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【時津港から船で長崎空港へ】キットカット廃止のスカイマーク[2402-03神戸サンダバ(4)]
2022年秋に西九州新幹線が来てから1年半、新しくなった長崎駅に来ています。 新幹線と並んで、長距離輸送を担うのが航空機。 長崎空港は大村市にある海上空港で、長崎市街から少 ...
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東京駅から続く東海道本線の終着駅、神戸駅に来ています。
今年は1874年5月11日に神戸〜大阪の鉄路が繋がってから150年。神戸港から海外へ船が就航しており、その玄関口として機能した駅です。
今では特急の停車本数の減った神戸駅。
かつて特急サンダーバードの前身、特急スーパー雷鳥が1日1往復だけ、神戸発着便を運行していた過去があります。
1997年に廃止された神戸発着便ですが、今日はサンダーバードの車両で、神戸から金沢行きの団体列車が運行されます。
また、サンダーバードの始発駅である大阪駅を通らない、ルートも不思議な列車です。
まもなく金沢駅から姿を消す、大阪からの北陸特急。
最後の特別なサンダーバードをご紹介します。
今回の団体列車はお馴染み、クラブツーリズム鉄道部主催によるものです。
神戸駅南口の地下「デュオこうべ」で受付を済ませ、有人改札を通ります。
神戸駅には1〜5番線ホームがありますが、主に使用されているのは2〜5番線の2面4線。1番線ホームは平日朝のラッシュ時、快速列車の発着に使用されています。
今回の団体列車は珍しく、神戸駅1番線ホームからの発車。
乗車専用と降車専用に分けられた荘厳な通路の先、往年の特急列車が発着した1番線ホームとなります。
戦前には特急燕など日本を代表する優等列車が出ていました。現在でいう、大阪駅11番線ホームや京都駅0番線ホームのような役割を担っていたのです。
9:10、姫路方より681系電車V12編成が入線してきます。
関西から金沢まで一本で行けなくなってしまう直前、特急サンダーバード号として神戸駅に北陸特急が帰ってきました。
当日まで681系か683系か分らなかったのですが、古い方の681系が充てられました。
鉄道ファンは古い車両を好むものなので、もう大当たりです。
列車愛称幕には、スーパー雷鳥など現在走っていないものも入っており、幕回し中にそれらを見ることができます。
発車後は「団体」に変えられたようですが、サンダーバードで固定してくださるサービスも。
神戸駅にサンダーバードがいる証を示してくれます。
681系電車は特急しらさぎ号でよく見られ、青色ラインの下に黄色いラインが引かれています。こちらは青色のみで、完全にサンダーバードです。
関西圏を走る列車としては短い3両編成。メインのプラットホームであるお隣からは、新快速電車が発着します。
このふっくらした顔つきの特急電車が、東海道本線の果てから金沢駅へ連れて行ってくれます。
1番線のホームには神戸港を想起させる錨マークに、山陽本線と東海道本線の境が示されていました。
そろそろ発車時刻が近づいてきたので、列車に乗り込みます。
3両編成のサンダーバード号と言うのも特別、中間車両の2号車に乗車です。
朱色の座席モケットで、JR西日本の特急車両で統一された座席より、古さが目立っています。
9:25 神戸駅 発
681系電車から神戸駅、それも1番線ホームを眺めつつの発車。金沢駅まで長い旅の始まりです。
特徴的なモーター音に耳を傾けていると北陸ロマンが流れ、神戸の街並みを沿いに走行します。
神戸市で一番のターミナル駅、三ノ宮駅を通過しました。
この駅を通過するのは、下り寝台特急サンライズ号くらいしかありません。
2016年に開業した新しい駅、摩耶駅を通過しました。旅客駅として開業後に681系が通過するのは、数えるくらいしかないのではと思います。
列車は新快速線を走っており、六甲道駅のホームが無いところを通過。
西明石駅〜草津駅は日本一長い複々線区間となっており、緩行線を走るJR東西線直通の普通列車を追い抜きました。
この列車は100km/h前後と、新快速線にしては比較的遅めの走行です。
そのまま新快速電車が停車する、芦屋駅を通過しました。
通過する西宮駅には、桃太郎が牽引する貨物列車が停車中。東海道本線の貨物列車ではお馴染みの、EF210形電気機関車です。
ここで今回担当される車掌さんが客室にいらっしゃって、ご挨拶してくださいました。
サロンカーなにわ等でも馴染みの方で、沿線の観光案内なども頻繁にしていただけます。
黄色、桃色、青色の駅名標がずらりと並んだ、尼崎駅を通過します。
サンダーバード号の始発駅である大阪駅ですが、この列車は大阪駅を通らない北方貨物線を走ります。
大阪駅を避ける貨物線は2つ、北方貨物線と梅田貨物線です。
梅田貨物線は特急はるか号や特急くろしお号などが通っており、2023年春に地下へ線路が移設され、大阪駅地下ホームからの乗降が可能になりました。
もう一本が北方貨物線。山陽新幹線と沿うようにして、淀川を渡らず東海道本線を東西に短絡します。
北方貨物線には定期旅客列車が走っておらず、今回のような団体列車ぐらいでしか乗車できません。
ちょうど貨物列車が神戸方面へ走っている線路が、北方貨物線下り線です。
東海道本線から北方貨物線が分岐する塚本信号場を通過し、今乗っている列車も北方貨物線上り線へ入りました。
東海道本線と立体交差して、北方貨物線上下線が一緒にまとまります。
大阪駅から北方貨物線に入る線路も合流。これによってデルタ線が形成されています。
左手には山陽新幹線の高架が近づき、ピッタリと貼り付くようにして走行中です。
列車は70km/hほどでの走行。この北方貨物線は貨物列車のほか、特急サンダーバードの回送ルートにもなっています。
右手に現れるのは、宮原総合運転所。サンダーバードの681・683系電車が止まっていました。
終点の大阪駅で運行を終えたサンダーバードは、そのまま西へ向かって北方貨物線に入り、宮原や向日町の車両基地へ。大阪駅から新大阪駅に回送列車を走らせると他の旅客列車の邪魔になってしまうので、北方貨物線で遠回りして回送するのです。
もう少し先へ進むとサロンカーなにわ、いつも山陽新幹線の車内から見下ろしていた景色を、真横に眺められました。
しばらくすると新大阪駅の近くを通過。北方貨物線に面してはホームが無く、在来線ホームをやや斜めから見る形です。
東海道本線の複々線、おおさか東線が走る梅田貨物線とともに、北方貨物線は神崎川を渡りました。
しばらくすると右側には、吹田総合車両所が見えてきます。こちらではWEST EXPRESS銀河も作られており、車両改造や検査を行っています。
吹田貨物ターミナル駅の中にある、稲荷神社で停車しました。
赤い鳥居や建物をじっくり観察できます。
出発してしばらくすると貨物ターミナル内で、職員の方々が手を振ってお見送りしてくださいました。
並行する東海道本線の千里丘〜岸辺駅に相当し、全長7kmに渡る日本一長い駅です。
千里丘駅の近くを通過して、日本海縦貫線で活躍するレッドサンダーEF510形電気機関車とすれ違いました。
北方貨物線は吹田貨物ターミナル駅で終わり、ここから東海道本線へ入ります。
今走っている上り線に関しては、お隣の線路へ合流するだけ。
一方で下り線は複々線の東海道本線の線路3本と立体交差するため、線路を乗り越えて東海道本線と合流しました。
吹田貨物ターミナル駅から大阪貨物ターミナル駅へ貨物線が分岐しており、南へ向かって高架が離れていきます。
東海道本線の茨木駅を通過、久しぶりに駅のホームと面したところを通りました。
他の旅客列車もたくさん走っているところなので、新快速と同程度のスピードへ。
「特急スーパー雷鳥サンダーバード51号」と名付けられた今回の臨時列車。途中の停車駅が案内されました。
向日町の吹田総合車両所京都支所を通過、特急サンダーバードは大阪駅からここまで回送されることもあります。
下り特急はるか号や吹田総合車両所京都支所へ回送列車が走る貨物線を横目に、京都貨物駅や京都鉄道博物館横を通過します。
いつも金沢へ向けて特急サンダーバードが発着する、京都駅0番線ホームに到着しました。
発車標には団体の表示、後ろから15号金沢行き、17号和倉温泉行きが追いかけています。
この団体列車も和倉温泉行きとして運行予定だったのですが、令和6年能登半島地震で七尾線内が臨時ダイヤになり、金沢止まりへ変更されました。
山科駅を通過すると、湖西線へ入ります。
大津京駅の向かい側ホームには貨物列車、吹田貨物ターミナルでも見たレッドサンダーが停車中。
北海道から大阪へ日本海縦貫線を形成していることを教えてくれます。
途中の堅田駅で運転停車。特急サンダーバード号は朝夕のみ通勤需要を拾うため、湖西線内でも堅田駅や近江今津駅に止まります。
進行方向右側には、滋賀県のシンボル琵琶湖が広がり始めました。
反対側には雪模様が残っている、比良山地が続きます。
近江今津駅で停車しまして、特急サンダーバード15号金沢行きに追い抜かれました。
今回団体列車が和倉温泉行きから金沢きへ変更されたことを受け、代わりに愛称版を配布してくださいました。
神戸から金沢まで、北方貨物線を経由したことが強調されています。
ここで車内の表示について、指定席から自由席に変えてくださるサービス。2024年3月16日から特急しらさぎ・サンダーバード号は全車指定席になります。
北陸特急の1号車はグリーン車指定席なので、現状でもこれを見られるのは、特急おはようエクスプレス・おやすみエクスプレスだけのはずです。
右手からは米原駅より北上してきた、北陸本線が近づいてきます。
湖西線と北陸本線の乗り換え駅となる、近江塩津駅で停車しました。普段特急列車は止まらない駅です。
この停車時間中、北陸ロマンを2回連続で流してくださいました。681系といえばサンダーチャイムのイメージですが、この車両には北陸ロマンのみ入っているとのこと。
特急サンダーバード17号は近江塩津駅0番線ホームを通過、1日1本の和倉温泉行に追い抜かれます。
列車は滋賀県から福井県へ入り、北陸地方となりました。
北陸本線は上下線少し違うところを走っており、今走っているのと逆方向の線路は、鳩原ループ線で勾配を緩和しています。
トンネルで一周してきたループ線と直交し、まもなく敦賀駅です。
進行方向右手には、北陸新幹線の敦賀車両基地が見えてきました。
北陸新幹線敦賀延伸で、新幹線と在来線特急は敦賀駅での上下乗り換えに。
特急サンダーバード号は今後、新幹線の高架下へ潜り込むことになります。
敦賀駅でこちらのプラットホームへ特急車両が入線するの当たり前の光景も、普段見られなくなってしまうのです。
少々停車したのち、敦賀駅を出発。
巨大な新幹線駅舎を眺めつつ、新北陸トンネルへ向かう高架下を潜りました。
直流から交流へ転換するデッドセクションへ入り、681系では車内表示器が消えます。
その直後、長大トンネルの北陸トンネルへ突入。ここで特別に、681系の減灯を行ってくださいました。
681系電車の減灯モードでは、荷物棚下の明かりが消えます。
この減灯はシュプール号や列車ホテル等で使われた経歴があるそうです。
トンネルを抜けまして、特急が停まる武生駅を通過。名鉄で使われていた、福井鉄道の路面電車が停車しています。
さらにお隣、鯖江駅も通過しました。
北陸新幹線単独駅の越前たけふ駅が設置されるため、これら2駅から優等列車が消滅することになります。
敦賀駅からお別れしていた、北陸新幹線の高架が近づいてきました。
北陸本線は貨物駅の南福井駅と車両基地に挟まれつつ、越美北線の乗り換え駅である越前花堂駅を通過。
福井県の代表駅である、福井駅に到着しました。
定期旅客列車では全停車駅ですが、こちらでも運転停車で扉は開きません。
団体表示の発車標を見ながら、福井駅を出発しました。
しばらくすると左手には、低空飛行している飛行機を発見。
定期旅客便が就航していない福井空港へ降り立ちそうで、地味に珍しい光景です。
新幹線駅が設置される、芦原温泉駅を通過しました。
山の中を越えて、列車は福井県から石川県へ。
今走っているJR北陸本線は北陸新幹線の並行在来線として、JR西日本から第三セクター鉄道へ経営移管されます。
第三セクター鉄道は県ごとに会社が異なることが多く、今通過している大聖寺駅はハピラインふくいとIRいしかわ鉄道の境界駅になります。
そのお隣、新幹線駅が設置される加賀温泉駅で停車しました。
ここで681系電車のLED行先表示は、どの駅を出せるのか教えてくださいました。
かなりの数があるため抜粋でしたが、直江津, 能生, 泊, 青海, 尾張一宮, 近江八幡, 高槻, 茨木, 芦屋, ユニバーサルシティを表示できるとのことです。
ここでは特急しらさぎ53号に追い抜かれました。
20分ほど停車したのち、加賀温泉駅を発車。次の停車駅は終点の金沢駅です。
北陸新幹線の高架橋越しに、頭は雲で隠れながらも、雪化粧をした白山連峰を望めます。
新幹線駅が設置される、小松駅を通過しました。
今回乗務してくださった車掌さんですが、7月に退職されるとのこと。各車両でクラブツーリズムから花束の贈呈式を行っていました。
団体列車ではお馴染みになっている方で、いつも楽しい旅を彩ってくださいます。
北陸新幹線金沢延伸時から使用されている、白山総合車両所の横を通過。
そこに隣接した、IRいしかわ鉄道移管後に開業する新駅、西松任駅を通過しました。
いよいよ金沢市街地へ入りまして、最後にサンダーバード号とすれ違い。
特急しらさぎ号を横目に、神戸駅から4時間半に渡るロングランのサンダーバード号。終点の金沢駅に到着しました。
13:58 金沢駅 着
金沢駅で行先方向幕を見てみると、確かに「団体 金沢」へ変わっていました。
黄色い紙で乗車位置案内を隠された金沢駅、北陸新幹線へバトンを渡す準備が着々と進んでいます。
681系でもドア横にはサンダーバードのロゴを施していることがほとんどですが、こちらの編成にはついていませんでした。
しばらくすると回送のため、一旦津幡寄りへ移動。
ホーム中程で一旦停止しました。
2,3分ほど停まっていたのち、回送列車として発車しました。
681系が非貫通型の流線顔と貫通型で並ぶ、なんとも新鮮な光景を見られます。
まもなく北陸からほとんど手を引いてしまう北陸特急。特別な線路を走りながら、最後の良い思い出になりました。新幹線敦賀延伸まであと2週間、いつまでも記憶に残るようにしていきたいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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