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【9月末廃止】胆振線代替バスでまもなく途切れるルートを乗ってきた[史上最長片道切符の旅]

2022年9月28日

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おはようございます。こちらは洞爺湖の南に位置する伊達紋別駅です。

白壁に茶色の柱を用いた城下町感がある駅舎デザイン。宮城県の亘理伊達氏が入植したことから、伊達市の名前が付けられ、市街にも和風デザインの建物が見られます。

 

さて、ここ伊達紋別駅からはかつて胆振いぶり線という路線が伸びていました。室蘭本線の伊達紋別と函館本線の倶知安駅を結んでいたのですが、1986年に廃止されています。

 

現在は道南バスによって路線バスが並行する胆振線。しかし、このルートは9月末をもって途切れてしまいます。

 

今回廃止されるのは大滝〜喜茂別きもべつ。この間が分断されてしまいまして、胆振線をバスでも辿ることができなくなるのです。

今日は伊達紋別駅からの倶知安行きバスに乗車しまして、胆振線バスの旅を楽しんでみましょう。



こちらは伊達紋別駅の改札内、前日に撮影したものです。

駅舎に面する3番線に隣接した、行き止まり式のホーム。胆振線はここから長万部方面へ向かって発車していました。

 

一番左の胆振線ホームは旧・0番のりば。そこから1,2番と続いていました。

しかし、現在は駅舎側から3,2,1と続いていまして、通常駅舎側から番号が付されるのに対してここは違います。

 

駅舎から右に曲がった先に、バスが停車中。倶知安行きを示す路線バスに乗車しましょう。



10:50 伊達駅前 発

左手に駅舎を見ながらロータリーを回って、伊達市街に出ていきます。

 

行き先は倶知安駅前、ここから長い路線バスの旅が始まります。

 

伊達市の中心部を走っているということで、お客さんもまあまあといった所。短距離需要が大きそうです。

 

左手には伊達市役所が見えてきました。

入り口の柱では両方に『伊達市役所』と書かれていて、荘厳な雰囲気が漂います。

 

城下町を模したデザインの町並み、和風建築が多く見受けられました。

 

イオンやロードサイド店舗が集中するのを横目に、バスは西へ向かいます。



胆振線は室蘭本線から長万部方面へ向かって分岐。

バスは北へ向かってきた廃線跡の上を越えていきます。どうやらサイクリングロードになっているみたいです。

 

バスも北に向かって、国道453号を走り内陸へ。

 

立派な道央自動車道の高架下を潜ります。

 

最初の上長和駅跡周辺を通過。

まだ続いているサイクリングロードが奥にありまして、上長和休憩所として整備。模擬ホームが築かれています。

 

サイクリングロードとして整備されているのは、胆振線の分岐点近く、ふたば保育所から5.4kmほど続きます。バスも山深くなってきました。



伊達市から壮瞥そうべつ町に入っています。

町内には有珠山がありまして、ロープウェイへ向かう道路も整備。

 

壮瞥駅跡は、壮瞥町役場になっています。

北海道らしく土地を贅沢に使った、2階建ての平べったい建物です。

旧駅舎は日テレ『さよなら大放送 おもしろ国鉄スペシャル』でオークションに掛けられ、奄美大島の奄美アイランドに移設されました。2010年の水害と土砂災害で損傷しましたが、現在は修理されて保存されています。

 

壮瞥駅は急行いぶりの停車駅でした。

ここ急行いぶりは結構面白い運行で、札幌から千歳・東室蘭を経由した後胆振線に入り、倶知安へ抜けたら小樽経由で札幌へ戻る。環状運転が行われていたのです。

 

廃線跡は左手に続いているはずですが、バスから見ることは難しいです。

 

左手奥の少し高くなっているところが、久保内駅跡。駅跡は特に残っておらず、住宅ができています。

 

バスはますます山の中へ。この辺りにはガーター橋が残っているそうですが、バスから見ることは難しいです。

 

川の向こうにあるのが蟠渓ばんけい駅。林の中に2面2線のホームが残っているそうです。

この辺りは温泉街になっておりまして、小さな旅館もありました。



そんな中でも立派なのが、緑の風リゾートきたゆざわ。

川の色も温泉って感じです。北湯沢駅跡地に立てられておりまして、玄関には駅跡地を示す標があるとのこと。

 

この辺りから8km程、胆振線を活用したサイクリングロード平成ふるさとの道が始まります。

壮瞥町から再び伊達市に入っているのですが、伊達市は鉄道遺構を活用する方針のようです。

 

優徳駅はセイコーマート大滝店辺りに位置していました。それらしき跡は見当たりません。



この辺りの地域は、伊達市大滝区とされます。

伊達市は壮瞥町と大滝村と共に合併する予定で、合併協議会を開催していました。しかし、壮瞥町が反対の立場を取ったため2004年12月に解散。伊達市と大滝村で協議会を再開し、2005年3月に合併しました。

壮瞥町を間に挟む形の、飛び地合併です。

 

少し開けてきまして、先程触れた廃線跡のサイクリングロードが見えてきました。

 

このように橋の部分も、欄干が付けられて活用されています。

 

住宅が増えてきまして、大滝村の中心部へ。

旧王滝村役場は伊達市大滝総合支所になりました。



大滝バス停に到着。

ここで5分程度の休憩です。この先も乗っていくのは、同業者らしい方1名と、生活利用者1名のみでした。

 

いよいよここから先が、バスの無くなってしまう区間です。

 

右手に見えてきたのは、大滝村立大滝小学校跡。

2003年に優徳小学校・北湯沢小学校と統合して、伊達市立大滝小学校に移転開校しました。

 

黄色い北欧風の建物は、大滝地域活性化交流センター。その奥が新大滝駅跡で、平成ふるさとの道公園として整備されています。

 

バスは丁字路に突き当たりました。ここまで走ってきた国道453号は右へ続きまして、千歳市の支笏湖方面へ向かいます。

 

このバスは倶知安方面へ向かうため左折。国道276号に入ります。

 

胆振線もこの辺りで西へ90度曲がっていました。

 

しかし胆振線に沿う道路はこれからバスが走る主要道ではなく、左へ抜けるこの道です。

 

この先にある美園までは道南バスが来ていましたが、2014年秋をもって全廃。

現在は喜茂別町営バスの御園・金山線が、喜茂別町市街まで結んでいます。

 

別れていった道路が合流する付近が、北鈴川跡です。

 

正面には羊蹄山が見えてきました。函館本線山線から見るのと、反対側からの景色ですね。

 

右側には盛土がありまして、廃線跡らしき痕跡に見られました。

 

おそらくこの川も鉄橋で渡っていたのでしょう。



喜茂別町の中心市街地に入りました。

道の駅ならぬ、郷の駅ホッときもべつの横を通過。クジラみたいな形をしています。

喜茂別駅があったのはちょっと外れ。

現在は一軒家が立ち並び、遊具が置かれたミニ公園的なのがありました。

 

喜茂別から先は、今後もバス路線が維持される区間です。やっぱり大滝から喜茂別の峠越えというのが、需要の小さすぎる区間ということですね。

 

ぽつぽつと畑の中に立つ家を見ながら、留産駅跡を通過。



国道276号に復帰しました。

喜茂別の中心部からは札幌に繋がる国道230号があって、多少遠くても札幌まで車で1時間20分ほど。大きな買い物なら倶知安を選ばなくても、十分行ける距離感です。

 

大きな葉っぱが茂る畑、夏の北海道って感じがしますね。

 

貨物のコンテナがおいてある家もあって、多少ながら鉄道に関係する残り物を見られて嬉しくもあります。



羊蹄グリーン病院の辺りが、南京極駅の跡地です。

伊達紋別駅から乗ってこられていた地元の利用者さんは、ここ川上温泉のバス停で降りていかれました。

夏休み期間でありながら、廃止される区間を乗る普段使いの方がいらっしゃるとは、ちょっと驚き。

 

左手には、喜茂別町東のフレ岳から倶知安ニセコを抜けて日本海へ流れる尻別川。何度も日本一の清流に選ばれています。

京極町は水が有名で、セイコーマートで京極の名水やコーヒーが売っていました。

 

住宅が増えてきまして、京極町の中心部を走っています。



京極バスターミナルに到着。

商工会館が入居していて結構大きな建物。それでも窓口は無いようで、待合室だけに留まっているみたいです。

 

正面には京極町役場があって、メインストリートはここになります。人口は2941人(2020年)、胆振線沿線はかなり小さい自治体ばかりです。

 

そんな京極町と言えば、一番有名なのが京極プリンです。名水を使った珈琲店で、トロトロのつやごしシリーズは非常に人気。ぜひともここで食べてみたいですが、通販もしているとのこと。

 

その近くにある公民館の反対側が、京極駅跡。現在は農業協同組合の倉庫になっています。

京極駅からは胆振線の脇方支線が分岐していました。終点の脇方駅には鉄鉱石の鉱山があったのですが、閉山に伴ってひと足早く1970年に廃止されています。

 

左手にとっても綺麗な花壇が見えてくると、寒別駅跡周辺です。

 

エメラルドグリーンの壁をした右の建物は、官舎だったもの。相当年季が入っていますが、北海道では現役の路線でもこのレベルの建物が残っているので、どこか親しみが持てました。

 

ここから倶知安駅近くのメルヘン通りまでは、一切カーブが無く一直線!

全く障害物もなくて、開放感が凄いですね。



ここからはとにかく羊蹄山を眺めるだけ。

函館本線だと山の中からで、開けたところからの羊蹄山はあまり楽しめません。本当は羊蹄山から見られたら良かったでしょうが、あんまり贅沢は言わないようにします。



参郷駅跡周辺を通過した後、廃線跡は左側から右側へ斜めへ交差していきます。

映っていませんが、新しめの建物である本田興行株式会社より奥の方へ。

 

だいぶ倶知安の町中に入っていて、新築の一軒家まで建っています。これまでの道中からすると正直信じられない光景ですね。

 

石造りの倉庫の奥には、六郷駅跡の六郷鉄道記念公園が整備。胆振線で活躍した客車と緩急車が保存されています。

 

メルヘン通りへ続く道路を左に曲がりまして、長かった直線区間もここで終わり。

 

そしてバスのアナウンスも倶知安駅前と放送を始めました。



13:14 倶知安駅 着

駅前では北海道新幹線を歓迎する看板が掲げられていました。

 

伊達紋別駅からの所要時間は2時間20分。北海道の路線バスならよくあるかな位の距離感ですね。

 

道南バス乗り場を案内する、塗装が剥げてきた看板。ここから伊達駅前や大滝の文字も無くなってしまうんですね。



近くのコープさっぽろから、倶知安駅周辺を見てみます。

余市方面に向かってカーブしていく函館本線、胆振線はカーブし始め辺りで右手に曲がっていたそうです。

 

北海道新幹線の駅舎や高架橋建設工事のため、2021年10月末をもって線路とホームが移設された倶知安駅。現在はかつて使われていた線路の、撤去作業を続けているところでした。



胆振線が発着していたのは、駅舎に面した1番のりばです。

こちらは結構綺麗に残っている様子でした。観光案内の看板すら外されていません。

 

旧ホーム時代、跨線橋から撮影した写真がこちらです。胆振線廃止後は一切使用されず、線路も撤去されていました。

 

函館本線が使用していたのは2,3番線だけ。

本来なら跨線橋を渡らずに済む1番線を活用した方が良さそうですが、信号設備の関係なのか、そうはしなかったんですね。

 

その2,3番線ですが、解体工事がどんどん進んでいる様子でした。

 

駅舎からは架設通路が設けられていまして、新1,2番線ホームへ繋がっています。

 

非常に新しいホームですが、長万部〜小樽は北海道新幹線開通により廃止が決定。9年ほどで役割を終えることになります。



14:10 倶知安駅 発

倶知安駅始発の列車は、行き止まりになっている1番線ホームからの出発です。

 

真正面には胆振線から見えていた羊蹄山。蝦夷富士と呼ぶには丸みを帯びたシルエットが特徴的ですね。

 

函館本線の長万部から北は山線と呼ばれており、ここから勾配がキツくなってきます。

 

小沢駅からは岩内線が分岐していて、駅舎に面する1番線ホームから発車していました。倶知安駅と同じ感じですね。

 

小沢駅前の伯洋軒さんではトンネル餅という名物を売っていました。

「すあま」のようで、優しい甘さが特徴的なお餅。名物だったのですが店主の方が病気になられ、現在は閉店しています。

 

トンネル餅は今走っている稲穂トンネル開通を記念して、和菓子職人・西村久太郎が売り出したのが最初でした。

函館本線の歴史も詰まっていた名物のひとつ。ぜひ残っていてほしかったですが、お身体のためには仕方ありません。



ぐんぐん峠を登っていった頂上が、銀山駅です。

ここでは多くの普通列車が行き違いを行います。

 

銀山駅から先では、比較的軽やかな走行に一変しました。

 

仁木〜余市では果物の栽培が盛んで、広々とした果物畑を一面に見ることができます。



ニッカウヰスキーでも有名な余市駅に到着。

函館本線の存廃議論において、余市〜小樽の存続に尽力していた余市町。残念ながら鉄路存続は叶いませんでしたが、現状見るとやっぱり利用者さんは多いです。

 

僅かながら日本海を見まして、カーブが連続する小樽市西部を走ります。

 

住宅街をやや見下ろすような格好で、小樽市の中心部へ。



15:26 小樽駅 着

レトロチックな雰囲気が残る、改札に一番近い4番線ホームに到着。俳優の石原裕次郎がロケで降り立ったことから、2003年に裕次郎ホームと命名されました。

 

胆振線からDECMOが走る函館本線へ。まもなく廃止というタイミングでこのルートを辿ることができました。

胆振線の目的は鉄道による室蘭から小樽への短絡でしたから、路線バスによる峠を越えた行き来需要を拾うのは難しかったでしょう。残念とは思いつつも路線バスの役割を考えたら自然なことで、十分普通のの流れかなと思いました。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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