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【大曲行き新幹線】秋田に行かない「こまち」大曲花火の臨時新幹線
8月最終土曜日に開催されました大曲花火大会。特にお客さんが集中する帰りには夜間多くの臨時新幹線が運行され、非常に注目を浴びるところです。 大曲へ向かう方向についてはある程度分散しますが、 ...
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今日は8月の最終土曜日、秋田県大仙市で行われる大曲花火大会に来ています。
日本三大花火大会のひとつともされ、80万人の観覧者が訪れます。JR東日本では新幹線在来線ともに臨時列車を多く設定し、特に秋田新幹線では夜間頻繁にこまち号が発着します。
今回乗車するのは大曲から仙台への最終新幹線です。
新幹線は騒音の関係から0時から6時の間営業運転できないことになっており、仙台駅の到着時刻はギリギリの23:59。
しかし、小動物との接触や安全確認、乗客整理などの影響に伴って、最終的な到着時刻は深夜1時を超えました。
深夜の東北新幹線を走る大曲駅始発のこまち号。その様子をお届けすることにします。
花火会場を後にしまして、駅前大通りまで来ました。
歩行者天国になっており、この時点でどの列車に乗るか分けられています。
左から秋田方面各駅停車、横手・湯沢方面、角館・田沢湖方面、新幹線立席と記された看板が立っていました。大きく分ければ左3つは在来線、一番右は新幹線です。
この時点でカラーコーンにより列が区切られているのですが、さらに進むと新幹線の中でも細かく分けられていました。
左が新幹線立席(雫石・盛岡/秋田)、右が新幹線指定席(こまち288号仙台行/古川・仙台立席)です。
在来線の方に目を向けると、完全に人で埋め尽くされていました。それでも列は成されており、ちゃんと統率は取れていたようです。
時刻は22時を回っているのですが、秋田新幹線は30分遅れ。この時点ではカモシカと衝突のためと言われまして、こまち288号仙台行の利用者はまだ待合スペースに入れない状態でした。
しばらく待っていますと、待合所Bへ入るよう案内がされました。このようにLEDの電光掲示板が設置されています。
列状に柵が組まれている、待合所Bへ入ります。
先行列車が異常な音を感知し安全確認を行い、運転整理を行なっている影響により、40分遅れと放送されています。
22:21発こまち359号秋田行き指定席利用者の改札が始まりました。
これに続いて、22:27発こまち361号秋田行き指定席利用者が待合所Aへ誘導されます。
そして22:29、秋田行き立席利用者の改札が開始されます。
こまち号の立席定員は250名程度と放送がありました。誘導中に号車を記載した整理券を配布することにより、混乱を防いでいるようです。
次に改札が開始されたのは、22:49発こまち361号秋田行きでした。仙台行きはまだ入線していないのかなと予想されます。
待合所Aには次の22:44発こまち43号秋田行きの利用者が入ります。
待合所で待ち始めてから50分ほど経った23:04、こまち288号仙台行きの改札が始まりました。
発車時刻をすでに45分過ぎており、待ち続けていた利用者からは拍手が起こっているほどです。
通常の改札口はおそらく普通列車利用者を通すのに使われており、新幹線利用者はこちら臨時改札口。指定席札の下を通ります。
駅員さんもいらっしゃいますが、特にここできっぷを提示する必要はありません。
跨線橋を通る時の発車標には、大曲〜秋田を結ぶ臨時普通列車「花火」の表示が出ていました。他にも大曲〜盛岡を結ぶ「ナイアガラ」、大曲〜院内・新庄を結ぶ「スターマイン」があり、普通列車にも様々愛称が付けられているのです。
両方下りになったエスカレーターを降りまして、新幹線のりかえ口へ。
新幹線乗換改札を通りますが、ここでも紙のきっぷ利用者は提示や改札機を通過することもしません。一方で新幹線eチケットやタッチでGo!利用者は、自動改札機を通ります。
左がこまち288号仙台行き、右がこまち361号秋田行きです。秋田新幹線は単線のため、上下列車ともに運行調整を行う必要があります。
それではこまち288号仙台行き、車内へ入りましょう。
途中の停車駅は盛岡、古川です。実はこの停車パターン自体も珍しかったりします。
立ち席特急券は緑色の整理券を受け取っておりまして、それぞれの車両へ誘導されます。
立ち客のお客さんはかなり多く、仙台行きの最終列車ということもあって、なんとか詰め込まれていきました。
一方で、向かいの秋田方面に関してはまだ余裕があります。
23:32 大曲駅 発
この時は情報が錯綜していたので正確ではなかったのですが、報道によるとこまち96号が子熊と衝突していたとのことでした。
ここで仙台駅から接続する普通列車乗り換え客確認のため、車掌さんが回っていかれます。
角館駅でこまち号と行き違い、対向列車が待っておりこちらはそのまま通過していきました。
並行する国道105号には大型バスや乗用車が沢山走っており、花火からお帰りの方の多さを知らしめられます。
田沢湖駅では回送のE6系新幹線と行き違いました。
この新幹線は大曲〜盛岡ノンストップ、そのまま岩手県へ向かって仙岩トンネルを抜けにかかります。
大地沢信号場でこまち45号秋田行きと行き違い。こちらも運転停車が行われました。
時刻は0時過ぎ、遂に日付を超えています。
秋田新幹線はあくまで在来線特急で速度が低いため特に0時〜6時運行の制限はないのですが、盛岡から先東北新幹線ではこの時間帯にダイヤを設定することはできません。だからこそ秋田新幹線内はノンストップ、仙台駅ひとつ手前の古川駅だけ停車するという停車パターンが生まれたのでしょう。
しかし、今回のように遅れた場合は深夜帯でも運行可能です。最近では台風の時、東海道山陽新幹線が夜通し運行されましたね。
雫石駅にはおそらく運行を終えた、回送の普通列車が停車中でした。
この辺りでまもなく盛岡駅到着の放送が流れます。
すでに発車時刻を過ぎていますが、盛岡駅からは0:07発東北本線北上行きに接続します。
ほとんどの方が盛岡駅で降りられ、立席特急券の利用者はほぼいなくなりました。
一方で盛岡駅から乗車される方もそれなりにいらっしゃって、立席特急券の方も含め座席がちょうど埋まるくらいです。
盛岡駅を出発する頃、お隣にはE5系新幹線の夜間停泊車両を見られました。
盛岡駅からはいよいよ東北新幹線へ、普段ではありえない夜行新幹線の運行です。
深夜帯の運行ですが速度制限はかけられず、最高速度320km/h近くでの走行です。
盛岡駅では0:07発北上行き普通列車と接続しましたが、後続には盛岡駅0:52発北上駅1:42着の列車も設定されています。
他に北上線でも深夜帯臨時列車が走っており、横手駅1:00発北上駅2:13着の列車が最終です。
一ノ関駅を通過しました。
盛岡駅0:07発北上駅0:56着の臨時列車より、北上駅1:03発一ノ関駅1:43着の臨時列車に乗り換えることができ、新幹線が停車しなくても在来線でここまで来られます。
そんな中で新幹線を停車させる必要があったのが、古川駅です。
新幹線駅が設置されるような花巻、北上、水沢、一ノ関には臨時普通列車で辿り着ける距離感です。
一方で大崎市の中心駅である古川駅まで普通列車を走らせると到着がかなり遅くなるため、なるべく急ぎたいこまち号であっても停車駅に選ばれたのだと思われます。
一方であまり下車されるお客さんはいらっしゃらず、少なくともこの車両前方の扉から降りた方は1人もいませんでした。
と言ってもここに停車しなかったら、古川駅周辺の方だけ帰宅難民になってしまいますから、十分意味はあったと思います。
ちょうど古川駅を発車した頃、遂に時刻は深夜1時を回りました。
仙台駅から接続する在来線普通列車、白石行き0:07、松島行き0:07、仙山線愛子行き0:07、仙石線東塩釜行き0:09は全て接続します。
時刻は深夜1:10、71分遅れで終点の仙台駅に到着しました。
まさかここまで夜遅くになるとは思いませんでしたが、無事終点まで辿り着けて良かったです。
行き先表示器には一瞬だけ、自由席の表示が出ていました。その後すぐに真っ暗へ戻されます。
さすがは東北地方最大都市ということで、非常に多くの方が仙台駅まで乗車されていました。
そして在来線の発車標も見てみますと、各方面へ接続する最終列車が表示されていました。
0:09発仙石線東塩釜駅行き普通列車が表示されていませんが、接続はとられているはずです。
駅を出るとタクシーにも列ができており、お客さんも大変な帰りになったなと感じます。
一方で、やはり一番大変だったのは働いている方々。多くのお客さんが一堂に帰宅するだけでなく、動物との衝突による輸送障害とは思いがけないトラブルです。
夜遅くまでお仕事されたJRをはじめとした関係者の方々には感謝するばかり。
そして、こういった臨時列車が設定されているからこそ、非常に多くの方が大曲花火を楽しめるはずです。ぜひ一度夜空の彩りを目に焼き付けてみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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