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【どの橋梁が架替え?】11年ぶりに復旧した赤字路線 只見線満喫号で行く[只見Shu*Kura(2)]

2022年11月7日

 

今日は10月に全線復旧を果たしたばかりの只見線、只見駅に来ています。

ホームには新潟からやってきた観光列車、只見Shu*Kuraが停車中。朝からこの列車に乗って、日本酒を楽しんできました。

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ここからは臨時快速として運行される、只見線満喫号に乗車します。先頭車両はレトロラッピング車両、茶色い昔ながらの色合いをしたキハ110が、ローカル線を行きます。

 

只見線の最後の復旧区間は、ここ只見駅から会津川口駅。初日にも運行再開初便に乗車したのですが、残念ながら途中で運転取りやめになってしまいました。今日はそのリベンジです。

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1,2号車は指定席となっていましたが、3号車は自由席。

混雑で非常に話題になっていた只見線ですが、JR東日本パス期間の土曜日でありながら、この列車なら十分空いていました。

 

只見駅を出発すると、最初に迎えるのが叶津かのうづ川橋梁です。非常に大きなカーブを描きながら、叶津川を渡ります。

 

進行方向左には只見から魚沼を結ぶ街道、八十里越が別れていきます。

現在、六十里越と呼ばれる国道252号は冬季閉鎖されていますが、八十里越にあたる国道289号で高規格道路が2026年に開通予定。現在冬の交通手段が只見線だけとなっている県境ですが、この道路が開通すれば状況は変わります。



只見線が長期に渡って不通となったのは、2011年の新潟・福島豪雨によるものです。

会津蒲生駅に長らく鉄道車両が立ち往生していたのですが、野ざらしを防ぐため近くのシェルターに避難。道路が近かったためトレーラーで移動されました。

 

会津蒲生駅の近くでは黄色いハンカチが掲げられており、列車の期間を祝っているようでした。

 

第八只見川橋梁は岸に沿った形であり、新潟・福島豪雨では路盤崩落が起こったものの、橋そのものの流出を免れました。復旧にあたって45億円かけて嵩上げも計画されましたが、それはやめて25奥円に圧縮させています。

この橋のトラスは現在の飯田線、三信鉄道の中部天竜駅~佐久間駅の天竜川橋梁から持ってきたものです。

 

川の流れは非常に穏やか、花咲線のような湿原っぽい景色になります。

 

第七只見川橋梁は豪雨によって、線路下を支えるワーレントラス橋全体と、プレートガーダー桁が流失しました。復旧後は上側からトラスで支えています。

 

只見川橋梁の先では、毎度のように撮り鉄さんが大勢いらっしゃいます。やっぱり只見線は外から撮影する方々に非常に人気なのです。

 

只見線の小さな途中駅は、1日の利用者が1ケタ台の駅ばかり。1日3往復と非常に少ない本数で、観光客輸送に振り切っているのが現状です。



第六只見川橋梁は、本名ダムのすぐ横を走ります。

ダムで放水する前を列車が走る様子を撮れたり、撮影スポットとして有名です。

線路を支える本橋梁のトラス、前後のプレートガーダー桁2連が流失しており、新たにトラスを組立てて完成させました。

 

第五只見川橋梁はプレートガーターが流出、路盤崩落も起こったためにガーターの距離を長くして改良しています。



会津川口駅に到着しました。

2022年10月に復旧したのはここまで、ここからも風光明媚な風景が続きます。

 

只見川は鏡のように周りの山を映し出しており、これこそ只見線の車窓が人気の理由です。晴れていたらもっと素敵だったのだろうと感じますが…。

 

会津中川駅では大きな旗を持って、お見送りしてくださいました。

生活利用の見込みは非常に厳しいですが、その分観光客に対するお出迎えは素晴らしいものです。



列車は第四只見川橋梁を渡ります。

これまでとは違って、豪雨前から線路の上にトラスがある下路式トラス橋であり、流出はしていません。

 

それでもトラスやレールの歪み、路盤崩落などは起こっています。

 

奥の方で僅かに見えるのは、細越拱橋きょうきょう。コンクリート製の8連アーチ橋を走ります。

 

早戸駅の近くからは、霧幻峡の渡しが運航されています。300年もの歴史があった霧幻峡、昭和39年に裏山の土砂崩れにより、廃村となりました。

現在でも祭祀施設、硫黄鉱山等の産業遺跡が残っていて、パワースポットとして注目されています。

 

第三只見川橋は写真撮影スポットとして有名な橋梁です。トラスが下側になっているため、橋を通っている間も障害になるものがありません。



会津宮下駅では反対方向の普通列車と行き違い。

向こう側はお客さんが満杯で、JR東日本パスの力と復旧直後の需要は凄いなと感じさせられます。

 

ここでも横断幕と共にお迎えしてくださり、人情と風景共に只見線の旅を楽しめます。

 

同じ様に只見川を臨場感たっぷりで渡っていける、第二只見川橋梁。



そして最後は第一只見川橋梁。

2ヒンジスパンドレルブレーストバランストアーチという、言われてもよく分からない構造(笑)

 

(By MaedaAkihiko - Own work, CC BY-SA 4.0,https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=95348288より)

それでも綺麗なアーチによって結ばれた両岸、その上を列車が走っていく様子は誰しもが美しいと思う光景でしょう。

只見線は確かに乗っても良い路線でしたが、世界的にロマンチックな鉄道として知られるのは、この外から見える景色が所以に思います。



会津柳津駅に到着。

駅周辺には柳津温泉街が広がっていて、宿泊もできます。ホーム上に赤べこさんもいました。

 

しゃぼん玉で文字通りキラキラしたお見送り。これだけで気分が高揚します。

 

会津坂本駅の貨車駅舎には、可愛らしい列車のペイント。キハ40時代のデザインです。



10月1日の只見線全線復旧初便、小出行きの普通列車はここで立ち往生しました。

ここから線路上を歩いて行った、ちょっとした思い出です。

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会津坂下ばんげ駅からは会津若松との通勤通学需要が大きくなります。

 

会津盆地に入りまして、これまでとははっきり違う景色です。

 

会津高田駅は反対側ホームが廃止されており、低めのプラットホーム上には植物の独壇場になっていました。

 

向こうの方には磐梯山も見えています。

 

西若松駅で関東と私鉄で繋がる、会津鉄道と合流してきます。



会津若松駅に到着しました。

多くの鉄道ファンに望まれ、沿線住民にも広く歓迎されながら復旧した只見線。実際たくさんの方が乗っていますが、途中下車して観光してもらうには本数の面でも難しいのが現状です。

 

途中で降りてもらい色んな所で観光してもらい、春夏秋冬何度も足を運んでくれる。そんな流れによって、多額の費用を掛けて復旧してよかったと思ってもらえる未来を望みます。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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