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【臨時サンライズ限定】寝台個室を朝だけ利用 大阪〜出雲市も一本で行ける![2312-2401年末年始(10)]

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Uターンラッシュを迎えている山陽新幹線の終着駅、九州の博多駅です。 多客時に合わせ、新大阪方面へ臨時列車が多く設定される年始の時期。今回注目するのは「ひかり686号新大阪行き」です。   普 ...

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年明けの連続する不穏な出来事が幕を引いてきた頃、早朝5時半の大阪駅に来ています。

ルクアのペデストリアンデッキは人気が無く、冷たい夜の空気が漂っています。

これから乗車するのは、東京から出雲市へ向かう寝台特急サンライズ出雲です。

 

国内最後の定期寝台特急サンライズ号は、東京方面は大阪駅に停車する一方で、出雲市・高松方面は大阪駅を通過します。

そのため、通常であれば大阪駅からサンライズで出雲市へ行くことはできません。

 

しかし、年末年始,GW,お盆を中心として、定期列車に加えて臨時サンライズ出雲91・92号が運行されることがあります。

東京→出雲市のサンライズ出雲91号であれば、下り列車ながら大阪駅で乗降可能なのです。

 

今回は大阪駅から途中の米子駅まで、サンライズの寝台個室を利用。早朝から快適な個室空間を堪能して行きます。



今回利用する設備は、寝台ソロ個室です。

寝台個室は通常の指定席と異なり、一部区間を抑えただけで、全区間において同じ個室を他の人が確保できなくなります。

日を跨いで利用したい方を優先するため、直前まできっぷを抑えるのは控えておくことに。東京駅発車後でも個室が空いていたため、ネット予約サイトe5489で確保しました。

きっぷは大阪〜出雲市で確保していますが、途中で予定が変わったので、今回は米子までの乗車となります。

 

大阪駅の地上改札である、桜橋口へ来ました。

 

発車標には、「特急サンライズ出雲 出雲市」。

大阪駅から乗る方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、改札上でもしっかり表示してくれています。

 

桜橋口から入ったのは、改札内セブンイレブンで食料調達するため。

こちらの店舗は5:30〜24:30と営業時間が非常に長く、サンライズを利用する際非常に重宝しています。

 

大阪駅から島根県へ鉄道一本で行けるのは、臨時サンライズ91号とWEST EXPRESS銀河だけ。

その中でも寝台個室でのんびり移動できる、とっても貴重な機会です。

 

定期サンライズが大阪駅で運転停車する時は、まだ始発列車が動いていない4時頃。

一方で臨時サンライズは6:04着なので、通勤電車はそれなりに動いています。

 

東京からやってきた7両編成の寝台特急。早朝から多くの方が写真を撮っていらっしゃいました。

 

西日本最大のターミナル駅から、山陰地方へ寝台特急一本。

普段できない特別なサンライズの旅をお楽しみください。



6:06 大阪駅 発

東京→大阪で寝台特急を楽しまれた方も多かった様子。

ホームで降りた沢山の方が、カメラを向けて見送っておられました。

 

梅田のビル群はまだ眠っており、この大都会でも暗闇に包まれています。

 

車内へ目を向けまして、3号車のラウンジも空っぽでした。

 

こちらには自動販売機が設置されているのですが、コーラとリアルゴールドは売り切れでした。みなさん糖分を摂りたくなるようです。

 

当然シャワーカードは売切れ、おそらく東京駅発車時点で売り切れているでしょう。



今回利用するのはラウンジのお隣、3号車のソロ個室です。

サンライズで一般的なのはシングル個室で、上段と下段に分かれる階段が通路に設けられています。

しかし、ソロの場合通路に階段が無く、そのまままっすぐ続きます。

 

上段の場合は個室内に階段があって、下段個室にその出っ張りがある、ちょっと狭めの個室になっているのです。

ソロ個室については、以前の記事で詳しくご紹介しています。

 

今回利用するのは下段個室でした。

モーターの振動が大きかったりするので、初心者の方はシングル個室の上段がおすすめです。

 

一方で居住空間としては、少々狭いと言われながら十分快適。

列車内で寝転がれるゆったりさに勝てるものはありません。

 

全ての個室にコンセントが設置されているので、長時間乗車でも安心です。

 

列車は神戸市へ入り、夜が明けてきた頃になります。



06:27 三ノ宮駅 着

普段走っているサンライズ号は、浜松駅を出ると姫路駅まで乗降できません。

しかし、臨時サンライズ出雲91号なら、大阪駅と三ノ宮駅での利用も可能です。

 

サンライズ号が発着する駅では唯一、ホームドアが設置されている駅。

幅広いドア位置に合わせなければならないため、ロープ昇降式が採用されています。

 

元町駅を通過する辺りで、朝一番のおはよう放送が流れました。

大阪駅の段階では放送が流れないみたいなので、東京→大阪で利用される方は、寝過ごさないよう注意が必要です。

 

ここで車掌さんに申し出て、検札をしていただきました。日を跨いでから乗る客はほぼ考慮されていないと思うので、お手間を省いた方が良いかと思います。

下りサンライズの寝台券に大阪車掌区のスタンプが押される、あまり経験できないものです。

 

須磨駅を通過して海へ近づく頃、コットンキャンディーのような空色に。

 

その色はあっという間に消え、朝日の存在感が増してきました。

これがまた写真では伝わらない輝きで、サンライズで迎える朝で一番美しいものでした。

 

その先には本州と淡路島の間に架けられた吊り橋、明石海峡大橋が見えてきます。

 

舞子駅を通過する時に橋を潜りまして、進行方向を振り返る形に。

朝焼けによる程よい逆光が、ちょうど良いフィルターを掛けてくれました。

 

加古川市街を貫く高架線からは、ぼんやりした朝焼けを見渡せます。

 

青みがかったN700系新幹線が空に溶け込みつつ、九州新幹線へ向かって追い抜いていきました。



07:19 姫路駅 着

姫路では乗務員さんの交代があるため、2分の停車時間がありました。

 

駅そばを食べるのは無理ですが、ホーム上でお弁当をサッと買うくらいする人はいそう。

万が一乗り遅れてしまっても、新幹線で追いつけます。

 

姫新線とJR神戸線の列車が停車していたため、サンライズから姫路城を見ることは叶わず。

 

そして7時半には太陽が顔を出し、ようやく新しい1日が始まったように思わされます。

 

神戸駅から始まる山陽本線は、兵庫県から岡山県にかけて船坂峠を越える区間へ。

山あいは霧でいっぱいになっていました。

 

さらに標高が高くなれば、田畑に霜が降りているエリアも。

 

岡山県に入りまして、途中の和気駅で運転停車しました。

 

おそらくダイヤ上は貨物列車に追い抜かれるのでしょうが、年末年始のためか設定されておらず、特に何も起こらずに出発します。

 

太陽までぼんやりした、すりガラス越しのような景色に。

 

それも山間部を抜けると消え去りまして、晴れの国おかやまの市街地へ突入です。



08:48 岡山駅 着

寝台特急サンライズ出雲・瀬戸号は、出雲市方面と高松方面で切り離しを行います。

 

しかし、この列車はサンライズ出雲だけで運行しています。

普段サンライズが発着しない1番線ホームへ入り、そのまま伯備線を通って出雲市方面へ。

 

お隣には岡山行きの普通列車が到着。こちらは新型車両Uraraで、古い車両が多かった岡山エリアにも新たな風が吹き始めています。



08:51 岡山駅 発

2024年4月5日をもって運用離脱した、スーパーやくも色の特急やくも4号とすれ違いました。

 

山陽本線から伯備線へ直通するため、立体交差による渡り線を走行します。

 

09:07 倉敷駅 発

なまこ壁プラットホームが迎えてくれました、倉敷駅を発車。

 

これより陰陽連絡線となっている、伯備線へ入ります。

 

ここで山陽新幹線の高梁川橋梁と交差、ちょうど新幹線が来ることはありませんでした。

 

列車は高梁川に沿って北上中、連続するカーブ上をサンライズはゆったりと走っていきます。

 

あまりにゆったりしているので、寝台特急なのに特急やくも5号に追い抜かれてしまいます。

さっき岡山駅ですれ違った、スーパーやくも塗装の折り返しです。

 

伯備線は窓が高梁川でいっぱいになる程、川沿いをくねくね走ります。

日本を代表する大幹線から、幹線とはいえ少々ローカルみのある線路へ。違った性格の在来線を直通してくれるのが長距離列車ならではの楽しみです。



09:48 備中高梁駅 着

姫路駅から先の停車駅は、定期サンライズ出雲と同じ。

そのため、確かこの辺りでは自動放送での案内がされていたと記憶しています。

 

その一方、車内の号車表示が間違っており、3号車のところ10号車になっていました。

定期列車のものが、そのまま出てしまっているのでしょう。

 

木野山駅で運転停車し、国鉄復刻塗装の特急やくも8号と行き違いました。

 

大阪駅のセブンイレブンで買ってきた朝食で、優勝させていただきます。

こうして非日常的な事ができる旅と、自由に寝転がっていられる日常。両方味わえる贅沢が堪りません。

 

広石信号場で3分間停車し、普通列車と行き違いました。

 

集落には朱色の石州瓦を載せた住宅が多くなり、山陰地方が近づいて来た実感が湧いてきます。



10:25 新見駅 着

姫路駅から分岐していた姫新線や、日本一の赤字区間がある芸備線。ローカル線のターミナル駅となっています。

 

お隣の布原駅で、特急やくも号と行き違い。

この先にはカーブがあるので、橋梁を渡る特急の姿を見ることができました。

 

芸備線が分岐しているのは、こちらの備中神代駅。全ての列車が新見駅に乗り入れており、先ほどの布原駅には芸備線直通の汽車のみが停車します。

 

朝早くに起きて、景色の変化も小さいので、ちょっと眠たくなったな〜という頃。

それならここにベッドという素晴らしい設備があるので、寝てしまえばいいのです。

 

ブラインドを下ろして漏れてくる光が、ちょうど落ち着かせてくれる明るさになっています。

 

生山駅で特急やくも10号と行き違い。

 

さらに江尾駅で14分停車し、普通列車と特急やくも12号と行き違いました。

 

右手に見えてきたのは、中国地方最高峰の大山です。少し雲がかかっていますが、雪の残る伯耆富士の美しさは掠れません。

こちらでは車掌さんによって、観光案内をしてくださるのがお馴染みです。

 

伯耆大山駅を通過しまして、ここから山陰本線へ。

 

この先出雲市駅まで寝台個室の旅を堪能したいところですが、米子駅で下車することにしました。



12:05 米子駅 着

発車標を見てみると、後ろからは特急やくも7号が迫っています。

特に追い抜かれはしないのですが、臨時サンライズは特急やくも2本分の枠を使うほどののんびりさです。

 

いつ無くなってしまうか分からない寝台特急サンライズ出雲。余すこと無くバリエーション豊かな楽しみ方を、試し続けたいところです。

 

今回もご覧いただき、ありがとうございました。

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