おはようございます。まだ暗い早朝5時台、チラッと雪の降る苫小牧駅です。
これだけ朝早く駅に来たのは、日高本線に乗るためです。
5:45発の普通列車静内行きに乗車します。
発車標では静内行きの表示が出ていますが、実際に列車が来るのは鵡川まで。146.5kmのうち30.5kmしか鉄道が走っていません。
とりあえずこの列車に乗って鵡川駅に向かいましょう。
3両編成のキハ40には2人だけお客さんを乗せて走っていきます。
窓を開けるとひんやりとした風が入ってきて、地平線がぼんやりとオレンジになり始めました。
鵡川駅に到着です。
3両編成なんて長すぎると思ってしまいますが、おそらくこれから鵡川→苫小牧へ通学する方が多く乗車するのでしょう。
ここからは列車代行バスに乗り換え。構内踏切の近くには立派な看板が立てられていました。
日高本線の鵡川〜様似が不通になったのは2015年1月の高波被害から。一時期静内〜様似で列車の運行をしていましたが結局その区間もバスによる運行が続きます。
苫小牧〜鵡川についても2018年の北海道胆振東部地震で被害を受けましたが、こちらは復旧されました。
以前のように鵡川駅で鉄道と代行バスを乗り換える状態が続いています。
それにしても高波の被害が出ているのはここから30kmほど先の地点。
鵡川駅ではなく、この先の交換可能な大きい駅まで列車を運行させることはできなかったのでしょうか…。
今回はその点について重点を置いて日高本線の代行バスの様子をご紹介していきます。
駅前に停まっている高速バス仕様の代行バスに乗車。11分の乗り継ぎで鵡川駅を出発します。
バスは日高本線の線路からかなり離れて、国道235号線を走っていきます。
鵡川駅から15分ほど、お隣の汐見駅付近を通過します。
この駅へ向かうために国道から田んぼ道へ入っていきました。
一度通り過ぎた後Uターンし、再び駅待合室横を通ります。
次の駅は富川駅。とんがり屋根が特徴的な駅舎です。
先程は駅舎と反対側でしたが、駅近くの踏切を渡って富川駅の前の道を通ります。
駅周辺にはドラッグストアなどがあって、大きな街が広がっていました。
川幅の広い沙流川を渡っていると、奥には赤い鉄道の鉄橋が見えます。
この辺りは被災していないので、ほぼ現役みたいなものです。
川を渡ると丘を登り、牧場の隣を走っていきます。
しばらくすると海がちらっと見え、海沿いへ向かって段々と下り始めました。
広い通りを走っていると結構大きめの病院、日高町立門別国民健康保険病院があります。
大抵地方のバスは病院がターミナル的機能を果たすことが多く、鉄道が正式に廃止された後は中のロータリーにバス停ができるかもしれません。
日高町の中心駅、日高門別駅に到着しました。
この駅舎は1990年に改築されたもので、エメラルドグリーンなどのパステルカラーで塗られています。
この駅は交換可能な大きな駅で、ここまでなら列車を走らせそうな最初のポイントです。
日高本線の部分廃止について議論された際、ここ日高門別駅まで存続させることが考えられていました。
しかし、交換設備はあるものの折返しの信号設備はありません。その設備を改良する工事費用を考えると、その分を自治体に負担してもらうということになります。
最終的には信号設備を新たに設置する費用を負担してまで存続させるというのは難しいという結論に達しました。
鉄道はただ線路を敷いて走らせればよいというものではなく、信号や安全装置など様々な設備が必要です。
柔軟性に劣るために生まれた日高本線の僅かな鉄道路線。
区間ごとの利用客の少なさも理由の一つですが、背景には鉄道そのものが持つデメリットがありました。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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