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2024年度末を目処に、中央快速線に普通列車グリーン車が導入されます。
10両編成のうち4,5号車に追加され、12両編成での運行に。5大路線で最後の普通列車グリーン車導入となりました。
「来て観て感じて!グリーン車&鉄道クレーン車 体感ツアー in高尾」で初めての一般公開。
中央線ならではの構成になっている、特別な車内をご紹介します。
やって来たのは中央快速線の端っこに位置する高尾駅。
留置線には今回の目的、中央線グリーン車を連結した12両編成の電車が停車中です。
後ほど車内からもご紹介しますが、両開き扉に細い窓。これまでの普通列車グリーン車とは違った特徴を見られます。
4号車の5号車寄りには、お手洗いや洗面所が備えられています。
この部分においては東京方面右側に窓がありません。
「サロE232-1」と書かれており、E233系中央線グリーン車のトップナンバーです。
今回はJR東日本八王子支社のイベントで、初めての一般公開となりました。行先表示器は団体を示しています。
高尾駅に隣接している、施工ヤードへ向かいます。
門では「中央線グリーン車導入記念イベント」の幟が、この日を待っていたと言わんばかりに旗めいていました。
受付ではパンフレットに、マルス風の体験券をいただきます。
今回のツアー商品のメインはやっぱり、中央線グリーン車に乗って、高尾駅周辺の線路を行き来すること。
そのほかにも鉄道クレーン車の実演や、ATカートの乗車体験も各箇所で行われていました。
こちらは「高尾駅収容線」と名付けられた展示スペース。
高尾駅など発着する列車で使われていたサボが並んでおり、中央本線経由の新宿発長野行き等が見どころでしょうか。
こちらは高尾駅が浅川駅だった頃のもの、横書きを右から読む時代です。
ライナー券売機現金保管かばんも展示されていました。現在は通勤特急はちおうじ・おうめ号になりましたが、その前身である中央ライナー時代のものと思われます。
中央線グリーン車導入にあたっては、車両製造だけでなく駅や線路など地上設備も整える必要があります。こちらのパネルではその受け入れ側を解説されていました。
やはり一番の工事はホーム延伸。10両編成から12両編成に対応できるよう、中央線と青梅線の44駅でホームを延伸する大プロジェクトです。
ここでは東小金井駅の事例が挙げられていました。
中線から下り本線を繋ぐポイントがホーム延伸部分と重なってしまうため、急角度のポイントを奥に設置し直すことで、ホーム延伸のスペースを確保しました。
2023年10月21日の夜に行われた、高尾駅の線路切替工事についても解説されています。この時は特急かいじ号高尾行き、高尾〜八王子間の代行バスをご紹介しました。
ホーム延伸部(青四角)の下側の線路を付け替え、1番線ホームを12両に対応。
さらに分岐器も線路が交差する形にして、留置線も12両に対応できるようになりました。
屋外の収容線でも、貴重な展示や体験をさせていただきました。
こちらはJR東日本で2台だけの鉄道クレーン。高尾駅線路切り替え工事では、これで分岐器を移動させたようです。
こちらは実際に取り替えられた、高尾駅の分岐器です。
実演としてこの通り、軽々と吊し上げる様子も見せていただきました。クルクルっと回転させながら、移動することもできます。
続きましてATカートに乗車して、留置線の線路を走る体験。この通り、グリーン車のすぐお隣を通過することができました。
下段の窓と同じ目線で、ホームに寝そべりでもしないと見られない高さです。
ピカピカ輝く台車や鉄輪なども、じっくり観察できました。
それではいよいよお待ちかね、グリーン車の車内へ入ります。
乗り込むのは、普通車ロングシートの7号車に掛けられた梯子から。
新車なので傷や汚れをつけぬよう、ヘルメットを脱いで、靴にはフットカバーを履きます。
外側は6号車と表記されており、3号車と4号車の間にグリーン車2両差し込んだのに対応していた一方、車内は4号車のままでした。
そして扉の向こうにはビニールを被せられた、グリーン車平屋部分の座席が見えています。
みなさん準備を終えたところで、いよいよグリーン車内へ!
5号車の平屋部分を通り抜け、指定された5号車上段の座席へ向かいます。
通路には赤い絨毯が敷かれており、その上をビニールが覆っていました。
座席は全て、完全にリクライニングを倒した状態になっていました。
座席は腰部分が紫色、それより上が灰色の配色です。横須賀線のE235系新型グリーン車と同じになります。
お隣は高尾駅1番線ホーム、中央特快東京行きが停車中です。中央線が走るところにグリーン車が来た、その証になります。
上段・座席周り
背面テーブルは使用できないことになっており開けませんでしたが、パソコン作業等もできそうな広さです。
既に座席案内のシールが左下に貼ってありました。
一方で、Suicaグリーン券の利用方法についてのシールは、まだ貼ってません。
その下にはネットとペットボトルホルダーが設けられています。
足元には座席回転機構があって、完全に伸ばすのは難しそう。特急をイメージしていると狭く感じるかもしれません。
そして肘掛け部分にはコンセントが設置されており、通路側含め全席で充電可能です。
上に目をやりますと、座席位置のシールが貼られています。
もちろんグリーン券情報を読み込ませたSuicaをタッチする、読み取り部も設置されていました。
小さな丸い穴の開いたLED照明カバーが設けられており、程よい明るさで調節してくれます。
車内にはLCDが設置されており、営業運転時には途中駅の案内などが流れます。
今夏はずっとJR東日本のロゴマークが出ている状態でした。
そのほか、JR東日本のフリーWi-Fiサービス、防犯カメラも設置されています。
座席番号は平屋部分からの連番で、2階建てになっているところは3〜12。
全て2列で1枚の組み合わせになっており、端っこでも1列で1枚の部分はありません。
デッキ
上段と下段に分かれるため、らせん階段が設けられています。
今回は紙で隠されていましたが、中央部にはゴミ箱も設置。
普通列車グリーン車は特急と同様、片開き扉が採用されています。ロングシート車両より定員が少ないので、乗降に時間がかかってもそこまで問題なく、その分座席数を確保してキャパシティを増やしているのです。
しかし、中央線グリーン車では両開き扉が採用されているのが、最大の特徴と言えるでしょう。
中央快速線は東京駅を最短2分で折り返すダイヤが組まれています。その間にお客さんの乗降、車内清掃、座席転換を完了しなければなりません。
そこで採用されたのが両開き扉。幅が広い分、お客さんの乗降にかかる時間を短縮できます。らせん階段と両開き扉が共存している、中々違和感ある光景です。
また短時間で進行方向を変えられるよう、初めて座席の自動回転機構も備えられました。
グリーン車導入にあたっては、中央線ならではの課題をクリアするべく、特別な車両を作らなければならなかったのです。
平屋
各車両の端には階段の上り下りが不要な、平屋の区画が設けられています。
座席は2列で、合計8人座ることができます。
ここで目につくのが、デッキ寄り座席の細長い窓。ブラインドもわざわざ細く作られています。
この窓が細長くなってしまったのは、両開き扉が採用された影響。平屋寄りにも戸袋が必要になり、その分窓の幅が狭くなったのです。
まだ入れられてないですが、平屋の区画には広告スペースもあります。
続きまして4号車と5号車の間、水回りをご紹介します。
お手洗い・洗面所
4号車の5号車寄りには、グリーン車のお手洗いや洗面所が設けられています。
こちらが洗面所、大きな鏡で非常に清潔感ある空間です。
普通車と異なり、石鹸も入っています。
こちらにも小さめですが、ゴミ箱がありました。
中を見学することはできませんでしたが、お手洗いも設置されています。
お子さん用の椅子も設けられているみたい。今回は施錠されており、使用中の白いランプが灯っていました。
1号車寄りには乗務員室があって、グリーンアテンダントの方などがこちらで業務なさるのでしょう。
4号車の5号車寄りはお手洗い等あるので、平屋座席は3号車寄りのみです。
今回充当されたのはE233系のトップナンバーでした。
下段
らせん階段を降りまして、下段へ来ました。
上段は上側が丸くカーブしていましたが、下段はまっすぐです。
通路と座席の間に段差があって、こちらは絨毯が敷かれていません。
下段から両開き扉を見上げる経験とは、新鮮味をかなり感じられました。
LCD
最後になって快速東京行きのLCDが表示されました。
まっすぐ縦に路線図を描いた、非常にシンプルなデザイン。
黒地に白文字で行き先表示が流れ、オレンジ色とあって大阪環状線を連想させるシックな印象です。
ひらがな、英語が流れ、再び路線図に戻ります。
平屋部分でもドア上に表示がされていました。
初めての中央線グリーン車一般公開を終え、名残惜しながらも車外へ。
やはり2階建てグリーン車で両開き扉の、特別感は色褪せません。
扉右側はお手洗い・洗面所の区画で、乗務員室部分の細長い窓だけポツンと独りなのがシュールです。
待望だった中央線グリーンの車内、導入するのに大規模な工事が続き、様々な工夫からもその難しさを読み取れました。
東京から中距離の旅行にも非常に便利で、運行開始がもっと待ち遠しくなります。導入開始は2024年度末以降を予定、走り始めたら是非とも乗ってみたいです。
今回もご覧いただき、ありがとうございました。
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