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【どう変わった?】特急オホーツク283系復活初日 溢れる石北特急らしさ[2023ダイヤ改正(7)]
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北海道は多くを山地が占めており、道路や鉄道には峠越えを含む急勾配がたくさん見られます。
今回ご紹介するのは、北海道の中で一番急勾配の鉄道区間です。
やってきたのは旭川駅。宗谷本線の塩狩峠や石北本線の石北峠、常紋峠など有名な難所がたくさんあります。
しかし道内最急勾配があるのは、なんと富良野線です。たしかに美瑛の丘など丘陵地帯の景観が有名ですが、果たしてそれは北海道イチの鉄道勾配を生み出すのでしょうか。
また、2023年春のダイヤ改正で、富良野線の列車はキハ150からH100形気動車(DECMO)に統一。新型車両で行く富良野線の様子もお届けします。
1番線ホームに富良野行き普通列車が停車中。
このホームはラベンダーラインのキハ150形専用、というイメージがあったので、ここにDECMOがいるのは違和感です。
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【新型H100置き換えへ】キハ150形で行く観光客だらけの富良野線[史上最長片道切符の旅(98)]
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H100形ではボタンによる半自動ドアで、寒い空気が車内に入るのを防いでいます。
運賃表も富良野線仕様になりました。13が空いていますが、これは臨時駅のラベンダー畑駅です。
11:33 旭川駅 発
まずは大きなエンジン音を立てまして、ぐんぐん加速。すでに旭川〜名寄、旭川〜上川でH100は走っていたので、この車両が旭川にいるのは特に珍しくありません。
しかし、名寄・上川方面へ向かう宗谷本線から別れ、富良野線側へ抜けていくのは、ダイヤ改正後からでした。
都市部を高架で走っていたのが、忠別川を渡ると雰囲気が変わります。最初の停車駅は神楽岡駅です。
続いては緑が丘駅に停車。このあたりは薄いプラットホームに小さな待合室が乗った駅ですが、旭川郊外とを結ぶ生活路線として重要です。
西御料駅は旭川南高校の最寄り駅、元々は国道側にホームがあったのですが、反対側の宅地開発により移設されました。
先程までは宅地開発の縁を走っていた富良野線。
完全に田んぼの真ん中まで出てきました。
その中に位置する西瑞穂駅は、2021年度の乗車人数が15(人/日)。かなり少なくなっています。
ここまでの駅は簡素な作りから分かるように、後から作られた駅。
一方で、西神楽駅は開通当時の1899年から設置されており、2面2線の行き違い可能な構造です。
駅舎のガラスにはH100の姿が映っており、今乗っている車両を知らしめられます。
大きくカーブして、並行していた国道237号から離れます。
西聖和駅の正面は大雪山国立公園の方向、北海道最高峰の旭岳など見られます。
旭川空港の最寄り駅ともされる、千代ヶ岡駅に到着。
反対方向の列車と行き違い、向こうは一線スルー化された方で、通過しようと思えば速度を落とす必要はないはずです。
だんだん山の中に入ってきまして、その中にぽつんと佇む北美瑛駅。
どんどん坂を登っていき、急な景色の移り変わりです。
列車は美瑛駅に到着。
駅舎は美瑛の石で作られており、かなりおしゃれな印象があります。
ワンマン運転ですが、美瑛駅は有人駅なので全ての扉が開きます。
ここまでは1時間に1本の運行ですが、美瑛駅から先は2時間に1本へ半減します。
さて、いよいよ北海道最急勾配の区間へと入っていきます。
正面には雪の積もる丘が非常に綺麗、風で少し模様がつけられているようです。
そして、山を登っているのにも関わらず、スピードが速いです。
80km/hほど出しておりまして、パワーの大きさを知らしめられます。
そして右へカーブを曲がるあたりで、電子警笛が鳴らされました。
サミットを越えたようで、いよいよ最急勾配の景色が開けます!
ここから始める長い長い長い下り坂、山から一気に駆け抜けていきます。
それだけでなく、途中からグイッと登るのが特徴的。ここまでV字の線路は珍しいですね。
こちらについては後ほど訪れてみます。
美馬牛駅に到着、反対方向の列車と行き違いました。
美瑛方面へ向かう列車も、あのV字谷へ挑むのです。
美瑛〜上富良野は細かいカーブが連続します。これによって勾配を緩やかにしているわけです。
先程の最急勾配も、直線にしているためにあのような状態になっているのでしょう。
上富良野はラベンダーで有名なまち、夏には多くの観光客で賑わいます。
正面には夕張山地がそびえており、夕張岳や芦別岳など山々が切り立っています。
この列車は普通列車ですが、西中駅を通過。
また、今はオフシーズンのためお休み中の、ラベンダー畑駅を通りました。骨組みだけになっていて、夏になるとホームの板が張られます。
中富良野駅は中富良野町の中心駅。
かつては簡易委託駅だったのですが、委託職員の売上金横領が発覚し、簡易委託を解除されて無人駅になってしまいました。
その先は2駅連続通過で、最初の駅は鹿討駅。列車にぶつかってきそうなヤツを討つんですかねぇ。
さらに、学田駅も通過します。これら2駅は1日の乗車人数が一桁であり、普通列車が通過するのも納得です。
富良野駅到着時には、右手に富良野貨物駅が見えてきます。富良野線ではなく根室本線の滝川〜富良野で運行されており、「ふらのベジタ号」という愛称がつけられました。
12:42 富良野駅 着
富良野駅にH100形気動車が停まっている、なんとも違和感ある光景です。
これまで奥に見えるキハ40を置き換えてきましたが、それ以外の車両キハ150形を置き換えたのはこれが初めてではないでしょうか。
駅名標には根室本線新得方面の駅、布部駅が記載されています。根室本線(富良野〜新得)は2024年春の廃止が決まっているため、この駅名標とH100を合わせた姿は1年間限定です。
H100が導入される時には、必ず乗車の際ボタンを押す必要があることが案内されます。これを知らないと乗れなくなってしまう訳ですから、非常に重要です。
新型車両導入翌日とあって、乗降方法は駅員さんによる放送でもしきりに流されていました
それでは、折返し旭川行きの富良野線に乗車します。
駅のホーム越しに見えているのは、行きで正面に見えていた夕張山地の山々。雪で真っ白なのより、模様になっているぐらいが個性あって楽しいですね。
反対に進行方向右手に見えて来たのは富良野岳。大雪山国立公園のひとつです。
日曜日の昼間、中富良野駅からは観光客が多く乗車して、1両編成ということで数人立ち客が出るくらいに。
夏の観光シーズンに外国人観光客が戻ってきたら、函館本線のように積み残しが起きないかちょっと心配です。
さて、北海道最急勾配の場所を実際に見るため、美馬牛駅で下車しました。
冬だと観光客が少ないですが、夏なら近くのレンタサイクルで電動自転車を借りて、美瑛の丘の観光を楽しむ方が下車されます。
美馬牛駅周辺には商店が数軒、郵便局もあってそれなりの集落です。
雪が一面に積もり奥には大雪山の山々。北海道の観光パンフレットにもなりそうな、美瑛の丘の中を歩きます。
だんだん勾配を登っていく様子の富良野線が見えてきました。目指す踏切に向かって、道路もヘアピンカーブ。かなり高いところに位置するであろう交差地点を目指して歩きます。
上りが続くと思いきや、下りへ変わっていくあたり、踏切の道路標識が現れました。ここが目的地となります、北海道最急勾配を見られる踏切です。
線路に沿った林も、段々登っているのが分かります。
まずは美瑛方を見てみますと、少し登ったところで、ストンと落ちています。
そして反対側には…
この長い長い下り坂、さらに底まで至ると今度は登る、まさにジェットコースターです。
北海道には鉄道の難所が多くあります。
三浦綾子の小説にもなりました、宗谷本線の塩狩峠はの勾配は20‰。タコ部屋労働者の人骨が見つかった常紋峠は25‰です。
それではこの坂はどうなのかというと、なんと28.6‰にもなります。
踏切の警報器が鳴りまして、電子音の警笛は列車が来る合図。ここまで丘を登ってきた列車が、今度は下る番です。
鉄輪と線路が擦れる音を間近で聞き、列車は滑っていくようにして坂を下ります。
そして今度はまた登り、完全に縦移動をしています。
まるでケーブルカーのように見えますが、奥でカーブしているために鉄道であることを証明しています。
今回のダイヤ改正でH100形電気式気動車が投入された富良野線ですが、それまで使っていたキハ150型気動車は通常のディーゼルカーです。しかし、それより凄いのはここをディーゼル機関車による貨物列車が走ったこと。
2019年に根室本線(滝川〜富良野)が一時不通になった時、富良野駅にいた貨物を迂回させています。
旅客列車よりも重い貨物は勾配に弱いため、15両あった貨車を6両にして分けて運んだそうです。
富良野線にH100形が投入されて、より安定した鉄道輸送が実現されます。
旭川都市圏の生活輸送と、富良野地区への観光客輸送。どちらにとっても良い結果になることを期待したいです。
富良野線各駅の自動放送や走行音などについては、動画をご視聴ください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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