げたのは、北海道新幹線の札幌延伸時を見据え、やまびこ・つばさ号がダイヤの障害にならないようにするため。
最上位のはやぶさ号が早く走るためには、やまびこ・つばさ号も邪魔しないように走っていなければならないのです。
郡山駅の通過は逃してしまいましたが、新白河駅を300km/h近くで通過。やまびこ208号を追い抜きます。
続いて那須塩原駅を通過。まだまだ最高速度を出しています。
上り最速つばさ124号東京行き
東北新幹線内を300km運転しながら、山形新幹線E8系デビュー放送!! pic.twitter.com/IzcN1KwclB
— パスケース (@Pass_Case) March 16, 2024
ここで車掌さんより、E8系新幹線運行開始の放送が流れました。
宇都宮市街へ入りますと、だんだん速度を落としてきました。
宇都宮駅〜大宮駅は市街地を走るため、騒音対策のために最高速度275km/hになっているのです。
栃木県の県庁所在地、宇都宮駅もしっかり通過してしまいました。
福島駅から大宮駅まで56分ノンストップ、大宮駅に到着です。
本日開業した、北陸新幹線かがやき号敦賀行きの乗換案内が行われていたのが、とっても新鮮でした。
グリーン車は連結部に一番近いので、E5系とE8系の連結を写真に収めようと、たくさんの方がいらっしゃいました。
次の停車駅は東京駅、上野駅は通過してしまう本当の最速達型です。
東京駅の向かい側ホームには着ぐるみがいました。
ちょうど敦賀発の北陸新幹線一番列車が到着したところなので、北陸のキャラクターでしょうか。
9:12 東京駅 着
山形駅から東京駅まで2時間23分、新庄行きの最速のつばさ131号なら2時間22分ですが、どちらもE8系新幹線300km/h運転を発揮していることになります。
これから山形新幹線つばさ号のタッグは、E5系新幹線とE8系新幹線。
ミニ新幹線界にも、新たな時代の幕開けです。
2024年3月16日現在、E8系で運行する列車は以下の通りです。
下り
・つばさ131号 東京駅9:24-山形駅11:46-新庄駅12:31
・つばさ149号 東京駅17:00-山形駅19:45
・つばさ157号 東京駅19:16-山形駅21:57-新庄駅22:45
上り
・つばさ122号 新庄駅5:40-山形駅6:25-東京駅9:12
・つばさ124号 山形駅7:12-東京駅9:35
・つばさ134号 新庄駅13:18-山形駅14:04-東京駅16:48
山形新幹線に新しく登場した、E8系新幹線。ぜひJR東日本の公式サイトもご確認の上、新・山形新幹線で山形へ足を運んでみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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