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訪問日:2022年8月19日
2022年夏の大雨で、ローカル線の代名詞とも言える五能線も被害を受けました。
観光列車のリゾートしらかみは運休中。
東能代〜岩館駅で運行を再開しましたが、列車の本数は非常に少なく抑えられています。
現在の時刻は10:45です。
次の便は列車ではなく、深浦行きの代行バスで運行されます。
駅前にマイクロバスが到着。これでまずは深浦駅まで向かいます。
11:40東能代駅 発
乗車しているのは他に4人、そのうち観光客は1人です。
青春18きっぷ期間中なら多くの方が来るはずですが、代行バスでは人も少ないですね。
東能代駅から分岐する奥羽本線、五能線の順に踏切を渡ります。
能代市の中心部は能代駅。駅前にはレトロな百貨店があります。
能代では生活利用者が3人下車、そして7人乗車されました。中には観光客らしい方もいらっしゃいます。
秋田県を横断して来た米代川は能代に河口を持ち、五能線も鉄橋で渡ります。
以前五能線に乗ったとき、向能代駅までは朝の通学需要が大きかったです。ここから先は乗客がガクンと減っていたのを覚えています。
田んぼの中を走っておりますと、北側に青森県との県境、白神山地が見えました。
ここからは国道101号を走っていきます。
八峰町に入って最初の駅、鳥形駅で生活利用者が1人下車。能代へ買い物に出ていたようでした。
代行バスでも海の景色を楽しませてくれます。
五能線と国道は並走しているため、同じような景色を楽しむことはできるのです。
八森駅にて生活利用者が1人乗られました。
車内では運転士さんとお客さんがお話されていますが、言葉が全く分かりません。
久しぶりに濁っていない川を見ました。河口が近いため穏やかで、海水と混じるため綺麗なのでしょう
滝ノ間駅で1人生活利用者が下車。住宅がひしめき合う細い道をバスが走ります。
あきた白神駅で地元客1人、観光客の2人が下車されます。
ここでお手洗いの休憩。産直市場がありまして、ちょっとした食べ物くらいなら買えます。
山からは五能線の鉄橋とともに、海の絶景を見下ろせました。
岩館駅にて生活利用者が1人下車。
現在列車が走れるのはここまでで、これより走れなくなっている不通区間が始まります。
ここで、秋田県から青森県に入りました。
この辺りは、しらかみビューポイントにもなっている地点。
五能線の方が高いところから見下ろせるので、あちらの方がもちろん綺麗です。
鉄橋では何やら点検を行っている様子でした。
大間越より先でも、鉄橋周辺に作業員さんがいらっしゃいます。
これまで災害を受けた様子を直感的に感じませんでしたが、遂に国道でも土砂崩れが。
国道が通行止めになっており、白神岳登山口駅へ迂回する必要があります。線路上にはJRの作業用トラックが停まっていました。
土砂崩れのエリアを過ぎまして、十二湖駅です。
近くに青い池がありまして、そのアクセスとしてリゾートしらかみも停車します。
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橋脚には流木などが絡みついており、鉄橋についている管らしきものが外れていました。ただ、線路そのものに大きな被害は無さそうです。
ここで生活利用者が1人下車。車内は能代から乗ってきている観光客の方と二人きりになり、深浦駅まで乗降客はいませんでした。
また国道が崩れていまして、片側通行に。
より山に近い道路の方が、被害を受けている模様です。
突如新しい建物が現れました、こちらはウェスパ椿山です。
山に向かってスロープカーまで敷設されています。
ウェスパ椿山は新型コロナの影響を受けて、2020年10月に閉鎖。2021年7月から物産館コロボックルだけが独立してオープンしています。
やはりところどころ土砂崩れが起きていまして、なんだかずり落ちてきそうで怖いですね…。
艫作駅周辺には五能線沿線で人気の観光地、不老ふ死温泉があります。
こちらは道路自体が崩れている訳ではありませんが、道路に面したところで起きたようで、重機によって復旧作業を行っていました。
山の中から深浦の港町まで降りてきました。
14:28 深浦駅 着
見えていない部分もあるでしょうが、線路に大きな被害は見られませんでした。本格的な点検も進められていることから、深浦までは復旧すると予想します。
ここからは路線バスによる振替運行がされます。みどりの窓口にて、振替乗車票を受け取りました。
バスまで時間があるので、駅近くのレストラン「セイリング」さんにてお昼ごはん。
人気なのが、ふかうら雪人参ビーフシチュー(ハーフサイズ500円)です。
12月から3月雪の中で収穫され、人参は寒さから身を守るため糖度を増していきます。ビーフシチューと共にピッタリの甘さでした。
15:45 深浦駅 発
弘南バスによる振替輸送で、鰺ヶ沢駅を目指します。
このあたりの路盤は特に崩れておらず、海沿いをいつも通り走っています。
木造高校深浦校舎を経由しまして、生徒さんが5人ほど乗られました。
海は陸地側だけ明らかに濁っており、土砂が流れ込んだことが分かります。
追良瀬川には流木などいくつか見られたため、ここから土砂が吐き出されたのでしょう。鉄橋は特に影響ありません。
夕焼けが綺麗な秘境駅としても知られる驫木駅横を通過。
線路側の道路が崩れているところもありましたが、軌道内には干渉していないみたいです。
しかし、大戸瀬駅手前では道床流出が見られました。
左端の線路が浮いており、周囲には流木などが散らばっています。
その先も少々崩れているのが分かりました。
リゾートしらかみが観光停車する、千畳敷海岸横を走ります。
千畳敷〜北金ヶ沢駅前では土砂崩れの被害を受けており、ショベルカーの向こう側にある線路にも被っている様子。
冠水していたであろう高さまで、現在も水位が高いままです。
線路上には土砂が被っている状態です。ただ、そこまでひどい状況では無く、復旧しようと思えばできるレベルに思います。
途中の橋梁は板張りになっていて、何か作業を行っているように見えました。
16:50 鰺ヶ沢駅 着
鰺ヶ沢駅近くの中村川では、橋梁損壊が発生しています。
その様子がこちらです。中央部分がねじれるようにして傾いています。
橋梁が落ちている訳ではありませんが、歪みは結構なもの。
踏切から見ると、線路が蛇行している状態がよく分かります。
奥の橋脚が低くなっている状態で、それに従って上の橋も落ち込んでいます。
橋の欄干を支える部分がこちらに向いており、傾き具合が分かります。
確かに大きな傾きでありましたが、崩落や倒壊ではないため、そこまでの被害に感じませんでした。
今回のような激甚災害の場合、JR・自治体・国が3分の1ずつの負担で復旧することができます。自治体もJRも五能線に大きな価値を見出しているはずで、それぞれの費用負担は拒まないのではと思いました。個人的な考えになりますが、廃線とまではならないと予想します。
鰺ヶ沢駅前にはショッピングセンターパルと、西海チキンボーがあります。
鰺ヶ沢町の名物として位置づけられている、チキンボーを買いました。注文してから揚げるので、衣は海老せんのようにパリッパリ、中もジュワ〜っとして、めちゃ美味しかったです。
18:00 鰺ヶ沢駅 発
まさに雪国で走っていそうなマイクロバス、いかにも後付したような方向表示です。
こちらは日本海拠点館の正面あたり、山が崩れて軌道内へ流入しているように見えます。
鰺ヶ沢〜五所川原駅については、8月18日現在、運行再開に1週間程度かかる見込みと報道されていました。
そのため、土砂流入の被害も小さいものなのでしょう。
暗くなっていく空の手前に、津軽富士と呼ばれる岩木山が映えますね。
津軽自動車道のつがる柏IC近くには、イオンモールつがる柏があります。2階建てで広い土地を使う贅沢さです。
つがる市立図書館が隣接していて、官民一体の商業施設。中学生の生徒さんがここから乗車してきました。
五所川原の駅前アーケードを抜けまして、五所川原駅に到着です。
18:52 五所川原駅 着
バスに乗っている時間は合計4時間45分、やっぱりこれだけ乗っていれば疲れます。
車内を自由に動けて、リゾートしらかみのように移動そのものを楽しめる。海岸沿いを走っていく風景は言うまでも最高。
五能線沿線の魅力は、鉄道でなければ受け取れない、そのことを強く感じさせられました。
五所川原〜弘前駅については、本数を削減して運行中。次は21:21発と思っていたのですが、一本前に乗れそうです。
19:23 五所川原駅 発
五能線でGV-E400形に乗車するのは初めて。2021年春のダイヤ改正で投入され、キハ40・48形は撤退しました。
長時間乗ってきた路線バスから、列車に乗り換えると、その快適性と言ったら凄いです。
揺れもないし、広々してるし、鉄道の方が明らかにのびのびできます。
川部駅に到着しまして、五能線の旅はここで終わり。
ここで進行方向を変えまして、奥羽本線に入ります。
20:15 弘前駅 着
青森県第三の都市、終点の弘前駅で下車しました。五所川原からは途中の駅で降りていく人が多かった印象です。
弘前駅から歩いて、遅くまでやっているモスバーガーへ。
22:32 弘前駅 発
弘前駅から出る最後の列車、大館行きに乗車します。
23:12 大館駅 着
現在、新駅舎建設中の大館駅。ホーム上屋も撤去されて、簡易的な通路に繋がっています。
駅舎はすでに解体されており、仮駅舎の状態です。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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