今日は南海なんば駅に来ています。
これから向かうのは和歌山県の中心、和歌山市駅です。
なんば~和歌山市までは南海特急、サザンが走っています。
ホームに停まっているのにそれとなく乗り込むと、こちらは普通の通勤電車。座席もロングシートですが…
こちらの座席はあくまで自由席。
特急列車に自由席と指定席が設定されており、自由席には通勤車両が充当。名鉄の一部特別車と似たシステムです。
通勤車両の自由席と特急の指定席が連結されており、格差特急と呼ばれているのは有名な話になります。
しかし今回注目するのはこちらの指定席内にある格差です。
同じ指定席の中に違いがあるって、一体どういうことなのでしょうか?
なんば駅に停車中の車両の中では清掃が行われているところ。
清掃中の車内では椅子がくるくる回りだしました。
まずは連結面に接している、4号車から見ていきます。
号車案内はLEDどころか幕式ですらなく、7セグメント式のデジタル数字表示でした。
デッキから座席部分への扉は色のついたアクリル板。何とも時代を感じます。
さらに足元のスイッチを踏むことで自動ドアが開く仕様。
これがまだ採用されているとは相当な古さです。
また最近では採用されなくなってきた折り戸式扉。戸袋を作る必要が無いというメリットがあります。
さて、ここまで4号車を見てみましたが、続いて2,3号車の方を向くと…
窓枠が一続きになっていて、なんだか車両の様子が違って見えます。
列車名の方向幕には号車案内も付されていました。
車内に入って扉を見てみると、こちらには足元のスイッチがありません。普通のセンサー式で、扉も細長い窓がついた見慣れたものになっています。
さらに2号車と3号車の間付近を見てみると…
2,3号車の間には扉がありません。
混乱しながらも最後に先頭車両の1号車にやって来ましたが、こちらは4号車と同じものになっています。
入り口もその上に立つことで開く方式。一体何が起こっているのでしょうか…?
ホーム上で列車を観察していたらそろそろ時間のようなので、とりあえず乗り込むことにしましょう。
なんば駅を発車しました。
なんば駅周辺では再開発が行われている真っ最中。2023年頃には141mもの高さのホテルやオフィス、店舗が入るビルが立ち並ぶこととなります。
なんば〜岸里玉出までは高野線と南海線が並ぶだけの複々線。
一方で岸里玉出〜住之江は、急行線と各駅停車を分けて運行する複々線になっています。
途中の通過駅で通過線に接するプラットホームには、固定式のホーム柵が設置されていました。
さて、それでは本題の車内について紹介します。
まずは1号車から。グレーの座席にピンクのヘッドカバーが掛けられています。
座席にテーブルは無く、窓枠の所に多少のものを置ける台だけがあります。
リクライニングはこの大きな白くて四角い物体を押し込むことで、倒すことができます。
2011年に全席禁煙されましたが、ひじ掛けには灰皿の跡が残っていました。
南海はJRなどと違って、1列ごとに座席番号がABCDと降られておらず、1から順番に番号を付けていきます。そのため窓側がどっちなのか、やや分かりにくいです。
それでは続いて2号車の方へ。お願いしてこちらにも座らせてもらいました。
こっちの方が新しそうな見た目で、頭の部分が少し前にせり出しています。
リクライニングは先ほどのような大げさなものではなく、丸いボタン。
また、インアームテーブルも備えられています。
さらに跳ね上げ式のフットレストも置かれていました。1,4号車に比べてこちらの方が、機能面で優れていると言わざるを得ません。
サザンの一部指定席は1985年にデビュー。この時は指定席が2両で、6両編成となっていました。
しかし1992年に中間車両を差し込んで指定席を2両分追加。それが現在の2,3号車のため、同じ指定席の中で違いが生まれているのです。
続いてはドアが無かった2,3号車の間について紹介します。
ここにはドアが無いことを示すシールが貼られていました。
確かにこちら側から降りようとしたら扉が無くて、降り過ごすなんてことになりそうですからね。
まず2号車のデッキに見られるのは車内販売準備室。
詳細な時期は分からなかったのですが、朝のラッシュ時にカウンターが開けられていたそうです。
向かい側には自動販売機とゴミ箱が設置され、指定席利用者の利便性を高めます。
3号車の方にはお手洗いや洗面台が並びます。
指定席2両の時代にはお手洗いの設備が無かったそうです。
洗面台は少々ピンク掛かっていて、昭和感が溢れます。
それでも石鹸まで自動で出てくるようになっていて、この状況下になる前はハンドドライヤーもあったそうです。
これらはデッキの自動ドアと完全に隣り合っている様子。
そのためこちらはセンサー式ではなく、黒いボタンを押して開く方式です。
列車は大阪南部を走っているところ。
羽衣駅周辺では高架化工事の進む様子がありありと感じられました。
泉佐野からは関西空港線が分岐、南海特急の代名詞とも言えるラピートはそちらへ走っていきます。
箱作駅周辺では海のすぐ近くを通るようになります。
こんな区間があるとは知らなかったので驚いたとともに、夕焼けがすごく幻想的でした。
和歌山県を代表する広い川、紀ノ川を渡り、終点の和歌山市駅に到着。
ここからも和歌山港駅まで路線がつながっており、徳島へのフェリーへ連絡しています。いつかこれも利用してみたいですね。
今回は同じ指定席でも経緯の異なるサザンを紹介しました。
現在では土日に12000系のサザンプレミアムというもっと素晴らしい座席の車両も走っていますから、そちらもぜひ乗ってみたいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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