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【何だこの塗装は…】スーパーやくも復刻 パノラマグリーン乗車記

2023年4月2日

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特急やくも(岡山〜出雲市)で使用されている381系電車。2024年春には新型車両273系電車の投入が発表されています。

2022年春には国鉄時代から使用されている車両を活かし、「国鉄色リバイバル編成」が運行を開始しました。

 

それから1年経った2023年。この人気ぶりからリバイバル塗装第2弾として、「スーパーやくも色編成」が運行を開始しました。

薄紫を基調に白と濃い紫のラインが特徴的、1994年から12年間走った車両を完全に再現しています。

 

最大の特徴が、パノラマグリーン車からの展望を楽しめること。今回はその最前列に乗車し、スーパーやくも編成で岡山から出雲市へ行きます。

スーパーやくも編成で運行される列車は、

・やくも4号(出雲市05:27-08:34岡山)
・やくも5号(岡山09:05-12:08出雲市)
・やくも20号(出雲市13:31-16:39岡山)
・やくも21号(岡山17:05-20:13出雲市)

です。定期点検のため車両変更の場合もあるため、事前に山陰観光連盟さんTwitterでの確認をおすすめします。



特急やくも5号は、岡山駅2番線ホームに入線します。

8:58に入ってくるので、結構ギリギリの印象。

独特なカラーリングで、鉄道車両として見慣れないデザインの列車がやってきました。

 

ここで折り返すため、赤いテールランプに変えられます。

 

ヘッドマークについては「やくも」ではなく「スーパーやくも」。当時を忠実に再現してくださっており、非常にポイントが高いですね。

 

そして、今回乗車するのがこちら。ガラス張りで前面展望を楽しめるパノラマグリーン最前列です。

ずっと乗ってみたかったのですが、一番前の座席のキャンセルが出たので、迷わず乗ることに。

 

大きな四葉マークに「SUPER YAKUMO381」の文字。字体や暗めの赤色などに一昔前のレトロさを感じさせます。

 

座席配列は2+1で、石板のような背もたれが特徴的です。結構バタバタしちゃいますが、早速最前列へ。グリーン車含めた車内などは、以前の記事をご覧ください。

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9:05 岡山駅 発

まるで車両基地のように多種多様な列車がひしめき、コンコースの下で薄暗い岡山駅を出発です。

 

車両基地や貨物ターミナルの広さからも、多くの鉄道路線が集結してくることが分かります。

 

早速山陽本線から分かれまして、伯備線は一番左の線路を登っていきます。

 

これは立体交差により山陽本線の複線を越えるため、伯備線の線路は一番右に移動しました。



岡山県第二の都市、倉敷駅に到着。

列車は倉敷駅から伯備線に入ります。

 

北へ向かってカーブした後、山陽自動車道の下をくぐりました。

これより東側に岡山JCTがあって、特急やくものライバルとなる高速バスももたろうエクスプレスが、陰陽連絡の役割を果たします。

 

さらに、山陽新幹線の下をくぐりました。振り返っていたらちょうど新幹線が駆け抜けていき、段違いの疾走を見せてくれます。

 

前面には春到来の風景が広がっています。菜の花に桜の中を駆け抜けるのは、おとぎ話の世界へ迷い込んだようです。

 

左手から近づいてきた単線高架橋が、右へ乗り越えてきて合流、こちらは第三セクターの井原鉄道です。

 

清音駅が分岐駅となっており、多くが総社駅まで乗り入れます。ただし伯備線の清音〜総社の普通列車であっても、井原鉄道による運行便は青春18きっぷなどJRの乗車券で乗れません。

 

到着放送の前に、鉄道唱歌のオルゴールチャイムが鳴らされました。これこそがスーパーやくも編成に乗車することで味わえる、最大の特徴かもしれません。

 

向かいからは特急やくも6号がやって来ました。国鉄色とかスーパーやくもの印象が強すぎて、逆に普通の方が違和感です。

 

総社駅に到着しました。桃太郎線と愛称がつけられた、吉備線の乗換駅です。

 

備中高梁駅までは複線区間となっていますが、時々上下線別のところを走ります。出雲市方面の線路は、高梁川により近い方です。

 

美袋〜備中広瀬では伯備線の貨物列車とすれ違いました。東海道や日本海縦貫線と比べて編成が短いので、あっという間に過ぎ去ってしまいます。



備中高梁駅に到着。

岡山〜備中高梁はそれなりの本数が設定されており、ちょうど向かいに普通列車が停車中でした。

駅舎にはスターバックスも入居したツタヤ図書館があることでも知られています。

 

備中高梁駅より先は、基本的に単線区間。いよいよ中国山地へ挑むことになります。

 

左手には高梁川が流れていますが、川沿いに咲き誇る桜がとにかく綺麗です。去年もこの時季国鉄やくもに乗りましたが、景色が素晴らしすぎます。

 

木野山駅はプラットホーム近くに桜が咲き誇り、気軽な撮影地としても非常に有名です。

 

備中川面駅で運転停車し、国鉄色の特急やくも8号と行き違いました。あちらもタイムスリップした気分を味わえて、素晴らしい列車です。

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伯備線北部は単線が続くので、駅間距離が長い方谷駅〜井倉駅には行き違い可能な、広石信号場が設置されています。左側が一線スルー化されているため、この特急は速度を落とさずに通過。

 

その中で、井倉駅〜石蟹駅のひと区間だけは、複線区間です。

伯備線と並行する高梁川が最も蛇行する区間のため、1983年に線路付替えが行われ、それと同時に複線化しました。

 

その時に掘削された、こちらは幸田トンネル。四角く開いた大きな入口は、まるで新幹線のトンネルみたいです。

 

あからさまにスピードもぐんと上がりまして、最高速度へ向かいます。

 

線路付替区間が終わると、上下線別の場所を走るようにも。

 

石蟹駅を通過しまして、再び単線に戻ります。



中国山地におけるローカル線のターミナル駅、新見駅に到着です。

姫新線、芸備線のキハ120形気動車も停まっています。

 

島式ホームが2つ並んでおり、その繁栄を思わせる広い構内です。



新見駅のお隣、布原駅は秘境駅として知られています。

伯備線の駅にも関わらず、伯備線の普通列車は一切停りません。芸備線へ直通する列車にのみ乗降可能で、プラットホームも非常に簡素なものです。

 

何度も高梁川を渡っていき、カーブする橋梁が連続するこの区間は撮影スポットでもあります。



備中神代駅を通過しました。

伯備線から芸備線が分岐する駅となっており、左手に非電化ローカル線が分かれていきます。

 

足立駅で運転停車しまして、特急やくも10号と行き違いました。

 

駅からは足立石灰工業の工場が見られまして、短い足立トンネルを抜けると、そのど真ん中を走っているのに驚きます。

 

そして谷田峠トンネルに入りまして、いよいよ岡山県から鳥取県へ。



遂に山陽から山陰へ出てきました。

鳥取県最初の駅である上石見駅を通過します。

 

朱色の石州瓦にも、山陰みを感じますね。

 

ここでも行き違い可能設備として、下石見信号場が設けられています。臨時サンライズ出雲91号がここで運転停車していました。

 

分水嶺を越えているため、伯備線が並行する川も高梁川から日野川に変わりました。このあたりも雪深かったのですが、完全に春が来ています。

 

日南町の中心駅、生山駅に停車。

日南町役場は元々この近くでしたが、2000年に発生した鳥取県西部地震で山の向こう3km西へ移転しました。

 

通過しているのは黒坂駅、一線スルー化はされていないものの、Y字ポイントが100km/hでの高速通過が可能です。

 

日野町の中心駅、根雨駅を通過します。ここで普通列車を追い越しました。



江府町に入りましてカーブが続く区間、この辺りではスーパーやくもが保線員4人をはねた、伯備線保線作業員死傷事故が発生しています。

岡山駅で山陽新幹線接続待ちのため15分遅れていたスーパーやくも9号、作業責任者が既に通過したと勘違いし、本来とは逆の上り列車警戒に見張員を配置してしまいました。これによりスーパーやくも9号が保線作業員さん4人をはね、3人が死亡しています。スーパーやくも終盤の2006年1月に起こった、決して忘れてはいけない出来事です。

 

江府町の中心駅、江尾駅を通過しました。

サントリー天然水の一つに『奥大山』が選ばれていますが、これは江府町がサントリーの企業誘致に成功したため。

 

そんな大山ですが、正面の景色では見づらくなっています。これに関しては右側に注目していたほうが良いかも。

 

左手の丘には突如、不思議な銅像が見えてきました。おにっ子ランドのシンボルだそうで、溝口地区に鬼伝説があることに由来します。

 

そして、列車は菜の花畑の中を走り続けます。

あまりにもその区間が長すぎて、ありがたみが薄れるレベル。こんな贅沢な景色を前面で見られるとは幸せです。

 

右手には中国横断自動車道が現れました。

大阪〜出雲市については高速バスも便利で、特急やくもはバスとの差別化を図る必要があります。



2024年春にデビューすると言われている新型やくも273系には、グループ向けのコンパートメント席も備えられるそうで、鉄道ならではの旅を提供してくれるはずと期待が膨らみます。

 

伯備線は伯耆大山駅で終わり、山陰本線へ向かいます。伯耆大山駅には貨物駅が隣接しており、岡山からやって来た貨物列車はここが終点です。



ここで、本来特急やくもは伯耆大山駅に止まらないのですが、停車してしまいました。

11:15ごろから停まり続けており、何かあった様子。

 

11:29には「10:58頃、伯耆大山〜米子で線路陥没の情報入ったため安全確認している」と案内の放送が流れました。

どうやら一般の方からの連絡があったみたいです。

 

11:50、35分ほど停まったのち運転再開しました。

この程度の遅れなら、おそらく線路陥没は見受けられなかったのでしょう。列車は遅れてしまいましたが、不審に思ったことをすぐ連絡できる状況こそ、事故を防ぐ第一歩です。

 

伯耆大山〜安来は複線区間となっており、特急やくも14号とすれ違いました。



鳥取県第二の都市、米子駅に到着です。

以前は1963年開業のレトロな駅舎が建っていたのですが、2020年に解体されました。新駅舎は2023年夏のオープン予定です。

 

米子駅で乗務員さんが交代になります。

 

米子駅を27分遅れでの出発。転車台も有する立派な車庫が隣接しており、大きな見どころです。

 

複線区間を走り続けまして、鳥取県から島根県に入りました。ここは特に峠などなく、ヌルっとした県境越えです。

 

米子駅のお隣、安来駅に到着。どじょうすくいでも有名な街で、足立美術館の庭園は外国人観光客にも人気。

 

ここからは単線区間に入りますが、110km/hほど出してとにかく急ぎます。

 

右手に広がるのは、日本で5番目の広さを誇る中海。島根県東端に位置する、2つの湖のうちのひとつです。



東松江駅を通過すると、沢山の貨物コンテナが見られます。

ここは東松江新営業所で、貨物列車代替のトラックが、伯耆大山との間を行き来します。山陰本線の貨物列車は1996年に廃止されており、伯備線が山陰へ持ってくるだけです。

 

東松江〜松江は複線になり、中海が終わったところで宍道湖とを繋ぐ、大橋川になりました。



高架線を登っていきまして、県庁所在地の松江駅に到着です。

ここで山陰本線の特急スーパーおき2号とすれ違います。このためにしばらく停車してしまいました。

 

43分遅れでの出発、地方都市に築かれた高架線を下っていきます。

 

この先では宍道湖の景色が広がります。特急列車に乗ると、車掌さんによって宍道湖の観光案内がされるのですが、このように遅れている時でもありました。

 

3月中は玉造温泉駅にも臨時停車。駅名標に温泉マークがついているのも可愛らしいです。

 

玉造温泉駅〜来待駅についても、複線化されています。

このあたり山陰本線の複線化は、民営化以前に行われていました。

 

広々とした宍道湖の景色、パノラマグリーンだからこそ楽しめる特権です。

 

来待駅から再び単線へ戻ります。ここは来待石の産出で栄え、火山堆積物が堆積して宍道湖まで移動した、凝灰質砂岩です。出雲石灯ろうや松江城の石材として重宝されました。

 

山陰本線の観光列車「あめつち」のテーブルにはめられた石州瓦にも、来待石の釉薬を使っているそう。これは実用的にも採用されている方法です。



宍道湖とお別れしまして、宍道駅に到着。

左手には木次線ラッピングのキハ120形気動車がいました。

 

トワイライトエクスプレス瑞風も停車しまして、ここから宍道湖へ観光されるようです。

 

荘原駅で運転停車し、特急やくも16号と行き違います。

 

さらに、直江駅でも普通列車と行き違いです。

 

鉄道唱歌のオルゴールから始まる、到着放送が流れました。

 

列車が遅れているため、通常よりも長い放送。斐伊川を渡ると出雲市街地に入ります。

 

一畑電車が近づいてきまして、出雲科学館パークタウン前駅横を通過。

 

一緒に高架を登りますと、向こうはひと足早く電鉄出雲市駅に入線します。

 

そしてこちらも、出雲市駅に到着です。



12:08 出雲市駅 着(46分遅れ)

カーブの連続する伯備線から、山陰本線の宍道湖の景色まで、目まぐるしく変化する車窓は素晴らしいものでした。前方から左右へ流れ行く疾走感は、パノラマ展望ならではです。

 

現状前面展望ができない273系、特急やくもへの投入車両も同じく、少なくともパノラマビューは楽しめないでしょう。

 

ぜひパノラマグリーン最前列のきっぷを手にし、折角ならスーパーやくも仕様の特別な列車で、伯備線の旅を満喫してみてください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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