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【臨時夜行ソニック】大分駅深夜2時着! イベント開催時限定の終電に乗車[夜行ソニック(4)]

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九州の東海岸に沿って南北を貫く日豊本線。

かつてここには博多から宮崎を走る、夜行列車ドリームにちりん号が走っていました。

簡単な運行ダイヤは以下の通り。

博多22:52-大分(1:30/3:25)-6:35宮崎空港

南宮崎23:43-大分(2:46/3:52)-6:20博多

特急にちりんシーガイアと同じ区間を走る、便利な夜行列車でした。

2011年のダイヤ改正で廃止されましたが、運行区間を短縮しつつダイヤを引き継ぐように、特急ソニック61号大分行きとして運行。

2018年春のダイヤ改正で特急ソニック201号中津行きに短縮され、夜行列車の名残は感じづらくなってしまいました。

 

しかし、博多でイベント等が開催される時には、深夜の日豊本線を走る特急列車が臨時で運行されます。

今日は2023年6月18日、福岡PayPayドームで「Snow Man 1st DOME tour 2023 i DO ME」が行われました。

これに伴い設定された臨時列車、博多駅23:25発の特急ソニック81号。大分駅には深夜2時前到着の、特別な特急列車をご紹介します。



改札内の発車標にも、特急ソニック81号大分行きの表示が出ています。

停車駅はかなり多く、福間,赤間,折尾,黒崎,八幡,戸畑,小倉,行橋,宇島,中津,柳ヶ浦,宇佐,杵築,別府,大分です。

 

大分への最終列車は、22:06発の特急ソニック59号。

22:34に運行区間が短縮された特急ソニック201号中津行きが発車し、今回設定される特急ソニック81号大分行きはそのその50分後です。

 

通常は1〜3号車が指定席のところ、この便に関しては1〜5号車が指定席。自由席の少なさが特徴的になっています。

 

7両編成ということで青いソニック、883系特急電車が入線してきました。

 

青いソニックでは4,5号車だけ、885系(白いソニック)みたいな車両が入っています。

こちらは883系1000番台で、5両から7両に増やすため885系をベースにして製造されました。

 

普段は自由席なので、指定の表示が正方形のLED表示で出ているのは珍しいです。

 

こちらは6号車。行き先方向幕が採用されており、青いつばめ熊本行きが走る世界線を疑似体験できます。

 

指定席はガラガラだった一方、2両しかない自由席に集中。とはいえ窓側も全部は埋まらないくらいです。



23:25 博多駅 発

大分に限らず、北九州市より奥へ行く最終列車。ギリギリで駆け込まれる方もいらっしゃいました。

博多〜門司港の最終特急は、特急リレーかもめ64号になっています。

 

こちらは4号車指定席、白いソニック885系っぽさを見つつ、指定席を表示しています。

 

座席も885系と同様、分厚いクッション性のあるシートです。

 

車両間を通り抜ければ、青いソニックらしさを感じられる883系デザイン。

 

座席も異なっており、ミッキーの耳みたいな頭部分が特徴的です。

 

窓側にはコンセントも付いていまして、座席機能としてこちらの方が高いです。



列車は北九州市内の主要駅に停車していきます。

列車は鹿児島本線でも96km/hとなっており、余裕のあるダイヤらしいです。

そのため同様のダイヤで787系でも運行可能で、その場合特急にちりん81号大分行きになります。

 

23:40、最初の停車駅である福間駅に到着。

 

前に列車が詰まっているのか、特急とは思えないほど速度を落としていました。

 

続いて23:48、赤間駅に到着です。

 

時刻は0時を過ぎており、少々遅れていたようで回復すべく130km/h運転を見せてくれます。



0:00 折尾駅 着

日付を越えており、3分遅れで折尾駅に到着。

高架ホームの新しいフルカラーLEDでも、白く0が並んでいます。

 

0:05、主要駅の黒崎駅に到着。

向かいには、最終の海老津行き普通列車がいました。

 

続いて0:08、八幡駅に到着。

普段この駅に青いソニックは停まらないので、883系のロゴと合わせられる貴重な機会です。

 

0:12、戸畑駅に到着しました。

このように北九州市内でもかなり停車し、コンサートからお帰りの需要をきっちり拾っているようでした。

 

0:17 小倉駅 着

発車標には0:19発の文字。これが博多行きではなく、日付を越えてから大分へ行くというのですから驚きです。

この列車が設定された主目的の博多駅からだけでなく、小倉駅からも結構な乗車が見られました。



0:19 小倉駅 発

小倉駅で進行方向を変えまして、西小倉駅より鹿児島本線から日豊本線へ入ります。

 

日中ならば多くの方がここで座席を回転させるのですが、お客さんが少なくほとんど寝ていらっしゃるので、結構な割合がそのままでした。

車掌さんも寝ている方を起こさないよう、また途中駅から乗られる方はほとんどいないため、空席でも回転させたりはしません。

 

瀬戸内海に浮かぶ北九州空港のあたりを通過します。

福岡空港に対して交通アクセスの悪さから少々不便な空港。一方で福岡空港は市街地に位置するため、門限に間に合わなかった飛行機を北九州空港が受け入れる場合もあります。

 

最高速度130km/hで走る特急ソニック、通常と変わらない高速走行で大分駅を目指します。



高架線を登ってきて、北九州市のベッドタウンである行橋駅に到着です。

小倉駅で行橋への終電を逃してしまった方が、運よくこの臨時列車があったおかげで帰れている様子も見られました。

 

宇島港を中心とした工業地域の光が見えてきます。

 

0:49 宇島駅 着

豊前市の中心駅となっている、宇島駅に到着。こちらは1,2人降りられるかどうかで、途中駅での乗降は少なそうです。

 

水面に反射する僅かな光を確認しつつ、山国川を渡って福岡県から大分県へ入りました。



0:54 中津駅 着

大分県第三の都市、中津市の中心駅である中津駅に到着です。

向かいには885珪特急ソニックが停車中、日豊本線の最終特急で、中津行きになっています。

 

ホーム上に設置されているのは「日本一長い鱧の椅子」。どういうこっちゃですが、豊前海で漁れる鱧は中津の名物です。福沢諭吉の故郷だったり、新日本三景の耶馬溪があったりと、かなり特徴がギュッと詰まった街ですね。



時計は深夜1時を越えてきました。

海が遠くなったことで工業地帯や街の明かりが遠くなり、あたりは真っ暗です。

 

隣接する車両基地で銀色の車体が光る、柳ヶ浦駅に到着。

車両基地が近いことから、4:17発の門司港行き普通列車が、日本一早い始発列車だったこともあります。

2018年春のダイヤ改正で始発駅が行橋駅に短縮されたことで、桜木町駅4:18発の京浜東北線に日本一早い始発の座を明け渡しました。

 

柳ヶ浦駅を出発すると嘘みたいにピッタリな名前、駅館(やっかん)川を渡ります。

こちらの由来は宇佐神宮に詣でる役人の駅家が、宇佐川沿いにあったからだそう。駅は駅でも厩の時代ですね。

 

同じく宇佐市内の、宇佐駅にも停車しました。

ローマ字で「USA」になることからアメリカをネタにしており、駅名標の八幡総本宮宇佐神宮も星条旗風です。

 

しばらくすると上下線の線路が分かれ、立石峠を越えていきます。

こちら大分方面はまっすぐトンネルで貫く新線で、かなりの高速走行です。



深夜を走る特急列車、やはり普段と違った雰囲気を味わえます。

こちらはお手洗いのあるデッキ、まるでコンサートホールの出入り口みたいな空間です。

夜が深い分、温かな照明の明るさが際立って見えます。

 

カウンターテーブルが縦長の大きな窓を分け、鉄道旅を一回り大きく楽しませてくれるデザイン性に惚れ惚れします。



1:27 杵築駅 着

杵築城の下で栄えた杵築市、その中心駅も城下町や武家屋敷をイメージしています。

到着メロディに採用されている南こうせつ作曲の「おかえりの唄」は、深夜に佇む木造駅舎にぴったりです。

 

ついに別府湾まで到達、海と陸地が完全に同色で、お店が船上レストランみたいなっちゃってます。

 

別府市は温泉の街であると共に、大分県第二の都市。だんだん明かりのついたマンションもたくさん見え始めました。



1:41 別府駅 着

駅前には両手を挙げた謎の人物、今日の別府観光に大きく貢献した油屋熊八です。

大阪と別府を結ぶフェリーさんふらわあの看板がありますが、大阪商船に船を着岸させる桟橋建設を掛け合ったのもこの方。現在の亀の井バスを設立しており、定期観光バスを走らせました。

 

別府駅では20人くらいは降りられた様子、やはりその都市規模は侮れません。

 

別府湾のより近くを走るようになり、さすがは国道10号。この深夜でも沢山の車が行き交っていました。

 

遠くには大分で盛んな重化学工業の光、九州でも代表的な工業地域のひとつです。

 

高架へ登ってきますと、次々マンションが現れました。

人口47万人を誇る大分市、マンションの足元には一軒家が立ち並び、こちらは眠りに就いているようです。

 

お隣にも同様に青いソニックが停車中、終点の大分駅に到着です。



1:52 大分駅 着

車内表示器はしっかり「終点・大分」を示し、深夜でも最後まで働きます。

 

やはり大分駅での利用者が一番多く、20人は軽く超えるお客さんがホームに降りられていました。

福岡に泊まらなくても帰ることができる、こんなにありがたい存在はありません。

 

真っ黒な発車標の時計は、もうすぐ2時を示そうとしています。

 

4面あるホームもここだけが明るく、いつでも営業終了できる状態です。

 

発車標は完全に真っ黒、終電が終わった案内もなく、本当に駅を閉める直前という印象でした。

 

両側にアミュプラザがある駅舎内、パッパッと順に落とされる照明に追いかけられるように、外へ追いやられました。

 

途中駅含めこの深夜まで駅を開け、夜遅くに運行される臨時特急。イレギュラーな対応をしながら走らせていただいて、感謝しかありません。

コンサート開催時など注目すれば年数回乗るチャンスはあるので、ぜひお試しください。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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