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【北海道最古の鉄路】JR北海道の大幹線・札幌近郊路線からスタート[史上最長片道切符の旅(82)]

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明治時代、ニシンや石炭の取り扱いで発展した小樽市。沢山の労働者が集まり、札幌より人口が多い時期もありました。

倉庫が立ち並ぶ小樽運河は、港の埠頭整備により役割を終えていきます。

産業の衰退や苫小牧港へ機能が移ったことによって一層寂れましたが、半分を遊歩道として埋め立て、現在では多くの観光客を集めています。

 

1880年には幌内〜札幌〜小樽で官営幌内鉄道が開通。道央の石炭を小樽港まで輸送するルートが形成されました。

 

のちに手宮線となった小樽市内の路線は、北海道最初の鉄路。その廃線跡が散策路として残されています。

遂にゴールへ向かう史上最長片道切符の旅、最終章はそんな小樽市からスタートです。



JR函館本線の小樽駅へ来ました。

上野駅を模したデザインで、旅の起終点らしさがあります。

 

駅舎内に入りますと、大正レトロ的なノルタルジックな雰囲気を感じられます。

駅には100個以上のランプが飾られているのですが、これは小樽駅建設当時の駅長が小樽の特色を出そうと北一硝子に要望。そこから寄贈されたのが始まりです。

 

最初に乗車するのは、札幌駅から快速エアポートになる新千歳空港行き普通列車です。

 

小樽〜札幌は普通列車なので、uシート車両は無料で利用可能。非常にお得ですが、折角なら普通列車でも指定料金取ったら良いのにと思ってしまいます。



7:26 小樽駅 発

裕次郎ホームと愛称付けられた4番線ホームを横目に発車。1978年5月、石原裕次郎がNHKのロケで降り立ったことが由来です。

 

厚く雪の積もる小樽市街、レトロな駅舎のイメージと異なり小樽駅周辺は高架線であり、高いところから市街地を見渡せます。

 

南小樽駅には北海道新幹線新小樽駅の看板が貼られています。新小樽駅は南小樽駅から南へ3.5km、新幹線単独駅として設置予定です。



小樽築港駅を過ぎると、函館本線は海のすぐ横を走り始めます。

これがまた素晴らしい景色で、札幌〜小樽という通勤路線で見られるとは信じがたいです。日本で一番絶景の通勤路線かもしれません。

 

銭函駅という金の亡者を自称する駅を過ぎると、だんだんお客さんが増えてきました。土休日でもuシート車両内に立ち客が出るほどで、JR北海道で唯一儲かる路線なだけあります。

 

稲穂駅周辺には車両基地が置かれていて、手稲〜札幌では261系気動車の送り込みを兼ねた100円で乗れるホームライナーが設定されています。

ただし、これも2023年春のダイヤ改正で全車指定席へ変わって、実質値上げが行われます。

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(注意)2023年3月20日より乗車方法が変更になりました。変更後についてはこちらの記事をご覧ください。 今日は函館本線手稲駅に来ています。 これから乗車するのは、札幌圏で走っているホームライナーです ...

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その手稲駅前には立派な高層マンションが目立っていました。

JR北海道は不動産業にかなり力を入れており、札幌近郊の人口増加と輸送増強を見込んでいます。



8:13 札幌駅 着

札幌駅でほぼ完全にお客さんが入れ替わる状況で、階段付近は大混雑します。快速エアポートは1時間に5本の高頻度で設定されていますが、新千歳空港の需用の大きさはとてつもないものです。

 

札幌駅は超高層ビルのJRタワーを携えた、大きな壁のような駅舎です。北海道の中心都市にふさわしい外観で、北国らしい落ち着いたデザインとなっています。

 

ここ札幌駅には、2030年に北海道新幹線が来る予定。現在その工事が進められている最中で、2022年10月に11番線ホームが供用開始しました。

 

まるで新駅のような真新しい見た目。発車標やホーム等がピカピカで、同じ札幌駅には思えません。



8:36 札幌駅 発

札幌〜白石は北海道で唯一の複々線区間です。現在走っているのは函館本線ですが、ほぼ同時に千歳線の普通列車も発車しました。

 

この区間ではいわゆる並走バトルが発生し、例えば函館本線の特急が快速エアポートを追い抜く光景が見られます。

 

今回は同じ種別の普通列車同士で、苗穂駅、白石駅と各駅にほぼ同時の停車。追い抜いても駅停車中に結局追いつかれます。

 

千歳線普通列車は札幌貨物ターミナルに併設する平和駅に停まるので、ここで完全に振り切ることとなりました。



札幌のベッドタウンとして人口が増加する江別市に入りました。

特に野幌のっぽろ駅は江別駅よりも利用者が多く、2011年には高架化が完了しています。赤色が多用された近代的デザインは、姉妹鉄道のデンマーク国鉄と共同で行われました。

 

凍てつく川は雪原と化しており、渡ることを許された小動物の足跡が可愛らしいです。



9:20 岩見沢駅 着

札幌通勤圏の東端にあたる、終点の岩見沢駅に到着です。

 

4代目駅舎は全国で初めて、公募型コンペによって選定されたデザイン。2009年度グッドデザイン賞大賞を受賞しています。

 

レンガの温かみを感じ、窓枠にはレールを使用。駅舎ガイドツアーが行われる程見どころが多い駅です。



ここから先は普通列車が非常に少ないため、特急カムイ7号に乗車します。

札幌〜旭川では特急ライラックと特急カムイが、交互に30分に1本やってきます。日本で3番目の評定速度を誇っており、両都市間を1時間半足らずで結びます。

 

9:25 岩見沢駅 発(10分遅れ)

国鉄により鉄道の街にも指定された岩見沢市。

室蘭本線を通った石炭を小樽の港まで運んだのですが、岩見沢駅は鉄道運行の要衝としても発展したのでした。

 

次に停車する美唄市は、かつて石炭採掘で栄えた街です。

最盛期の1950年代には9万人以上の人口を有しましたが、2022年12月現在は1万9500人にまで減少しています。夕張を始めとする炭都と呼ばれた街は、完全に運命を石炭によって左右されました。

 

美唄駅と言えば、駅前のスーパーに立っている謎の看板ですよね…(笑)

 

砂川駅、滝川駅と連続して停車。滝川市はロードサイド店舗の進出で駅周辺の衰退が著しく、駅前のスマイルビルも閉店しています。



10:05 深川駅 着(10分遅れ)

雪原を走って巻き上げられた雪は列車にどんどん張り付くのですが、銀色の車体だとコーティングされているようで完全にマッチします。

 

現在でもJR北海道の幹線として活躍する函館本線。

この旅では衰退の一途を辿る北の鉄路を見ることになりますが、始まりとして勇ましい姿を見られてよかったです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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