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第三セクター鉄道では地域内での利便性向上のため、新駅を設置することが多くあります。
しかし、中にはせっかく駅施設を整備したのに、結局開業しなかった未成駅も存在。今日ご紹介するのは熊本県の南阿蘇鉄道、未成に終わった小池水源駅です。
あとはプラットホームを整備して列車を停めるだけ。あと一歩が踏み出せない理由とは一体何でしょうか?
南阿蘇鉄道は2016年の熊本地震で被災し、現在復旧しているのは中松駅~高森駅です。
こちらは現状列車が走っている起点駅、中松駅です。2023年夏の全線復旧を目指しています。
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お目当ての未成駅があるのは中松駅〜阿蘇白川駅間、小池水源の近くです。
中松駅から20分ほど、湧水に恵まれていることで水田が広がる、二重カルデラの中を歩きます。
正面には公園の池みたいな、小池水源が見えてきました。ここで右を向くと未成駅があります。いったいどんな姿なのか…。
お目当ての未成駅がこちらです!
パッと見は駅舎とロータリー。いや、じっくり見ても列車が停まる駅としか思えない建物が出現しました。
ここが2009年3月開業を目指していたと言われる小池水源(仮称)駅です。
ホームの高さまで階段で登ることができ、これもそんな古そうに見えません。
この建物は待合室として使われる予定だったようですが、引き戸に鍵が掛けられていて中には入れませんでした。
後ろを向くとスロープも整備されていて、バリアフリーにも対応しています。あとは線路のすぐ近くにプラットホームを作るだけという状態です。
駅舎に見えるこの建物、1階部分は公衆トイレとして今でも使用できます。小池水源があるので、駅としてじゃなくても公衆トイレとして普通に便利かも。
奥の広い道路にはJR阿蘇阿蘇南中央支所や観光ぶどう園、保育所や消防署など建物が立ち並びます。
一方でそこから駅へ向かう一本道は田んぼの中を突っ切っているので、秘境感がある程度感じられました。
ここまで駅の姿がありながら、開業できない理由は一体何でしょうか?
色々調べてみましたが公的資料が見つからなかったため、ここからは少し信ぴょう性に欠けるかもしれません。
その中で一番納得がいくのは、「駅所在地の勾配が基準を超えていた説」です。これを知って実際横から見てみると…確かにかなりの勾配でした。
駅舎や駅前ロータリーなど周辺設備については南阿蘇村が整備したのですが、その後になってこの区間が勾配25‰と判明。鉄道事業法に基づく整備許可基準の標準勾配 5‰を大きく超えます。基準を超えても特別認可を受けて駅が設置された例はたくさんありますが、追加出資して安全確保工事をしてまで開業する必要は無いとの判断です。
また、この場所を通過する時、乗務員さんが「勾配がキツくて開業を断念した駅」と観光案内したという情報もありました。一方で、団体臨時列車がここで一時停車したことがあるという情報も受けています。基準に見合わず駅を設置できないというだけで、停車・発車には問題ないのでしょうか。
他に、駅前の道を1km北、国道325号沿い瑠璃温泉隣の地ビール園が閉館したからという説もあります。ドイツ人経営のクラフトビールが人気で、小池水源駅そこを訪れる観光客利用を見込んでいたようです。
おそらく開業断念の理由は勾配ではないかと思われますが、さすがに計画段階で勾配のことに気づけなかったのか…と考えてしまいます。いくら観光鉄道に舵を切るとしても、追加投資して工事を行うとは考えにくいため、恐らくこのままでしょう。
完全に計画自体無かったことにされている小池水源駅。ぜひこの場所で南阿蘇鉄道に手を振ってみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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