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【ヘリ墜落で高速化】旭化成のための日豊本線高速化・宮崎空港線 出張客輸送を支える特急にちりん[2307南阿蘇再開(9)]
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爽やかな南国の風…とは言えない、炎天下に晒された宮崎駅。
今回取り上げる話題にピッタリ、駅前にはまさかのN700系新幹線が停まっていました。
ここ宮崎県には新幹線が走っておらず、具体的な話も上がっていない段階です。
2011年に全線開通した博多駅〜鹿児島中央を結ぶ九州新幹線。反対側の東九州新幹線は基本計画線として存在しています。
ただし、建設が現実的に思われるのは博多〜大分で、今のところ宮崎まで来る見込みはありません。
新幹線のライバルとなる航空機に関しては、中心市街地から宮崎空港までJR宮崎空港線で10分ほど。
対大阪で4時間の壁は切れそうですが、空港アクセスの良さが障害になります。
さらに博多〜宮崎に関しては、九州新幹線と接続する形で、新八代〜宮崎の高速バスが運行されています。
今回ご紹介するのは九州新幹線と高速バスの「B&Sみやざき」。東九州新幹線が来なくても新幹線効果を得た、博多駅〜宮崎駅の便利なルートをご紹介します。
B&Sみやざきは「バス」と「新幹線」を乗り継ぐルートです。
JR九州ネット予約で購入しまして、指定席券売機で発券してきました。
「B&Sみやざきネットきっぷ」なら宮崎〜博多が7300円、「B&Sみやざきネットきっぷ早特14」なら5090円です。
バス指定券が見慣れた鉄道のきっぷで出てくるのも、非常に面白いポイントになります。
「B&Sみやざきネットきっぷ」と「バス指定券」の2枚を提示するのですが、指定券の方は回収されてしまいます。鉄道ファン的にはちょっと残念かもしれません。
宮崎駅メイン出口となる東口を出て右側、バス乗り場から車内へ乗り込みます。
2+2の配列、座席も一般的な高速バスと変わりありません。
座席下に足を伸ばすことができ、十分広々しています。簡単なフットレストバーも備えられていました。
窓側通路側ともにUSB充電ポートも設置されているので、この点はかなり安心です。
13:51 宮崎駅 発
島内県主要駅前には必ずといって良いほど立つ、JR九州による商業施設のアミュプラザを正面に、宮崎駅を出発しました。
左手には在来線の日豊本線を見つつ、川幅の広い大淀川を渡ります。
次に停車するバス停は、宮交シティです。
このB&Sみやざきは宮崎交通が運行する便もあり、ここは宮崎交通のバスターミナルになっています。
バスターミナル併設型ショッピングセンターで、先ほど看板が見えた通りイオン南宮崎店と一体です。
道路を挟んだ向かいには南宮崎駅があります。
特急列車も停車する主要駅で、大淀川の対岸に広がるもう一つの市街地の玄関口となっています。
そこら中で整列しているヤシの木は、縄で紡がれており、異文化が融合してるみたいで良きですね。
宮崎ICより、宮崎自動車道に入りました。
ここから自動車専用道へ、高速バスとして走り始めます。
清武JCTでは北九州から日南を縦断する、東九州自動車道が交差しました。
上下線離れているため向こうのトラス橋が見えている、片井野川を渡ります。
日豊本線青井岳駅が位置する山がちな地域を、天神トンネルで貫きました。
その先に見えたのが、山之口SA。都城盆地の始まりです。
右手奥の方にはおそらく霧島連山らしき山々が見え始めました。鹿児島県と宮崎県の県境あたりに位置します。
自動車専用道沿いに設置されているバス停、都城に停車。
ここからは2人乗車されました。宮崎県内第二位の人口を有しますが、鹿児島県と間違われることもしばしば。
高速道路はここから北上、鉄道で言えば吉都線沿いを走ります。
小林ICを降りまして、料金所直前のロータリーへ。
ここに小林ICバス停が設置されています。市街地からかなり離れていますが駐車場が設置されており、1人乗車されました。
えびのJCTで宮崎自動車道は終わり、九州縦貫自動車道を熊本方面へ北上します。
えびのPAあたりで右手を見上げると山を周回する高架橋、えびのループ橋が見えました。
あちらは国道221号で、山を一周半することで距離を稼いでいます。
一方で九州縦貫自動車道は、加久藤トンネルによって山を貫きます。
トンネルの長さは6255m、日本で6番目の長さを誇る高速道路トンネルです。
ここが開通したことにより、青森から鹿児島まで高速道路で繋がりました。
トンネルが県境となっており、熊本県へ。
トンネル内に県境の表記は無かったと思いますが、看板が出ている通り熊本県人吉市です。
国道221号については熊本県側でも人吉ループ線があって、高いところまで登ってトンネルの距離を短くすることで山を越えています。
並行してJR肥薩線が通っているのですが、左手の山には大畑駅があるはずです。
より勾配に弱く明治時代に建設された鉄道では、ループ線に加えて進行方向を2回変えるジグザク走行(スイッチバック)によってここを越えていました。
そんなJR肥薩線の線路が見えてきましたが、令和2年7月豪雨に伴う球磨川氾濫で被災し、吉松〜八代は運転見合わせ中。復旧の見込みも立っていません。
人吉市をはじめとして多くの集落を襲った球磨川。今は綺麗な川のせせらぎが聞こえてくるようですが、日本三大急流のひとつとして表情を変えます。
また、球磨川に沿って走っていたくま川鉄道も被災し、現在でも人吉温泉駅〜肥後西村駅で運休中です。橋梁流出の大きな被害を受けており、2025年度の復旧を目指しています。
完全に山に囲まれる中、ぽっかり空いた人吉盆地。
人吉ICを降りまして、料金所の外まで出てきました。
そのすぐ近くに設置されているのが、人吉ICのバス停です。温泉街を思わせるレトロなデザインに整えられています。
人吉市の玄関口として完全に定着しており、5人以上は乗車されました。逆に言えば鉄道利用は低迷してしまい、高速道路の強さを思い知らされます。
再び九州縦貫自動車道に入りまして、淡島トンネルを通ります。球磨川に沿って走るJR肥薩線に対し、こちらは山を貫く異なるルートです。
トラス橋を見るとどうしても鉄道と思ってしまう病、こうして俯瞰できるのが素晴しいですね。今こういう風に走ってるんだって実感できます。
こちらは肥後トンネル。長さ6331mに及び、今度は日本で5番目に長い高速道路トンネルになります。
坂本PAを通過しました。
この先トンネルを抜けて球磨川を渡るところで、JR肥薩線と交差します。
少しだけですが被災状況を見られる場所。
現在は部分的にアスファルトが敷かれて、災害復興の道路に転用されています。
観光列車で非常に人気だった路線、今後復活の見込みはあるのでしょうか…。
最後に長いトンネルを抜け、八代平野までやってきました。
八代ICを降りまして、自動車専用道からお別れです。
そしてすぐに九州新幹線の高架橋が見えてきました。
ICから新幹線駅が近く、新八代駅が八代市街地から離れていることにより、渋滞の影響が小さいからこそ、高速バスと新幹線をセットにできるのだと思います。
新八代駅には定刻よりやや早めの到着。ダイヤ上の所要時間は2時間23分でした。
16:14 新八代駅 着
駅の目の前に停車しまして、乗り換えも非常に便利です。
高速バス単体で乗車することも可能、ここから在来線の鹿児島本線に乗り換えもできます。
今回の乗り継ぎでは、さくら566号に接続していました。15分くらい時間はあるので、それなりに余裕はもったダイヤが組まれています。
今度は残ったきっぷを自動改札機に通します。
改札内の案内にも宮崎方面高速バスの案内があって、JR九州としても宮崎への乗り換え駅だと認定されています。
16:31 新八代駅 発
さくら号は山陽新幹線に直通する種別、鹿児島中央駅から新大阪駅を結びます。
指定席は2+2で、新幹線の中でも特別快適な座席が使用されています。
当然ですが高速バスとはレベルが違う快適性。こんな列車で宮崎までいけたら素晴らしいでしょうね…。
こちらは窓側にのみコンセントが備えられています。
将来的にN700S型の車両が入れば、全席に付くことでしょう。
九州新幹線は整備新幹線のため、260km/hでの運行。
東九州新幹線ができたとしても整備新幹線としての開業なので、引き上げが無ければ博多〜小倉を除き260km/h運転です。
16:41 熊本駅 着
宮崎からの所要時間は2時間50分で、熊本駅に到着です。宮崎駅〜熊本駅の高速バスなんぷう号では3時間43分のため、新幹線の効果はかなり大きいものです。
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旧国鉄は両都市間を鉄道で結ぼうとしていましたが、2本とも未成に終わりました。高速道路と九州新幹線によって、十分早く移動できるようになったと思います。
熊本駅を出発してしばらくすると、右手に熊本城が見えてきます。
建物の向こう側ですぐ隠れてしまうので、かなり注目していないと難しいです。
新玉名駅、新大牟田駅を通過しまして、福岡県に入りました。
久留米駅に到着しました。
ここからは日田駅、由布院駅を経由して大分に至る、久大本線が分岐します。
東九州新幹線については大分県が実現を目指しており、日豊本線ルートではなく久大本線ルートの検討もはじめています。
ものの数分で新鳥栖駅に到着。
ここからは西九州新幹線が分岐する想定で、新幹線駅が設置されました。2022年秋に開業した武雄温泉〜長崎へは、ルートも決まっていない段階です。
山陽新幹線の車両基地、博多総合車両所を横目にまもなく博多駅です。
17:21 博多駅 着
宮崎駅から博多駅の所要時間は3時間30分、在来線特急にちりんシーガイア号では5時間24分で、JR九州が高速バスを勧めるのも納得です。
また、東九州新幹線が大分経由で開業した場合、博多〜宮崎の所要時間は1時間35分と推定されています。
費用負担の大きさなどは別にして、改めて新幹線の強さを思い知らされました。
ぜひ博多から宮崎へ向かわれる際には、新幹線と高速バスの合わせ技を利用してみてください。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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