JR東日本 長野

【おはようライナーから復活】なぜ長野で通勤特急?特急信州の利用はどれほどか[2023ダイヤ改正(14)]

2023年3月22日

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余っている特急車両を用いて、朝夕に快適な空間を提供する通勤特急。

車内が混雑する首都圏・関西圏を中心とした大都市で多く設定されますが、この春地方都市で新たな通勤特急が走り始めました。

 

長野県は塩尻駅・松本駅から長野駅を結ぶ、特急信州です。

ここでは2004年秋から、おはようライナーが走っていました。しかし、使用されていた189系電車が引退し、2019年春に普通の快速列車となったのです。

 

ダイヤは異なるものの、コロナ禍を経て特急列車として復活した形。朝夜に松本→長野の特急しなのが走っていなかったため、車内空間と着席需要を支えます。



特急信州は平日限定で1往復運転します。6月までの運行となる臨時列車の扱いで、この3ヶ月は試験的な期間ですね。

【朝】1号…塩尻07:37-07:48松本07:54-明科08:07-篠ノ井08:49-08:59長野

【夜】長野20:47発-篠ノ井20:56-明科21:36-21:49松本

塩尻~長野の所要時間は1時間22分です。

 

料金は塩尻・松本〜長野において、自由席1200円、指定席1930円です。これは同区間を走る特急しなのと同じ料金になります。

 

特急信州運行に合わせて、「信州しなの料金回数券」に代わる形で発売されたのが、「篠ノ井線特急料金回数券」

塩尻・松本~長野の自由席特急券が4枚つづりで2880円。自由席1回分が1200円で、4割引になります。同区間では特急「しなの」にも乗車可能です。



列車はE353系電車3両編成での運転です。

1,3号車が自由席で、2号車の指定席が挟まれる形になります。E353系は基本的に全車指定席ですが、まずは利用促進のためか自由席が設定されました。

 

乗降口には「臨時特急 信州」のシールが新しく貼ってあります。

 

側面の行き先は「特急」のみの表示。もし定期化されたりしたら、「信州」が出るんでしょうか。



07:37 塩尻駅 発

塩尻駅を出まして、車掌さんによる肉声の車内アナウンスがされます。一通りアナウンスが終わると、松本駅の乗換案内まで行われました。

 

南松本駅には貨物駅が隣接しており、中央本線を経由して四日市まで石油貨物ルートが結ばれています。

 

まもなく松本駅に到着。これから新宿方面へ、特急あずさとしてお仕事が始まるE353系たちが待っています。



松本駅ではしばらく停車時間があって、7:54の発車です。

発車標では特急料金回数券の変更についても、案内が流されていました。

 

松本駅では足元のシールではなく、号車札で特急信州の乗車位置を示しています。

一番利用者の多いと思われるのは、やはり松本〜長野。パソコンを広げたビジネスマンの方含め、自由席1両に6,7人程度乗っておられました。

 

発車するところですれ違ったのは、長野発飯田行き普通列車です。以前ご紹介しました、快速みすずの役割を果たします。

 

少しの間並走していたJR大糸線は、左へ離れていきました。1日1往復だけ大糸線へ直通する、南小谷駅発着の特急あずさ号があって、大町や白馬など観光客を輸送します。

 

ここからは、通常E353系が乗り入れない区間です。

左手に見えているのは、飛騨山脈の山々。E353系の座席色にもピッタリの雰囲気になります。



安曇野市で一番利用者が多い、明科駅に停車。

一部の特急しなの号も停車する駅で、3号車には2人乗車されます。

 

西条駅で、しなの4号と行き違いのため停車しました。

長野→松本の方向なら、このように特急しなので通勤も便利です。

 

通過する聖高原駅では、反対方向の列車が行き違い待ちをしていました。



いよいよ篠ノ井線におけるハイライト、日本三大車窓の善光寺平が見えてきます。

正直、通勤で使っている人にとっては毎日の事で、景色なんてどうでも良いと思いますが、日本でトップレベルに景色が良い通勤特急でしょう。

 

このときは見向きもしませんでしたが、左手には普通列車が停まる姨捨駅があります。特急は駅を素通りして、そのまま下って行くのです。

 

あの見下ろしていた景色がどんどんズームアップされて来るのが、非常に面白いです。

 

北陸新幹線の並行在来線に指定された旧信越本線、しなの鉄道線が合流します。



篠ノ井駅に到着。

駅名標を見てみるとしなの鉄道線の分岐点のため、JR東日本の緑から濃い青色が分かれていました。

 

篠ノ井〜長野はわずかに残った信越本線の区間。北陸新幹線の高架橋が近づきまして、一緒に犀川を渡ります。

 

普通なら見られない、E353系における終点長野駅の表示。ここまで北上するのがほぼ毎日という状態になります。



08:59 長野駅 着

東京行きの北陸新幹線を横目に、終点の長野駅です。

 

さらに、ちょうど横に停まっていた特急しなのが発車。どちらの特急も長野で隣り合うなんて、中々面白いですね。

 

松本〜長野は1時間以上かかり、鉄道ではロングシートで行くほか手段がない場合も。その中で快適な特急車両の存在は、非常に大きなものだと思います。

 

一方で、まだ運行2日目で浸透していないのもありますが、ビジネスで利用されている方は自由席1両に5人程度でかなり少なめでした。

やはり長野駅に8:59着というのは、かなり遅く感じます。おはようライナーでは松本駅07:10発ー長野駅08:10着でしたから、長野駅から各会社へ向かうことを考えれると、これくらいに早めてほしいところです。

 

3ヶ月続けてみて改良されていく、地方における通勤特急の先例になればと思います。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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