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【日本一短い特急】停車駅多すぎ!? 特急きりしま81号国分〜鹿児島中央[2312白いにちりん(5)]

2023年12月22日

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まだ暗く冷え込んだ早朝の鹿児島県、霧島市の国分駅に来ています。

今回ご紹介するのは、日本一運行区間が短い特急列

国分〜鹿児島中央で1往復運行されている、特急きりしま81号です。

 

特急きりしま号は、鹿児島中央〜宮崎を結ぶ特急列車です。

国分発着便は運行距離が国内最短の33.7kmであるほか、特急なのに2駅しか通過しないというのも驚き。

一体どんな列車で、どれだけの需要があるのか、実際に乗車してみます。



国分駅のみどりの窓口は、7:00〜19:00の営業。

指定席券売機も設置されていないので、窓口営業時間外ではネットきっぷの受取ができません。

 

近距離券売機で自由席特急券を購入。鹿児島中央駅までは500円です。

 

JR九州の自由席特急料金では750円のところ、国分〜鹿児島中央間は特別に安く乗車できます。

2022年4月に値上げされる前は310円でしたが、十分良心的です。

 

鹿児島中央駅5:51発の、特急きりしま2号宮崎行きが出ていきました。

 

特急きりしま81号は、国分駅6:47の発車です。



駅員さんにきっぷを見せて改札内へ、交通系ICカードを利用することもできます。

駅舎に面した1番線ホームで、特急列車を待機。

 

特急きりしまはワンマン特急で、運転士さんがドア開閉できるようモニターが設置してあります。

 

6:39ごろ都城方より、787系電車4両編成が入線してきました。

 

足元の乗降位置案内では、1号車が指定席になっています。

 

一方で国分駅発着の特急きりしま号は全車自由席なので、列車の幕は自由席になっています。

 

ただしグリーン席だけは指定席になっており、列車名や時刻など入った特急券が欲しければ、グリーン車の乗車が必要です。

グリーン席の区画は通路を抜けた先、扉の向こうにあります。

 

今回は普通席に乗車。クッション性のある、ふかふか座席です。

 

学生さんも10人くらい乗車されており、快適な通勤通学が根付いているんだなと感じました。



6:47 国分駅 発

国分駅を出発しまして、ワンマン特急についての自動放送が流れます。

 

まもなく隼人駅に到着するところで、肥薩線が合流しました。

 

2005年に国分市と周辺6町が合併して誕生した霧島市、鹿児島市に次いで人口12万人の都市になっています。

隼人駅は合併前の隼人町の中心駅で、かつて鹿児島本線だった肥薩線との分岐駅です。

 

曇り空でも東の空が明るくなり、紫色のコントラストが綺麗な朝焼け。

 

錦江湾の向こうには鹿児島のシンボル、桜島が姿を現し始めました。

 

姶良市に入りまして、加治木駅に到着。ここからは5人ほど乗車されています。

 

大分駅より南側は単線の日豊本線、国分行き普通列車と行き違いました。

 

そして特急きりしま81号で貴重な通過駅、錦江駅を通過します。

周辺には鹿児島県住宅供給公社が開発した団地が広がっており、駅設置も同社による請願駅として1986年に開業しました。



姶良市の中心駅、帖佐駅に到着しました。

2010年に姶良町、加治木町、蒲生町が新設合併して誕生した姶良市。旧・姶良町の中心駅が帖佐駅です。

 

一方で特急きりしま号の停車本数は、帖佐駅より先の加治木駅の方が多くなっています。

 

次の姶良駅に到着、旧町名・現市名を冠していながら市の代表駅は先の帖佐駅です。

鹿児島のベッドタウンとして発展後の開業で、1988年にできた新しい駅。特急きりしま号も朝夕2本ずつしか停まりません。

 

次の重富駅は鹿児島線開業の1901年から存在した、非常に歴史ある駅です。

特急きりしま号は姶良駅に停車するのと同じ便、朝夕の2本ずつだけが停まります。

 

ここから特急きりしま81号は、鹿児島市中心部まで無停車。

錦江湾に沿って敷設された線路を走り、桜島を眺め続けられます。



その中で通過するのが、竜ケ水駅です。

この駅は1日の乗車人数が2人(2015年度)と利用者が異様に少なく、一部普通列車が停車せず、交通系ICカードもこの駅だけ使えません。

竜ケ水駅を通過する普通列車も多く存在しているため、普通列車と特急きりしま81号の停車駅の違いは、錦江駅に停車するかどうかしかないとも言えます。

 

しばらくすると右側には、仙巌園が見えてきました。

薩摩藩主島津氏の別邸で、当時大きな力を持っていた薩摩藩を姿を伝えてくれます。



鹿児島市中心部へ入りまして、まもなく鹿児島駅に到着です。

鹿児島貨物ターミナル駅が隣接しており、九州で活躍する機関車たちも停まっていました。

 

日豊本線と鹿児島本線の正式な終点であり、駅構内には鹿児島本線の400キロポストが立っているとのことです。

ここから鹿児島中央駅まで一駅だけ、鹿児島本線へ入ります。

 

2020年に駅舎がリニューアルし、鹿児島市電の停留所も建替。

屋根のある行き止まり式の3線ホームが出来上がり、JRと市電の交通結節点として生まれ変わっています。

 

市電も走るような城下町の内部へ入りまして、いよいよ列車は終点の鹿児島中央駅へ。

 

観覧車「アミュラン」がシンボルとなっているJR九州の駅ビル、アミュプラザ鹿児島が見えてきました。

 

お隣には指宿枕崎線を走る、国鉄気動車が停車中。九州を代表する鉄道運行の拠点、鹿児島中央駅に到着です。



7:28 鹿児島中央駅 着

鹿児島中央駅では30人以上は下車されており、鹿児島市のベッドタウンとして発展してきた霧島市・姶良市から、通勤・通学需要を汲んでいることがよく分かりました。

 

通勤特急とは異なり土日でも運行しており、日曜日の撮影でもかなりの利用者。停車駅が多くても、快適な車内空間を求めた特急利用が、かなり根付いているものと思われます。

 

この列車は折り返し、特急きりしま4号宮崎行きとして出発しました。

車両センターは鹿児島中央駅近くにあるので、国分発着の特急きりしまは、特急車両送り込みのついでではなく、国分〜鹿児島中央の需要を見込んで設定されていることになります。

乗車してみまして、確かにそれだけの利用者がいることがよく分かりました。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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