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【ビーチを走る鉄道】日高本線の高波被害が激しい区間を見る

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代行バスで日高門別駅までやって来ました。

駅前には日高本線沿線の中心駅によくある、サラブレッドに鐘の塔が立っています。

 

前は日高本線と離れたところを走っていたため遠くにあった鉄橋、もちろんそれとは別のものですが、真横を通るようになります。

 

途中には日高本線沿線で象徴的な、サラブレッドがいました。
ここから競馬の馬として活躍していくのです。

 

小さなガラス張りの駅舎になっている、豊里駅が見えました。
貨車駅舎が多くある北海道、本屋の規模としては同じくらいです。

 

バスは被災区間の1つ、豊里〜清畠を走ります。

途中では鉄橋が切られ、コンクリートの足だけになっていました。

もはやビーチの上に線路があるようなもので、波にさらわれてもおかしくないと感じてしまいます。

 

次の清畠駅に到着、さっきの豊里駅と瓜二つの駅舎です。

 

こんなに海に近いところ、列車で走ってみたかったとも思いますが、高波被害に遭ってしまうのも仕方ありません。

 

厚賀駅は1989年に駅舎が改築され、木造喫茶店のようになっています。

 

バスは線路沿いから離れ、山へ向かって走ります。

 

海に注ぐためかなり広くなっていく厚別川を渡っているところです。
上からは日高本線の長い鉄橋も見られました。

 

次に停車する駅としては大狩部駅ですがバス停が追加されており、大狩部高台に停車。
駅周辺よりも住宅が多く、生活利用者の利便性を高めるためです。

 

再び路線沿いへ向かって降り…

 

今度は大狩部駅に到着。横に走っているコンクリートの構造物は優駿浪漫街道です。

 

この街道の下を通ると大狩部駅のプラットホームへ行けます。

大狩部駅周辺は最も高波被害が大きく、線路が浮いている所もありました。

テトラポッドで少々見えづらくなっていますが、2本の鉄の線路がプラーンとしているのは、いかに大きな被害であったかを物語ります。

 

駅前通り突き当たりにある節婦駅は、元々貨車駅舎だった所に駅舎が新しくできたという、珍しい経緯を持つ駅です。

 

まもなく廃止となる路線に乗っている途中、横には建設中の日高自動車道が見えてきました。
現在は厚賀までの自動車専用道路、鉄道と自動車の対極的な姿は何とも寂しく感じます。



次に停車するのは新冠駅。

後で訪問したのですがかなり綺麗な駅舎で、ホーム等も移転した駅です。

 

マックスバリュなど大手チェーン店なども立ち並ぶ新ひだか町の街へ入りました。

その新ひだか町の中心地、静内駅に到着。

日高本線の中でも最大の駅でみどりの窓口もあり、バスターミナルと一体化した駅です。

 

それでも二度と列車が来ることは無くなってしまい、相当廃れてしまいました。

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この後は先程の新冠駅を訪問。

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再び静内駅に戻り、代行バスに乗って更に南下していきます。

 

東静内駅周辺では『射撃音注意』と書かれた壁が現れました。
ここには自衛隊の静内駐屯地があるようです。

 

日高三石駅は貨車駅舎を経たのち、『ふれあいサテライトみついし』を併設した駅舎になっています。

 

バスは川を越えるため、鉄道からだんだんと離れていき…

 

鉄道と再び合流します。山の日陰に入ると薄っすら雪が見え始めてきました。



蓬栄駅に到着。

道路にプラットホームが直接面していて、路面電車ののりばが普通鉄道になったみたいな見た目です。

 

次の本桐駅は交換可能な1面2線の駅、木造駅舎を有しています。

 

広い草原には雪が掛かり、サラブレッドが何頭もいる様子が見られました。

 

バスはふたたび海沿いへ。そこまで激しくないながらも白い波が打ち寄せてきます。

 

バスは荻伏駅付近に向かうための道へ入り、駅付近の広い空き地でぐるーっと方向を変え、元の道へと戻ります。



下車したのは浦臼駅。

相当古そうな駅舎を持ち、僅かな時間しか開いていないみどりの窓口もあります。

浦臼駅
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さて、再び代行バスに乗車して、今度は終着駅の様似駅へ。

 

電線が地中化されてなかなかスッキリした町並みを抜けていきます。

 

次の停車駅、東町駅は浦河赤十字病院に停車。

 

通院する方や高校生も利用し、かなり多くの状況客がいらっしゃいます。

 

日高幌別駅はレストランもある大きな駅、とんがった三角がシンボルの駅舎です。

 

鵜苫駅はカラフルに色づけられた貨車駅舎。日高本線には貨車駅舎は少ないようで、他に荻伏駅とお隣の西様似駅しかありません。

 

しばらくすると鋭く尖った岩、ローソク岩が見えてきました。

 

他にも3つの岩が近くに並んだ親子岩が並びます。

 

時間帯が違うものの、このように3つ並んだ岩。
2つの夫婦岩はよくありますが、3つというのは珍しいものです。
西様似駅周辺にはこのような奇岩と呼ばれるものが見られます。



さて、バスはいよいよ終着駅の様似駅に到着です。

様似駅
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殆どがバス路線で鉄道に乗ったのは本当にわずか。
線路のすぐ近くにどこまでも海の広がる景色を列車から眺めてみたかったと強く思います。

 

しかし利用客が十分に見込めないこの路線を復旧するのは困難で、運行を再開するにしても高波対策がされることでしょう。

 

この地域は十分に発展しており、大きな病院や街などもあります。
バスであればそのような施設へ簡単に入ることができ、生活で利用するにはそちらの方が良いのでは無いでしょうか。

 

災害による受動的な廃止という形にはなってしまいましたが、この選択が交通の利便性向上に繋がればと思います。

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

参考
【2020年度版】JR北海道路線/駅廃止に関する情報リスト

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