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【米子駅新駅舎 がいなロード開業】山陰最大のターミナル駅が新しくなりました![2307米子(3)]

2023年7月29日

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鳥取県第二の都市であるとともに、山陰地方の鉄道拠点である米子駅。

かつては鉄筋コンクリート造りの立派な駅舎が立っており、国鉄情緒を体現する存在でした。

一方で、線路で分断された南北の一体化が叫ばれるように。1997年に南北自由通路による新駅舎建設計画が立てられました。

 

2020年9月、旧駅舎は57年の歴史に幕を下ろし、新駅舎建設に向けた工事が進められます。

 

そして本日、南北自由通路「がいなロード」を備えた、新駅舎がオープンしました。

山陰地方における鉄道の拠点である米子駅が新しくなるのは、とてつもなく大きな出来事です。地域密着の魅力が詰まり、新しく駅ビルまでできた姿をご覧ください。



こちらは仮駅舎による営業最後の夜です。翌日の新駅舎開業に向けた準備の様子を見てみます。

白く照らされたオブジェを境に、左側が仮駅舎。

右側のガラス張り新駅舎には光が立ち込めており、まるで既に供用開始しているようです。

 

新駅舎に併設する形で、駅ビル「シャミネ米子」もオープンします。

 

仮駅舎から少し離れたところで営業していた、セブンイレブンハートイン・おみやげ楽市。こちらもシャミネ米子へ移転のためお休みでした。

 

夕方には各店舗かなり急ピッチで準備を行っていましたが、最終列車が近くなった時間帯では流石に静かです。



明日には閉鎖されていると思われる、仮駅舎へ。

ここ2,3年訪れる機会が多かったため、仮駅舎で馴染んでいたのですが、正面に見える明日からの階段がワクワク感を高めてくれます。

 

自動券売機は最小限にまで撤去され、夕方には1台ずつ残っていた、みどりの券売機と近距離券売機が無くなっていました。

これらは新駅舎の方へ移設されています。

 

「☆☆☆本日の運転は終了しました☆☆☆」が流れるようになり、いよいよ地上改札最後の時が近づいてきます。

 

夕方まであった自動改札機も、最低限だけ残して新駅舎の方に移されています。



入場券で改札内へ入ってきました。

こちらは既に使用されている中跨線橋、柵の向こうに新駅舎の改札内コンコースが見えており、明日からここを通れるようになります。

改札の場所が橋上駅舎に移る以外、特に動線は変わりません。

 

新駅舎営業開始に伴い、1番のりばに停車の列車は、乗車位置が中跨線橋エスカレーター付近に変更されます。

 

既に今日の運行を終えた「スーパーおき・まつかぜ」「サンライズ出雲」の、新しい乗車位置案内が貼られていました。

 

新しく発車標も設置されるようで、調整中の紙が貼ってあります。

 

出口の場所が変わる為、ホーム床に貼られたシールを外す作業が行われていました。地上改札へ向いた出口の看板も、明日には無くなっているはずです。

 

最終の特急やくも29号が到着。改札を入って直接乗り込めた特急列車、それも今日でおしまいになります。



中跨線橋からは「がいなロード」を覗き見ることができました。

明日記念式典が行われるようで、テープカットなどが見られます。

 

新駅舎建設に伴い作られた中跨線橋に対し、こちらは国鉄駅舎の雰囲気を残してくれている昔からの乗換え跨線橋。

今回の新駅舎開業の影響は受けずしばらく残りますが、今後新しくされるように思います。

 

23:41過ぎ、米子駅に最終列車が到着しました。

 

松江で飲んで帰ってきたサラリーマンに紛れ、改札外へ出てきました。

自動改札機からきっぷの回収などが行われており、新駅舎の改札へ移設するのでしょう。

 

駅前で野宿されている方もいらっしゃいましたが、さすがにそこまではせず、おやすみなさい…。



おはようございます。

まだ暗いですが朝早い始発列車が来る前に、新しい米子駅へ来ました。

4:15、周りを囲っていた柵が撤去されていき、米子駅新駅舎がオープンしました。一体どんな駅になっているのか、早速見てまわりましょう。

 

今回開通する南北自由通路は「がいなロード」と名付けられました。「がいな」とは鳥取の方言で「大きな」「巨大な」を意味します。

米子市により整備されたため、米子市章が付されていました。

 

2階へ登るエスカレーターの向こう側、こちらは1階の北口お手洗いです。

最初に見るのがお手洗いかって言われそうですが、古き良き街並みを思い起こすようなデザインになっているそう。

 

米子市は江戸時代初期から商都として発展してきました。それにちなんで石垣風の壁面や和風模様など採用されており、目にするだけで非常に魅力的に映ります。

 

ここから南北自由通路や改札へ向かう、エスカレーターを登ります。

「顔や手を手すりの外に出したらいけんよ。危ないけん。」と、米子弁での注意喚起が流れていました。



ユニークな放送を耳にしながらエスカレータに連れられ、改札階へ登ってきました。

非常に明るい南北自由通路が広がっており、その一角には「やくもラウンジ」と名付けられた待合室があります。

 

2024年春以降、特急やくも号には273系新型車両が導入予定です。

イメージ図で車体にあしらわれていたシンボルマークが、衝突防止マークに採用されています。

 

そのシンボルに腰掛けているピクトグラムも、なんだかクスッとなります。

 

この待合室も、273系新型やくも、WEST EXPRESS銀河と同じく、株式会社イチバンセン(川西康之デザイナー)が手掛けており、まさに見慣れた室内空間です。

 

カウンターにはコンセントが備わっており、机上ライトの穏やかな光が落ち着きます。

 

カウンター席とベンチによって構成されており、家具には鳥取県産の智頭杉を使っているとのこと。

家具のひとつひとつが新型やくもを連想させるデザインです。

 

カウンターに面したガラスには、中国地方最高峰の大山をデザインしたシートフィルムが貼られています。

 

これは旧米子駅改札上に、1963年から掲げられていた陶板レリーフを再現したもので、3Dスキャナにより記録してここに表現されました。

 

2階からは駅前を見下ろす初めての景色。

米ッ子合掌像を中心に真っ直ぐ伸びる駅前大通り、そこに立ち並ぶ居酒屋さん等、魅力的に映ります。

 

こういったガラスに沢山付けられている衝突防止マークですが、そのうち6個だけ米子駅を発着する列車のヘッドマークになっています。これは是非見つけてみたいですね。



券売機はみどりの券売機が2台、追加で新たにみどりの券売機プラスも1台導入されました。

路線図が真ん中だけの掲示で、空白っぽくなっているのがちょっと気になりました。

1枚だけしか貼らないなら真ん中ではなく、近距離券売機の上にした方が見やすくて良い気もします。

 

みどりの窓口は1つに削減され、今後窓口自体廃止されてもおかしくないと思える規模感です。営業時間は6:10〜20:00から6:45〜19:30に変更されました。

自動改札機は仮駅舎から移設された一方、発車標は新設されています。



がいなロードの開通は10:30で、これより南側はまだ行けません。

昨夜も跨線橋から見られましたが、記念式典の準備が整えられています。

 

改札正面には土産店「おみやげ楽市」があって、シャミネ米子2階が位置しています。

 

このほかJUPITERとコクミンが入居しており、おみやげ楽市より奥にあるみたいです。今日は11:00開店なので、それから見に行ってみましょう。



4:35くらいに買えるようになった近距離券売機で入場券を購入し、改札内へ入りました。

改札から進んで左手にある改札内お手洗い、その前に設置された目隠しを兼ねるベンチに目が付きます。

 

がいなロードの外観をモチーフにしており、鳥取県産の杉材で組まれているそうです。

 

黒い座面には弓ヶ浜地方の伝統的工芸品「弓浜絣」が敷き広げられており、鳥取県固有の酒米「強力米」をあしらっています。

 

改札内トイレには新型やくものボディカラー「やくもブロンズ色」があしらわれており、シート柄も採用されています。

 

こちらは多目的トイレで、黄緑色のライン。

女性トイレは見られていないので分かりませんが、おそらく黄色い柄が採用されていそうです。特急やくも号乗降前後でも、米子駅はシームレスに結びつけてくれます。



新駅舎と従来から使われていた中跨線橋が接続する形で、各ホームへ降りることができます。

ホームと発着路線が対応していないようで、「0・1・2・3・4・5」と数字の羅列に迎えられました。

 

現在、改札から0番線に向かう動線が遠回りなのですが、0番線へ直接向かう階段が新設されるようです。

伯備線、山陰本線(米子以東)、境線のラインカラーを連ねた入口っぽいところが、それを予感させます。

 

昨日は柵で通れなかったところが、ちゃんと繋がっています。

こうして見ると中跨線橋と比べ、新駅舎の明るさが際立っていました。

 

階段を降りるところにあった出口の表示が無くなり、大きく0と1が書いてあります。

 

昨日は調整中だった発車標が使用開始されました。

 

0番線ホームは階段を降りて背に向かって歩く必要があるため、発車標では見慣れない矢印が書いてあります。

 

1番線において特急やくもは光る乗降位置案内が導入され、一気に現代らしさがなだれ込んできました。



ホーム上にあったお手洗いは閉鎖、先ほどご紹介した改札内トイレに統一されています。

このあたりには先程言及した、コンコースから0番線ホームへ降りる階段が整備されるようです。

 

昨日までの改札へ続いていた通路には柵が設けられ、出口を示す黄色い看板は骨だけになっていました。

 

この通り自動改札機は完全に撤去されています。広告なども新駅舎へ移し替えられたようです。

 

乗車位置が中跨線橋の階段寄りに変わった最初の普通列車を見送ります。



発車標の「A山陰本線倉吉・鳥取方面」からは、「京都方面」が無くなっていました。

WEST EXPRESS銀河が運行開始した今、京都行きは特急やくも岡山行きと同じ伯備線の発車標に表示されるため、「京都方面」と「伯備線」どちらが優先されるのか混乱するためと思われます。

 

シャミネ米子で午前5時に開店したセブンイレブンハートインでは、オープンセールを行なっていました。

5:00〜24:00の営業なので、始発やくも2号発車前、最終列車で到着しても買い物ができます。

 

続きは日が昇り切った頃。がいなロード開通と、シャミネ米子オープンを楽しみにしましょう。



朝10時すぎ、明るくなった米子駅前です。

駅前のだんだん広場ではイベントが開催され、新駅舎のオープンに湧いています。

 

昨日までの仮駅舎では、ICOCAの布教や、お子さんの駅員制服体験など行われていました。

 

みどりの窓口跡はシャッターが下され、からっぽの空間です。

 

改札跡にはボードが置かれる一方、発車標はそのままでした。一晩での移設は難しかったのでしょうね。



それではいよいよ開通する、南北自由通路がいなロードへ。

スタッフの方から団扇をいただきました。

あの重厚さを持った米子駅は無く、スタイリッシュな新時代へ入ったのだと、プロモーションからも感じます。

 

テープカットのオープニングセレモニーが終わりまして、ステージの撤去作業が行われているところ。南北それぞれにはここを渡ろうとする方々で大混雑です。

 

そして午前10:30、がいなロードが開通しました。

自由通路は全長約140m、幅約6mで24時間通行可能です。自転車を押して歩くこともできます。

 

ガラス張りの箱が線路を越えており、米子のシンボルとも言える鉄道拠点を一望できます。

 

これまで10分かかっていた南口まで、自由通路開通により1分で到達できました。

米子がいな竿燈により迎えられ、まさに地元の方々にとってお祭りです。



南口を見るのはこれが初めて、こちらの方がシックな雰囲気を感じ取れました。

駅外観コンセプトは「豊かな自然にはぐくまれた文化を象徴する駅」。伝統文化を受け継ぐ次世代の商都を込めています。

 

こちらは南口お手洗い。

加茂川沿い土蔵屋敷の繁栄を元に発展した、近代商都米子の歴史を感じとれます。

 

現代に残るレンガ調の建物と、温かみのあるガス灯をモチーフにしたとのことです。

 

階段の高欄には、米子から見る大山をイメージした断面があしらわれています。

かなり細かいところなのに、こだわりあっていいですね。



北口へ戻りつつ、がいなロードのデザイン性と、そこから見下ろせる駅や車両基地の様子を見てみます。

米子駅の方を向きますと、車両整備も行えそうな留置線が置かれていました。

国鉄時代からの跨線橋が残る駅ホームも、ここからなら斜めに俯瞰できます。

 

ここは車両基地の正面と言ったら良いのでしょうか。線路が次々別れていって、カラフルで個性的な列車が並んでいると、魅力的に映るものです。

 

がいなロードの天井や壁には鳥取県産の智頭杉が使われており、その中でも一面囲われているのが智頭杉パネル。



四季を通じて寒暖差が激しい気候風土、伝統的な育林技術により、木目が緻密で全国的にも評価の高い上質な木材です。

天然の木には「節」が必ず存在しており、これは木材の弱点になります。そこで人工的に丸くくりぬき、別の木を埋める「埋木」が行われます。

かなり見つけるのが難しいですが、がいなロードの智頭杉に施された埋木の中には、米子市のイメージキャラクター「ヨネギーズ」の埋木もありました。



中間部分には展望スペースも設けられました。

弓浜絣・強力米ベンチが設置され、併設された車両基地を眺めることもできます。

 

駅ホームと車両基地の境界真上あたりに位置しており、列車の入線や入換などいろんな動きを楽しめそうです。

 

反対側の展望スペースからも機関車や旅客列車の留置場所があるので、どちらにも魅力があります。



いよいよ米子駅で開店する、シャミネ米子へ。

シャミネは山陰地方の主要駅にある駅ビル。

「シャミネ」は「shamrock(三つ葉=幸運)」と「mine(私の)」を組み合わせた造語で、「幸せな私」という願いが込められているようです。

 

2階の改札前でオープニングセレモニーが行われ、11:00に開店しました。

 

おみやげ楽市の営業時間は6:45〜20:00、かなり朝早くからの開店で驚きです。

 

シャミネ全店舗に入居しているジュピター、突き当たりにあるドラッグストアのコクミンの営業時間は10:00〜20:00になります。

 

旅行者にとってドラッグストアは助けの源。駅にあると助かるお店の上位ですね。

 

下へ降りてきまして、パン屋さんのリトルマーメイドは営業時間7:30〜19:30。

朝ここに寄ってから会社や学校へ行く、都会的通勤通学を気軽にできます。

 

飲食店としては1店舗、仙台名物炭焼牛たん東山が入居しました。営業時間は11:00〜22:00で、夜ご飯として食べに来られます。

どのお店もかなり便利な営業時間で、ぜひ利用したくなりました。

 

米子国際観光案内所が新駅舎構内でリニューアルオープンし、米子城がかなり推されていました。レンタサイクルの貸し出しなども行なっているようです。



新米子駅のホームページには、「ワクワク、ドキドキ。新しいドラマは米子駅から」のキャッチコピーがあります。

これは国鉄時代からの米子駅跨線橋に書かれた、「海、山、旅のドラマは米子駅から」のオマージュと思われます。

 

いつかは無くなってしまう、レトロな旅の発着地。

あの国鉄駅舎がいなくなって寂しいものでしたが、それを払拭するほどの素敵な新駅舎です。

 

新しいドラマを生みに米子駅へ、是非いらっしゃってください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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