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【ひかり車両基地行き】博多総合車両所へ乗り入れ⁉︎ 団体臨時列車で行くふれあいデー

2023年10月17日

「鉄道の日」翌日、博多総合車両所で新幹線ふれあいデーが開催されました。

山陽新幹線最大の車両基地となっており、隣接する博多南駅まで回送列車を活用した新幹線が走っていることでも知られます。

 

今回は山陽新幹線を走るN700S団体列車に乗車。

博多南駅の先、総合車両所内の車庫まで乗り入れるという特別な体験ができました。

 

もちろんイベントも魅力的、山陽新幹線の運行を支える車両所の姿もお届けします。



やってきたのは山陽新幹線の起点駅、新大阪駅です。

朝から山陽新幹線団体列車に乗車しまして、博多方面へ向かうことになります。

 

乗車票を見てみますと、「ひかり575号」と表記されています。

あくまで団体列車ですが、臨時ひかり575号のダイヤに沿った運行が行われるようです。

 

自動改札機を通れない切符になっているため、有人改札で駅員さんに見せて改札内へ。

 

発車標を見てみますと、しっかり「団体575」の表記。

停車駅は山陽新幹線のひかり号にしては少ない、速達性を保ったパターンとなっています。



21番線ホームへ上がってきました。

停車中の列車はN700S新幹線です。

 

博多総合車両所への団体列車ということで、まだ本数が少ないJR西日本のN700S。2023年8月に運用に就いたという、一番新しい編成とのことでした。

 

7号車が割り当てられまして、普段であればビジネス向けのS Work車両です。



8:08 新大阪駅 発

車内表示器も「ひかり575号博多行」の表示。団体列車というより単なる臨時列車のような扱いです。

 

3列シート中程に注目してみますと、10月20日より導入開始予定のS WorkPシートに対応済みでした。

B席にパーテーションを設けているほか、テーブルが傾いたりリクライニングの角度が浅い座席になっています。

 

次の新神戸駅からも乗車可能でして、ドアが開きました。

 

西明石駅、姫路駅では運転停車。ひかり575号では停車駅になっているので、ドアは開きませんがそれに合わせているのでしょう。

 

列車走行位置案内を見てみてもこの団体列車は表示されておらず、追い抜かれることもありませんでした。



お昼ご飯として駅弁が配られます。

かなり人気を博しているJR貨物コンテナ弁当、まさかここで手に入るとは思っていませんでした。

 

新大阪駅で受付した時、ドクターイエローの枕カバーとアクリルスタンドを記念品としていただけました。

 

さらに硬券の記念乗車証、新大阪から博多総合車両所への指定券風となっています。

 

こちらが新幹線ふれあいデーのパンフレット、会場のイベント等はご覧の通りです。



岡山駅に到着しました。

今回は日本旅行さんの旅行商品で列車に乗車、この旅行商品では岡山駅からの乗車が最後でした。

 

岡山駅からはワゴンによる車内販売も行われまして、お子さん向けの鉄道グッズをはじめとして、お菓子など販売していました。

 

この列車は日本旅行さんのほか、読売旅行さんの旅行商品でも乗車できました。

読売旅行さんの旅行商品の場合、最後の乗車駅が広島駅でした。



車内では、ななめ45°岡安章介さんと、ホリプロマネージャー南田裕介さんによる、トークショーが行われていました。

新山口駅でしばらく停車しまして、のぞみ号に追い抜かれます。

 

新関門トンネルを抜けて九州に上陸、小倉駅で運転停車しました。

 

次はひかり575号としての終着駅、博多です。

 

博多駅は終点なのに扉が開かないという、かなり珍しい光景になりました。

 

発車標を見てみますと、回送列車の表示。ここから博多南線へ入っていきます。

 

お隣にのぞみ3号博多行きが到着したところで、こちらも出発です。



ここからは博多総合車両所への回送列車として出発。

車内ディスプレイは真っ黒になっていました。

 

しばらくは九州新幹線と同じ線路を走っていきます。

 

3分ほど経ったところで分岐器を越え、九州新幹線の高架からだんだん降ります。

 

右手には博多南駅が見られまして、700系レールスターが停車中。

 

博多南線の列車ならプラットホームに面する線路へ入線するのですが、今回乗っている団体列車はそのまま先へ進んで行きました。

 

水や泡の噴出などはありませんが、洗車機の中を通過。

 

進行方向右手にドクターイエロー撮影の待機列を見ながら、車庫へと入ります。



トタンに囲まれた車庫の中へ侵入しまして、博多総合車両所に到着です。

回送列車に乗って来たのと完全に同じこと、普段では絶対に味わえない貴重な体験でした。

 

途中の扉も開いていますが、降りられる扉は7号車後寄りと1号車の前寄りです。

 

1号車まで進みまして、車椅子スロープ板のようなものを渡されたところから降ります。

 

H3編成はJR西日本のN700Sである証拠、さらに一番新しい番号となっています。

 

駅とは全く違った異質な空間。ここにいられる事だけでも特別なのに、列車から降り立ったというのが信じられません。

 

ここは仕交検庫と呼ばれる場所で、日常点検を行っているとのことです。

 

「おつかれさま」の文字に、工場見学へ行った小学生の頃を思い出すような懐かしい感覚。新幹線を支えて下さっている、とてつもなく重要な場所なのです。

 

仕交検庫から出まして、博多南駅方面へ。一般公開の様子をお届けします。

ちょうど仕交検庫からN700Sが出てきまして、逆に入っていく車両も。新幹線は結構高頻度で行き交っていました。

 

こちらには山陽九州新幹線のN700系新幹線と、ドクターイエローが並んでいます。

 

正面からの撮影には2時間以上の待ち時間でした。流石に限られた時間で待っていられないので、こちらはスルー。

 

地下道で車両基地の線路したを潜っていきます。壁面には山陽新幹線各駅の観光地など描かれていました。



こちらでは新幹線車両ジャッキアップの実演が行われます。

連結器が外されたN700系新幹線。台車と車体の間でジャッキが準備されています。

 

東日本の新幹線では連結器カバーが両側に開く様子を頻繁に見られますが、東海道山陽では営業運転で見られないため新鮮です。

 

ここから段階を踏んで、徐々にジャッキアップされます。

 

最終的に2mは超えている高さまで上がりました。

 

下を覗き込んでみると、アイロンみたいなツルツル面。

 

台車は三角形を車体に差し込むような構造です。

 

10分ほど観察できまして、再びジャッキで下されました。



こちらはパンタグラフの展示。

500系新幹線には翼型パンタグラフが採用されており、寝かせられたのを立ち上げ、上へグイーンと伸びるのが特徴です。

ここにはフクロウの羽の原理が生かされました。

 

屋外には0系新幹線と、WIN350(新幹線500系900番台電車)が展示されていました。

 

WIN350は350km/h運転を目指した試験車両として付けられた愛称です。

これによって500系新幹線が実用化され、騒音基準と阪神淡路大震災による非常制動距離の厳守が求められたことにより、営業最高速度は350km/hから300km/hとなりました。



博多総合車両所社屋の屋上へ。こちらからは車両基地全体を見渡せます。

博多方を見下ろすと、まるで血管のように奥の方へ線路がどんどん枝分かれ。

最終的にピッシリと新幹線が整列しています。

 

その一角にあるのが博多南駅、ちょうど700系レールスターが止まっています。

 

団体列車はその先の倉庫を通り抜け、こちらへやってきたということです。

 

今度は反対を向きまして、鹿児島中央方。団体列車は真ん中の仕交検庫に停まっています。

 

結構な頻度で車庫から新幹線が出てきて、16両編成でかなりスピードが遅いので、蛇のように長い車体をじっくり観察できました



博多総合車両所には、100系新幹線が残っています。

2回建て車両のグリーン車と食堂車が保存されており、今では考えられない遊び心溢れる車両です。

こちらは京都鉄道博物館に展示する予定だったのですが、2階建て故の高さが問題になり輸送ができず中止。ここで保存されたままの状態が続いています。

 

新大阪方の車両は2階がグリーン席、1階が普通車指定席です。

 

鹿児島方の車両は2階が食堂車、1階がカフェテリアだったそう。



今度は反対の鹿児島中央方。

大人気のドクターイエロー撮影の列がびっしりです。

 

この真横には九州新幹線の高架線が伸びています。

 

日本一の急勾配となっていまして、山陽九州新幹線の青っぽいN700系は、この勾配に対応した車両となっています。



一方で東海道山陽新幹線のN700・N700S新幹線は、この勾配を越えられないはずです。

下から勾配を仰ぎ見ても、グネッと上へ向かっているのがよく分かります。

実際に乗っていても筑紫トンネルから博多方面へ出る時、坂道の感覚を味わえる程です。



仕交検庫へ戻ってきました。

「今日も安全に」の言葉に迎えられまして、新幹線の安全がこうして守られているのだと実感します。

 

帰りもまた仕交検庫から新幹線に乗り込み、そのまま新大阪駅まで帰ることになります。

 

行き先表示器には団体の文字、700Sのロゴも輝いています。

 

お隣にはN700A新幹線が止まっていたのですが、おそらくのぞみ号として、東京駅へ向かうのでしょう。

車庫にいる新幹線の行き先方向幕は、列車番号が表示されない状態で「のぞみ」だけの表記になります。

 

しばらく停車時間があったので、行きで貰ったコンテナ弁当をいただきます。

 

すき焼きならではのジューシーさに、ご飯に染み込んだ醤油風味にボリュームを感じられました。



16:23、博多総合車両所を出発しました。

職員の方々から手を振っていただきつつ、仕交検庫を後にします。

 

車庫を出たところで、すぐに洗車機へ突入。

 

ここで泡が吹きつけられました。

 

その先で水浴びされまして、あっという間に視界がクリアに。まさか洗車までされるとは思っていなかったので驚きでした。

 

様々並んでいる新幹線を横目に、博多南駅周辺で停車。



10分ほど停車していまして、再びの出発。

ポイントを超えまして、九州新幹線の高架へ立体交差で合流しようとします。

 

両側から上下線それぞれが合流しまして、これで九州新幹線に入りました。

 

JR九州800系新幹線とすれ違いましたので、これでお分かりいただけるでしょう。

 

博多駅にはハローキティー500系新幹線が停まっていました。こちらでは5分ほどの停車。

 

帰りについても発車標は、「団体690新大阪」の表示。ひかり690号のダイヤに沿った運行となっています。

 

普段ではまず体験できない、車庫行きの新幹線。博多南駅の先まで回送列車に迷い込んでしまったようで、非常に面白かったです。

山陽新幹線をギュッと詰め込んだような車両基地一般公開、ぜひ皆さんも次の機会にお越しください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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