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【臨時夜行ひのとり】終夜運転フル活用!近鉄本気の伊勢特急運行が凄すぎた[年越し2023(8)]

2023年1月1日

 

こんばんは。2022年があと20分で終わろうという今年最後の夜、近鉄名古屋駅に来ています。

 

近鉄は総路線距離が日本一長い大手私鉄です。

大阪・名古屋から伊勢神宮へも線路が伸びており、これは参拝客輸送を担う需要な路線になります。

 

普段なら近鉄は夜中に列車の運行を行いませんが、年越しは別。2023年の年明けには伊勢神宮への初詣を中心とした移動需要があることから、終夜運転を行っています。

 

その中で注目すべきがこちら、伊勢神宮の最寄り駅である五十鈴川行きの特急ひのとりです。伊勢神宮への特急ひのとり夜行運転は2022年から行われていますが、今年も五十鈴川まで運行を行います。

 

2020年春に名阪特急としてデビューした特急ひのとり。特別に伊勢方面へ足を伸ばしてくれて、しかも深夜に走る夜行列車としての運行です。

今日はこれを活用し、1年に1度だけの夜通し特急ひのとり満喫旅をしてみましょう。



名阪特急と同様、一番端っこに特急ひのとりが停車中。

地下駅なので深夜の特別感はあまり感じられません。

 

しかし、発車標や方向幕の「特急ひのとり五十鈴川行き」の表示は珍しいはずです。英語では駅ナンバリングまで表示されます。

 

ホーム上では蛍の光が2022年の終わりを告げ、孤独な年越し民を泣かせにかかります。

 

ひのとり専用の発車メロディ「ひかりの鐘」、今日は2023年の幕開けを奏でています。

0時になりましてドアが閉まると同時に、2023年を迎えました!



新年あけましておめでとうございます。0時ちょうど、地下駅の近鉄名古屋駅を発車しました。

停車駅は、桑名,四日市,白子,津,久居,伊勢中川,松阪,伊勢市,宇治山田,五十鈴川です。停車駅が非常に多い乙特急の停車パターンになります。

 

『ゆく年くる年』に採用されても良さそうな、幻想的な車両基地横を通ります。2022年には315系、HC85系がデビューしており、JR東海にとっても大きな転換期になりました。

 

普通に停まっているキハ85系も、2023年春に特急ひだ定期列車から引退。さらに、特急南紀でも7月にHC85系投入が発表され、2023年はキハ85系が急ピッチで終焉に至る年になりそうです。

 

2022年は悲しい出来事が連続した年でした。

2023年初めて流れるニュースも不穏ですが、なんとか良い年になればと思います。



最初の停車駅は桑名駅です。

桑名,四日市,白子については、1日1本だけ特急ひのとり近鉄名古屋行きが停まります。

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近鉄四日市駅の乗換路線、湯の山線では終夜運転を行っていません。

 

遠くでは四日市塩浜地区のコンビナートがキラキラと輝いています。年越しなど関係なく働いておられる方は大勢いらっしゃって、そのおかげで今も社会が回っていることを忘れてはいけません。



特急ひのとりと言えばカフェスポット、200円で挽きたてのホットコーヒーを頂けます。

お正月だからか、鏡餅の上に乗った看板ウサギちゃんがいらっしゃいました。

 

普段から全ての特急ひのとりが停まる津駅。

駅舎はJR東海と共同ですが、向こうは終夜運転を行っておらず真っ暗です。



久居駅から先の停車駅は、特急ひのとり定期列車は停まりません。

特に久居駅は近鉄名古屋線なので何本も通過するものの、乙特急が朝に数本停車する程度の駅で、特急ひのとりが停車するのは非常に珍しいです。

 

この特急はもちろん伊勢神宮参拝客輸送が一番の理由に違いありませんが、途中駅での降車も目立っていて、名古屋からの帰宅でも結構使われている印象でした。

伊勢神宮への速達性もそんなに求められていないので、停車駅を増やして途中駅の需用を拾っているのでしょう。



真っ暗で見えませんが、ひのとりを含む名阪特急は近鉄大阪線へ繋がる中川短絡線を走ります。

この列車は伊勢へ向かうので、特急ひのとりですが中川短絡線を走りません。

 

大阪〜伊勢を結ぶ近鉄大阪線が合流。大阪難波方面へ乗り継ぐお客さんも多そうです。

 

伊勢中川駅では伊勢〜大阪難波を結ぶ特急に乗り換えられます。そのためか、多くの方がここで降りていかれました。

 

近鉄名古屋から五十鈴川までの運行時間は限度の2時間を超えるので、伊勢中川駅で運転士さんが交代されます。

 

伊勢中川駅で乗り継げる、特急大阪難波行きビスタカーとすれ違いました。

深夜にも関わらず、日中と同じように大阪難波行き特急と接続しています。名阪間を直接結ぶ夜行列車は走りませんが、事実上夜行移動が可能です。

 

ここも駅舎をJRと供用している松阪駅。

日中ならなら予約して特急まで持ってきてくれる松阪牛弁当も、この時間では絶対できません(笑)

 

外宮の最寄り駅である伊勢市駅では、半分くらいの下車。

 

伊勢市を出ると、すぐに宇治山田駅到着の放送が流れます。

 

天皇陛下や首相が伊勢神宮参拝の際利用する、宇治山田駅で下車。

終点の五十鈴川駅は内宮の最寄り駅ですが、バスの発着など考えると、終点まで乗るのはおそらく鉄道ファンくらいでしょう。

 

深夜とは思えないほど、次々と特急がやって来ます。JRグループでも臨時で初詣列車が運行されますが、日中と変わり映え無く特急が走っているのには、近鉄の凄さを感じます。



宇治山田駅1番線ホームには「つどい」が停車中です。

この列車は伊勢志摩地区の観光列車であり、湯の山温泉の観光振興のためにリニューアルされました。

 

大晦日から元旦にかけて、この車両が待合室代わりに開放されたのです。窓に正面を向いた座席配列、観光列車らしい構造に見えます。

 

3号車には子供が遊べそうなスペースがあります。ジョイフルトレインなどでも偶に見ますが、それよりはるかに広々していました。



そして何よりもこの列車一番の特徴は、車内で足湯を楽しめることです。

その足湯列車が、年越し限定で宇治山田駅にて復活しました。

 

桶周りがベンチで囲われた足湯が、互い違いに2つ並びます。

石畳風の床デザインに、サウナにあるような椅子のお陰で、その雰囲気を十分に発揮してくれました。

 

しかも、このお湯はちゃんと湯の山温泉の源泉を汲んできたものです。ヌメリ気があって、温泉独特の肌触りを楽しめました。

 

10分ほど浸かりまして、足元はポカポカです。

湯の山温泉は御在所SAで知られる菰野町にあり、そのパンフレットが並んでいました。



お正月定番の『春の梅』とともに、ホームでは新年の挨拶が流れています。

発車標を見てみると、大阪難波、京都、大阪上本町へ深夜とは思えないほど特急が出発していました。

 

2:38発の大阪難波行き特急ひのとりに乗車します。

 

しばらくは名古屋からさっき来た道を戻ります。同様にあっという間で伊勢市駅に到着。

 

ここでも真横にJR東海の気動車たちがお休みしてました。

 

宇治山田駅に比べると伊勢市駅の規模は小さいですが、JR乗換駅と外宮最寄りであることから、駅間距離が短くても両方に特急が停まります。

 

伊勢市駅ではJRと駅舎を共同利用していますが、JRホームは灯りも最低限で暗め。伊勢市駅前もかなり闇に包まれています。



宇治山田駅からは、プレミアムシートを利用します。

一番後ろの席が空いていたので、後面展望も楽しめます。

赤いカーペットに黄金の超快適座席、この空間を求めていました…!

 

伊勢中川駅では向かいに、名古屋から伊勢へ向かう特急ひのとりがいました。

この接続であれば、名古屋から大阪難波まで夜行ひのとり乗継で行けます。

 

この列車は伊勢から大阪へ向かう列車で、先程走った名古屋〜伊勢を結ぶ線路が離れていきました。

 

名阪特急が走る中川短絡線が合流してきまして、特急ひのとりの根城に戻っています。



一方で、停車駅は特急ひのとりと思えないほど多いです。

こんな暗闇の榊原温泉口駅にひのとりが停まるのは違和感の塊。

 

真夜中の秘境駅、東青山駅を通過して青山峠を越えます。

 

この峠を貫くのが、全長5,652mに及ぶ新青山トンネルです。最高130km/hまで出せますが、夜行ひのとりは割とゆっくりめでした。

停車駅も乙特急ですし、そんなに急ぐ必要も無いんでしょう。

 

伊賀神戸駅では10人ほど下車されており、思ったよりもまとまった数の下車。ここから街の中心部までは車で行かれるのでしょうか。

 

名張駅では急行との緩急接続も取っていて、もはや普段と変わりない光景。

 

特急ひのとりが阪伊乙特急を追い抜く光景が見られる、榛原駅にも停車します。

 

桜井駅の乗換先、JR桜井線でも終夜運転を行っていました。

万葉まほろば線の愛称の通り、沿線には初詣参拝者が多そうな神社が多数存在します。

 

奈良県橿原市の大和八木駅は、近鉄橿原線と立体交差する構造です。

 

駅出発後、画面左の京都方面へ分岐していくのが新ノ口連絡線。

高さの異なる路線を結ぶことで、京都〜伊勢の直通を可能にしています。

 

次の停車駅は大和高田駅、失礼ながら2駅挟んだだけで停まるとは全く予想していませんでした。ここでもJR桜井線高田駅と接続しています。



遂に大阪の中心部まで至りました。

流石にこの時間なら、焼肉の匂いによる飯テロ被害は受けないでしょうか。



終点の大阪難波駅直前、天井は蒼く染まっていきます。

イルミネーションの空間にワープしたような、幻想的な空間です。

 

4:27 大阪難波駅 着

停車駅も多く、宇治山田駅からは1時間49分。比較的眺めの行程になりました。

 

そろそろ終夜運転も終わりがけです。

最後に大阪難波から近鉄名古屋へ戻るため、定期列車の始発ひのとりに乗車します。

 

この特急ひのとりは朝6時発、普段でもかなり早い時間から運行されていることには驚きです。

 

最後もやっぱりプレミアムシート。流石にここまで寝られていないので、そろそろゆっくり眠りたい…。

 

と言っておきながら、初日の出を見逃したくないので起きてます。

 

東の空には新年の朝焼けが広がって来ましたが…?

 

新青山トンネルへ突入、このトンネル通過中は液晶ディスプレイに全面展望が映し出されます。



榊原温泉口駅も過ぎて、もうすぐ中川デルタ線という所。

真正面にご来光です!

ディスプレイにも初日の出が映されており、他号車の方でも感動を味わえているはずです。

 

特急ひのとりは中川短絡線を走行、大阪〜伊勢を繋ぐ線路が離れて行きます。

 

3本の線路が三角形を作る中川デルタ線は、各方面のお客さんが集結する場所であり、色んな広告塔が立っています。

 

伊勢から名古屋への線路と合流、中川短絡線だけは単線なので、複線の近鉄名古屋線を平面交差しています。

 

三重県の県庁所在地、津駅に到着です。

この時間ともなれば、さすがにJRも列車運行中。

 

深夜には細かい光に過ぎなかった、塩浜地区のコンビナートもその全貌が明らかに。朝から威勢よく白煙を立てています。

 

木曽川を渡り、三重から愛知に入りました。

 

名古屋市に入り、八田駅を通過中。終点の近鉄名古屋駅到着の放送が流れます。

 

名古屋のJR車両基地からも、数々の気動車特急がお勤めへ。一番の繁忙期なので昼には殆ど出払うはずです。

 

あおなみ線にはレゴランドラッピングが走っていました。終点の金城ふ頭駅近くにはリニア鉄道館、レゴランドがあって、名古屋から快速列車も運行されます。

 

地上ではあまり目立たないのですが、地下に入ると一瞬にして蒼い光が車内を包み込みます。



08:11 近鉄名古屋駅 着

名古屋・伊勢・大阪難波を特急ひのとりで結ぶ旅。

夜行ならでは深夜の車窓、そして新年の夜明けも清々しい空気でした。

 

終夜運転はあまりに本数が多く、いつも通り特急が走っているみたいです。

1年に1度のイベントとして力を入れており、非常に楽しませてもらいました。

 

このような体験ができたのは、年越しの間にも沢山の方がお仕事されたからこそ。運営に関わった方々には心から感謝したいです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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