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しれとこ摩周号で行く冬の釧網本線 標茶駅で見られるSL折返しが面白い![史上最長片道切符の旅(91)]

2023年4月26日

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札幌・旭川からやって来る特急列車の終着駅、こちらはオホーツク地方の玄関である網走駅です。

 

石北本線前線開通90周年と網走駅開駅110周年のフラッグが吊り下げられる中、今回乗車するのは釧路駅まで南北に結ぶ釧網本線。

 

向かい側に停まっているのは石北本線、国鉄色のキハ40形気動車です。

史上最長片道切符の旅にぴったりな、当時を思わせる雰囲気が強まります。

 

3番乗り場に停車中の釧網本線、キハ54形気動車で運行されます。

ヘッドマークが付けられている通り、快速しれとこ摩周号です。

 

次の列車は5時間後と、非常に少ない列車本数。1両編成の気動車には外国人観光客含め、冬の北海道を満喫する旅行者が集まります。

車内の転換クロスシートは0系新幹線で使っていたものを流用しており、モケットは白鳥やフクロウなどオホーツクを思わせるデザインです。

 

10:24 網走駅 発

釧網本線を走り始め、網走の街並みにエンジン音が響きます。

1912年の網走駅開駅当初は、このあたりに網走駅が設置されていました。それが1932年に現在の位置へ移転したことで、街の中心部から駅が離れてしまっています。

 

その近くに設置されているのが、桂台駅です。

朝夕の通学時間帯には、ここでの高校生の乗降を非常に多く見られます。

 

流氷に船体を傷つけられないよう、港では漁船が陸地に揚げられています。

 

そして海沿いに出てきますと、遠くに知床半島の山々が見えてきました。

富山の雨晴海岸越しに見る立山連峰の景色などよく取り上げられますが、それに似た感動的な景色が広がります。

 

網走〜知床斜里では冬のオホーツクを楽しめる、観光列車の快速流氷物語号が走っています。

別の記事で駅グルメを盛り込んだ乗車記を公開しているので、ぜひご覧ください。

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駅グルメがある駅の一つが、藻琴駅です。

木造駅舎には「食事&喫茶トロッコ」が入居しており、ラーメンやカレー等を楽しめます。

 

藻琴湖から蛇行して、オホーツク海へ注ぐ川を渡りました。

 

ここからオホーツク海に最も近い鉄路の区間へ入ります。

海に削られながらも厚みのある海岸、一帯が白く固められており、固定化された景観のように思ってしまいます。

 

左手の海は深い青色で、かなり薄っすら氷が張っているように見えます。

 

網走市街地からこちら知床半島へ向け、カーブしている海岸線が素敵です。

 

北浜駅は外国人観光客にも大きな人気を誇る駅です。

ホーム上には展望台がありまして、流氷を眺められる駅として有名。

 

駅舎には喫茶店「停車場」が入居していまして、店内には旧型客車の座席なども並んでいるそう。

 

進行方向右手には涛沸湖があり、春にはカラフルなお花畑が広がります。

 

そこに設置されているのが、臨時駅である原生花園駅。5月から10月にかけて列車か停車します。

 

小清水町の中心駅、浜小清水駅には道の駅葉菜野花はなやか小清水が入居しています。

鉄道駅というより道の駅らしさの方が強いです。

 

止別駅には「ラーメン喫茶・えきばしゃ」が入居しています。

ネギが沢山のったツーラーメンが人気、この周辺の人々はラーメンを食べることを「駅に行く」と言うそうで、ここまで根付いているのです。

 

山の中を越えてきまして、オホーツク海を見下ろす形で駆け下ります。

 

先に注目すると知床半島の山々がより鮮明になり、積雪の作り出す模様が非常に美しいです。

 

斜里川を渡りまして、世界遺産の自然に見守られる斜里町の中心部に入ります。

 

知床観光の玄関口でもある知床斜里駅に到着、多くのお客さんが乗ってこられまして、座席は8割埋まるくらいです。

1998年に斜里駅から知床斜里駅に改称しており、2007年に新しくなった駅舎は観光センターと一体化しています。

 

11:11 知床斜里駅 発

駅を出発すると、左手にはどすんと構えた羅臼岳。

完全に白くコーティングされた状態です。

 

その先へ目線を移しますと、こちらは鋭く尖った斜里岳。

 

雲がかかっていても、稜線がはっきりした火山の姿。まるで山脈のように尾根が連なっています。

 

清里町駅まで南下すると、斜里岳もかなり表情が違って見えます。

住宅の集まる中に広がるまっさらな雪、一つ足跡が向こうへ続いているのが可愛らしいです。

 

緑駅に到着です。

なんとも不思議なこの駅名は、「四面緑に囲まれて静かな土地であること」から付けられたと言われています。

アイヌ語由来などではなく、まさかの直感すぎる。

 

駅舎まで薄緑色で塗られており、駅名をふんだんに盛り込んでいます。

 

知床半島の山々とお別れしつつ、ここから釧北峠を越えます。

 

釧網本線の全通は1931年ですが、最後の開通区間がここです。

 

500m程の釧北トンネルを抜けまして、川湯温泉駅に到着です。

 

山越えで雪を巻き上げ、顔にはびっしり氷が張り付いちゃいました。

本来なら駅舎の裏側に、硫黄山が見られるはずです。

 

弟子屈てしかが町の中心駅、摩周駅に到着。

駅名の通り、おそらく摩周湖、阿寒湖、屈斜路湖からの観光客が乗り込まれ、立ち客が出るくらいになりました。

1990年に弟子屈駅から摩周駅に改称されましたが、大部分の方が摩周町だと勘違いしていそうです。

 

周辺にはバンガローみたいな、ログハウスが沢山見られました。

 

だいぶ開けてきまして、一面雪原が広がる区間へ差し掛かります。

 

12:41 標茶駅 着

釧網本線の途中駅、標茶駅で下車しました。

はっきり見えていたヘッドマークですが、もう雪で全く見えなくなっています。

 

真っ白なキハ54形の顔とは対照的に、向こう側には黒い蒸気機関車が停車中。こちらは釧路〜標茶で運行している、SL冬の湿原号です。

 

2021年に全般検査を行い、かなり手間のかかる蒸気機関車の運行を継続しています。

雪の中を黒煙を上げてSLが走るなんて、この上ない楽しみでしょうね…。

 

釧路からやってきたSL冬の湿原号は、標茶駅で折り返し。

後ろ向きに出発しまして、奥の方へ進んでいきます。

 

分岐を越えたところ本線上で進行方向を変え、2番線ホームへ入線しました。

 

客車だけホームに残したのち、機関車だけ端っこの線路へ向かいました。標茶駅では給水の時間です。

 

給水に使っているのは、なんと消火栓。標茶町の協力なしではできない運行になります。

 

色々点検なども行われまして、釧路方面へ復路の準備が整いました。

 

今度は後ろ向きのまま、3番線ホームに面した線路を通過します。

 

再び進行方向を変え、客車が停まっている2番線ホームへ入線。

 

ここで客車と連結されました。後ろ向きのままですが、問題ありません。

 

大きな汽笛を響かせ、なんとこのまま出発!

標茶駅には機関車を回転させる転車台が無いので、復路はこのように、見た目的には逆のまま走るのです。

 

今年は乗車できませんでしたが、リニューアルが施されて生まれ変わったSL冬の湿原号。

来シーズンにはぜひ乗ってみたいですね。

 

さて、標茶駅からは国鉄標津線が分岐しており、それが史上最長片道切符のルートに含まれています。

ここからは廃線代替バスである、阿寒バスに乗車。空港もある中標津町へ向かいましょう。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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