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【まるで特急のローカル快速】1時間15分停車しない 快速リアスで山田線を走破[2021東北ローカル(4)]

2021年10月26日

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ここは岩手県の県庁所在地、盛岡駅です。

この駅からは日本でも屈指のローカル線が伸びています。それはJR山田線です。

 

山田線は盛岡から宮古まで突き当り、その後は釜石まで至る路線でした。

しかし宮古〜釜石は東日本大震災による津波被害から復旧するとともに三陸鉄道へ移管、これによって宮古までの路線になりました。

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今回乗車するのは山田線を走る快速リアスです。

 

使用される車両はキハ110系、快速という表示が出ています。

ただの普通列車にも見えますが、宮古までの速達性を重要視した列車でした。

13:51、盛岡駅を出発しました。

IGRいわて銀河鉄道を横目に、その線路を渡りながら東へ。

 

東北新幹線や東北本線から離れていきます。

 

左手には県を代表する山である、岩手山を見られました。

 

列車はスーパーマーケットや住宅が立ち並ぶ盛岡の市街地を走っていきます。

 

最初の停車駅、上盛岡駅にはマンションが隣接していました。

 

このあたりは乗降客が多く、ある程度の需要は見られます。

 

次の山岸までは全ての区画の座席が埋まっているくらいでしたが、ここまでで半分くらい下車してしまいました。

 

だんだん山の中に入っていき、イメージしていた山田線の姿になります。

上米内駅までは3駅連続での停車でした。

 

しかし次の停車駅である陸中川井駅までは1時間15分停まりません。

これは、東海道新幹線のぞみで名古屋〜新横浜を行く時間に匹敵します。

 

また、隣の区界駅まではJR東日本最長の駅間距離、25.7kmです。

この駅間距離が生まれたのは、途中の2駅が廃止されたためです。

そのひとつが大志田駅、ある程度駅施設が残っています。

1.5往復だけが停車していた秘境駅、かつてはスイッチバックもしていました。

 

ここの北上高地にある区界峠を越えるため、峠のところで一度停車しながら行く必要があったのです。

 

次の浅岸駅も廃止された駅、スイッチバックの構造がありました。

 

この辺りはトンネルでなくても電波が通じず、本当に山の中であることが分かります。



トンネルを抜けまして、区界駅を通過。

以前は快速リアスが停車していたのですが、2019年3月のダイヤ改正で通過になりました。1日の平均利用客数は1人なので妥当な判断に思います。

ご覧の通り、かつては行き違いが出来た構造です。

 

区界駅前には道の駅があるほどですが、それでも利用者はいないのですね。

 

この駅から宮古市に入りました。

しかし盛岡の方へ出っ張るような形をしているため、80分以上も市内を走ることになります。



右手には2021年3月に全通した国道106号線、宮古盛岡横断道路が見えてきました。

高速道路並みに新しく高規格の道路であり、最高速度80km/hの道となっています。

 

この道路を使えば快速リアスで130分のところ、宮古から盛岡までは80分でいくことができます。

 

その上高速バスでも所要時間は95分。

しかも盛岡〜宮古において直通する鉄道は1日4往復、高速バスは12往復であり、山田線はかなり厳しい状況であることが分かります。

 

列車は平津戸駅を通過、実はこの駅には今日未だに宮古方面の列車が停車していません。

宮古方面への始発列車は何と19:09、これは日本一遅い始発です。



山田線の近くを流れているのは閉伊へい川です。

 

ウネウネした線路とウネウネした川が近くを通るので、交差する点は沢山あります。

 

そんな川と線路をまっすぐ貫いていくのが宮古盛岡横断道路です。



1時間15分経ってようやく陸中川井に停車、63.6kmの間運転停車もありませんでした。

駅周辺には住宅や学校があって、やはりそれまで見ていたより大きな街が広がっています。

それでも乗降客はいらっしゃいません。

 

一方で道路にはちらほら車が見られ、宮古へ向かってトンネルで山をを貫きます。

 

鉄道もトンネルは通るものの、戦前の技術では敵いません。ローカル線らしくクネクネと走っていきます。



次は茂市駅に到着。

新しい駅舎でスロープもつけられています。

 

ここからは岩泉線が分岐していましたが、2010年の土砂災害によって運休に。

その後、東日本大震災からの復興とともに復旧するとも考えられていましたが、2014年に正式廃止となりました。



鉄路はだんだん山を外れてきました。

利用客が僅少な山田線の途中駅ですが、待合室は新しくなってきています。利用者が1人の区界駅も、2020年に改築されました。

一方で花原市けばらいち駅には古めのコンクリート待合室が残されています。

 

列車は車に追い抜かれながら併走していきます。

完全に負けている訳ではないのですが、ジリジリと差を開けられていく感じです。

 

2020年3月から停車駅になった千徳駅。宮古の市街地に入っていることもあり、利便性向上の面でも効果的に思います。

 

宮古市中心部に入りまして、ロードサイド店舗が並ぶ様になりました。

 

三陸鉄道のラッピング車両が見えてきて、15:58宮古駅に到着です。

 

冒頭でもお話したとおり、ここから先の山田線は三陸鉄道リアス線として復旧しました。

 

 

盛岡〜宮古の輸送に特化した快速列車、特急のように走り続けるのは非常に面白かったです。

一方で宮古盛岡横断道路の整備によって、山田線がかなり厳しい状況に立たされていることを痛感させられました。

 

夕方の時間帯になると、高校生も多く利用していたので生活利用者も居るように見受けられます。

しかし、高規格道路の整備によって何か変化が出てくるのではないかと思わされました。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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