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【のぞみ号なのに東海道走らない!】山陽新幹線完結の臨時のぞみが面白すぎる[かささぎ(1)]
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2023年9月に武雄温泉〜長崎で開業した西九州新幹線。これに伴い長崎本線を走る、特急かもめが引退しました。
博多〜長崎のルートを形成する特急リレーかもめは、江北駅から佐世保線へ抜けます。
これにより、それまで特急かもめが停車していた肥前鹿島駅は、特急ルートから外れることに。
そこで新設されたのが、特急かささぎです。江北駅から長崎本線に入り、博多〜肥前鹿島を結びます。
2016年の6者合意では博多〜肥前鹿島の特急について、新幹線開業後3年間は14本程度、その後20年間は10本程度で運行することが決められています。
2046年になれば西九州新幹線が全線開業しているように思われ、途中駅からの需要が新幹線に流れることや、鹿島市の人口減少が重なり、特急かささぎは廃止されていそうです。
かなり地味な存在ではありますが、肥前鹿島駅からの需要は実際どうなのか。博多へ通勤できる時間帯の特急かささぎを観察、乗車します。
朝6時台の肥前鹿島駅に来ました。
祐徳稲荷神社をイメージしており、朱色を用いた駅舎と瓦屋根が特徴です。
1968年に建てられた駅前バスターミナルビルが目の前です。1階には祐徳バスセンターが入居しており、時が止まったようなレトロさを感じさせます。
ここで肥前鹿島駅から江北駅へ向かう、朝の列車を見てみましょう。始発列車は6:07発の普通門司港行きです。
肥前浜駅始発の、福岡都市圏で走る811系電車。
肥前浜駅、肥前鹿島駅始発の普通列車は、これ以外全て江北または鳥栖行きです。
博多駅8時台到着で肥前鹿島駅から通勤可能な便は、特急かささぎ102号、104号です。
一方でみどりの窓口は7:30から営業のため間に合わず、ネットきっぷの発券も窓口のみで可能。地元の方はご存知でしょうが、外から来られる際は気をつけましょう。
まずは6:38発特急かささぎ102号の様子を見てみます。
おそらく江北駅から回送列車として入線。
特急みどり・ハウステンボスで使用される、783系電車8両編成です。
ここで乗車されたお客さんは7人、予想通りちょっと少ないなという印象を受けました。
ただしこの便に関しては、西九州新幹線開業以前から、肥前鹿島駅始発の特急かもめ102号として運行されていました。
列車名と使用車両が787系から変わっただけで、ダイヤはほぼ同じです。
続いて3分後、肥前大浦駅始発の普通列車江北行きがやってきました。
ホーム上には大勢の高校生の生徒さんが待っていらっしゃって、非常に大きな需要であることが確認できました。
肥前浜駅より多良寄りは非電化化されたため、ディーゼル車2両での運行です。
こちら6:42発に続く普通列車江北行きは1時間後の7:44発。その次は8:11発で、通学需要はこれら3本に集中しているものと思われます。
続きまして、885系電車が江北方から入線してきました。
こちらが今回乗車する、特急かささぎ104号博多・吉塚行きです。
西九州新幹線開業以前は、佐賀駅始発のかもめ104号として走っていました。その運行区間を肥前鹿島駅まで延長する形で、それ以外のダイヤはほぼ変わっていません。
当時は長崎駅始発の特急かもめ2号が15分ほど前を走っていたため、それで肥前鹿島駅からの需要を賄えていました。
こちらは6両編成での運行、3〜6号車が自由席です。
先程とは様子が違っていまして、次々とお客さんが列車に乗り込んで行かれます。
肥前鹿島駅からの乗車人数は、目視で数えた限り64人。
15人位は学生さん、30人くらいは通勤のお客さんと思われます。
こちらの方が利用しやすい特急であり、普通列車の間隔が空いているからとは言え、鹿島市が特急全廃を阻止しようとした理由が分かった気がします。
7:14 肥前鹿島駅 発
予想していたより、多くの方が利用されている特急かささぎ号。
肥前鹿島駅7:14発、佐賀駅7:35着、博多駅8:24着という通勤に便利なダイヤであり、この便の方が好まれる訳です。
僅かながら有明海のドロドロした車窓を見られ、特急かもめが走っていた時代を思い起こすことができました。
左手からは長崎へのルートを明け渡した、佐世保線が合流してきます。
江北駅に到着。ホームでは特急に乗車するお客さんが長い列を成していました。
おそらく60人は乗ってこられたと思います。
江北町は博多への特急通勤を売りにしたまちづくりをしており、人口9500人程度で横ばいが続いています。
向かいには特急リレーかもめ3号武雄温泉行きが停車中。
西九州新幹線がフル規格で全線開通した場合、江北駅に新幹線駅が設置されない上、佐世保行き特急が武雄温泉発着になることも考えられます。
今後のまちづくりにも大きく影響するため、県だけでなく各市町村単位でも、新幹線の良し悪しが落とし込まれています。
ここから先は、現在でも長崎方面へのルートを形成している区間です。
高架を登ってきまして、佐賀駅に到着。
肥前鹿島駅から乗っておられた高校生の方々は、おそらく公立高校のため佐賀駅で降りられました。
特急を利用すれば、普通列車を乗り継ぐより半分の時間で移動できます。親御さんによる駅への送り迎えや利便性など考慮して、特急通学の生徒さんも多いのでしょう。
この駅からの特急利用は非常に多く、少なくとも50人は乗ってこられています。
何より驚くべきは、8分前に佐賀駅始発の特急かささぎ204号が出発しているにも関わらず、これだけのお客さんが乗りこんでくること。
いかに佐賀〜博多の特急需要が大きいか知らしめられました。
佐賀県は西九州新幹線(武雄温泉〜新鳥栖)を求めたことがありません。
これは佐賀〜博多における在来線特急での移動が、所要時間や料金面のバランスが最も良い状態であるため。西九州新幹線全通後も、博多〜佐賀の在来線特急は残さざるを得ないように思います。
その西九州新幹線が分岐すると想定される、九州新幹線との乗換駅、新鳥栖駅。
まだこの時間では新幹線との乗換客も少なく、10人程度の乗車です。
ちょうど貨物列車がやってきました、鹿児島本線との分岐駅である鳥栖駅に到着。
ここでは20人程度乗車されます。
鳥栖→博多では7時台の特急が4本設定。普通列車も同じく4本設定ですが、半分の時間で移動できるため特急利用者も十分にいる訳です。
二日市駅は通過しまして、門司港駅始発の特急かささぎ101号肥前鹿島行きとすれ違います。
ダイヤは少々異なりますが、新幹線開業以前の門司港駅6:52発/佐賀駅8:56着の特急かもめ101号を延長した形です。
南福岡車両区の横を通過、2023年上半期は博多〜由布院で運行しているD&S列車、『或る列車』が停まっていました。
長崎や佐世保へ海沿いを走ることもあり、豪華団体列車として知られます。
博多駅到着時には、博多南線の500系新幹線がこちらへ出発してくるところでした。
7:24 博多駅 着
この列車は吉塚行きですが、おそらく全員と言って良いほどのお客さんが博多駅で下車されます。
博多駅〜吉塚駅は普通列車としての運行になります。
今回は肥前鹿島駅〜博多駅における、特急かささぎ号朝の様子を観察してきました。
鹿島市が大きく働きかけて存続された特急列車。実際に多くのお客さんが乗っていらっしゃって、実際に大きな需要があることを確認できました。
正直、江北駅まで普通列車で行って乗り換えて貰えば済むと思ってしまっていたのですが、これは残す大きな意味があった特急です。現地へ見に行く重要性を思い知らされる乗車になりました。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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