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【新幹線駅名の威力】2つの市にまたがる燕三条駅ができるまで

2021年4月7日

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今日は上越新幹線の駅にやって来ました。

長岡駅と新潟駅という大きな駅に挟まれた、燕三条駅です。

 

燕三条駅は在来線 弥彦線の乗換駅。

終点の弥彦神社には上越新幹線開通を記念して建てられた、高さ38.5mもの鳥居があります。

 

しかしこの駅は設置にあたって、中々揉め事があった場所でした。

今回は燕三条駅ができるまで、そして現状にも現れているその面白さを解説していきます。

 

まずは燕三条という駅名から考えてみましょう。

何の知識もなければ燕三条市にあるから…?のように思ってしまいますが、実は違います。

こちらの写真、改札の奥には『燕』と『三条』で別れた柱が建てられています。

そう、この駅は燕市と三条市の境界に作られた駅なのです。

 

分かりやすく境界線を引いてみるとこんな感じ。

この駅は上越新幹線の新潟~長岡が60kmと長いため、弥彦線との交差部に作る計画から始まりました。

その際、燕市に作るか、三条市に作るかの議論が巻き起こり、新幹線駅の誘致を争い合っていたのです。

そこで田中角栄は市境に作ることを提案、しかし今度は駅名で揉めることに。

三条三条の、一体どちらを先にするか、これまた紛糾します。

 

そこで同時期に議論されていた、近くを通る北陸自動車のICを三条、新幹線の駅名を三条とすることで落ち着いたのです。

 

また、駅の住所となる駅長室は三条市、ICの大部分を燕市とすることで、それぞれの機能と名前の順番はあべこべになっています。

 

さて、それでは実際に駅周辺を見てみましょう。

 

駅の出口は燕口と三条口に分かれていて、どちらに出れば良いか分かりやすい名前です。

 

まずは駅名の順番に倣って、燕口の方へ。

 

こちらには燕市を代表するお祭り、燕1000人みこしが紹介されていました。

このおみこしには燕市のモノづくり技術が詰まっており、鎚起,純銀,純金が使われています。

 

駅舎はまるで燕が翼を広げたようなデザインになっています。

全体的にアイボリーと茶色で、曇っていたこともあってか地味な印象です。

 

駅前には北陸自動車道が通っていて、先ほど紹介したように『三条燕』インターがあります。



さて、そろそろ三条側からこっちも紹介しろという声が聞こえてきそうなので、三条口へ向かうことにしましょう。

 

こちら側の駅舎も全く同じデザインでした。

さっきは翼を広げたような~と思いましたが、どうやらそういう訳では無いみたいですね。

 

三条側の駅前にはレンタカーやビジネスホテルなどが立ち並びます。

 

トヨタレンタカーは三条店になっており、市名に即していました。

 

駅舎1階部分のエリアにはかつてお店があったのだろうと想像できる、跡が残されています。

 

一方でJRの駅レンタカーだけは現役。

 

それにしてもこの無機質な1階部分は少々怖い感じがしますね…。

 

一方で改札がある2階部分はかなり明るい印象。待合室も新しくなったのか、暖房のきいた暖かな場所でした。



燕市と三条市は金物で有名な街です。

駅にはそれらを紹介する案内所も設けられていました。



これらの街が金物で栄えたのは江戸時代から。

燕市には職人、三条市には商人が多く住み、金物を多く取り扱っていたのです。

現在では三条市の包丁などは全国屈指の有名な場所になりました。

一方で燕市はステンレスが非常に有名、フォークやナイフは国内シェアの9割を占めます。



さて、続いては在来線の弥彦線の方に注目してみましょう。

上越新幹線と弥彦線の交差部は燕市。しかし駅長室は三条市に作るため、それぞれの改札は離れたところに作られてしまいました。

改札が一体化していないため不便になっていますが、在来線の入り口の前には弥彦神社の鳥居を模したモニュメントが置かれています。

 

在来線側に自動改札は無く、駅員さんもいません。Suica簡易改札機と券売機が置かれているだけでした。

 

弥彦線はワンマン運転、新幹線乗換駅でありながら改札もないので、他の無人駅と同じような利用方法となります。

 

ホームにはJR東日本新潟支社のキャラクター、トッキーがいました。

今となってはSuicaペンギンがテッペンに立っていますが、こちらも時々思い出してあげてください。

 

燕市と三条市の境は弥彦線ホームにも存在。ホーム下に流れる水路が市境になっているそうです。

 

立体交差の駅ということもあって、階段など少々物珍しい構造になっています。

 

この日は三条市からやってきた弥彦線の列車で燕三条駅を後にしたのでした。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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