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【臨時夜行ひのとり】終夜運転フル活用!近鉄本気の伊勢特急運行が凄すぎた[年越し2023(8)]
こんばんは。2022年があと20分で終わろうという今年最後の夜、近鉄名古屋駅に来ています。 近鉄は総路線距離が日本一長い大手私鉄です。 大阪・名古屋から伊勢神宮へも線路が伸 ...
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名古屋駅から発車する特急しなの号は、中央本線を通って名古屋〜長野を結びます。
しかし、今回乗車する特急しなの81号の行き先は「白馬」で、長野駅へは行きません。
通常の特急しなの長野行きは、塩尻駅から篠ノ井線・信越本線を通って長野へ。一方で特急しなの白馬行きは、松本駅から大糸線に入ります。
延長運転ではなく、途中の松本からルートそのものが変わるのです。
白馬発着の特急しなの81/84号は、年末年始やお盆など。
の多客時に運行されます。コロナ禍以前はもう少し頻繁に走っていたのですが、本数が減っている印象です。
2016年春に廃止されましたが、大阪発長野行きの特急しなのもあり、これは日本一長距離を走る昼行在来線特急でした。その夜行バージョンとなる、夜行急行ちくまも幕に残っています。
特急しなの白馬行きは4両編成で運行します。
特急しなのと言えばパノラマグリーンですが、先頭はハズレと言われる、貫通型のグリーン車です。
特急しなのは6両を基本編成として、増結時には2両や4両の付属編成を繋げます。
白馬行きしなのは4両の付属編成を使って運行しているのです。
わざわざ平日と土休日で異なる、停車位置案内も貼られていました。
8:29 名古屋駅 発
自由席もかなり空いていて、想像以上にガラガラでした。
料金は以下のとおりです。
自由席 (乗車券4510円 特急2420円 計6930円)
指定席 (乗車券4510円 特急3150円 計7660円)※繁忙期
グリーン席 (乗車券4510円 特急6610円 計11120円)
停車駅は、千種,多治見,中津川,木曽福島,塩尻,松本,豊科,穂高,信濃大町,神城,白馬。
特急列車ですが、金山駅で停まる名鉄特急に追い抜かれるほど、ゆっくり走ります。前に定期列車の普通が詰まっているようです。
普段なら大ターミナルの金山駅を高速通過する、迫力ある光景を見られるのですが、かなりゆっくりです。
東海道本線沿いから外れて、中央本線へ。
名古屋走りなど関係なく、車にも追い抜かれてしまいます。
特急しなのが全て停車する千種駅。ここを出発するとようやく本気を出し始め、高速走行へギアを上げました。
これは、先行の普通列車が新守山駅の待避線に入ったから。
鉄道のダイヤは定期列車を優先して組まれているので、いくら特急でも臨時列車は遅くなってしまいます。
特急しなのの寝床、神領駅を通過。
基本編成6両の先頭グリーン車は、ちゃんとパノラマグリーンです。
高蔵寺駅でも、普通中津川行きを追い抜きました
愛知環状鉄道が分岐し、名古屋のベットタウンとして発展します。
秘境エリアとしても知られる、中央本線の愛岐トンネル周辺を通過。
多治見駅を出発して、名古屋の近郊エリアから出ます。
名古屋で眩しいほど差し込んでいた日差しはいずこへ?岐阜県内は朝霧が立ち込めています。
明知鉄道の乗換駅、恵那駅を通過。
383系は制御付自然振子方式を搭載しており、カーブに差し掛かると車体を大きく傾けて、速度をそのままに走ります。
JR東日本の211系電車は中津川まで入ってきています。中央東線から割と南部まで来るんですね。
中央本線は木曽川沿いを北上、岐阜県から長野県に入りました。
日陰にはちょこちょこ雪が現れていますが、まだ雪景色という感じではありません。
一方で木曽山脈の山頂には雪が被さり、まさに冬の長野を体現しています。
木曽八景で一番の見どころとなる、寝覚の床を通過。自動放送による観光案内まで流れます。
木曽川のゴツゴツと大きな岩に佇む、小さな浦島堂も神秘的。まるで日本庭園の箱庭を見ているような繊細さを感じます。
ここから北側になると木の枝も白くなって、雪国らしい世界に変わります。
トンネルを抜けると雪国というのではなく、グラデーションで雪景色になるのも趣深いです。
木曽福島駅は木曽観光の玄関口であり、中央本線の中でも主要駅です。
駅前には中山道の宿場町らしい、雰囲気あるお店が立ち並びます。
かつては機関区があって、鉄道運行上も重要な拠点でした。
藪原駅を過ぎると、これまで共に登ってきた木曽川から離れます。列車は雪深い山の方へ…。
単線のため、奈良井駅では特急しなのと行き違いました。
塩尻駅では新宿からと名古屋からの中央本線特急が合流します。
ここを境に中央東線と中央西線で分けて呼ばれており、稀に臨時列車が直通する場合は進行方向が変わります。
塩尻駅を境にJR東海からJR東日本となり、乗務員さんも交代されます。
塩尻市はぶどうが有名で、なんとホーム上にも植わっているのです。
JR東日本では「臨時特急しなの」として放送されました。
松本駅横には、汎用E257系電車も停車中。現在の特急あずさE353系と共に住処となっています。
松本駅では5分ほど停車時間があります。ホーム上で飲み物を買うくらいは可能です。
10:50 松本駅 発
ここまでは普段の特急しなの号と同じでしたが、ここからが特急しなの白馬行きの本題です。篠ノ井線ではなく大糸線に入ります。
しばらく篠ノ井線と並走するのですが、北松本駅には大糸線だけホームがあります。
篠ノ井線は、島式ホームの進行方向右側を通るだけです。
長野方面へ行く篠ノ井線と、白馬方面へ行く大糸線の単線並列区間でした。
このあたりで篠ノ井線とお別れ、長野行き特急しなのルートから外れます。
渡っているのは、新宿〜松本を走る特急あずさ号でもお馴染み梓川。バックの北アルプス(飛騨山脈)も映えます。
最初の停車駅、豊科駅で定期普通列車と行き違います。安曇野市の中心駅ですが、利用者は穂高駅や定期しなのが停まる明科駅の方が多いです。
安曇野市と言えば、わさびが有名です。冷涼な気候と、年間13度前後の水が栽培を可能にし、日本一の生産を誇ります。
大糸線の車窓といえば、雄大な北アルプスです。
南小谷駅まで電化されているのですが、架線柱を進行方向右側にまとめることで、北アルプスの風景の邪魔にならないよう配慮されています。
ここまでして守られている美しい車窓なんて、他に聞いたことありません。
この先には真っ白な蓮華岳が見えてきました。
まさにRPGゲームで敵が潜んでいそうな、物々しさを感じさせられます。
高瀬川を渡ると、想像を遥かに超える北アルプスの迫力に圧倒されます。これまで綺麗な山々で済んでいたのに、何故か急に物怖じさせられるほどです。
ウッドハウス調の建物となっている信濃大町駅。
ここから富山までは鉄道こそありませんが、北アルプスを貫く立山黒部アルペンルートがあります。
様々な乗り物を乗り継ぎまして、日本離れした自然が広がる経路です。
大糸線では特急あずさ南小谷行きが、定期列車として1日1往復運行されています。
大糸線内の停車駅はここまで同じだったのですが、白馬しなのは神城駅にも停まります。特急しなのは特急あずさを追いかけるようなダイヤで、大糸線に連続して特急が入線することに。
雪原が広がるようになりまして、ますます雪深くなってきました。
大糸線は仁科三湖と呼ばれる湖沿いを走ります。
左手に最初見えてくるのは木崎湖、キャンプ場があってワカサギ釣りなんかも楽しめるそう。
普通の特急しなのとは、まるで違う車窓。山や川に加えて湖も楽しめるのが、白馬しなのの魅力です。
海ナシ県なのに、海沿いを走っているような不思議な景色…。これだけでも乗りに来る価値があるってもんです。
中綱湖近くの簗場駅を通過。
ホーム上でもお客さんが来ないところは、ずっしりと雪に埋もれていました。
お隣に臨時駅のヤナバスキー場前駅がありましたが、2016年冬からスキー場そのものが営業を休止したことで、2019年に駅も廃止されています。
最後に見られるのが青木湖です。
金田一シリーズ『犬神家の一族』で両足が浮いているシーンが撮影されました。Google mapにも「Sukekiyo up side down」として登録されています。
白馬さのさかスキー場の真横を通り、カラフルなスキーウェアが雪を飾り付けしてました。
神城駅に停車する唯一の特急として、白馬しなのが発車。かつては南小谷あずさ号も停まっていたそうですが、現在は通過扱いになっています。
白馬五竜スキー場の最寄り駅で、HAKUBA47と並んだ広告が立っていました。
ワイドビューチャイムに始まり、終点白馬駅到着前の放送が流れます。
名古屋駅からは3時間28分の行程で、11:57到着です。
日本を代表するスキーの街であり、近年まで新宿からワイドビュー信州が来ていました。
高速バスの台頭によりスキー列車の多くは廃止されましたが、名古屋〜白馬については季節運行でも需要はそれなりに高そうです。
重い荷物を引きずれる階段、これを見るとスキー場の駅という感じがします。
中央線の渓谷から大糸線の静かな雪景色まで、バリエーションに富んでいました。わざわざ乗りに来る価値がある、おすすめの列車です。
季節ごとの運行日を狙って、是非乗ってみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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