日本には8000万枚も発行されているカードがあります。
首都圏の鉄道網から利用可能になり、現在ではお店でも利用できるICカード、Suicaです。
世界を牽引するIT企業、AppleやGoogleも決済で無視できない、日本を代表するサービスになっています。
いわゆる交通系ICカードはSuicaだけでなく、全国相互利用のものを合わせたら日本の人口を越える枚数があるでしょう。
しかし本日、交通系ICカードとは別のカードをタッチすることで鉄道に乗れるサービスが登場します。
今日やってきたのは関西の大手私鉄、南海電鉄の和歌山市駅です。
カバーのかけられているこちらの改札の正体、これこそが日本の鉄道における新たなサービスの幕開けです。
翌日、そのサービスが始まる瞬間を目にするため、再び改札へやって来ました。
前日でも少し案内されていましたが、こちらの改札では何とクレジットカード"VISA"で改札を通ることができるのです。
内部構造が必要無いため、広い範囲がスケルトンになっています。
このスタイリッシュな見た目も素晴らしいですね。
対象となるのはWi-Fiみたいな『リップルマーク』が付いているVISAカード。クレジットカードだけでなくデビッド、プリペイド、そしてスマホやスマートウォッチても利用できます。
また新しく改札を設置しなくても、既存の改札と組み合わせられたバージョンもありました。
それでは早速改札にタッチ。
堂安選手ならリフティングしながらでも…、できるのでしょうか?
あとは通常通り、列車に乗って行きましょう。
今回はまだ実証実験の段階のため、南海電鉄の16駅でのみ利用可能です。
利用可能駅
なんば,新今宮,天下茶屋,堺,泉大津,和歌山市,りんくうタウン,関西空港,堺東,三国ヶ丘,金剛,河内長野,橋本,九度山,高野下,高野山
そういう訳で、関西空港まで行くことにしました。
そういう訳で、関西空港まで行くことにしました。
クレジットカードのタッチ決済はあまり日本国内で普及していません。
これにはNFCという技術が使われていますが、通信規格の違いが理由に挙げられます。
日本の電子マネーで主に使われているのはソニーが開発した『FeliCa』という通信規格です。Suicaもこれを利用しており、日本国外では一部のアジア圏で広まっています。
一方、今回ご紹介しているクレジットカードのタッチ決済のように、世界で普及している通信規格が『NFC Type A/B』。
しかしType A/Bと、日本で普及するFeliCaでは、読み取りに必要な端末が違うのです。
それではなぜ日本国内ではFeliCaが利用されているのでしょうか?
FeliCaとType A/Bの違いは通信速度で、FeliCaはType A/Bの倍以上の速さを誇ります。
日本では鉄道利用者が非常に多く、Felicaは迅速な決済が必要な日本の交通機関にマッチしているのです。
さて、関西空港駅に到着しました。
こちらでも普通のICカードと同じように改札へタッチ。乗車した区間の運賃がその都度決済されます。
先の理由の通り通信速度が遅いため、決済には交通系ICカードより遅くなっています。
全員がこれを利用するようになったら詰まってしまいそうです。
そうは言ってもこの先大阪万博も控えており、外国人観光客が戻ってくることが予想されます。
日本国内でしか利用できないICカードを使ってもらうのも良いですが、クレジットカードでタッチ決済できる改札を設置するというのは英断でしょう。
また単純なメリットとして、わざわざチャージしなくて良いというのも、かなり便利ですね。
更に4月15日からは南海デジタルチケットサービスも開始します
改札にはクレジットカードタッチの他、QRコードの読み取り機も見られました。
あらかじめ南海アプリにてチケットを購入、QRを読み取らせるという方式です。
JR東日本の新型改札機にもQR形式のものがありましたが、乗客が利用できるものとしては南海が一歩先となります。
海外からの大阪の玄関口、関西国際空港や世界遺産の高野山が結ばれている南海電鉄。これからも外国人にも利用しやすいサービスが増えていくでしょう。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。