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【最後の最後で企画倒れ!】東京から各駅停車、青春18きっぷ1日でどこまで行ける?[2021山陰・紀伊(1)]
今日は早朝の東京駅から、青春18きっぷで西へ向かいます。 東京駅の始発列車からずっと乗り継いで行くと、1回分で小倉まで行けるというのは有名な話。 それでは駅を通過せず、各駅 ...
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今回舞台となる中国地方で最大の都市、広島駅前に来ています。
現在新駅舎の建設工事が行われている最中で、かつてあった駅舎は完全に姿を消してしまいました。
今日はここ広島駅から日本海側の鳥取駅まで、鉄道で行ってみたいと思います。
中国地方には陰陽連絡の役割を失った、多くのローカル線があります。今回はそれらローカル線を乗り継ぐことになります。
まずは芸備線の9番線ホームにやって来ました。
最初に乗車するのは三次行きの普通列車。
広島から三次へは快速みよしライナーなども運行されていますが、この区間は高速バスも便利です。
使用車両は3両編成のキハ40・47になります。
11:05 広島駅発
広島駅を出てしばらくは都市圏であるため、ある程度の利用者はいます。
右手には広島貨物ターミナルが広がっていました。山陽本線からの貨物列車がやって来て、荷物を積み降ろします。
新幹線の大きな高架橋をくぐって、芸備線は内陸の方へと向かっていきました。
芸備線は玖村駅まで、太田川を挟んで可部線と並行しています。
その他アストラムラインも走っており、この辺りにはそれだけの需要があるということです。
下深川駅に到着。
ここから先は中深川駅、上深川駅と続きます。
近年土砂災害が多く発生している広島。
駅のホームには最近になって固められたような、コンクリートの壁ができていました。
広島〜狩留家は芸備線の中で通勤圏内としても、需要の大きな区間です。
この先はだんだん本数なども減ってしまうところです。
駅名標もラインカラーではなくJR西日本の青いものになりました。
芸備線は蛇行する川を横に見ながら走っていきます。
安芸高田市に入りまして、甲立駅に到着しました。
この駅は旧甲田町の中心部に位置します。
一方で安芸高田市中心部の、吉田地区には駅がありません。
ここへは可部線の可部駅からバスで行くことができます。
どうやら川岸が崩れてしまったようで、土がむき出しになっていました。ブルーシートが置かれていて、かなり生々しいです。
12:45 三次駅着
この駅は2018年に廃止された三江線の乗換駅として知られています。
ホーム上にはその108キロポストが残されていました。
2015年に新駅舎が開業した三次駅。
しかし今ではみどりの窓口が無くなり、セブンイレブンも閉店してしまいました。
引き続き芸備線、備後落合行きに乗車します。
13:01 三次駅発
構内に多くの列車が集まる中、キハ120系は出発しました。
大きな店舗が立ち並ぶ、市街地の横を走って行きます。
三次駅の次は八次駅。三次から想像するに『やよし』に思えますが、読み方は普通通り『やつぎ』です。
列車は25km/h制限の中、ゆっくりと走っていきます。
塩町駅は小さな駅ですが、福塩線の分岐駅です。
南の福山駅へ線路が分かれていきました。
芸備線の末端区間で最も大きな途中駅が、備後庄原駅です。
庄原市の中心部に位置しており、それなりの利用者が居るところ。しかし広島や三次へ行くのにどちらもバスの方が本数が多く、便利になっています。
こちらは庄原市立西城小学校。
白壁に瓦屋根を思わせるデザインで、明治初期の小学校を連想させられます。
14:21 備後落合駅着
駅に降り立つと新見方面の列車の他、島根県へ向かう木次線の列車も到着し、3方向の列車が集結しました。
広島と島根を結ぶ急行ちどりも走っており、かつては陰陽連絡においても非常に重要な立ち位置にありました。今では廃止危惧の路線が集まる駅です。
14:38備後落合駅発
駅を出発した直後、木次線と乗り間違えた方がいらっしゃって、その方を降ろしてから再出発するというハプニングもありました。
現在乗車しているのは新見行き。引き続き山の中を分け入りながら、芸備線を走っていきます。
備後落合駅〜東城駅は、輸送密度がJRで最も低い13(2019年度)。確かに昼間ということもあって乗車しているのは鉄道ファンばかりでした。
広島県から岡山県に入りました。
備中神代に到着した時点で、芸備線を乗り通したことになりました。この列車は2区間だけ伯備線を走り、新見駅まで直通します。
次の布原駅は伯備線の駅でありながら伯備線の列車は停車せず、今乗車しているような芸備線と直通する列車しか停まらないという珍しい駅です。
16:01 新見駅に到着しました。
特急やくもや寝台特急サンライズが停車する大きな駅です。
新見駅からは姫新線に乗車します。
16:54 新見駅発
線路が6本あって、真ん中の2本は列車を置いておくところ。しかし三次駅ほど列車が集まっているという印象は持ちませんでした。
姫新線は大阪から下関を結ぶ、中国自動車道と並行します。
これほどの高規格の高速道路があっては、長距離輸送で高速バスに太刀打ちできません。
かつては急行列車が走っていましたが今では廃止、途中駅には交換設備の跡が残っています。
姫新線は地域輸送に徹しており、のどかな景色の中を走っていきます。
真庭市の中心駅でもある中国勝山駅からは、大勢の高校生が乗車されました。
このようなローカル線において高校生の通学は非常に重要であり、彼らが路線を存続させていると言っても過言ではありません。
18:31津山駅着
この駅は因美線・姫新線・津山線の4方向に列車が発着する、非常に重要な駅です。
駅の近くには扇形車庫や転車台がシンボルの、津山まなびの鉄道館もあります。かつて急行列車が来ていた津山駅、その歴史を物語ってくれるようです。
津山市は岡山県で3番めの街なので、駅自体にも大きな需要があります。駅も城下町をイメージしたデザインです。
さて、津山から乗車するのは鳥取へ向かう最後の路線、因美線です。
19:42 津山駅発
もう夜になってしまって、車窓は真っ暗。
途中駅に停車して見える、昔ながらの木造駅舎だけが楽しみです。
県境を越えて鳥取県に入ると、お客さんは全くいなくなってしまいました。
因美線の特急が走らない東津山〜智頭は、かなり厳しい状況です。
20:49智頭駅着
ここは特急スーパーはくとやスーパーいなばが走る第三セクター、智頭急行線との乗換駅です。
駅舎を写してみましたが真っ暗。駅舎内の明かりだけが目立っています。
最後の列車は因美線鳥取行き。JR線内完結の列車ですがお互い他社線直通に対するお金のやり取りを相殺するため、智頭急行の普通列車車両での運行です。
21:13智頭駅発
スーパーいなば11号を先に行かせたのち、智頭駅を出ます。
車体には鳥取県の梨の花が描かれています。これは山陰地方の鉄道高速化のため、県が出資したためです。
鳥取駅近くでは高架線を走りまして、高いマンションも近くに現れました。ここまでの大都会は久しぶりです。
21:56 鳥取駅着
広島駅からの所要時間は10時間51分。普通列車ばかりだったこともあって、かなり時間がかかってしまいました。
今日乗ってきた路線の殆どは陰陽連絡の役割を失い、ローカル線となっている区間です。
いつ廃止になってもおかしくない状況となっている中国山地の路線、その現状をよく知ることができる旅でした。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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